主砲としての成長が期待されるロッテ安田尚憲内野手(21)の将棋グッズが完成した。
「色々なことを考えている時に使うと、何かひらめきそうな感じがします」という本人の要望でオリジナル扇子が完成。イラストと“志高”の言葉が描かれる。イベントで共演した渡辺名人の言葉で「勝負されている時の立ち居振る舞い、オーラ、姿に憧れます」と話す。今季も兄とリモート対局を重ねていたといい「来年はしっかり活躍して、将棋好きなキャラをアピールできれば」と願った。年明けに球団オンラインストアで販売される予定だ。
ロッテ・安田が3冠王級の活躍を誓い、グッズを製作していることを明かした。定番のTシャツ、タオル、キーホルダーなどだが、デザインが斬新で趣味の将棋がモチーフ。今月行われた「プロ野球最強将棋王決定戦」(スポーツニッポン新聞社など主催)で初対面した渡辺明3冠(王将、名人、棋王)からサインとともに贈られた言葉「志高」をプリントした。
「渡辺先生のようにたくさんタイトルを獲れるように頑張ります。将棋の魅力は運ではなく、全て知恵、実力で勝ち負けが決まること。来年はしっかりと活躍して将棋好きをアピールできれば」。当初製作予定はなかった扇子も「色々考えている時に使うと何かひらめきそうな感じがする」と自身の要望で追加製作となった。
コロナ禍の自粛期間中は、小学生の頃から楽しんできた将棋を勉強し直した大砲。今季87試合で4番を務めながら6本塁打に終わり、来季は20発が目標だ。将来的には棋士との対談も熱望し、「(年末年始は)頭のトレーニングのために将棋をします!」と珍トレにも取り組んでいく。
20代の若手も、40代の大ベテランも、現役を終えた後、さらに長い人生が待っている。今年は上下2回で掲載する年末恒例「惜別球人」の第2回は、パ・リーグ編。グラウンドで発揮したそれぞれの個性を生かすべく、新たな道へ踏み出す。
引退してすぐ、「監督」と呼ばれるようになった。「まだ全然慣れてませんよ」と細川は笑う。熊本県を拠点とする独立リーグの新球団「火の国サラマンダーズ」の監督に就任。来春から大分の球団や自身の古巣ソフトバンクの3軍などと対戦する。「引退後はボケーッとしようと思っていた」。大好きな釣り三昧の日々を思い描いていたが、再びユニホームに袖を通す。
捕手一筋、4球団で19年間のプロ野球人生。10月上旬、ロッテはコロナ禍に見舞われ、2軍は選手の数が足りずに試合ができない期間が続いた。「その時に今までの自分を見つめ直した。野球ができないというのは寂しいことなんだって…」。40歳の秋。引退が頭をよぎった瞬間だった。
「僕は先輩や指導者の方々、本当にいい人達に恵まれた」。最大の恩師が西武時代の先輩、監督である中日・伊東勤ヘッドコーチ。引退試合となった11月9日の日本ハム戦では千葉まで駆けつけてくれた。「何か1つでも伊東さんの数字を超えたかった。バントしかないと思っていたけど…」。細川の通算296犠打はプロ野球歴代8位で伊東ヘッドは同4位の305犠打。これだけが心残りだ。
指導者としての新たなスタート。「1人でも多くの選手をNPBに送り込みたい。監督でも今まで通り“捕手・細川”で。プロで経験した厳しさを伝えたい」。捕手一筋。その姿はずっと変わらない。
新型コロナで思うような取材ができなかった一年。2020年はロッテ担当としてキャンプ、シーズン、ポストシーズンと例年よりも少し離れたところから見た。個人的にはリーグ優勝、日本一に輝いた05年以来、記者として久々に古巣へ戻った。そこで驚いたことを、1位から5位まで順位づけして独断と偏見で挙げてみた。
では、5位から!
ロッテが安田尚憲内野手(21)の“将棋グッズ”を製作し、販売することが29日、分かった。
「小学校の時からやってました」という将棋好きの、本人の要望で、製作された扇子(税込み1700円)などのオリジナルグッズをそろえている。なお、グッズはマリーンズオンラインストアで来年1月2〜11日までの受注販売となっている。
ZOZOマリンスタジアムでの秋季練習最終日となった11月29日、中村奨吾内野手は監督室にいた。その場で井口資仁監督から主将に任命された。部屋に入るや「奨吾にキャプテンをやってもらいたいと思っている」と切り出されると「ハイ、分かりました。頑張ります」と即答した。
「監督からはこれまでも『リーダーになれ』と言われてきましたので驚きはありませんでした。ただ今まで以上に周りを見ながら自覚と責任感を持ってチームを引っ張りたいと思っています」。
主将に指名された中村奨はその時のことをそのように振り返った。周囲からはクールに見られがちな男だが、誰よりもチームを考える熱い男だ。井口監督が就任した2018年。試合中に誰よりも声を出し、喉が枯れて声が出なくなってしまった時期もあった。「あれから、さすがにあそこまで声を出すことはなくなったけどベンチでも守っている時も声を出したり、ピンチの時などにピッチャーに声を掛けることは意識している」と中村奨。
今季は無観客試合などで、グラウンドの音が聞こえやすかったため、多くの人が知ることになるが背番号「8」は定位置から実に頻繁にマウンドの投手に声を掛けている。
「キャプテンマークがユニホームに付くとかはあるけど、やることは基本的に変わらないとは思っている。ただチームが苦しい時にこそ自分がやらないといけないという想いは強く持っている」。
中村奨には20年シーズンの悔しさが残っている。10月中旬まではホークスとデッドヒートを繰り返しながらも、最後にイッキに突き放された。終わってみれば14ゲーム差をつけられての2位。悔やまれるのはチームとして苦しんだ10月。中村奨自身も打撃で結果が伴わず、もがき苦しんだ。そんな誰もが苦しい時にこそ、チームを鼓舞し引っ張れるリーダーでありたい。中村奨が理想とするキャプテン像だ。
17年を最後に3年間、空白だった主将の座。あえてキャプテン制を敷かずに全員がチームを引っ張るという気持ちを持ち、束になって戦うための意識付けの期間は終わった。21年は作り上げた束の大きさを太く強くする時。そのためには確固たる芯が必要だ。チーム愛にあふれ、自己犠牲をいとわず、28歳と脂がのっている中村奨がこの条件にピッタリと当てはまる。
「どんな時もみんなで気持ちを1つにしてリーグ優勝をしたい。今年、つかみ切れなかった夢を来年こそはみんなでつかみ取りたい。そのために自分にできることは何かを常に考えて、率先して声を出して、声を掛けていくことができればと思う」(中村奨)
激動の20年は終わる。そして、すぐに21年は始まる。新たな年は若き新主将がマリーンズを引っ張る。そして必ずやつかみ取る。1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を。昨今、暗い話題の多い世の中にあって背番号「8」を中心としたマリーンズが明るい話題を振りまく時だ。
(千葉ロッテマリーンズ広報・梶原紀章)