ロッテが逃げ切った。1回に井上の13号3ランで先制し、3−1の7回に中村奨の犠飛で1点を加えた。小島が6回1失点で7勝目。7回以降は唐川、沢村とつなぎ益田が28セーブ目。オリックスは失策で挙げた1点のみに終わった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | x | 4 |
ロッテが7日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、チーム内での新型コロナウイルス感染拡大後初の勝利を収めた。5番井上晴哉内野手(31)が先制の13号3ランで初回に決めた。試合前には、新たに岡大海外野手(29)が陽性だった岩下の濃厚接触者として離脱。1軍戦力が減る中、昇格組の藤原恭大外野手(20)が得点に絡むなど、中堅若手が一体となって踏みとどまり、首位ソフトバンクに1ゲーム差と迫った。
高卒2年目のロッテ藤原が、今季初安打と初犠打を決めた。1番左翼で昨年4月6日以来の1軍出場。5回先頭の第3打席、オリックス・アルバースの直球をはじき返すと打球は一塁手の横を抜けた。「1打席目に直球でやられて、2打席目は変化球でやられたので、ストレート一本に絞って初球から積極的に打ちました」と右前打を喜んだ。
7回には無死一、二塁から捕犠打を決め、4点目となる中村奨の犠飛につなげた。井口監督は「ファームでバントする機会はなかなかないですけど、しっかり決めてくれた」と評した。
藤原は昨季、高卒新人として開幕スタメンの座をつかみ、6試合を経験した。登録抹消メンバーは遊撃と外野が多く、昇格した若手が抜擢されるのは遊撃と左翼になる。井口監督は「帰ってくれば1人ずつ(昇格組は)減っていく訳ですから、生き残りも含めてやって欲しいなと思います」と引き続きの奮起を期待した。
ロッテが7日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、チーム内での新型コロナウイルス感染拡大後初の勝利を収めた。5番井上晴哉内野手(31)が先制の13号3ランで初回に決めた。試合前には、新たに岡大海外野手(29)が陽性だった岩下の濃厚接触者として離脱。1軍戦力が減る中、昇格組の藤原恭大外野手(20)が得点に絡むなど、中堅若手が一体となって踏みとどまり、首位ソフトバンクに1ゲーム差と迫った。
ロッテの願いを乗せた井上の打球が雨空を切り裂いた。1回2死一、二塁、外角低めを流した打球は右翼ホームランラグーンに届いた。「苦しい状況が続いている。ここしかないって気持ちで打席に入りました。今いない選手に、いい報告ができるように」。ZOZOマリンで先制した試合は今季負けなし。1番欲しい時に、待望の13号3ランを打って見せた。
長いトンネルだった。8月21日以来の本塁打。ご無沙汰すぎて“ごっちゃし”パフォーマンスもどこかぎこちない。同僚からも「まだかな〜」の声があったと言い、お立ち台で「あの…、あの…、申し訳ないです!」と謝ってしまうほど。井口監督は「だいぶ休場してましたね」と笑いながら「打つべき人が打ってくれた」とたたえた。何としても勝つ。思いはどこよりも強かった。
4日に岩下の新型コロナウイルス陽性が判明し、6日はさらに7選手が陽性に。岡を加えて5選手が濃厚接触者となり、1軍戦力はトータル13人登録を抹消された。6日朝、球場入りして当該選手たちの不在を確認すると不安に襲われた。「信じられない。みんなどうなるの?と。生き残ったという言い方は変だけど、いない人の分まで力を出し切る。それしかない」。
重たい空気。自分が打たなきゃ−。その思いが空回りして前夜は0封負け。肩の力を抜いた。試合前、中村奨と作戦会議した。アルバースには「いつも振り遅れている。早めにタイミングを取ろう」。3番マーティン、4番安田とつないで5番がガツン。抜けてくれ!祈りは最高の結果になった。
大量入れ替えで1軍には若手が増えた。首脳陣は調子が上がらなくても使い続けてくれた。示すべき姿を考える。「僕達ずっと出続けている人は手本になるように。1人1人が役割を全うすれば強い。みんなが帰ってくるまで、下がる訳にいかないですから」。2位から落ちない。1位を詰める。コロナ禍にあろうとも、闘志の火は絶やさない。
ロッテが7日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、チーム内での新型コロナウイルス感染拡大後初の勝利を収めた。5番井上晴哉内野手(31)が先制の13号3ランで初回に決めた。試合前には、新たに岡大海外野手(29)が陽性だった岩下の濃厚接触者として離脱。1軍戦力が減る中、昇格組の藤原恭大外野手(20)が得点に絡むなど、中堅若手が一体となって踏みとどまり、首位ソフトバンクに1ゲーム差と迫った。
高卒2年目のロッテ藤原が、今季初安打と初犠打を決めた。1番左翼で昨年4月6日以来の1軍出場。5回先頭の第3打席、オリックス・アルバースの直球をはじき返すと打球は一塁手の横を抜けた。「1打席目に直球でやられて、2打席目は変化球でやられたので、ストレート一本に絞って初球から積極的に打ちました」と右前打を喜んだ。
7回には無死一、二塁から捕犠打を決め、4点目となる中村奨の犠飛につなげた。井口監督は「ファームでバントする機会はなかなかないですけど、しっかり決めてくれた」と評した。
藤原は昨季、高卒新人として開幕スタメンの座をつかみ、6試合を経験した。登録抹消メンバーは遊撃と外野が多く、昇格した若手が抜擢されるのは遊撃と左翼になる。井口監督は「帰ってくれば1人ずつ(昇格組は)減っていく訳ですから、生き残りも含めてやって欲しいなと思います」と引き続きの奮起を期待した。
ロッテ井上晴哉内野手が、1回にオリックス・アルバースから先制の13号3ランを放った。
「打ったのはストレートだと思います。今残っている選手で勝っていかないといけない。勝てるように、ピッチャーを援護できるように頑張る」。
新型コロナウイルス感染が拡大しているロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍スタッフ2人が、管轄保健所から新たに濃厚接触者と判断されたと発表した。3人は4日のPCR検査では陰性で、体調不良はなく、自宅待機に入った。
岡は2日に遠征先の札幌から千葉へ移動する際、4日に陽性が判明した岩下大輝投手(24)と交通機関の座席が近かった。スタッフ2人は1日の札幌−千葉間の移動で、同じく4日に陽性判定されたスタッフと座席が近かった。
ロッテは6日、荻野貴司外野手(34)藤岡裕大内野手(27)ら選手7人を含む11人が、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。4日判明分を含め計13人。濃厚接触者認定も4選手という非常事態だ。
この日は緊急昇格のドラフト3位・高部瑛斗外野手(22)を1番打者で起用も、オリックスに2安打完封負け。大変な状況だが、ソフトバンクとの優勝争いは待ってくれない。前を向いて戦う。
新型コロナウイルス陽性判定となった NPB選手・コーチ | |
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月日 | 選手・コーチ(所属) |
03-27 | 藤波晋太郎投手(阪神) 伊藤隼太外野手(阪神) 長坂拳弥捕手(阪神) |
06-03 | 坂本勇人内野手(巨人) 大城卓三捕手(巨人) |
[開幕後] | |
08-01 | 長谷川勇也外野手(ソフトバンク) |
09-12 | 飯山裕志コーチ(日本ハム) |
09-23 | 左沢優投手(オリックス) |
09-24 | 竹安大知投手(オリックス) 浜地真澄投手(阪神) |
09-25 | 岩貞祐太投手(阪神) 馬場皐輔投手(阪神) 糸原健斗内野手(阪神) 陽川尚将内野手(阪神) |
10-04 | 岩下大輝投手(ロッテ) |
10-06 | 荻野貴司外野手(ロッテ) 清田育宏外野手(ロッテ) 角中勝也外野手(ロッテ) 菅野剛士外野手(ロッテ) 鳥谷敬内野手(ロッテ) 藤岡裕大内野手(ロッテ) 三木亮内野手(ロッテ) 伊志嶺翔大コーチ(ロッテ) |
ロッテは現有戦力で、“これしかない”という勝ち方ができた。
1回に、井上が前日に零封負けした嫌な流れを一掃する3ラン。援護をもらった小島もよく投げた。雨が降り続ける悪条件とバックのミスもあってリズムに乗り切れない中、四球で自滅することなく試合をつくった。
先発が6回まで踏ん張れば、7回以降は唐川、沢村、益田が健在だ。戦力的には苦しいが、勝ちパターンの投手がいることで少しは救われる。
この日は2年目の藤原が1番に入り、2試合続けて遊撃を守った5年目の茶谷はフル出場。1軍で好結果を残すにはまだ時間がかかるだろうが、本来なら優勝争いの中で出場することはなかったはず。いい経験になるだろう。
井口監督は大変だろうが、私が監督だったとしても残っているメンバーで最善を尽くすしかない。新型コロナウイルスの感染はロッテだけでなく、どこの球団にも起こりうること。プロである以上、ないと思うが、相手チームは同情や遠慮なしにロッテと戦って欲しい。
新型コロナウイルスの感染者、濃厚接触者で計13選手が離脱したロッテは7日、オリックス20回戦(ZOZOマリン)に4−1で勝利。井上晴哉内野手(31)が1回に先制の13号3ランを放ち、リードを守り切った。同日は新たに濃厚接触者が追加特定されるなど非常事態が続く中で、首位・ソフトバンクに再び1ゲーム差と肉薄。15年ぶりのリーグ優勝に向けて、チーム一丸でリスタートを切った。
チームに希望の火を灯す井上の一振りだった。1回2死一、二塁。外角低めのツーシームを捉えた打球は雨を切り裂き、右翼のホームランラグーンに飛び込んだ。
「本当に今、苦しい状況が続いている中で、『ここしかない』という気持ちだった。試合前に(中村)奨吾と話して、最近振り遅れ気味なので少し早めにタイミングを取ることにした」。
先制の13号3ラン。8月21日のソフトバンク戦以来、実に出場37試合、147打席ぶりの一発となった。
1軍で8選手を含む13人が新型コロナウイルスに大量感染し、濃厚接触者も計7人が出ている。自身も4日にPCR検査を受けた。「(チーム内が)重たい空気になった」。4日に陽性が判明した岩下だけでなく、荻野、菅野、藤岡、角中ら主力野手の感染が判明し、計13選手が離脱する緊急事態だった。
「本当に身近な人が感染して、次は自分がそうなるかもしれないという不安、怖さも感じた。そして、これだけ抜けられると、『残された方もどうするの?』というのが1番の気持ちだった」。
前日はわずか2安打で零敗。悪い流れを断ち切る一発に、井口監督は「しばらく“休場”していたからね。今日は打つべき人が打った」と安堵の表情を浮かべた。
ただ、当面は2軍から緊急昇格した経験の浅い若手に頼らざるを得ない状況だ。この日は2年目の藤原が1番で今季初出場を果たした。昨季の開幕戦で1番スタメンでプロ初安打を放った20歳は5回に「直球1本に絞って、初球から振りにいった」と右前打で今季初安打をマーク。7回にはプロ初の犠打に成功し、追加点につなげた。
それでも指揮官は「落ち着いてもらっては困るメンバー。(離脱者が)帰ってくれば、1人、1人とまた(2軍に)落ちていくわけで、生き残りを含めて1日1日が勝負」と厳しい言葉で奮起を促し、試合後には藤原ら2軍から合流した選手達が雨が降りしきるグラウンドでノックを受けた。
これで今季の本拠地で先制した試合は18戦無敗。首位・ソフトバンクが敗れ、再び1ゲーム差に迫った。9日からは敵地で直接対決に臨む。
「人数的にいっぱいいっぱいだけど、闘志だけは燃やしておかないといけない。みんなが帰ってくるまで、下がる訳にはいかない。そのためには攻めないと。あくまでチャレンジ精神を忘れずにいきたい」と井上。最大の危機を乗り越えた先に、2005年以来、15年ぶりのリーグ優勝が待っている。
新型コロナウイルスの集団感染で窮地に立たされる中、ロッテ・井上晴哉内野手(31)がチームを勇気づける先制の13号3ランを放った。
「今残っている選手で勝っていかないといけないので、今日は勝てるように、ピッチャーを援護できるように、次の打席も頑張ります」。
1回2死一、二塁。カウント1−1からアルバースの136キロをたたいたライナー性の打球は、雨を切り裂いて右翼ホームランラグーンに飛び込んだ。実に8月21日のソフトバンク戦以来、出場37試合147打席ぶりの一発。ベンチ前で恒例の“ごっちゃし”ポーズも披露した。
チーム内で6日に新たに鳥谷ら7選手を含む11人の感染が判明。同日のオリックス戦には1、2軍で大量22人の入れ替えて臨んだが、わずか2安打で零敗。15年ぶりのリーグVに向け、暗雲が垂れ込めていた。
援護をもらった先発・小島も踏ん張る。「こういう(コロナ禍)状況ですが、やることは変わらない。まずは初回、2回を120%の力でしっかり0点で入っていきたい。その流れに乗って、いけるところまで全力で頑張る」。今季6勝を挙げている2年目左腕だが、計35失点中、1回が14、2回が9失点。それだけに立ち上がりに全力を注いだ。
4日に感染が判明した岩下とは同じ1996年生まれで、公私ともに仲が良い。言葉に出さなくとも、“岩下の分まで”と気迫の投球を続け、6回1失点(自責点0)で救援陣にバトンを託した。
ロッテの小島は6回6安打1失点で粘り、7勝目を挙げた。3−0の2回には先頭打者ジョーンズの打ち取った飛球が左翼手と三塁手のお見合いで二塁打となったが、慌てずに内角球をうまく使って後続を断ち「直球の走りは良かったと思う」と息をついた。
新型コロナウイルスの感染者が続出し、苦しいチーム状況で好投。優勝争いの重圧をはねのけ「先発としての役目は果たせたかなと思う」と充実感に浸った。
ロッテは7日、岡大海外野手(29)、1軍チームスタッフ2人が管轄の保健所より濃厚接触者に追加特定されたと発表した。岡は2日の札幌から千葉への移動の際に4日に陽性判定を受けた岩下大輝投手(24)と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。4日のPCR検査は陰性判定で、体調不良などもないが、出場選手登録を抹消される。今後は自宅待機となる。これで岩下の濃厚接触者は東妻勇輔投手(24)、小野郁投手(23)、山本大貴投手(24)、和田康士郎外野手(21)に続いて5人目。
またチームスタッフ2人は1日の札幌から千葉への移動の際に4日に陽性判定を受けたチームスタッフ1人と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。いずれも4日のPCR検査は陰性判定だった。
新型コロナウイルスの大量感染で揺れる2位・ロッテは7日、オリックスに快勝し、敗れた首位・ソフトバンクと1ゲーム差。初回に井上晴哉内野手(31)が右翼席に決勝の13号3ランを放った。感染や濃厚接触の特定などで離脱者が続出する中、この日は岡大海外野手(29)が濃厚接触者に追加特定され計14人が戦線を離脱。厳しい状況が続くが、チーム一丸で乗り越える。
心を落ち着かせるには1日の猶予が必要だった。井上はチーム全体に衝撃が走った前日を、こう振り返った。
「昨日は自分が引っ張らなきゃと思ったけど、できなかった。強く思いすぎて力が入りすぎた。一夜明けて今日こそと思った。気持ちも少し落ち着いた」。
6日に7選手の新型コロナウイルス感染が発表され、スタッフを含めて計13人がチームから離脱した。ドタバタの中で臨んだ試合も、わずか2安打で零敗。井上自身も3打数無安打で2三振だった。
首位・ソフトバンクとの優勝争いは待ってくれない。一夜明けて「みんなが帰ってくるまで、落ちる訳にいかない」と決意した。相手先発は9打数1安打に抑えられていた左腕・アルバース。試合前に中村奨と「いつも振り遅れているから、早めにタイミングをとろう」と話し合った。
結果はすぐに出る。初回2死一、二塁。外角136キロ直球をたたくと打球は右翼フェンスを越えた。「抜けてくれと思った。久々すぎて感触も忘れていた。チーム内でも“まだですか?”と言われていた」と苦笑い。8月21日以来、実に47日ぶりの13号先制3ランは、先行きが見えない不安に沈んでいたチームに大きな勇気を与えた。
体重114キロの巨漢も目に見えぬ敵におびえた。「身近な人がコロナにかかるなんて、信じられなかった。(前日は)あの人も球場に来ていないな、と思った。自分もかかるかもしれない」。前日のミーティングでは「これでみんな、どうなるの?」と不安を吐露していた主砲が腹をくくり、快音を響かせた。
この日は岡が濃厚接触者として追加され、スタメンには1番・藤原、9番・茶谷と2軍から昇格した若手が入った。大幅な戦力ダウンだが、井上は「1人1人が役割を全うすれば、このチームは強い。生き残った人で力を合わせる。2軍から来た人は自分の力を出して欲しい。試合を出続けてきた人達は見本にならないといけない」と言う。試合後のグラウンドではナイターに不慣れな緊急昇格組の若手がノックを受け必死に打球を追った。
首位ソフトバンクが敗れ、再び1ゲーム差。「今日の1勝は大きい」。苦境は続くが、井口監督の声には力がこもった。
7日、球団は岡と1軍チームスタッフ2人が保健所から濃厚接触者に追加特定されたと発表。岡は2日の札幌から千葉移動だった際、4日に陽性判定を受けた岩下と座席が近かった。4日のPCR検査は陰性で体調不良など症状もないが、自宅待機として出場選手登録を抹消し、三家和真外野手(27)が昇格した。またスタッフ2人は1日の札幌から千葉移動の際に4日陽性判定のスタッフと一緒に行動していた。
前日6日の緊急昇格組であるロッテ2年目の藤原が「1番・左翼」で昨年4月6日以来の先発出場。5回に今季初安打となる右前打を放ち「直球に絞って初球から積極的に打ちました」と胸を張った。
前日は高部が1番で出場も4打数無安打。井口監督は「若手は興奮してやって欲しい。レギュラーを獲ってやろうとね」と奮起を期待した。試合後はナイターや本拠地に不慣れな若手がノックを受け、藤原も参加した。
コロナ禍に揺れるロッテは、井口監督が、そしてナインが覚悟を示して勝利をもぎとった。
3−1で迎えた7回無死一、二塁。初回に先制してから追加点が奪えない展開だった。願ってもない得点機。井口監督は藤原に送りバントを命じた。藤原は初球、捕手前に転がし成功させ、続く中村奨の犠飛を生んだ。
「恭大(藤原)が期待に応えてくれた。なかなかバントのサインが出ることがなかったと思うが、勝たなきゃいけない時には決めなくちゃいけない」と井口監督も称えた。
実はこれがプロ2年目で初の犠打成功だった。イースタン・リーグでも2年間で成功は1つだった。しかもこの試合が20年の1軍初出場初スタメン。直前の打席では今季初安打となる右前打を放っていた。そんな状況で、藤原も備えはできていた。
初回に13号3ランを放った井上は8月21日のソフトバンク戦以来、実に37試合ぶりの一発だった。お立ち台で思いを吐露する。
「チームが苦しい状況の中で、(チャンスは)ここしかないという気持ちだった。こういう苦しい中でも試合に出させてもらっている以上、闘志は…闘志は…闘志はちゃんと燃やしておかないといけない」。
決めゼリフを「考えていたんですけど…」と一発で決められなかったが、その一振りはチームに勇気を与えた。
福田秀は4回に一塁へヘッドスライディングで内野安打。得点にこそつながらなかったが、気迫は伝わった。
井上は「人数いっぱいいっぱいですけど、しっかり戦っていきます」と語った。9日からは首位ソフトバンクとの直接対決3連戦がある。8日のオリックス戦にも勝って、敵地に乗り込む。
勝負は時の運と言われるが、野球へ必死な姿勢は体現できる。ロッテは全員がワンプレーに集中力を高め、戦い抜いた。
雨中決戦。ロッテの福田秀のユニホームは汚れていた。3−1で迎えた4回1死で迎えた打席。二塁への打球で、一塁へヘッドスライディングで内野安打。得点にこそつながらなかったが、気迫は伝わった。3回にはマーティンがセーフティーバントを試みていた。「1番・左翼」で今季初出場した藤原も5回に初安打となる右前打を放った。
初回に先制の右越え13号3ランを放った井上は「今残っている選手で勝っていかないといけない」と話した。8月21日のソフトバンク戦以来、実に37試合ぶりの一発は思いが込められていた。先発の小島も6回まで6安打1失点に抑えた。「ストレートの走りは良かったと思います。ランナーを出す場面が多くありましたが、何とか最少失点でいけましたし、勝った状態で中継ぎの方に渡せたので、先発としての役目は果たせたかなと思います」と語った。バトンを受けた救援陣。7回唐川、8回沢村、9回益田が無失点でつないだ。益田は1死満塁のピンチをしのいだ。
チームは6日、1軍7選手が新型コロナウイルス陽性と判定されるなど、計22人もの大幅な選手入れ替えを余儀なくされた。その6日のオリックス戦は2安打零敗だった。さらに7日にも、岡大海外野手(29)が管轄の保健所より濃厚接触者に追加特定されたことを発表。代わって三家和真外野手(27)が昇格した。
「ピンチはチャンス」のプラカードを掲げたファンの姿もあった。残り26試合。優勝争いの中、一丸となった覚悟を示す戦いは続く。
ロッテの井上が初回に右翼へ先制13号3ランを放った。
2死からマーティンが右翼への安打で出塁すると、安田の遊撃内野安打で一、二塁。この場面で井上がアルバースの外角低め速球を右翼へ運んだ。井上にとって、8月21日のソフトバンク戦以来、実に37試合ぶりの一発となった。「打ったのはストレートだと思います。今残っている選手で勝っていかないといけないので、今日は勝てるように、ピッチャーを援護できるように次の打席も頑張ります」とベンチ前では恒例の「ごっちゃし」ポーズを47日ぶりに決めてみせた。
チームは6日に新型コロナウイルス陽性と判定され、計22人もの大幅な選手入れ替えを余儀なくされた。さらに7日にも、岡大海外野手(29)が管轄の保健所より濃厚接触者に追加特定されたことを発表。代わって三家和真外野手(27)が昇格した。
6日のオリックス戦は2安打零敗。厳しいチーム事情の中、チームに勢いと勇気を与える大きな先制弾となった。
新型コロナウイルスの感染が拡大しているロッテは7日、岡大海外野手(29)、1軍チームスタッフ2人が、管轄の保健所より濃厚接触者に追加特定されたことを発表した。
岡は2日の札幌から千葉移動の際、4日に陽性判定を受けた岩下大輝投手と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。4日のPCR検査は陰性判定。体調不良などもないが、自宅待機として1軍登録から抹消された。代わって三家和真外野手(27)が昇格する。
チームスタッフ2人は1日の札幌から千葉移動の際に4日に陽性判定を受けたチームスタッフ1人と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。
コロナ禍で最大の危機にあるロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍チームスタッフ2人が管轄の保健所より新型コロナウイルスの濃厚接触者に追加され、それぞれ自宅待機になったと発表した。
岡は、4日に新型コロナウイルス陽性判定された岩下大輝投手(24)と2日に札幌から千葉に移動した際に利用した交通機関の席が近かったことから、濃厚接触者に特定された。同様の理由で岩下の濃厚接触者として6日に和田康史郎外野手(21)ら4人が特定されており、岡は5人目。4日のPCR検査は陰性で、体調不良もないが、出場選手登録抹消となり、代わりに今季初めて三家和真外野手(27)が1軍に昇格した。
チームスタッフ2人は、1日の札幌から千葉への移動の際に、すでに陽性判定されたスタッフと利用した交通機関の席が近かったことから、濃厚接触者に特定された。いずれも4日のPCR検査は陰性判定で体調不良もなく、自宅待機している。
ロッテは6日に荻野貴司外野手(34)、菅野剛士外野手(27)、藤岡裕大内野手(27)ら選手7人とコーチ1人、球団スタッフ3人の計11人が新型コロナウイルスに感染したと発表。同日、千葉市はクラスター(感染者集団)が発生したと認定したが、球団は管轄の保健所、NPBに相談の上で試合を開催している。
コロナ禍で最大の危機にあるロッテが一致団結して勝利をものにし、首位・ソフトバンクに1ゲーム差に迫った。岡とチームスタッフ2人が新たに、新型コロナウイルス陽性の岩下の濃厚接触者と特定されるなど、混乱が収まる気配がない中で、井口監督は1軍に上げた若手を積極的に起用。岩下を含め総勢25人の入れ替えを強いられた難局を、若さに懸けて乗り切り、15年ぶりの優勝を目指す。
雨の中、2時間56分の戦いを終えて笑顔で一塁ベンチに戻ってくる選手を、マスク姿の井口監督達が出迎えた。新型コロナウイルス感染によって、主力を含めて次々に戦線離脱する苦しい状況でつかんだ勝利。今季の52勝中、最も価値のある勝利となった。
「若手にとってこんなチャンスはなかなかない。レギュラーを取る気持ちでやって欲しいですね。落ち着いてはいけないメンバー。興奮したままでやって欲しい」と試合後、表情を引き締めたのは井口監督だ。
4日の岩下に続き、6日にはレギュラーの荻野、菅野、藤岡ら7選手の新型コロナウイルス感染を発表。岩下の濃厚接触者として特定された和田ら4人を含めて計22人を入れ替えた。7日は新たに岡も濃厚接触者に特定されて三家が今季初昇格。「若手をどんどん使う」との言葉通り、6日のオリックス戦に続いて佐藤、茶谷を先発起用。「1番・左翼」には前日のドラフト3位・高部に続き、この日は2年目の藤原を抜擢した。
今季初出場の藤原は5回に右前打を放つと、7回には好機を広げる犠打を決めて4点目に貢献。6日は無安打だった佐藤は2安打と気を吐いた。3回にはマーティンがアウトにはなったがセーフティーバントを試みるなど、必死さを前面に出して戦い抜いた。
初回に8月21日以来となる先制の13号3ランを放った井上は「身近な人がコロナになるのが信じられず、怖かった。昨日(6日)は本当に雰囲気が重たかったけれど、今日は気持ちが落ち着きました」と現実を冷静に受け止めて結果を出した。「残った人達が力を合わせて出し切ります。みんなが帰ってくるまで攻めないといけない」とあらためて決意表明した。
過酷な状況でも、今季本拠地で先制すると負けないという“神話”は継続。「(井上は)だいぶ、休場していましたね。今日の勝ちは大きいです」と指揮官は冗談を交える余裕もあった。西武に敗れたソフトバンクとは1ゲーム差。食らいついていく。
ロッテの井上晴哉内野手(31)が初回2死一、二塁で右翼席に先制の13号3ランを放った。
新型コロナウイルス感染者と濃厚接触者が相次ぎ、6日には計22人の選手入れ替えが行われた。さらに7日には岡大海外野手(29)も濃厚接触者に追加特定され戦線離脱。厳しい状況の中で貴重な一発をたたき込み「今、残っている選手で勝っていかないといけない。今日は勝てるように、ピッチャーを援護できるように次の打席も頑張ります」を意気込んだ。
ロッテの古谷拓郎投手(20)が8日のオリックス戦(ZOZO)にプロ初登板で初先発する。
岩下大輝投手(24)が新型コロナウイルス陽性で出場選手登録抹消となり、抜擢された。18年のドラフト6位で千葉・習志野高から入団した右腕は今季イースタン・リーグでは6試合に登板して2勝2敗、防御率2.90。「2年目での初登板を目標にしてきた。チャンスをいただけました」と声を弾ませた。元ソフトバンク投手の斉藤和巳氏に憧れており「調子が悪くても、勝ち試合が作れる投手になりたいです」と理想の投手像を明かした。
ロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍チームスタッフ2人が管轄の保健所より新型コロナウイルスの濃厚接触者に追加され、それぞれ自宅待機になったと発表した。
岡は、4日に新型コロナウイルス陽性判定された岩下大輝投手(24)と2日の札幌から千葉への移動の際に利用した交通機関の席が近かったことから、濃厚接触者に特定された。岡は4日のPCR検査は陰性で、体調不良もないが出場選手登録抹消となった。
チームスタッフ2人は、1日の札幌から千葉への移動の際に利用した交通機関の席が近かったことから、濃厚接触者に特定された。いずれも4日のPCR検査は陰性判定で体調不良もなく、自宅待機している。
ロッテは6日、荻野貴司外野手(34)、菅野剛士外野手(27)、藤岡裕大内野手(27)ら選手7人とコーチ1人、球団スタッフ3人の計11人が新型コロナウイルスに感染したと発表。さらに岩下の濃厚接触者として和田康士朗外野手(21)ら4人を特定。計22人を入れ替えて同日のオリックス戦(ZOZO)に臨み、0−3で敗れた。
TBS系情報番組「ひるおび!」(月〜金曜・前10時25分)は7日、プロ野球のロッテで新型コロナのクラスターが発生したことについて取り上げた。
国際弁護士の八代英輝氏は「選手の皆さん、今回は注意してても感染されてしまいましたけど、非常に恵まれた状況にあると思うんですね。検査を常にしてもらえる。観客の間でクラスターが広がったというのと、選手の間で広がったというのでは、ちょっと深刻さが違うのかな、という意味で」と検査体制の充実に言及した。
また「こういったことを予期して2020年のルールの特例も作ってる訳ですから、療養しなければいけない選手はもどかしさはあると思いますけども、これで今まで脚光を浴びてこなかった2軍の選手が、活躍の場を得られる。ある意味、今年特有の危機管理。阪神もそうでしたけれど、興味深かったりしますよね。背番号のナンバーがすごい高い人が活躍してるのを見たりすると、それはそれで面白かったですよね」とした。
TBS系情報番組「ひるおび!」(月〜金曜・前10時25分)は7日、プロ野球のロッテで新型コロナのクラスターが発生したことについて取り上げた。
ウイルス感染の専門家、日本医科大・北村義浩特任教授は、プロ野球球団の本拠地に触れ、「もう感染がフリー、病原体がいないという都市で開催しているあるいは練習している訳ではないので、必ず起こりえますね。ご家族、スタッフの方、あるいはスタッフのご家族の方…とにかく皆さん、選手と触れ合う、あるいは遠くから感染を起こしてしまう場合もありますので、なかなか全部防ぐというのは難しいかもしれませんね」とコメント。
それでも迅速にPCR検査が実施できたことから、「ロッテだからこそ、早くに見つけることができたのだと思いますね。一般の企業だとひょっとしたら20人、30人規模になってからようやく見つかるということがあったかもしれませんね」とした。
一方、感染経路が不明であることを懸念。「今回の感染経路不明というのも、しっかり勉強、調査されてですね、すると、意外に我々が想像もつかなかったところから、『あっ、こんなことからも感染するんだ』ということが…。やっぱりウイルスは我々を欺くというか、狙って緩んだところを狙ってくるというのがありますので。今回もスタッフの方4人、入っておられまして、あまり選手との密な接触がない方も入っておられると伺ってますので、じゃあ一体どこで?というのがやはり非常に興味深い、しっかり勉強して調査しないといけないところですね」と警戒した。
7日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月〜金曜・前8時)で、プロ野球のロッテが6日、荻野貴司外野手、菅野剛士外野手、藤岡裕大内野手ら選手7人とコーチ1人、球団スタッフ3人の計11人が新型コロナウイルスに感染したと発表したことを伝えた。
ロッテは岩下大輝投手と1軍スタッフ1人の感染を発表した4日に、選手ら78人にPCR検査を実施して判明。また岩下の濃厚接触者として和田康士朗外野手(21)ら4人を特定。計22人を入れ替えて6日のオリックス戦(ZOZO)に臨んだが、2安打完封負けを喫した。
スタジオで小倉智昭キャスターは「ソフトバンクと2ゲーム差で15年ぶりのリーグ優勝という本当に今、必死の状況なんですが、そこでこういうことが起きてかわいそうだと思うんです」とコメントした。さらに「ロッテは本当に選手のやりくり大変だと思いますが頑張ってください」とエールを送っていた。
ロッテは逆境をはね返した。新型コロナウイルスの感染が拡大し6日に1軍選手が大量離脱後、初白星。緊急事態でナインが奮起し、井口監督は「今日の勝ちは大きい」と目を細め、たたえた。
主力が先制点をもたらした。1回2死後に3番・マーティンと4番・安田の連打で一、二塁。続く井上がアルバースの直球を捉え右翼席に運んだ。8月21日以来、約1ヶ月半ぶりの13号3ラン。「今、苦しい状況が続いている中で、ここしかないという気持ちで打席に入った」と語った。
集団発生の大きな試練を迎えていた。6日に新たに鳥谷ら1軍7選手の感染が判明。陽性者と岩下の濃厚接触者が大量に離脱した。6日は完封負けを喫し井上は「雰囲気が重たかった。打破しなきゃ」と覚悟を決めた。
多くのベテランや主力がいなくなり、不安を抱いた。「身近に起きるんだと初めて実感した。本当に、これでみんなどうなるのと。球場に行くと『あの人、来てないな』と重たい空気になりました」と振り返った。
「他人事ではない。怖いです」と正直な思いも吐露したが、自身を鼓舞するように語った。「残った人達がいる。力を合わせて出し切るということを心がけて。いない選手にいい報告ができるように」。代替昇格した若手らと一丸になって戦うことを決意した。
「(チームの)人数がいっぱい、いっぱいなんですけど、みんなでしっかり戦っていきます」とファンに約束した井上。困難を乗り越えて、ロッテが逆転Vを目指す。
新型コロナウイルスの大量感染が起きたロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍スタッフ2人が、管轄の保健所から新たに濃厚接触者と判断されたと発表した。
岡は2日に遠征先の札幌から千葉に移動した際、4日に陽性が判明した岩下と交通機関での座席が近かった。4日のPCR検査では陰性と判定され、体調不良などもないが自宅待機となり、7日に出場選手登録を抹消された。1軍スタッフの2人は4日に陽性と判定されたスタッフと一緒に1日に札幌から千葉に移動していた。
緊急事態のロッテが、試合後にナイター練習を行った。
前日、主力が新型コロナウイルスに感染して大量離脱したが、この夜は重い空気を振り払う1勝。ファンへの挨拶を終えた後、藤原、安田ら若手が再びグラウンドへ。本拠地のナイターが不慣れなこともあって、内野と外野でフライの守備練習をこなした。
1番に抜擢された2年目、藤原は5回に右前へ今季初安打。7回は無死一、二塁で送りバントを成功するなど、役割をこなした。強風が舞う本拠地でフライ処理がより難しいが、左翼手として2つの飛球を処理。井口監督は「昨日から若い人が入って、今日は恭大(藤原)が期待に応えてくれた」と評価した。
ソフトバンクが敗れ、1差に接近。逆境のなか、若手とベテランが一丸となり、15年ぶりの優勝を目指す。
ロッテがチーム一丸で逃げ切り。前日、主力が新型コロナウイルスに感染して大量離脱したが、重い空気を振り払う1勝となった。
強烈な先制パンチが、チームに勇気を与えた。1回、2死からの連打で一、二塁とし、井上が右越えに13号3ラン。前夜はわずか2安打で完封負けを喫したが、この日は初回から主導権を奪った。
1番に抜擢された2年目、藤原も役割を果たした。5回の右前への今季初安打は得点に結びつかなかったが、7回は無死一、二塁で三塁前への送りバント成功。初球でしっかり走者を進め、中村奨の中犠飛につなげた。
投手陣は先発の小島が6回6安打1失点の力投で7勝目。7回から継投に入り、唐川、沢村が無失点。9回は益田が1死満塁のピンチを招いたが、何とか逃げ切った。
4日に岩下のコロナ感染が判明し、前日6日には鳥谷、角中、荻野、藤岡ら7選手が陽性。濃厚接触者の4選手も合わせ、11人が登録抹消。一夜明けたこの日は岡も濃厚接触者と追加特定され、離脱した。
厳しいチーム状況のなか、井口監督の「いる選手でやらないといけない」との言葉通り、それぞれが役割を果たした。
ロッテ・沢村が3点リードの8回から登板。無失点に抑え、仕事を果たした。
雨が降る中でのマウンドとなったが、先頭佐野を151キロで空振り三振、福田は二ゴロ。安達には四球を与えたが、吉田正にはフルカウントからスプリットで空振り三振に仕留めた。
チームは前日、主力が新型コロナウイルスに感染して大量離脱。厳しい状況のなか、“8回の男”が危なげなくリードを守った。
巨人から移籍後、12試合目の登板。2日の西武戦は延長でメヒアに決勝弾を浴びたが、その後は2戦連続無失点となった。
ロッテ・井上晴哉内野手が、先制の13号3ランを放った。1回2死後にマーティンと安田の連打で一、二塁。この場面でアルバースから右翼席に8月21日以来、約1ヶ月半ぶりのアーチを運んだ。
井上は「今、残っている選手で勝っていかないといけないので、今日は勝てるように、ピッチャーを援護できるように次の打席も頑張ります」と気迫のセリフを口にした。
1軍の7選手ら新型コロナウイルスの大量感染が判明した6日、チームは完封負けを喫した。重苦しい雰囲気が漂う中、この夜は大砲の豪快な一発で早々と主導権を握った。
両軍のスタメンが発表された。コロナ禍で主力選手が大量離脱しているロッテは、1番に2年目の藤原恭大外野手を起用。中軸は前夜と同じくマーティン、安田、井上を並べた。
両軍のスタメンは以下の通り。
ロッテは7日、岡大海外野手(29)の1軍選手登録を抹消、三家和真外野手が登録された。岡は2日の遠征先の札幌から千葉への移動の際に、4日に新型コロナウイルス感染が発表された岩下大輝投手と交通機関での座席が近かったことから所轄の保健所により濃厚接触者に特定された。
岡は4日に受検したPCR検査は陰性判定で、体調不良などもないという。感染拡大防止特例2020により、早期復帰が可能な場合は10日を待たずに1軍復帰が可能となる。
ロッテではこれまでに13人の集団感染を確認。6日には1軍の感染7選手と濃厚接触者に特定された4選手の11人を入れ替えている。
以下は7日の公示。
新型コロナウイルスの大量感染が起きたロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍スタッフ2人が管轄の保健所から新たに濃厚接触者と判断され、自宅待機となったと発表した。3人は4日に受けたPCR検査で陰性と判定され、体調不良などもないという。
岡は2日に遠征先の札幌から千葉に移動した際、4日に陽性が判明した岩下大輝投手(24)と交通機関での座席が近かった。1軍スタッフ2人は同じく4日に陽性と判定されたスタッフと一緒に1日に札幌から千葉に移動していた。
ロッテは7日、岡大海外野手(29)と1軍チームスタッフ2人が管轄の保健所より濃厚接触者に追加特定されたと発表した。それぞれ1軍本隊を外れ、自宅待機となった。
岡は2日の遠征先の札幌から千葉への移動の際に、4日に新型コロナウイルス感染が発表された岩下大輝投手と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。4日のPCR検査は陰性判定で、体調不良などもないという。この日、出場選手登録を抹消される。
チームスタッフ2人は、1日の札幌から千葉への移動の際に4日に陽性判定を受けたチームスタッフ1人と交通機関での座席が近かったことから濃厚接触者に特定された。いずれも4日のPCR検査は陰性判定で体調不良などもないという。
ロッテは6日に東妻、小野、山本の3投手と外野手の和田が岩下の濃厚接触者として判定されたと発表した。6日には鳥谷敬内野手ら1軍7選手らの大量感染が判明していた。
ロッテは6日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦に0-3で敗れた。新型コロナウイルスに7選手が感染し、濃厚接触者4選手も含め、11人が登録を抹消となり、この日1軍に昇格した2選手がスタメンに名を連ねる中で、オリックスのエース山本由伸に8回まで2安打に抑えられ、完封負けを喫した。
コロナ禍の中で敗戦を喫することとなったが、元オリックス監督でソフトバンク、巨人、中日でもコーチを務めた野球評論家の森脇浩司氏は、ロッテ井口資仁監督の采配を「肝が据わっている」と評価し「残り27試合で逆転優勝、また、CS、日本シリーズを勝つために新たなオプションを手にするチャンス」と指摘した。
荻野、藤岡、菅野ら、ここまでスタメンを張っていた選手達が一気に不在となったロッテ。井口監督はこの日計22人の選手を入れ替え、ルーキーの高部瑛斗外野手を「1番・左翼」で、昨年育成から支配下に登録された茶谷健太内野手を「9番・遊撃」でスタメンに起用した。6回からは茶谷に代えてルーキーの福田光輝内野手も投入。森脇氏は、この日の井口監督の采配から、気概を強く感じたという。
「ベンチの井口監督の表情を見ていて、コロナでメンバー落ちとなった中でも微動だにせず、肝が据わっているなと思った。この日のロッテは、7番田村から1番高部までがいかにいろんな方法で出塁し、2番の中村奨から6番の福田秀までの間でどれだけ点を取っていくかというオーダー。オリックスは守備にやや難のあるモヤが一塁だったので、相手の弱点を突いて、一塁にバントをして走者を出し、山本のリズムを崩して揺さぶるという選択肢もあった。でも、それをやったのは7回のマーティンが初めて。つまり、それを敢えてせず、リーグを代表する投手を相手に自分がどれだけできるか、思い切って真っ向勝負してこい、と送り出したと思う」。
チームはオリックスのエース山本に抑えられ、わずか2安打の完封負け。この日1軍に急遽昇格し、試合で起用された3人の若手のバットからは快音は聞かれなかった。だが、森脇氏はこの敗戦の中にも、ロッテにとって収穫になるポイントがあったと見ていた。
「監督がどういう戦い方をしたいのか、は選手にも伝わる。(この日の采配は)優勝を目指しているチームで、俺もその一員なんだという自覚が持てる。1軍に上がった経緯は問題ではない。願ってもない最高のチャンスが巡って来たと思えれば、勇気が出て、行動にも直結する。監督の思いが選手に伝わることが大事なのだ」。
森脇氏自身も、ソフトバンクで1軍チーフコーチ兼内野守備走塁コーチを務めていた2006年に、王貞治監督の休養を受けて監督代行を務めた際、選手達を集めて勝負所に入った9月に自分の胸の内を語ったことがあったという。「ここに(かつて主力だった)井口、城島、小久保がいたらなんてことはこれっぽっちも思っていない。今いる選手達だけで十分戦い抜いていける。優勝できる」。チームを束ねる長として、選手達に自信を持ってプレーしてもらうための布石だった。
ロッテは今回、レギュラー陣も含めての大量離脱となったが、森脇氏は、これまでのロッテの戦い方を変える必要は今後もないと強調する。「今年のロッテは各打者が特に低めの球の見極めを徹底して積極性を持ちながら四球をもぎ取り、また有効なヒットエンドランが多く、時に突破口を見出したり、ビックイニングの布石となっている。有効なヒットエンドランは、相手にプレッシャーを与えるだけでなく余分な四球に直結する」。この日は7回先頭のマーティンがセーフティーバントの構えで揺さぶり、2ストライク後のカーブに詰まりながら中前に落とした。そこに、今年のロッテらしさが出ていたという。
「クリーンアップで、しかも外国人選手のマーティンが出塁に徹した。ローテの一丸野球の象徴である。打線では中村奨から福田秀まで経験値の高い選手が並び、万全ではないが攻守にしぶとい田村がいる。投手陣に目を向けると、沢村の加入、そしてチェン・ウェインを獲得して更に強化を図っている。これから大事なことは、今までロッテがやってきた野球を貫き通すことだ」。
戦力は大幅に入れ替わったが、ロッテはこの状況だからこそ、新たな戦力の台頭が期待できると森脇氏は言う。
「残り27試合での逆転優勝、そして、CS、日本シリーズと短期決戦を勝ち抜いていくためには、オプションは多い方がいい。このメンバーが抜けるとダメ、では勝てない。逆転優勝を狙うためにも、CSでホークスに勝つためにも、本来のメンバーを持ってしても新しいオプションが不可欠と見ている。ロッテはそれを手に入れる機会を得た」。
監督経験者である森脇氏はこの日、選手だけでなく、ベンチの井口監督にも注目していた。そして、そのチームをまとめる指揮官からも、強さを感じたと言う。
「ここでアピールしてくれればチームのオプションが増える。若い選手、チームにとって絶好のチャンスと発信している。日米で優勝を経験している井口監督は、ホークス入団時から決して順風満帆ではなく、むしろ常に大きな困難が待っていた。しかし、いつも抜群の行動力と勇気で乗り越えてきた。プロジェクトの完成、成功の直前には必ず大きな揺さぶりが起こり、それを乗り越えた者だけが手にすることができるということを身をもって知っている。今後の井口監督から目が離せない」。
そして、森脇氏は今回のコロナ禍の中で戦いを続ける選手、関係者らに「最後になりましたが、新型コロナウイルスに感染された選手、関係者の方々の1日も早い回復と、感染者増加が起きないことを心から強く願います。また、他チームにおいてもこれ以上の感染者が出ることなく、最後までファンの方々に勇気と希望を与え続けて欲しいと切望するところです」とメッセージも。ピンチを、逆にプラスに変えられるチャンスでもあるロッテ。残り27試合。首位ソフトバンクを2ゲーム差で追う井口監督の采配に注目が集まる。