ロッテ沢村拓一投手(32)が11月30日、ZOZOマリンを訪れ、海外フリーエージェント(FA)権行使の申請書類を球団に提出した。大リーグ挑戦か、ロッテ残留か、国内他球団への移籍か。選択肢は日米42球団。じっくり考え抜き、来季からのプレー先を決める構えだ。交渉は6日に解禁。敏腕と名高いジョン・ボッグス氏が代理人を務める。今オフは巨人菅野、日本ハム有原もポスティングでメジャーを目指す。日本12球団、米30球団の現時点での投手事情を整理した。
申請を済ませた沢村は堂々と言った。
「日米42球団と交渉が可能になりましたので、アメリカへの移籍、ロッテに残る、国内への移籍、全て考えられる中で、自分のことを1番必要としてくれる球団で腕を振っていきたい気持ちです」。
9月7日に巨人からの移籍が決まり、8日の日本ハム戦(ZOZOマリン)で3者三振デビュー。「8回の男」を任され、CS進出へチームを勢いづけた。「入ってきた時から気さくに話しかけていただいて。本当にありがたいです」。自身も新たな仲間と積極的にコミュニケーションを図り、まだ在籍3ヶ月弱ながら感謝の思いは強い。球団も従来通りに宣言残留をOKとし、結論を待つ構えだ。
最速159キロの直球、時に153キロにも及ぶスプリットに、マリナーズ、ブルージェイズ、パドレスなどのメジャー球団も熱視線を送る。沢村も「最高峰の舞台。世界中の優れた選手がプレーする場所という認識の中で憧れももちろんありますし、夢もあります」と、選択肢の1つにメジャー挑戦があることもあらためて口にする。プロ10年目を終えての、新たな挑戦。屈強な体にまとうユニホームを、じっくりと考える。
◎=最強、○=充実、△=不安、×=不在
ロッテ沢村拓一投手(32)が11月30日、ZOZOマリンを訪れ、海外フリーエージェント(FA)権行使の申請書類を球団に提出した。大リーグ挑戦か、ロッテ残留か、国内他球団への移籍か。選択肢は日米42球団。じっくり考え抜き、来季からのプレー先を決める構えだ。交渉は6日に解禁。敏腕と名高いジョン・ボッグス氏が代理人を務める。
主な一問一答は、以下の通り。
日本野球機構(NPB)は11月30日、臨時12球団代表者会議を行い、来季に向けて新型コロナウイルスのガイドライン改定に着手する方針を示した。
今季の感染事例や感染リスクを確認し、監督、選手らにコンディショニングの実態をアンケートで調査。取りまとめて来年2月下旬をメドにガイドラインや選手の負担を軽減するための「感染拡大防止特例」の改定に生かす。
ロッテのドラフト3位、国学院大・小川龍成内野手(22)が30日、横浜市内の同大合宿所で契約金6000万円、年俸1000万円(金額は推定)で契約合意した。
俊足と広い守備範囲を誇る大学NO.1遊撃手。井口監督は来季の定位置候補について「ルーキーも入ってくる」と小川の台頭に期待する。これを受けて「ショートのレギュラーが白紙ということなので、しっかり争いに食い込んで、1年目からレギュラーを勝ち取れるように準備していきたい」と意気込んだ。
西武源田を手本に、柔らかくスムーズな守備を心掛けているという。ロッテOBでは小坂誠2軍育成兼走塁コーチが現役時代、リーグ最高守備率5度を記録している。永野スカウト部長が「この数字を抜けるだけの守備力はある。ぜひそこに挑戦して、チームの中心として頑張って」と太鼓判を押せば、小川も「小坂ゾーンという言葉は僕も知っている。チームメート、特に投手が安心して見ていられるショートになるのが目標」と目を輝かせた。
前橋育英(群馬)では西武高橋光の2学年後輩だった。「1年生の時からAチームに入れていただいて、高橋光成さんの後ろを守っていた。(高橋光が)2年生で甲子園優勝したときの捕手が自分の兄(駿輝さん)という接点もある」と先輩への思い入れは深い。縁あって同リーグへの入団。「対戦を1番楽しみにしている。何とか打ちたい」と打席での“再会”を願った。
ロッテ沢村拓一投手(32)が30日、海外フリーエージェント(FA)権行使の申請書類を球団に提出した。その後、代表取材に対応し「この度、海外FA権を行使することになりました。権利をとるにあたってジャイアンツ、ロッテ、数多くの人に恵まれて、支えていただきまして、この権利をとることができたので、心から本当に感謝しています」と話した。主な質疑は以下の通り。
ロッテ沢村拓一投手(32)が30日、海外フリーエージェント(FA)権行使の申請書類を球団に提出した。この日は午前中からZOZOマリンを訪れ、自主トレも行った。
沢村は9月に巨人から移籍。10月17日に出場選手登録日数が通算9年に達し、海外移籍も可能なFA資格を取得していた。今後は大リーグ、ロッテへの宣言残留、国内他球団も選択肢に入れ、決断を下すことになる。
日本野球機構(NPB)とJリーグの第21回「新型コロナウイルス対策連絡会議」(Web会議システムにて実施)が30日、行われた。会議後の合同会見(Web会議システムにて実施)を行った。
NPB斉藤惇コミッショナーは「プロ野球は25日に日本シリーズ優勝が決定した。入場者の制限がありましたが、約482万人のお客さまにお越しいただいた。プロ野球の文化を守るというところで努力していただいた各球団のオーナー、関係者、医療従事者、自治体、保健所、政府関係者、難局を乗り越えるため一体となって取り組んできた。感謝を申し上げたい。我々は多くのことを学んだ。先生方からトイレが非常に問題。飛行機、競技場、トイレの問題が具体的に出てきた。具体的なケースをまとめて、選手の心理状況、肉体状況、お客さんの状況を分析したリポートをつくりたいと思っている」と話した。
座長を務める専門家チームの東北大・賀来満夫氏は冒頭で「プロ野球が全日程ができた。本当に良かったと思います。100年に1回と言われるような感染症の中で対応できたことは、選手、関係者、スタッフの努力があったからだと思う。敬意を表したいと思います」とした。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、米大リーグ挑戦を目指し、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ、「(メジャーに)憧れもあるし、夢もある」と語った。新型コロナウイルスの感染拡大で移籍市場は不透明な状況だが、越年も視野に新天地を模索する。
32歳の沢村が新たなステージに目を向けた。米大リーグ挑戦を目指し、今季取得した海外FA権の行使を表明した。
「日米42球団全て考えられる中で、選択肢の中にメジャーもある。世界中の優れた選手がプレーする場所。憧れもあるし、夢もある。1番必要としてくれる球団で腕を振りたい」。
プロ10年目の今季は巨人で防御率6.08と苦しんだが、9月にロッテへ移籍し、22試合の登板で防御率1.71。最速159キロの速球を武器に、チームの13年ぶりの2位とクライマックスシリーズ進出に貢献した。
「オフに入ってから、1人でいる時間が長かった。そのことを考えることが非常に多かった」。
大リーグには同い年のヤンキース・田中将大投手やツインズ・前田健太投手、レッズ・秋山翔吾外野手がおり「メジャーでプレーする姿は、一ファンとして今まで見続けてきた」という。
今季の大リーグはレギュラーシーズンが60試合に短縮され、無観客で実施。AP通信によると、全30球団で計30億ドル(約3120億円)の損失が出た。さらに米国内での新型コロナウイルスの拡大に歯止めがかからず、来季開催の見通しは不透明なままだ。
移籍市場への影響は必至だが、救援投手の需要はある。沢村の代理人はイチロー氏を担当したジョン・ボッグス氏。顧客の平野佳寿投手が所属するマリナーズ、さらに事務所を米カリフォルニア州サンディエゴに構えることからパドレスとの関係が深い。この2球団以外にも、救援陣を強化したいジャイアンツとレンジャーズ、ブルージェイズなどが獲得に動く可能性がある。
「そこ(交渉など)は(代理人に)任せている。年が明けることもあると思う。自分の野球人生なので、自分の悔いのないように選択したい」。世界最高峰の舞台へ。野球人生の節目を迎えた。
日本ハム・有原航平投手(28)が米大リーグに移籍するため、11月26日にポスティングシステムの申請手続きを日本野球機構(NPB)に行った。日本ハムからは西川遥輝外野手(28)も同制度を利用した米球界挑戦を表明。巨人・菅野智之投手(31)については、球団が同制度での大リーグ挑戦を容認する意向を示している。
ロッテは沢村に対し、権利を行使した上での宣言残留を認める方針。球団関係者が「去年からそういう体制なので、沢村に限らず宣言残留を認めています」と明かした。昨オフにFA宣言し、楽天へ移籍した鈴木大地内野手(31)に対しても宣言残留を認める方針を伝えていた。
プロ野球の斉藤コミッショナーは30日、今季の育成選手のうち、各球団が来季の戦力として契約する権利を持つ保留者名簿を公示した。12球団で計54人。
日本野球機構(NPB)は30日、オンラインで12球団代表者会議を開き、今季中に新型コロナウイルスに感染した事例や、直面した感染リスクなどを取りまとめることを決めた。各球団は監督、コーチ、選手らにアンケートを実施し実際の調整にどのような影響が出たかなどを把握し、来季に向けたガイドラインの改定などに生かす。
NPBの井原敦事務局長は「今年は『特例2020』というルールで選手の負担をできるだけ軽減、試合挙行を継続という方向でやってきた。コンディショニングの実態の把握によって、ガイドラインや特例の改定につながっていくと思う」と語った。
代表者会議に先立って開かれた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第21回会議では、感染防止対策を施して29日に終了したプロ野球の「みやざきフェニックス・リーグ」、サッカーJリーグのアウェー移動時の対応について情報を共有。感染症の専門家チームからは、競技場内や移動の際に使用する航空機内のトイレについて注意喚起がなされた。
ロッテがドラフト3位で指名した国学院大の小川龍成内野手(22)=171センチ、72キロ、右投げ左打ち=の入団が30日、決まった。契約金6000万円、年俸1000万円で合意。守備力に定評があり、二遊間の即戦力として期待され「1年目からレギュラー争いに食い込めるように、しっかり準備をしていきたい」と球団を通じてコメントした。(金額は推定)
ロッテは、海外フリーエージェント(FA)権の行使を表明した沢村拓一投手(32)に対し、権利を行使した上での宣言残留を認める方針。球団関係者が30日、「もちろん去年からそういう体制なので、沢村に限らず宣言残留を認めています」と明かした。昨オフにFA宣言した鈴木大地内野手(31、現楽天)に対しても宣言残留を認める方針を伝えていた。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、大リーグ挑戦を目指し、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。以下は同投手との全てのQ&A。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、海外フリーエージェント(FA)権を行使することを表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ「日米42球団全て考えられる中で、選択肢の中にメジャーもある」と話した。同投手は10月17日に出場選手登録が9年に達し、海外FA権を取得していた。すでにイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐)らの担当で知られるジョン・ボッグス氏と代理人契約を結んでいる。今季は9月に巨人からトレードでロッテに加入。22試合に登板して0勝2敗、13ホールド1セーブ、防御率1.71。
日本野球機構(NPB)とサッカーJリーグが連携して感染症の専門家チームから意見を聞く「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第21回会議が30日、オンラインで開かれ、感染防止対策を行って実施し、29日に終了したプロ野球の「みやざきフェニックス・リーグ」、Jリーグのアウェー移動時の対応について情報を共有。専門家チームからは、競技場内や移動の際に使用する航空機内のトイレについて注意喚起がなされた。
プロ野球の斉藤惇コミッショナー(81)は来年2月の春季キャンプや来シーズンに向けて、「これまでに起きた具体的なケースを分析し、選手の状況やお客さんの対応をまとめたリポートをまとめたい」と語った。
ロッテのフランク・ハーマン投手(36)とチェン・ウェイン投手(35)が保留者名簿から外れていることが30日、分かった。
残留交渉が難航しており、退団の可能性も出てきた。ハーマンは昨オフ、楽天からロッテに移籍し今季は中継ぎとして38試合に登板。3勝2敗1セーブ、防御率2.15を残した。 チェン・ウェインはシーズン終盤に加入し4試合で0勝3敗、防御率2.42も、ソフトバンクとのCSで先発するなど、戦力となっていた。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、本拠ZOZOマリンを訪れ、今季取得条件を満たした海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。剛腕リリーバーの移籍先候補の1つとして、資産家のスティーブ・コーエン新オーナー(64)が就任したメッツが浮上。投手補強に巨額の資金を投じる方針で、沢村の争奪戦への参戦だけでなく、複数の日本人投手獲得に動く可能性もある。
腹は決まった。球団にFAの申請書類を提出した沢村が、プロ入り前から抱いたメジャーへの思いを語った。
「最高峰の舞台。世界中の優れた選手が集まるという認識の中から憧れももちろんあるし、夢もある。そういった意味で権利を行使させてもらうことになりました」。
既に代理人はイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)、平野(マ軍からFA)らを担当するジョン・ボッグス氏に決定。「日米42球団と交渉が可能となりました。自分を1番必要としてくれている球団で腕を振りたいなという気持ちです」。ロッテ残留も含め、現時点では横一線を強調したが、メジャー挑戦を軸に移籍先を探っていくとみられる。
移籍先候補として、にわかに浮上してきたのがメッツだ。このオフに資産146億ドル(約1兆5184億円)の投資家スティーブ・コーエン氏が新オーナーに就任。他球団と桁違いの資金を持つ同氏は、16年以来5年ぶりのポストシーズン進出へ向け「並のチームをつくるために球団を買ったのではない」、「ニューヨークのチームらしくお金を使う。3〜5年の間にワールドシリーズを制することができなければ、少しがっかりする」と常勝軍団形成へ意気込む。
沢村の160キロに迫る直球と150キロ超のスプリットはメジャーでも希少価値が高い。メ軍最大の補強ポイントは先発、救援を含めた投手で、歴代最多13人の日本選手が所属するなど縁も深い。ポスティングシステム申請手続きを行った日本ハム・有原との「日本投手ダブル獲り」の可能性もありそうだ。
この日、ZOZOマリンでトレーニングも行った右腕は、移籍交渉成立について「年が明けることもあると思う」と越年も覚悟。「僕の野球人生なのでしっかりと考えたい。悔いのない選択をしたい」と力を込めた。
今季大リーグでプレーした日本選手で「88年世代」は田中(ヤンキースからFA)、前田(ツインズ)、秋山(レッズ)の3人。沢村がメジャーに移籍すれば4人目となる。10年には「75年世代」の日本選手5人(松井稼頭央=当時アストロズ、岡島秀樹=同レッドソックス、上原浩治=同オリオールズ、川上憲伸=同ブレーブス、高橋尚成=同メッツ)が同一シーズンでプレーした。
ロッテからドラフト3位指名を受けた小川が国学院大で契約金6000万円、年俸1000万円で契約した。大学No.1遊撃手と評される守備力が武器。西武・源田の動画を見て「足の運び、グラブさばきを参考にしてきた」と言う。
同席した永野吉成プロ・アマ部長は「小坂コーチのリーグ最高守備率5回を超えられる」と期待。小川も「自分が小さい頃の選手だけど“小坂ゾーン”は知っている」と小坂2軍育成兼走塁コーチへの憧れも口にした。
プロ野球は12球団代表者会議を開き、来季開幕前に感染予防ガイドラインを改定する方針を確認。新型コロナウイルス対策連絡会議の総括からの知見のほか、12球団の現場へアンケートを行い反映させる。
検査実態も確認し、来季へ向けてはPCR検査と抗原検査の併用や、月1回のペースで行ってきた回数も検討する。日本野球機構の井原敦事務局長は「2月下旬に形をまとめたい。今年のベースをバージョンアップしていく」と説明した。
プロ野球とJリーグは合同の新型コロナウイルス対策連絡会議をオンラインで行った。
3月の発足以来、両団体などが体験してきた知見をまとめ、総括することを確認。専門家チーム座長の賀来満夫氏は「感染対策の面からプロ野球、Jリーグの皆さま方と一緒に総括リポートを作成する。来年の五輪を含めて様々なスポーツ団体に有益な情報になると思う」と話した。
今回、特にリスクが高いと指摘されたのがトイレの問題。移動中の狭い機内や、競技場で時間帯による密集などが課題となる。また来季以降の定期検査方法なども議論を交わした。
ロッテからドラフト3位で指名された国学院大・小川龍成内野手が30日、同大で契約金6000万円、年俸1000万円で契約を交わした。
前橋育英時代の2年先輩・高橋光成との対戦を心待ちにする。「1年生のときの3年生で、1年からAチームに帯同させてもらっていたので、後ろで守っていた」と打ち明ける。
高橋光が2年夏エースだった甲子園で全国制覇を達成しているが、当時の3年生捕手が小川の兄・駿輝さんだったという縁もある。「自分自身の中ではプロでの対決できることを1番楽しみにしている。何とか打ちたい」と目を輝かせていた。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、ZOZOマリンを訪れ、海外FA権を行使することを明かした。この日、申請書類を提出し、「権利をとるにあたって、巨人、ロッテ、数多くの方に支えられてきた。心から感謝しています」とコメントした。
沢村は9月に巨人からトレード移籍し、10月17日に出場選手登録日数が通算9年に達していた。球団サイドはFA取得者に対し、宣言残留も容認しているが、すでに、代理人もイチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)、平野(マリナーズFA)らの担当も務めるジョン・ボッグス氏に決定している。
メジャー挑戦の可能性が最有力とみられている一方で、「日米42球団と交渉が可能となりましたので、米国への移籍、ロッテ以外への国内の移籍、全て考えられる中で、自分を1番必要としている球団で腕を振りたいなという気持ちです」とロッテ残留も含めて、現時点では横一線とすることを強調した。
一方で、メジャーリーグについて「最高峰の舞台ですから、世界中のすぐれた選手が集まるという認識の中から憧れももちろんあるし、夢もある。そういういった意味で権利を行使させてもらうことになりました」と正直な胸の内も明かした。
160キロに迫る剛速球に加え、150キロを超えるスプリットはメジャーでも希少価値が高い。「年が明けることもあると思う。僕の野球人生なのでしっかりと考えたい。代理人と話し合いをしていかなくちゃなので、自分の悔いのないような選択をしたいと思います」と長期戦も覚悟していた。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明し、ZOZOマリンで取材に応じた。球団は宣言残留を認めており、本人の結論を待つ方針。「最高峰の舞台」と憧れる米大リーグ移籍を目指しつつ、ロッテへの宣言残留や国内移籍も選択肢に入れながら熟考していく。
沢村の去就は米国メディアでも10月中から報じられるなど関心は高い。日本ハム・有原はポスティングでのメジャー挑戦となるが、沢村は海外FA権での移籍。メジャー側としては獲得に譲渡金が必要なく、資金豊かな球団ではなくても手が出せそうだ。
最速159キロの直球と140キロ台後半のスプリットは、強打者ぞろいのメジャーでも力負けしないだけの威力がある。先発の経験もあるため、場合によってはロングリリーフも可能。いくらいても困らない救援投手とあって、複数球団が獲得に乗り出す可能性が高い。
新型コロナウイルスの影響で条件面は不透明な面もあるが、17年オフにパドレスと2年380万ドル(約4億円)で契約した牧田(現楽天)、同オフにDバックスと2年600万ドル(約6億2000万円)の平野(現マリナーズ)が基準になりそう。年俸は2億円前後が見込まれる。
メジャーでNPBの救援投手は一定の評価を受けている。これまでも上原、岡島、田沢等が活躍。平野も1年目の18年から2年連続で60試合以上に登板し、元阪神のドリス、元日本ハムのバース(ともにブルージェイズ)、元中日のロドリゲス(レンジャーズ)らのNPB経験者が結果を残したことで評価は上がっている。
名前 | 球団 | 位置 | FA権 | ランク | |
---|---|---|---|---|---|
岩田稔(37) | 神 | 投 | ○ | 残留 | C |
大野雄大(32) | 中 | 投 | ○ | 残留 | B |
井納翔一(34) | デ | 投 | ○ | 行使 | C |
梶谷隆幸(32) | デ | 外 | ○ | 行使 | B |
田中広輔(31) | 広 | 内 | ○ | 残留 | B |
小川康弘(30) | ヤ | 投 | ○ | 行使検討 | B |
石山泰稚(32) | ヤ | 投 | ○ | 残留 | B |
山田哲人(28) | ヤ | 内 | ○ | 残留 | A |
森唯斗(28) | ソ | 投 | ○ | 残留 | A |
高谷裕亮(39) | ソ | 捕 | 残留 | C | |
明石健志(34) | ソ | 内 | 未定 | B | |
長谷川勇也(35) | ソ | 外 | 未定 | C | |
沢村拓一(32) | ロ | 投 | ◎ | 行使 | A |
松永昴大(32) | ロ | 投 | ○ | 行使検討 | B |
唐川侑己(31) | ロ | 投 | 行使検討 | C | |
荻野貴司(35) | ロ | 外 | △ | 行使検討 | B |
増田達至(32) | 西 | 投 | ○ | 行使検討 | B |
杉谷拳士(29) | 日 | 内 | ◎ | 残留 | C |
松井雅人(33) | オ | 捕 | ○ | 残留 | C |
[注]◎:今季海外FA取得、○:今季国内FA取得、△:国内FA取得済、無:海外FA取得済、※故障者特例の適用はなし。ランクは本誌調べ。カッコ内は年齢。
※年俸ランクは旧球団での外国人選手を除く今季の順位。人的補償はプロテクト28選手と外国人選手、直近のドラフトで獲得した選手を除く選手が対象。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明し、ZOZOマリンで取材に応じた。球団は宣言残留を認めており、本人の結論を待つ方針。「最高峰の舞台」と憧れる米大リーグ移籍を目指しつつ、ロッテへの宣言残留や国内移籍も選択肢に入れながら熟考していく。
沢村が大きな決断を下した。海外を含む全ての球団と交渉可能な海外FA権を行使すると表明し「日米42球団全て考えられる中で、選択肢の中にメジャーもある。1番必要としてくれる球団で腕を振りたい」と話した。メジャーに関しては「世界中の優れた選手がプレーする場所。憧れもあるし、夢もある」と続けた。
9月7日に香月とのトレードでロッテに移籍してから約2ヶ月半。「ロッテで優勝」を目標に掲げ、勝ちパターンの一角として22試合に登板し1セーブ13ホールド、防御率1.71の好成績をマークした。13年ぶりの2位とクライマックスシリーズ出場に貢献し、井口監督も「本当に頼もしい投手が来てくれた」と高く評価していた。
シーズンの全日程が終了し「オフに入ってから1人の時間が長かった。トレーニングも1人。そういった意味では、そのことを考えることが非常に多かったと思う」と揺れる胸中も明かしたが、家族や親しい友人、球団とも話し合いをした上で行使を決断した。
メジャーで活躍する同じ1988年生まれ選手の活躍にも刺激を受けた。ヤンキースからFAとなっている田中将大(メジャー通算78勝46敗、防御率3.74)、ツインズの前田健太(同53勝36敗、防御率3.75)、レッズの秋山翔吾(同54試合、打率2割4分5厘)はいずれも同学年。「同級生がアメリカでプレーする姿は、一ファンとして今まで見続けてきた。同級生の活躍というのはアメリカ、日本、関係なく非常に嬉しいこと」と喜んだ。
代理人はイチロー氏(現マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)の担当で知られるジョン・ボッグス氏に決まった。新型コロナウイルスの感染拡大により移籍市場は不透明だが「(決まるのが)年が明けることもあると思う。僕の野球人生なので後悔のない選択をしたい」と決意した。球団は宣言残留を認めており、本人の決断が出るまで待つ方針だ。巨人とロッテで支えてくれた人への感謝を胸に、夢舞台への準備を進めていく。
日本野球機構(NPB)は30日、2021年度の育成選手保留者名簿(来年も継続して契約を結ぶ予定の育成選手)を発表した。
12球団の選手は、以下の通り。
プロ野球の12球団代表者会議が30日、行われ、新型コロナウイルスに関連する今季の総括をリポートとして作成する方針で一致した。感染事例などをまとめ、来季に向けたガイドライン改訂につなげる。
リポート作成にあたって今後、12球団の選手らに今季のコンディショニングに関するアンケートを実施。実際にコロナ禍でのコンディショニングを把握することで来季に役立てるという。今季は選手の負担軽減目的で1軍枠やベンチ入り人数拡大などの特別ルールを設定したが、来季も同様の特別ルールは継続される方向となっている。
また、並行して検査態勢の見直しも視野に入れる。今季は監督、コーチ、選手が月に1度のPCR検査を受けたが、抗原検査との併用も念頭に検査頻度を上げることも検討していく。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、今季中に取得条件を満たした海外フリーエージェント(FA)権を行使することを正式に表明した。
「この度海外FA権を行使することとなりました。権利を取るに当たってジャイアンツ、ロッテ数多くの人に支えていただきましてこの権利をとることができたので本当に感謝しています。家族とも話しましたし親しい友人と話す中で思い切って行使させていただこうかなと思いました。日米42球団と(交渉が)可能になりましたので、もちろんアメリカの移籍、ロッテに残る、日本国内の移籍。全て考えられる中で自分が1番必要としてくれる球団で腕を振りたいなという気持ちです」とコメントした。
今季は9月8日に香月とのトレードで巨人から移籍した後、22登板、13ホールド、防御率1.71をマークしチームに貢献してきた。
ロッテはFA宣言後の残留を認めていて、今後はメジャー移籍を目指して米球団との交渉を進めながら、来季の進路を決めていく。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、今季中に取得条件を満たした海外フリーエージェント(FA)権を行使することを正式に表明した。
「この度海外FA権を行使することとなりました。権利を取るに当たってジャイアンツ、ロッテ数多くの人に支えていただきましてこの権利をとることができたので本当に感謝しています。家族とも話しましたし親しい友人と話す中で思い切って行使させていただこうかなと思いました。日米42球団と(交渉が)可能になりましたので、もちろんアメリカの移籍、ロッテに残る、日本国内の移籍。全て考えられる中で自分が1番必要としてくれる球団で腕を振りたいなという気持ちです」とコメントした。
今季は9月8日に香月とのトレードで巨人から移籍した後、22登板、13ホールド、防御率1.71をマークしチームに貢献してきた。
海外FA権を取得した10月17日には球団を通じ「チームが優勝争いをしているので今はそのことしか考えていません」とコメント。全日程終了後も熟考を重ねてきた。
ロッテはFA宣言後の残留を認めていて、今後はメジャー移籍を目指して米球団との交渉を進めながら、残留も選択肢に入れて来季の進路を決めていく。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外FA権を行使すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ、「自分の悔いのないような選択をしたい」と話した。中大時代、プロに入ってからも変わらずに夢を描き続けてきた米大リーグ挑戦へ、ついに本格的に動き出す。
150キロ後半の速球とスプリットは魅力だ。わずか22試合とはいえ、ロッテ移籍後の好投は大きなセールスポイントになる。巨人時代の成績に対するメジャーの評価が契約条件のカギになるだろう。
沢村が賢明だったのは代理人に約40年のキャリアを誇るボッグス氏を選んだことだ。現役晩年のイチローの契約をまとめ、平野のメジャー移籍や元阪神・ジョンソンのMLB復帰にも尽力した。実績は十分だ。
懸念されるのは、新型コロナウイルスの感染拡大によるMLB各球団の大幅減収だ。ドジャースの損失が1億ドル(約104億円)を超えるなど、補強資金に影響する厳しい状況に直面している。
現に今オフの米FA市場の動きは非常に遅い。最優秀救援投手のヘンドリクスや最多セーブのハンドら、約70人のリリーバーが未契約のままだ。沢村は国内移籍も視野に入れているとのことだが、条件にこだわれば、長期戦が予想される。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外FA権を行使すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ、「自分の悔いのないような選択をしたい」と話した。中大時代、プロに入ってからも変わらずに夢を描き続けてきた米大リーグ挑戦へ、ついに本格的に動き出す。
憧れ続けてきた舞台に飛び込む−。沢村はこの日、申請書類を球団に提出し、海外FA権の行使を表明。描いてきた夢の実現に向けて動きだした。
「家族、親しい友人と話しました。思い切って行使させていただこうと思いました」。沢村は穏やかな表情で経緯を説明。在籍した巨人やロッテに対しては「数多くの人に恵まれ、支えていただいた」と感謝の思いも口にした。
それでも大リーグ移籍は中大時代からの大きな夢だった。プロに入ってからも全くブレなかった。「最高峰の舞台ですから。世界中の優れた選手がプレーする場所という認識。憧れもありますし、夢もあります」と胸の内を明かした。
今季途中に巨人からロッテにトレードで移籍し、救援で22試合に登板して防御率1.71と躍動した。ロッテはこれまでと同様に宣言残留を認めており、本人の結論を待つ方針だ。右腕は「自分のことを1番必要としてくれる球団で腕を振りたい。日米42球団と交渉が可能になった」と強調したが、今後は大リーグ30球団から移籍先を模索する。
今後、渡米する可能性については「これから(どうするか)決めます」と語った。移籍先が決まるまで、長期戦も視野に入れており「年が明けることも、あると思います。いつまでとは決めていない」との考えを示した。
「僕の野球人生。自分の悔いのないような選択をしたい」。日本を代表する剛腕が、長年の夢を実現させる。
日本野球機構(NPB)と12球団は30日、臨時の代表者会議を開き、新型コロナウイルスの影響を受けた今季の総括リポートを作成していくことを決めた。NPBの井原事務局長は「資料として残すということでまとめる」と話し、来季開幕に向けた感染予防ガイドラインの改定に反映させる方針だ。
今季中に発生した感染事例やリスクの確認などに加え、各球団の首脳陣や選手に対しては、コンディショニングの実態についてアンケートを実施して意見を取りまとめる。
今季は開幕が大きく遅れたことで日程が過密になり、選手は難しい調整を強いられた。来季もベンチ入り枠など選手の負担軽減のための特別ルールは継続していく方向だが、さらに現場の“生の声”を聞くことで今後に生かしていく。
プロ野球の斉藤コミッショナーは30日、今季の育成選手のうち、各球団が来季の戦力として契約する権利を持つ保留者名簿を公示した。
公示されたのは阪神・小野寺暖外野手ら12球団で計54人。一方で名簿に含まれなかった育成選手は12球団で計56人。球団別では巨人の17人が最多。
DeNAでは07年の高校生ドラフトで1巡目指名を受け入団した田中健二朗投手が名簿から外れた。田中は16年は61試合、17年は60試合に登板するなど、中継ぎとして活躍。昨年8月にトミー・ジョン手術を受け、今季から育成選手となっていた。
ロッテの沢村拓一投手(32)が30日、米大リーグ挑戦を目指し、今季取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。ZOZOマリンスタジアムで取材に応じ「日米42球団全て考えられる中で、選択肢の中にメジャーもある。1番必要としてくれる球団で腕を振りたい」と話した。
代理人はイチローさんを担当したジョン・ボッグス氏が務める。ロッテは権利を行使した上での残留を認める方針。
沢村は米大リーグについて「世界中の優れた選手がプレーする場所。憧れもあるし、夢もある」と語った。
ロッテ・沢村拓一投手(32)が30日、今季取得した海外FA権の行使を表明した。千葉市内の球団事務所を訪れ、FA権行使の申請書類を提出。海外FA権を行使したことでメジャー移籍、国内移籍、ロッテ残留を含め、日米42球団との交渉が可能になった。
ZOZOマリンスタジアムでのトレーニング後に取材に応じた沢村との一問一答は以下の通り。
2007年以来13年ぶりとなる2位でクライマックスシリーズ進出を果たしたマリーンズ。打線はチーム打率、得点圏打率はリーグワーストの.235、.230、得点はリーグワースト2位の461、本塁打もリーグワースト2位タイの90本塁打と、昨季リーグ2位の642得点をマークした得点、そしてマリン移転後最多となる158本塁打を放った前年から大きく打撃成績を落とした。
代打の打率は12球団トップの.286をマークしたが、イニング別では9回の打率(.154)、得点(20)、(得点圏打率.154)は他のイニングに比べて極端に低かった。打線全体が苦しみ得点力不足に陥った時期はあったが、先の塁を狙い“足”を使った攻撃は、シーズン通してできたのではないだろうか−。
なかなか出塁ができない中で、1本の安打で一塁走者が三塁、ホームへ生還する場面が数多くあった。特にマーティンの走塁は素晴らしかった。7月10日の西武戦では、2−3の一死一塁からレアードがセンター前に放ったやや浅い安打で、センター・鈴木の守備位置がやや深めだったのを見て、一気に三塁へ進塁。
8月13日の日本ハム戦では、5−5の7回1死一塁から井上の三塁強襲の内野安打で、ショート方向に打球が転々とする間に一塁走者・マーティンが三塁へ陥れた。9月4日のソフトバンク戦では、1−2の7回1死一、三塁から菅野の右安で、一塁走者のマーティンが三塁へ進塁したということもあった。
10月1日の日本ハム戦では、0−0の4回2死一、三塁で菅野が二盗した場面、一塁走者・菅野はアウトのようなタイミングだったが、三塁走者のマーティンが少し飛び出したところに、二塁・渡辺が三塁へ送球。その間に菅野が二塁盗塁を決め、マーティンもセーフ。その後、中村のタイムリーにつながった。
マーティンは次の塁を狙うだけでなく、盗塁でも8月16日の日本ハム戦で、投手・バーヘイゲンのモーションが大きかったこともあり、三塁盗塁成功させるなど、バットだけでなく、“足”での貢献度もかなり高かった。ちなみにシーズン7盗塁だが、三盗は3度記録している。
トップバッターとしてチームを支えた荻野、代走の切り札として一気に今季存在感を高めた和田康士朗も、さすがの走塁を見せている。
荻野は7月7日の西武戦、0−1の3回1死二塁、センター前にヒットを放ち、二塁走者の柿沼を刺そうとセンター・川越がバックホームするのを見て二塁進塁。10月31日の楽天戦では、1−3の6回無死二、三塁から角中の鋭い当たりのショートゴロで、二塁走者の荻野は角中が打った瞬間にスタートをきり三塁へ進塁する好判断。盗塁といった目に見える数字だけでなく、状況を判断する能力の高さ、相手の動きを見て先の塁を狙う走塁など、数字に現れない部分での走塁を今季も数多く見せつけた。
開幕直前に支配下選手登録となった和田も、7月7日の西武戦、8−5の8回1死一塁で代走・和田が登場し、西武の投手・田村に足でプレッシャーを与え、藤岡は1球もバットを振ることなく四球を選んだということもあった。8月19日のソフトバンク戦では、0−2の初回1死一塁、中村のセンター前へのヒットで、ランエンドヒットでスタートを切っていた一塁走者の和田が、センター・柳田が捕球してから反転した送球体勢、セカンド・周東がホームに帰ってこないと決めつけたような中継プレーを見て、一気に一塁からホームインと、塁上を縦横無尽に駆け回った。
そして忘れてはならないのが、加藤翔平だ。今季出場機会は少なかったが、9月4日からソフトバンクとの3連戦3連勝したときには、加藤の走塁が非常に大きかった。9月4日の試合では、1−2の7回1死一塁からマーティンの中安で一塁走者の加藤が三塁へ。6日の試合は、センター前にタイムリーを放つと、柳田がホームに送球する間に打者走者の加藤が二塁へ進塁。菅野のレフト前に落ちるタイムリーで二塁走者の加藤が生還した。
9月13日のオリックス戦では、6−2の8回2死満塁からマーティンが放ったレフトへのあたりを後方に守っていた吉田が前に出てきてスライディングキャッチを試みるも打球を弾き、その間に一塁走者の加藤も悠々ホームイン。決して一塁走者がホームインできるような当たりではなかっただけに、素晴らしい走塁だった。
10月13日の楽天戦では、2−3の8回に牧田からショート後方、左中間を抜ける安打でセンター・田中の守備体勢を見て俊足を飛ばして一気に二塁へ。二死三塁から加藤は、マーティンの打席中にワイルドピッチで同点のホームを踏んだということもあった。
今季は相手のミスを突いて、次の塁を奪い、それが得点に繋がることも多かった。6月23日のオリックス戦では、5−5の9回1死一塁で同点タイムリーを放った井上の代走で和田が登場し、続く田村の初球、ワイルドピッチとなり一塁から一気に三塁へ進塁。田村が四球、藤岡が申告敬遠で満塁となり、荻野の死球でサヨナラのホームを踏んだ。
8月20日のソフトバンク戦では、4−4の10回2死一、二塁で佐藤の打席で椎野が暴投。バックネット裏にボールが転々としている間に、フルカウントでスタートを切っていた鳥谷が三塁ベースを回ってホームへ。タイミングは微妙だったが、甲斐からホームベースカバーに入った椎野への送球が若干逸れ、タッチをかいくぐるように鳥谷がヘッドスライディングでホームに生還し、サヨナラ勝ちを決めた。
9月20日の日本ハム戦では、2−3の9回2死一、二塁、菅野の打席中、捕手・清水が弾く。一塁走者・三木が飛び出し、捕手・清水が一塁へ送球するも悪送球となり、二塁走者の加藤が同点のホームを踏んだ。
足の速い選手だけでなく、井上晴哉、レアードといった大柄の選手達も次の塁を狙う姿勢を常に見せていた。井上は開幕直後の6月26日のオリックス戦、4−5の8回2死一、二塁で藤岡が前進守備の外野の頭を越えるヒットで、一塁走者の井上も激走しホームイン。ホーム生還後、右手の拳を突き上げガッツポーズを見せた。
11月8日の西武戦では、3−2の6回2死一、二塁から荻野が一塁へ内野安打を放つと、ベースカバーに入った平井克典が審判判定を求める間に、二塁走者の井上が三塁ベースを蹴ってホームを狙う。平井も慌てて本塁へ送球するも、これが悪送球となり、二塁走者の井上が生還した。
レアードは7月7日の西武戦、3−2の6回無死二塁から井上の右飛で三塁へタッチアップ。レアードは走塁について昨年の取材で「あんまり速くはないですけど、打つ方、守る方をしっかりやらないと。その3つを常に意識してやっています」と話している。
ここでは紹介しきれなかった以外にも、数多く好走塁を見せた。日本シリーズでソフトバンクの好走塁が話題になったが、ソフトバンクやマリーンズだけでなく、パ・リーグの球団は相手のミス、一瞬の隙を見逃さず次の塁を狙う質の高い走塁を何度も見せてきた。マリーンズの課題は打撃力。この“走塁力”に今季以上に打てれば、相手にとっていやらしい攻撃陣になることは間違いない。