ロッテが逃げ切った。2回に藤岡の1号ソロと福田秀の3号ソロで2点を先制。小島が11三振を奪うなど7回無失点で4勝目。益田が17セーブ目を挙げた。楽天は涌井が今季初黒星で開幕からの連勝が8で止まり、チームは4連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ロッテが楽天涌井秀章投手に1イニング2発を浴びせた。
藤岡裕大内野手が先陣を切った。2回先頭、全体的に高く集まった5球目、内角直球を右越えソロに。「先制できて良かった。涌井さんから打てたことも良かったです」と今季1号をかみしめた。2死後は前夜3安打のヒーロー福田秀平外野手が続いた。内角高めのカーブを同じく右へ高々と打ち上げ「体がうまく反応してくれました」。高めを狙えという作戦通りのアーチで、小島を援護した。
3度目の投げ合いでついに無傷の右腕に投げ勝った。2年目左腕のロッテ小島和哉投手(24)が、楽天打線を7回5安打無失点に封じる好投で4勝目を挙げた。開幕から8連勝中だった相手先発の涌井秀章投手(34)に、今季初めて土をつけた。自己最多の11奪三振。昨季はチームメートだった“先輩”との対戦を制し、2連勝でカード勝ち越しを決定。上位を争う楽天に2.5ゲーム差を付けた。
投げ勝った、と言われると恐縮してしまう。でも事実、小島は投げ勝った。「まだプロで経験も登板数も浅いので…。本当に、これまで初回の失点が多かったので、そこだけしっかり抑えようと。初回から120%の力でいきました」。楽天涌井はこれまでの防御率が示す通り、今回も2失点でまとめた。大きく崩れた訳じゃない。それでも勝てたのは、小島がゼロに抑えたからだ。
“改革”した。2度の投げ合いで敗れていた。「色々先輩に話を聞いて、フォームもルーティンも変えてみました」。グラウンドにいつもより早く出て、冷房との温度差に体を慣らした。本番前にいつもより多めに動いた。焦りからの投げ急ぎを反省し、軸足にしっかり体重を乗せて投げた。
奏功した。6回の中軸3者連続を含む、自己最多11三振を奪った。真っすぐで押し、チェンジアップでかわした。課題に挙げた初回も1死一、三塁で4番浅村を空振り三振。5番島内を左邪飛に打ち取った。
変化には勇気が伴う。「怖かったですけど、それくらいばくちを打たないと、涌井さんには勝てないと思ったので」。ルーキーイヤーの昨年、涌井は同僚だった。ずっとテレビの向こうにいた人の、裏側を見た。「走り込みをこんなにやるから勝てるんだなとか、練習する姿を見て感じた。1年間しか一緒にいられなかったけど、たくさん学ぶことができました」。努力を知っている。すごさも知っている。だから自分も変わろうと思えた。
初回無失点ともう1つ、小島には進化があった。今季最長の7回を投げ切れたことだ。7月、8月と2試合を6回2/3で代えられた。「何も(交代と)言われなくて、よしよし、と。信頼が嬉しかったし、応えられたのも嬉しかった」。昨季3勝を上回る4勝目で自身の負け数に並んだ。「後は自分で貯金をつくれるように頑張りたいです」。素直で柔軟。勝ちを伸ばす力がある。首脳陣もそれを信じている。
ロッテが2回に2点を先制した。藤岡が楽天涌井から右翼席へ今季1号ソロ。福田秀も右翼ポール際へ今季3号ソロを放った。
ロッテ先発小島はスコアボードに「0」を並べ、楽天涌井も中盤以降は立ち直った。6回終了時点で小島は10、涌井は8奪三振。
楽天は3回以降は三塁を踏むことすらできず今季2度目の4連敗。涌井の開幕からの連勝は8で止まった。ロッテ小島は4勝目。
ロッテ益田が17セーブ目、楽天涌井が今季初黒星。
ロッテの2年目左腕、小島和哉投手(24)が7回5安打無失点、自己最多の11三振を奪う好投で、昨季を上回る4勝目。昨季までチームメートだった楽天・涌井に3度目の投げ合いで初めて勝ち、先輩の開幕からの連勝を8で止めた。
「(涌井に)投げ勝ったというよりは、(これまで)初回の失点が多かったので、そこだけゼロで乗り切ろうということだけを考えていた」。
今季2度あった涌井との対戦では、いずれも一回の失点が響いて敗戦投手に。この日も1回、先頭の小深田、鈴木に連打を浴びたが、そこから冷静に3人で打ち取り、0点で切り抜けた。
「博打を打たないと、涌井さんに投げ勝てないと思った。ルーティンを変えた」。先輩の助言を仰ぎ、試合への入り方を見直した。ベンチ裏の冷房で体が冷えないように、早めにグラウンドへ出るなど工夫した。
早大からドラフト3位で入団して1年目の昨季、涌井が懸命に走りこむ姿などを近くで見てきた。「たった1年だけど、たくさん学ぶことができた」という先輩に投げ勝った。
「今日は本当、小島さまさまでしたね」と井口監督。楽天に連勝し、この3連戦の勝ち越しを決定。首位・ソフトバンクも勝ったが、24歳の左腕の力で1ゲーム差を保った。
前日25日の試合で3安打2打点と活躍し勝利に貢献したロッテ・福田秀が、2回に13日以来の3号ソロを放った。打った瞬間に本塁打と分かる当たりに「打ったのはカーブです。体がうまく反応してくれました。追加点を取ることができてよかったです」と振り返った。
2試合ぶりに1番打者で先発。1−0とした2回2死で、涌井の内角高めのカーブを捉えると、夜空に高く舞い上がった打球は右翼席に吸い込まれた。第1打席では初球を捉え右中間を破る二塁打で出塁した。
オフにソフトバンクからフリーエージェント(FA)となり、4年総額6億円の大型契約でロッテに新加入したが、開幕直前に死球で右肩甲骨を亀裂骨折し離脱。7月23日に復帰後は打率1割台に低迷するなど苦しんだが、前日25日は移籍後初となる3安打をマークし「なかなか監督、コーチの期待に応えることができずに、もどかしい気持ちがあった」と安堵の表情を浮かべていた。
井口監督も「ようやく彼らしいバッティングになってきた」と手応えを感じ始めている。リーグ制覇への鍵を握る男が、長い眠りから目覚めようとしている。
3度目の対決で初めて涌井に投げ勝った。自身初となる2桁11奪三振で今季4勝目を手にしたロッテ・小島は「バクチを打った」と表現した。開幕8連勝と勢いに乗る先輩に勝つために、2つの改革を「ぶっつけ本番」で試した。
まずは(1)ルーティンを変えた。「いつもより早くグラウンドに出て、クーラーに当たる所にいないようにした」。仙台の夜も、まだ暑い。マウンドと屋内のギャップを埋めようと考えた。(2)投球フォームも見直した。「投げ急いでいるところがあったので軸足に体重をしっかりと乗せて、下半身で投げることを意識した」。投げ方そのものを変えた訳ではない。小手先ではなく体全体で投げ込み、直球の球威が増した。
過去9試合で計26失点だが、実は半分の13失点を初回に喫していた。初回、先頭から連打を浴びたが茂木、浅村、島内を抑えた。直球が走るからカットボール、チェンジアップも有効だ。技巧派左腕は6回にこの中軸から3者連続三振も奪った。今季最長となる7回を投げ、5安打無失点。「色々変えるのは少し怖かったが初回から120%でいけた」と振り返るが、全ては課題の初回を乗り切るためだった。
チームは連勝で今季最多タイの貯金8に戻した。その立役者が2年目左腕だ。「1年だけだったけれど、涌井さんの練習姿を見て、あれだけ走るから勝てるんだと思った」。高い壁となる存在がいるからこそ、若い力は大きく成長していく。
ロッテは連勝で今季最多タイの貯金8に戻した。楽天・涌井から奪った2回の2点はソロ2発だった。
まずは先頭・藤岡が右翼席最前列へ先制1号。「先制できて良かった。涌井さんから打てたことは大きい」。2死から福田秀が「体がうまく反応した」とカーブを完璧に捉え、右越え3号。井口監督は「本塁打2本だけだったけれど(ミーティングで)“高めを狙っていけ”と言っていた」と価値ある2発を称えた。
ロッテは先発の小島が7回無失点の好投で今季4勝目をマークし、チームは2連勝を飾った。小島は「初回はすんなりとはいかないと思っていたんですけど、全力で初回から飛ばしていけたのが良かったと思います。今まで6回途中で降板していて悔しい思いがあったのでそこの壁を1つ越えられたのが良かったです」と自身の投球を振り返った。
開幕8連勝中だった涌井と3度目の対戦で初めて勝てたことについて聞かれると「投げ勝ったというよりは自分は初回にかなり失点することが多いので、しっかりそこだけはゼロで抑えようと思って力を出し切りました」と答えた。
最後に「この先も長いのでしっかり勝ってチームに貢献できるように頑張ります。明日も勝てるように頑張るので応援よろしくお願いします」とファンへメッセージを送った。
ロッテ・藤岡が開幕8連勝と好調の涌井から先制ソロをマークした。
2回、先頭で3ボール1ストライクから141キロの直球を右翼席に運んだ。2019年9月16日の西武戦以来となる今季1号に「まず先制できたことは良かった。涌井さんから打てたことも良かったです」と昨季までの同僚からマークした一撃を振り返っていた。
また、2死後には福田秀も右翼席へ3号ソロを放った。「打ったのはカーブ。体がうまく反応してくれた」と、難敵から1イニング2発で2点先制したことを喜んだ。
難攻不落の牙城を2年目左腕の好投で崩した。小島が今季最長7回を投げて5安打無失点、プロ初の2ケタとなる11Kと圧巻の投球を披露し、涌井の開幕からの連勝を8で止めた。今季3度目の投げ合いを制して昨年の3勝を上回る4勝目。「(今季2度)6回2/3で代わっていたので、自分を信頼してもらったのも嬉しかったですし、その期待に応えられても嬉しかった。壁を1つ越えられたので良かった」と表情を崩した。
“鬼門突破”が好投を生み出した。過去2度の対戦ではいずれも初回に複数失点。さらに今季9登板中5試合で初回に失点を許していただけに「ゼロでいこうと思って出し切りました」。先頭打者から連続安打で無死一、二塁のピンチで中軸を抑えて波に乗ると、2回も無死二塁から無失点。キレのある直球を軸にチェンジアップとスライダーも効果を発揮し、3〜7回はわずか1安打。井口監督も「今日は本当に小島様様ですね」と賛辞を贈った。
この日は先輩達から助言をもらい「クーラーにあたるところにいないで室内と外のギャップを出さないように」と登板前の練習時間を早めて体を暑さに慣れさせるルーチンに変更。さらに投球フォームも微修正し、軸足に体重を乗せて下半身主導を意識した。「変えるのは怖かったですけど、それくらい博打を打たないと涌井さんには投げ勝てないと思ったので」。大胆な勝負手が功を奏し、疲れのたまる6回には3者連続三振。7回まで最高の投球を見せた。
1年目の昨季は同じチームで涌井の背中を見て「こんなに走り込み、これだけやるから勝てるんだなと感じた。1年間でしたが、たくさん学ぶことができた」と成長の糧にした。試合後、「まだプロでの経験も浅いので投げ勝ったとかは自分の中ではないです」と謙遜したが、この日の投球が小島のさらなる進化をもたらすはずだ。
ロッテの小島和哉投手(24)が7回5安打無失点で11奪三振の好投を披露した。
8連勝中の楽天・涌井と今季3度目の投げ合い。初回、2回はピンチを背負うも無失点で切り抜け、3〜6回は涌井と同じように無安打投球。7回1死から田中に安打を許したが、後続を抑えて白熱の投手戦を演じた。
過去2度の投げ合いではいずれも敗戦投手となっていたが、3度目で初めて勝利投手の権利を持って降板となった。
ロッテの福田秀平外野手(31)が今季3号ソロを放った。
両チーム無得点の2回に先頭打者の藤岡のソロ本塁打で先取点を奪うと、2死から福田秀が変化球を仕留め、右翼席まで打球を飛ばした。「打ったのはカーブです。身体がうまく反応してくれました。追加点を取ることができて良かったです。今日もチームが勝てるように貢献したいです」とコメント。開幕から8連勝中の涌井との3度目の対戦となったが、一発攻勢で初めて先取点を奪うことに成功した。
福田秀は初回先頭では二塁打を放ち、これで3戦連続複数安打と好調を維持している。
ロッテの藤岡裕大内野手(27)が今季1号を放った。
両チーム無得点の2回先頭。開幕から8連勝中の楽天先発・涌井の内角141キロ直球を振り抜き、右翼席まで打球を運んだ。「まず先制できたことはよかったです。涌井さんから打てたこともよかったです」とコメントした。
今季2戦2敗の涌井から3戦目で初めて先取点を奪うことに成功した。
勝利の瞬間、頬を緩めて余韻に浸った。2年目左腕のロッテ・小島が7回を5安打無失点で4勝目。開幕8連勝中だった涌井と今季3度目の投げ合いで初勝利し、「最初から120%の力でいけたのが良かった」と声を弾ませた。
立ち上がりは走者を出しても粘った。そして尻上がりに調子を上げた。直球が走り制球も抜群。今季最長の7回を投げ、自身初の2桁11三振を奪う力投で涌井の開幕からの連勝を止めた。井口監督は「小島さまさま」と目を細めて絶賛した。
過去2度の涌井との投げ合いではいずれも敗れていた。難敵に勝つため、試合前練習では早めにグラウンドで体を動かし、暑さに体を慣れさせた。調整法だけでなく、投球フォームも軸足を意識し、下半身主導に修正。結果へとつなげた。
プロ1年目の昨季、同僚だった涌井から多くのことを学んだ。走り込みなど、圧倒的な練習量を目の当たりにし「これだけやるから勝てる」と実感した。若武者が偉大な投手の背中を追い、さらなる進化を遂げる。
ロッテ・藤岡が今季1号先制ソロを放った。
2回の先頭打者として打席に立ち、楽天先発・涌井の内角の141キロの直球をすくい上げるように打ち、高く上がった打球は風にも乗って右翼ラッキーゾーンに飛び込んだ。
さらに2死から福田秀が高めに浮いたカーブを右翼席に運ぶ3号ソロで加点した。
ロッテは今季、涌井と2度対戦して2連敗を喫している。
1軍同行中のロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18)=大船渡=が、試合前の練習で2日連続のキャッチボールを行った。投手陣の全体練習に加わり、岩下を相手に腕を振った。軽めに投げたものの、約30メートルまで距離を伸ばした。吉井投手コーチは、これまでに「(体の)中身がまだ、できあがってない。ゆっくりやらせている」と語っており、焦らせずに、じっくり育てる考えだ。