ロッテが3年ぶりの開幕戦白星を挙げた。6回に中村奨の2点適時打などで3点を先行し、8回にレアードの適時二塁打で加点した。石川が7回を3安打に抑え、ゲレーロ、益田とつなぎ無失点リレー。楽天は則本が粘れなかった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 4 |
東北楽天 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
3月1日に高校を卒業したばかりの若者の手で2022年初勝利を掴んだ。息は白くなるほど肌寒い杜の都 仙台で井口マリーンズは開幕戦勝利を挙げた。4対0。完勝だった。
「石川が本当に低め低めに投げて試合を作ってくれた。そして松川がしっかりとリードをしてくれた。石川のいいところを引き出してくれた」。
井口資仁監督は試合が終了するとまずはバッテリーを褒め称えた。注目を集めた高卒ルーキーの松川虎生捕手。史上3人目となった高卒ルーキーの開幕スタメンも堂々としていた。ベンチで見守った指揮官も「全然変わらなかった。普段通り、ドッシリとベンチの1番いいところに座っていた」と笑うしかなかった。ヒットこそ出なかったが、石川歩投手をインコースにストレートを堂々と要求するとシンカーとツーシームを的確に決め、試合の流れを作った。そして続くタイロン・ゲレーロ投手、益田直也投手を好リード。完封勝利に導いた。
「最後は抑えに柿沼を起用することもプランにあったが、今日の流れ的にいい感じでリードしていたので、最後まで行かそうとなった」。
当初のプランでは僅差で終盤に突入し経験豊かな柿沼友哉捕手の投入を考えていたが、ベンチでマウンドとの息の合った呼吸を見て最後まで行くことを決断した。
打線は5回までイーグルス先発の則本の前に無安打に抑えられたがワンチャンスを生かした。6回1死から平沢大河内野手が四球を選ぶと高部瑛斗外野手が意表をついて三塁線へセーフティバント。ここから打線がしぶとく繋がり3得点。マリーンズらしい粘りの野球で突破口を切り開いた。
「足を使ってしっかりと点をとれた。ここまでしっかりと対策をしてきた。なかなか点のとれる投手ではなかったけど、しっかりと点をとれた」と井口監督も嬉しそうに振り返った。
「頂点を、つかむ。」という絶対優勝を明確に目標に掲げるチームスローガンと共にスタートした一年は白星で始まった。キーマンとなったのは18歳捕手。「次につながるリードだった」と井口監督は絶賛する。高卒捕手が開幕戦にスタメン出場し勝利するのは1955年の大映 谷本稔氏以来、実に67年ぶりだった。「勝てたことが1番っス」と大物の雰囲気漂う松川は笑った。優勝だけを目指しているマリーンズは最高のスタートを切った。
18歳がロッテを開幕勝利に導いた。石川に背中をポーンとたたかれた松川虎生捕手(18)が、実は背中を押していた。
3点リードの7回2死一、二塁で楽天鈴木大。ここさえ切り抜ければ、の場面。松川はいつものようにマスクの中で左下に視線を落とし、思案した。
「1打席目はひっかけてセカンドゴロ、2打席目はシンカーを捉えられてライナー。どんどん内を突いていこうと思いました」。
内、内と2球突く。石川は振り返る。
「僕もインコースいきたかったんですけど、まあラクしたいなっていう部分もあって、外(のサインが)出たら多分うなずいてたと思うんですけど、そこでインコースが出たので」。
さらに内、内を攻め、切り抜けた。
「背中を押されるじゃないですけど、そんな感じで投げられたので。あれはすごく良かったと思います」。
松川は人知れず本塁上でウン、ウン、ウンと3度うなずいた。石川に近寄る。笑ってポーンとたたかれた。この上ない賛辞だ。
50時間前は「緊張しないッス」と言った18歳はさすがに「最初はすごく緊張しました」という。間合いを重視する右腕を盛り立て、7回の打席ではオープン戦でもなかった犠打を1球で決めた。井口監督は「今日の流れ的に、非常にいい形で虎生がリードしてましたんでね。最後まで行かそうと思いました」とゲームセットまで託した。指揮官が初めて、松川のことをファーストネームで呼んだ。
楽天則本昂大もロッテ石川歩もしっかり開幕に合わせてきた。立ち上がりのピッチングを見る限り、両チームともチャンスは少ないと感じた。こういう展開はミスが命取りになると考えていたが、則本のピッチングでは、審判とのアンバランスさが気になった。
打者の反応を見ながら、この試合では内角攻めが効果的と感じた則本は、厳しく攻めるが判定はボール。私の見た感想では、どちらとも言えるコース。しかし、則本は調子がいい。内角ギリギリを投げきる制球もある。何とかして内角でストライクを、と思う気持ちもわかる。結果として内角にこだわった印象だった。
そして6回1死から試合を分ける場面が来る。平沢に対して3球続けて内角を攻めてカウント2−1。ここからさらに2球続けて内角に投げたが、結局四球で歩かせた。
調子がいい時の落とし穴だ。この四球を皮切りに高部のバントを三塁・茂木が捕球し損ねて(記録は安打)1死一、二塁。マーティンに死球で満塁。中村奨、レアードに連続適時打で3点を失った。
コントロールが良すぎる投手がはまるパターン。いわゆる球審との相性ということだが、ここには大原則がある。当たり前のことだが、審判は投手に合わせない。投手が審判のストライクゾーンに合わせる。言葉にすれば単純明快ではあるが、試合の中で、それも開幕戦で投げる則本は深追いした。
これに対し、石川は外角と内角の比率はおよそ8:2。ポーンと内角を攻めておいて、外角にシンカー。ストライクゾーンの幅を使い楽天打線に的を絞らせない。則本ほど内角にこだわらず、緩急というアクセントをつけながら、冷静に投げた。
受ける松川は、さすがに投手と審判との相性にまで気は回らなかっただろうが、よく石川の良さを引き出していた。立ち上がりのキャッチングには硬さも見られたが、それも当然のこと。こうやって試合を積んでいけば少しずつ回りも見えてくるようになる。
両先発捕手がルーキー対決で注目された。1年目の捕手が、開幕戦にスタメンマスクをかぶる、これだけでもすごいことだ。両捕手とも最後まで試合に出て、公式戦の1試合の重みを感じているだろう。大卒の安田も、高卒の松川も、ここから公式戦の戦いに身を投じていく。
ロッテの新外国人タイロン・ゲレーロ投手(31=ホワイトソックス3A)が派手にデビューした。
8回に2番手で登板し、いきなり161キロをマーク。コロンビア出身の206センチ右腕は「アドレナリンが出てるので、投げている間は寒くなかったし、投げ終わった後もアドレナリンがあったので寒くなかった」と笑った。井口監督も「1年間こういう形で回ってくれれば、こちらとしてはすごく助かります」とたたえた。
ロッテの新外国人右腕タイロン・ゲレーロ投手(31=ホワイトソックス3A)が、来日後の公式戦初登板でいきなり161キロをマークした。公式戦では球団史上最速とみられる。
4−0の8回に、好投した先発石川の後を受けて2番手で登板。9番小深田の4球目が場内スピードガンで「161」と表示された。その後、160キロも1球マークした。
ロッテは佐々木朗希投手(20)が昨年9月10日の楽天戦(ZOZOマリン)で158キロをマーク。今年のオープン戦では163キロを記録し、27日の楽天戦(楽天生命パーク)で先発することが決まっている。
過去には伊良部秀輝投手が94年のオールスターで、沢村拓一投手が20年CSで、それぞれ159キロを投げている。
ロッテのドラフト1位、松川虎生捕手(18=市和歌山)が堂々のプロデビューを果たした。
8番捕手でスタメン出場し、そのまま試合終了までマスクをかぶった。オープン戦では最長でも7イニングまで。「バッテリー、組みたいです」と話していた高校の先輩でもある守護神益田とのコンビも実現するなど、盛りだくさんのデビュー戦になった。
「初めはすごく緊張したんですけど、ゲームに入っていく中でいい緊張感を持ちながら9回まで行けたと思います」と2時間58分を振り返った。
高卒捕手の開幕マスクは2リーグ制以降、史上3人目となった。「あまり気にしないですね。そういうのは。(周囲から)いつも通り、虎生らしくやれと言われたので」。初安打こそ出なかったものの、奪三振の多い則本にファーストスイングで合わせるなど(結果は二ゴロ)、非凡なセンスを見せた。練習試合、オープン戦を通じても一度もなかった犠打も、1球で見事に成功させた。
井口監督は試合前の様子について「いや、全然変わらなかったですよ」とし「普段通り、どっしりベンチの一番いいところに座ってました」と笑いながら証言した。次回は27日の楽天との開幕第3戦(楽天生命パーク)で、佐々木朗希投手(20)とバッテリーを組む見込みだ。
ロッテ石川歩投手(33)が井口資仁監督(47)の期待に満点回答した。
自身3度目の開幕マウンドで7回3安打無失点。ヒーローインタビューでは「今年は優勝します」と仙台へ駆けつけたファンに誓った。
大役を告げられたのは2月20日、温暖な石垣島に残ってB組(2軍)で調整していた時だった。練習中、投手コーチから電話を渡された。聞こえた声は、練習試合遠征で沖縄本島にいる井口監督。そこで託された。「いやぁ、びっくりしました」と後に明かした。
やがて、バッテリーを組む相棒は18歳の松川に決まった。「そんな(引っ張る)余裕あるか分かんないですけど。自分のことで精一杯だと思うので。要求通りに投げれたらいいかなと思います」。前日24日はそう話していた。
5回、先頭の茂木からシンカーで空振りを三振を奪って1死走者なし。続く好調の6番和田に何かを感じたのか。松川の初球のサインに秒速で首を振った。次のサインにすぐさまうなずき、外からのツーシームでファウルを打たせた。
それ以外、目立ってサインに首を振った場面はほとんどない。
「合うというか、投げたい球のサインが出るので、あんまり振ることはないかなと思います」。
良いテンポが生まれ、5回まで15個のアウトのうち10個が内野ゴロ。「しっかりと出し切れる投球をしたい」と臨んだマウンドで、技術を存分に表現した。
プロ9年目を迎え、シーズンの初登板はこれで5勝1敗に。やはり、石川歩は節目に強い。
高卒新人のロッテ松川虎生捕手(18=市和歌山)、大卒新人の楽天安田悠馬捕手(22=愛知大)が8番捕手で先発。
2リーグ制後、開幕戦で先発した新人捕手は12、13人目で、高卒新人は55年谷本(大映)06年炭谷(西武)に次いで3人目。開幕戦で両軍の先発捕手が新人は1リーグ時代の38年秋の吉原(巨人)と中田(南海)以来だが、2リーグ制後は初めて。新人捕手が開幕戦で「完封リード」は、林義と組んだ55年谷本、小宮山と組んだ97年清水(ロッテ)に次いで3人目になる。なお、捕手に限らない高卒新人野手の開幕戦先発は19年藤原(ロッテ)以来2リーグ制後15人目。
ロッテが楽天との開幕戦を制した。開幕戦勝利は19年以来3年ぶり。
開幕投手を任された石川歩投手(33)が7回無失点の好投を見せた。ドラフト1位の松川虎生捕手(18=市和歌山)とバッテリーを組み、シンカーを多めに配しながら、内野ゴロを打たせていった。8回は新外国人右腕のゲレーロが最速161キロの直球を主体に無失点に。4点差の最終回は守護神益田が締めた。
打線は楽天則本に5回まで無安打に抑えられたが、6回に高部のバント安打などで1死満塁に。3番中村奨、レアードに連続適時打が出て、3点を先制した。8回にもレアードの適時二塁打で加点した。
ロッテの開幕スタメンが発表され、ドラフト1位の松川虎生捕手(18=市和歌山)は「8番捕手」でのスタメン出場となった。
高卒新人捕手が開幕スタメンで出場するのは、2リーグ制以降、史上3人目。 流動的となっていた5番打者には、プロ3年目の佐藤都志也捕手(24)が一塁手として起用される。スタメンは以下の通り。
ロッテは25日、千葉県内のフレンドシップシティ12市の市役所など公共施設で、22年シーズン開幕日程ポスター合計300枚を掲示すると発表した。
「スポーツを通じた地域振興・地域貢献に関するフレンドシップシティ・プログラム協定」を結んでいる千葉市、鴨川市、市川市、市原市、浦安市、柏市、佐倉市、袖ケ浦市、習志野市、成田市、船橋市、茂原市での掲示になる。
ポスターは「MARINES NATION(マリーンズ・ネーション)」と題し、全ロッテファンの結集を訴え、以下のテキストがデザインされている。
「すべてのマリーンズファンへ。結集の時がきた。常勝軍団へと向かう、新たな船出を飾るために。みせてやろう、この挑戦を。みせてやろう、この熱狂を。みせてやろう、この結束を。全員で。頂点を、つかむ。」
ロッテ・中村奨吾内野手(29)が「3番・二塁」で先発出場し、試合の均衡を破る先制2点タイムリーを放った。
0−0、6回1死満塁。相手先発、則本の4球目、137キロの変化球を左前に弾き返した。球団広報を通じて「打ったのはフォークボールかな?みんながつないでくれたチャンスなので、何とか食らいついて打つことができた。先制することができてよかったです」とコメントした。
次打者のレアードも左前適時打で続き、「打ったのはスライダー。奨吾(中村)の一打がすごく大きかったので、自分も続こうという気持ちだった。3点目も絶対に欲しかった。打つことができて本当によかった」と胸を張った。
プロ野球は25日、セ、パ両リーグの2022年シーズンが開幕した。楽天は則本が7度目の開幕投手を務め、楽天生命パーク宮城でロッテと対戦した。
2年連続日本一を目指すヤクルトは京セラドーム大阪で阪神と、パ・リーグ覇者のオリックスはベルーナドームで西武と対戦。日本ハムの新庄監督はペイペイドームでのソフトバンク戦で初采配。
今季は3年ぶりに新型コロナウイルスによる政府や自治体のイベント人数制限がない開幕となり、延長戦も3年ぶりに12回制で実施。交流戦18試合を含む143試合で競い、クライマックスシリーズ(CS)も通常通り行われてセ・パともに10月8日に開幕する。日本シリーズは同22日から開催される。
ロッテ・中村奨吾内野手(29)が22年のプロ野球初打点を挙げた。「3番・二塁」で先発出場し、6回1死満塁の好機に楽天・則本から左前2点打を放ち、均衡を破った。なおも1死一、三塁で続くレアードも左前打を放ち、好投していた則本をマウンドから降ろした。楽天は2番手に左腕・弓削を投入した。
パ・リーグで今季達成が予想される記録で、現役最多442本塁打の西武・中村は、過去13人の450本にあと8。過去8人しか果たしていない目標の500本への足掛かりにできるか。
パ・リーグで今季達成が予想される記録で、現役最多442本塁打の西武・中村は、過去13人の450本にあと8。過去8人しか果たしていない目標の500本への足掛かりにできるか。
項目 | 過去 | 選手(所属) | 現在 | 残り | 昨季 |
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2000試合 | 54人 | 松田宣浩(ソフトバンク) | 1867 | 133 | 115 |
中村剛也(西武) | 1866 | 134 | 123 | ||
1000得点 | 44人 | 中村剛也(西武) | 982 | 18 | 50 |
400二塁打 | 14人 | 栗山巧(西武) | 381 | 19 | 15 |
350二塁打 | 46人 | 松田宣浩(ソフトバンク) | 331 | 19 | 13 |
300二塁打 | 74人 | 浅村栄斗(楽天) | 282 | 18 | 18 |
450本塁打 | 13人 | 中村剛也(西武) | 442 | 8 | 18 |
250本塁打 | 65人 | 浅村栄斗(楽天) | 230 | 20 | 18 |
柳田悠岐(ソフトバンク) | 214 | 35 | 28 | ||
200本塁打 | 111人 | レアード(ロッタ) | 198 | 2 | 29 |
山川穂高(西武) | 177 | 23 | 24 | ||
1000打点 | 46人 | 松田宣浩(ソフトバンク) | 984 | 16 | 47 |
浅村栄斗(楽天) | 908 | 82 | 67 | ||
350盗塁 | 28人 | 西川遥輝(楽天) | 311 | 39 | 24 |
250盗塁 | 20人 | 荻野貴司(ロッテ) | 244 | 6 | 24 |
金子侑司(西武) | 218 | 32 | 9 | ||
350犠打 | 3人 | 今宮健太(ソフトバンク) | 327 | 23 | 23 |
250犠打 | 20人 | 中島卓也(日本ハム) | 245 | 5 | 8 |
2000三振 | なし | 中村剛也(西武) | 1914 | 86 | 114 |
800試合登板 | 7人 | 宮西尚生(日本ハム) | 784 | 16 | 50 |
600試合登板 | 41人 | 平野佳寿(オリックス) | 595 | 5 | 46 |
益田直也(ロッテ) | 593 | 7 | 67 | ||
500試合登板 | 103人 | 能見篤史(オリックス) | 595 | 5 | 46 |
増田達至(西武) | 455 | 45 | 33 | ||
150勝利 | 49人 | 和田毅(ソフトバンク) | 143 | 7 | 5 |
岸孝之(楽天) | 141 | 9 | 9 | ||
100勝利 | 140人 | 則本昂大(楽天) | 96 | 4 | 11 |
200セーブ | 62人 | 平野佳寿(オリックス) | 185 | 15 | 29 |
松井祐樹(楽天) | 165 | 35 | 24 | ||
益田直也(ロッテ) | 157 | 43 | 38 | ||
400ホールド | なし | 宮西尚生(日本ハム) | 373 | 27 | 15 |
2000投球回 | 91人 | 内海哲也(西武) | 1995 | 5 | 7 |
和田毅(ソフトバンク) | 1892.1 | 107.2 | 94.1 | ||
1500投球回 | 179人 | 田中将大(楽天) | 1470.2 | 29.1 | 155.2 |
則本昂大(楽天) | 1450 | 50 | 144.2 | ||
2000奪三振 | 22人 | 岸孝之(楽天) | 1878 | 122 | 131 |
1500奪三振 | 58人 | 田中将大(楽天)1364 | 136 | 126 |
ロッテのドラフト1位・松川が67年ぶりの快挙を達成した。高卒新人捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶると、15歳年上の先発・石川を7回3安打無失点に導いた。
「左打者が多いので、石川さんのシンカーやツーシームを引き出すために、内角直球を使うことを意識した」。
8回はゲレーロ、9回は市和歌山の先輩である守護神・益田をリードして完封リレー。高卒捕手が出場しての開幕白星は55年の大映・谷本稔以来だ。松川は「試合前は緊張していた」と明かすが、井口監督は「どっしりとベンチのいいところに座っていた」と笑う。
8番で起用された打撃は3打数無安打も7回無死一塁では1球で送りバントを決め「サインが出たらしっかりやるだけだった」。18歳と思えない落ち着きぶり。昨季は開幕5連敗スタートだったチームは、3年ぶりの開幕白星を挙げた。
高卒新人捕手の松川(ロ)が先発出場。高卒新人野手の先発出場は、19年藤原(ロ=中堅)以来2リーグ制後15人目、チーム4人目。捕手では55年谷本稔(大映)、06年炭谷(西=現楽天)に次ぎ3人目で、勝利に貢献したのは谷本以来67年ぶりとなった。また、高卒に限らない新人捕手の開幕戦先発は相手の安田(楽)も含め2リーグ制後13人だけ。うち、チームを完封勝ちへと導いたのは、前記谷本が林義一と組み東映に2−0、97年清水将海(ロ)が小宮山悟と組み日本ハムに6−0で勝って以来3人目で、複数投手との達成は松川が初めてだ。なお、開幕戦で両軍先発捕手がいずれも新人だったのは今回が初。
2年ぶり3度目の大役を務めたロッテの石川は7回3安打無失点。午後4時1分開始だったため「三度目の正直」となる開幕戦白星で今季の12球団一番乗りの勝ち星だ。
「調子はあまり良くなかった」と振り返るが、無四球とリズムは抜群。松川とのバッテリーについては「投げたい球のサインが出るので、あまり首を振ることもないかな」と語った。昨季は右肘手術もあって6勝に終わった右腕は「1年間、しっかり投げたい。今年は優勝します」と力強かった。
ドラフト制以降では史上初となる両軍の新人捕手が開幕マスクをかぶった歴史的な一戦。高卒新人で抜擢されたロッテの松川虎生捕手(18)は石川、楽天の安田悠馬捕手(22)は則本とバッテリーを組んだ。結果はロッテの4−0勝利。勝敗の分岐点はどこだったのか、捕手として西武黄金期を支えたスポニチ本紙評論家の伊東勤氏(59)が解説した。
ロッテ・松川、安田ともに1軍でやっていける力はある。捕手の構え、仕草、投手へのアドバイスなど2人とも落ち着いて見ていられた。
松川は石川のよさを引き出していた。高校時代は見たこともなかったであろう石川の決め球、低めに落ちるシンカーを出し惜しみすることなく使っていった。前半5回までに15個のアウトのうち、内野ゴロが10個。これは石川の状態がいいときのバロメーター。低めにシンカーが決まると少しスピードが落ちてきた直球も速く見える。ロッテバッテリーは完全に楽天打線を翻弄していた。
則本−安田も悪くなかったが、左打者の内角攻めにこだわり崩れてしまった。点を取られた6回1死、平沢の打席。カウント2−2から直球で内角をズバッと攻めたがこれがボールの判定。結果的に四球となり、続く高部のバント安打で一、二塁。走者がたまったところで内角に弱点があるマーティンの懐を直球で攻めたが、死球となってピンチを広げてしまった。おそらく楽天ベンチの決め事として「左打者の内角を攻める」という指示があったのだと思う。安田もその指示に忠実に従ってリードしたが、審判の判定が内角に厳しかったこともあり致命傷になってしまった。
松川にフリーハンドを与えて石川のいいところを引き出させたロッテと、ロッテ打線の弱点を突くことに主眼を置き、安田に配球で“内角攻め”の制約を課したと思われる楽天。その違いが勝負の分かれ目になった。
松川はゲレーロ、益田の救援陣もうまくリードし、零封勝ち。過信してはいけないが“この先やっていけるな”という自信を得た開幕戦になったと思う。安田も試合を重ねればもっとよくなる。1年間、ルーキー捕手2人の成長を注目したい。
ロッテのドラフト1位・松川虎生捕手(18)が、高卒新人捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、67年ぶりの快挙を達成した。
先発・石川を7回3安打無失点に導き。8回はゲレーロ、9回は守護神・益田をリードして完封リレー。高卒捕手が出場しての開幕白星は55年の大映・谷本稔以来となった。
「緊張感はありました。初めはすごく緊張していたけど、試合に入っていく中で、いい緊張感を持ちながら9回までいけた」。
8番で起用された打撃は3打数無安打。それでも7回無死一塁では1球で送りバントを決めた。
「サインが出たらしっかりやるだけだった」。
次はプロ初ヒットが期待される。「タイミングや1打席1打席を振り返りながら、次につなげられたらと思う」と気合をこめていた。
プロ野球が25日にセ・パ両リーグで開幕。その先陣を切って、楽天対ロッテ戦(楽天生命パーク)が午後4時1分にプレーボールした。試合はロッテの石川歩投手(33)が7回3安打無失点の快投。3投手による完封リレーで4−0で快勝した。
2年ぶり3度目の開幕投手となった石川は直球、変化球ともに低めを丁寧につき、5回まで1安打投球を披露。楽天・則本との息詰まる投手戦となったが、6回に中村奨、レアードの連続適時打で3点をプレゼントをもらう。7回に味方の失策から1死一、二塁のピンチを背負ったが、和田を中飛、鈴木大を左飛に抑えた。無四死球と安定した投球で7回を99球で投げ切った。8回は新外国人のゲレーロ、9回は益田が締めた。
石川はヒーローインタビューで「調子自体はそんなに良くなかったですけど、松川にしっかりリードしてもらって抑えられたと思います。(松川は)高校生、高卒新人じゃないみたいでした」と高卒ドラフト1位の捕手、松川虎生(市和歌山)に感謝した。
松川は「8番・捕手」で先発出場。打っては3打数無安打だったが、最後までマスクをかぶって完封リレーに導いた。高卒捕手としては、1955年谷本稔(大映)、2006年の炭谷銀仁朗(西武、現楽天)以来、史上3人目の高卒新人の開幕先発マスクだった。
プロ野球が25日にセ・パ両リーグで開幕。その先陣を切って、楽天対ロッテ戦が午後4時1分にプレーボールした。試合はロッテの石川歩投手(33)が7回3安打無失点の快投。4−0で快勝した。
2年ぶり3度目の開幕投手となった石川は直球、変化球ともに低めを丁寧につき、5回まで1安打投球を披露。楽天・則本との息詰まる投手戦となったが、6回に中村奨、レアードの連続適時打で3点をプレゼントをもらう。7回に味方の失策から1死一、二塁のピンチを背負ったが、和田を中飛、鈴木大を左飛に抑えた。無四死球と安定した投球で7回を99球で投げ切った。8回は新外国人のゲレーロ、9回は益田が締めた。
ドラフト1位・松川虎生捕手(市和歌山)は「8番・捕手」で先発出場。高卒捕手として、1955年谷本稔(大映)、2006年の炭谷銀仁朗(西武、現楽天)以来、史上3人目の高卒新人の開幕先発マスクとなったが、石川をしっかりとリード面で支えた。石川も「いつも通りでいい。要求通りに投げられたらいい」と話していたが、2人の呼吸は抜群だった。石川は3度目の開幕投手で初めて白星を手にした。
プロ野球が25日にセ・パ両リーグで開幕。その先陣を切って、楽天対ロッテ戦が午後4時1分にプレーボールした。4−0で迎えた8回に新外国人のゲレーロが2番手で登板。最速161キロの速球を軸に1四球を与えたが、無安打無失点に抑えた。
先頭の安田を3球連続直球で二ゴロに仕留めると、続く小深田の4球目に161キロをマーク。最後は変化球で見逃し三振に斬った。2死から西川に四球を与えたが、最後は山崎を変化球で空振り三振に仕留めた。
ロッテ打線が、5回まで無安打に抑えられていた則本から一挙3点を奪い、一気にKOした。
0−0の6回1死から地元・仙台育英出身でプロ初スタメンとなった9番・平沢が四球で出塁すると、高部のバントが内野安打。さらにマーティンも四球で満塁とすると、中村奨が左前へ先制2点打。レアードも左前適時打で続いた。
少ないチャンスをものにする持ち味が発揮された攻撃だった。
ロッテ・佐藤都志也捕手が25日、楽天との開幕戦(楽天生命パーク)で「5番・一塁」でスタメン出場することになった。
強打の捕手として注目されているが、過去2年間は一塁手としての出場は1度もない。
また、高卒捕手ルーキーとして史上3人目の開幕スタメンとなった松川は、「8番」で起用される。
試合前の井口監督は「一塁は誰になるか、発表まで楽しみにしてください」と笑って、ごまかしていた。
ロッテは「フレンドシップシティ・プログラム協定」を結んでいる千葉県内フレンドシップシティ12市の公共施設で2022年開幕日程ポスター合計300枚を掲示すると発表した。
千葉市、鴨川市、市川市、市原市、浦安市、柏市、佐倉市、袖ケ浦市、習志野市、成田市、船橋市、茂原市で、ポスターは「MARINES NATION(マリーンズ・ネーション)」と題してファンの結集を訴え、全員で「頂点を、つかむ。」というメッセージがデザインされている。
ポスターにプリントされているメッセージ内容は次の通り。
「すべてのマリーンズファンへ。結集の時がきた。常勝軍団へと向かう、新たな船出を飾るために。みせてやろう、この挑戦を。みせてやろう、この熱狂を。みせてやろう、この結束を。全員で。頂点を、つかむ。」
ゲームセットが告げられると、松川は初めて表情を緩めた。「すごく緊張したんですけど、ゲームに入っていく中でいい緊張感を持ちながら9回までいけた。いい配球ができたかな」。守護神・益田とグータッチを交わし、勝利の喜びをかみしめた。
プロ初出場となった開幕戦。プロ9年目の開幕投手・石川を含む3投手の完封リレーを演出し、チームの開幕戦2連敗を阻止。06年の西武・炭谷(現楽天)以来史上3人目となる高卒新人開幕マスクで、勝利を挙げるのは実に55年の谷本以来、67年ぶりの快挙。球団では史上初と期待の18歳が歴史に名を刻んだ。
投手の長所を引き出す捕手の役割を全うした。3点リードの7回2死一、二塁。迎えた鈴木大の打席で初球にインコースの直球を要求すると、カウント1ボール1ストライクからも再び内角の直球で勝負。「普通だったら外配球になるところでインコースを続けてくれた。背中を押されるじゃないけど、合うというか、投げたいボールのサインが出る」と石川をうなずかせ、最後は鈴木を左飛に。阿吽の呼吸で次々と打者を打ち取った。
「あまり調子良くなかった」という石川だが、松川に乗せられるように、テンポのいい投球で7回無失点と快投。自身初の開幕投手を務めた19年以来の開幕戦勝利を飾り、「高卒新人じゃないみたいでした」と女房役に感謝した。
井口監督は「抑えで柿沼もいたけど、非常に良い形で(松川)虎生(こう)がリードしていたので」と9回まで起用した経緯を説明した。快挙達成にも「あまり気にしないですね。いつも通り、虎生らしくやれと言われたので」と松川。頼もしい18歳が、悲願のリーグVへ本当のキーマンとなりそうだ。
ロッテの開幕投手・石川歩がドラフト1位・松川虎生=市和歌山高=とのバッテリーで7回3安打無失点と快投。自身初の開幕投手を務めた19年以来の開幕戦白星を挙げた。
この日は「あまり調子良くなかったんですけど」と話しながらも抜群のコントロールを披露。安打を許した2、6、7回以外は全て三者凡退の無四球で、7回を3安打無失点、95球の力投で12球団最速の勝利投手となった。
バッテリーを組んだ松川に関しては「高卒新人じゃないみたいでした。合うというか、投げたいボールのサインが出るので、あんまり(首を)振ることはない」と意思疎通はバッチリ。昨年10月27日の楽天戦で敗戦し、リーグVの可能性が消滅した楽天生命パークで、まずは“リベンジ”の1勝をもぎ取り、チームは好スタートを切った。石川は「次が大事だと思うので、しっかり次に向けて準備をしていきたい」と次戦へ向け意気込んだ。
ロッテのドラフト1位・松川虎生捕手=市和歌山高=が高卒新人開幕マスクで勝利。55年の谷本以来67年ぶりの快挙を成し遂げた。
開幕投手の石川を7回無失点と好リードすると、8回からは2番手のゲレーロ、最後は守護神・益田を無失点リード。楽天打線を3安打のみに封じ、チームの開幕戦勝利に貢献した。高卒新人開幕マスクは史上3人目で、高卒新人開幕マスクでの勝利は55年の谷本以来67年ぶりとなった。
ロッテが楽天との開幕カードを制し、今季のプロ野球で一番星を挙げた。
石川と則本の両先発による投手戦。則本の前に6回1死までノーヒットに封じられたロッテ打線だが、平沢が四球を選ぶと、1番の高部が三塁線へのセーフティバントで初ヒットを記録。一、二塁とチャンスを拡大。続くマーティンが死球で満塁とした。
ここで中村奨が左前に先制2点タイムリー。レアードも左前タイムリーを放ち、3点を先取。則本をマウンドから引きずり下ろした。
8回にはレアードの適時二塁打が飛び出し、4点差に広げた。
投げては石川が7回3安打無失点、無四死球の快投。ゲレーロ、益田と継投し、ロッテが2022年のプロ野球一番星を手にした。
ロッテが主将の一打で先制した。
両チーム無得点の6回1死満塁、中村奨吾内野手が追い込まれながらも則本の変化球をうまく捉え左前へと運ぶ2点打で先制。なおも1死一、三塁からはレアードの左前安打でさらに1点を追加し、5回まで無安打無得点に抑えられていた則本からこの回3点を奪った。
ロッテのドラフト1位・松川虎生捕手=市和歌山高=が「8番・捕手」で史上3人目となる高卒新人開幕マスクで出場。
両チーム無得点の3回1死で迎えた注目の第1打席は二ゴロに終わった。
高卒新人開幕マスクで勝利すれば、55年谷本以来67年ぶりとなる。
ロッテのドラフト1位・松川虎生捕手が、楽天との開幕戦で「8番・捕手」でスタメン出場することを井口監督が明かした。
この日の試合前練習で取材に応じた指揮官は「(松川は)先発でいきます。8番ですかね」と正式に開幕マスクをかぶらせることを明言。楽天対ロッテは午後4時開始のため2022シーズンで1番早い開幕となるが「やっぱりここまで積み上げてきたものがあるので、その中で今年やりたいこととやらなくてはいけないことがあるので。そこは選手たちも重々分かっていると思いますし。昨日話したように、我々の目標は今確実にそこにあるので、それを何とか全員で。ようやくシーズン始まるので、それを実戦に移せるときがきたかなと思います」と意気込んだ。
ロッテは25日、「スポーツを通じた地域振興・地域貢献に関するフレンドシップシティ・プログラム協定」を結んでいる千葉県内フレンドシップシティ12市の市役所や公共施設で、2022年開幕日程ポスター計300枚が掲示されることを発表した。
フレンドシップシティ協定を結んでいる12市は、千葉市、鴨川市、市川市、市原市、浦安市、柏市、佐倉市、袖ケ浦市、習志野市、成田市、船橋市、茂原市で、それぞれの市役所など公共施設内にポスターが掲示される。掲示される2022年開幕日程ポスターは「MARINES NATION(マリーンズ・ネーション)」と題して全てのマリーンズファンの結集を訴え、全員で「頂点を、つかむ。」という2022年シーズン開幕に向けた球団からのメッセージがデザインされている。
新人離れした振る舞いに、経験豊富なロッテ・石川歩投手(33)も意表を突かれた。3点リードの7回2死一、二塁のピンチ。鈴木大を迎え、女房役のドラフト1位・松川虎生捕手(18)=市和歌山=はグイグイ内角直球を要求した。さらに追い込んでからも高卒新人は強気に内角へミットを構える。石川も寸分の狂いもなく投げ込み、左飛に仕留めて窮地を脱した。
ベンチに戻りながら石川とグラブタッチした松川は「2打席目はシンカーを捉えてのライナーで、逆方向に入っているイメージがありましたので、どんどん内を突こうかなと」。前打席で鈴木大が逆方向におっつけての左飛が頭にあった。序盤はカーブをうまく使って変化球主体、そして勝負どころでの直球攻めと高校生とは思えない頭脳だ。
石川は初の開幕戦勝利を手にし、15歳下の後輩に最敬礼。7回のピンチの場面も「普通は外配球と思うけど、背中を押されて投げた。あれはすごく良かった。高卒新人じゃないみたいです」と舌を巻く。
高卒新人捕手では史上3人目の開幕マスクをかぶり、ドラフト制後では初の完封リレーを演出。松川は「初めはすごく緊張したんだけど、やってやるぞという気持ちでした」と実に頼もしい。井口監督も「普段通りどっしり、ベンチの1番いいところに座ってました」と感心した若き捕手が開幕星へ導いた。
高卒新人捕手が開幕スタメンで完封勝利に貢献したのは1955年・谷本稔(大映)以来、67年ぶり2人目。この時は先発・林義一とバッテリーを組み2−0で東映に完封勝ちした。また、ロッテの開幕戦完封勝利は97年以来、25年ぶり。
ロッテが開幕戦で完封リレー。投打がかみ合い、快勝した。
6回、中村奨が1死満塁から則本を捉え、プロ野球22年シーズン12球団一番乗りとなる適時打。続くレアードも左前適時打で続き、則本を降板させた。
投げては石川が7回3安打無失点の快投。緩急を駆使する投球で相手打線を寄せつけず、四死球0と抜群の安定感だった。8回はゲレーロ、9回は益田で逃げ切った。
マスクをかぶったのはドラフト1位の松川虎生捕手=市和歌山=。「8番・捕手」でプロ野球史上3人目となる高卒新人でのスタメンマスクをかぶったが、フル出場。見事に完封を演出した。
ロッテの中村奨吾内野手が6回1死満塁から則本を捉え、プロ野球22年シーズン12球団一番乗りとなる適時打を放った。
この回は1死から9番平沢が四球を選び、出塁。高部が三塁前へバント安打を決め一、二塁としマーティンが死球で満塁となった。1死満塁から、主将の中村奨が低めの変化球をすくい上げ左前へ2点打。続くレアードも左前適時打で続き、則本を降板させた。
プロ野球は25日、開幕した。今季は3年ぶりに新型コロナウイルスによる政府や自治体のイベント人数制限がないスタートとなり、延長戦も3年ぶりに12回制で実施する。交流戦18試合を含む143試合で行い、クライマックスシリーズ(CS)も通常通り開催する。
2年連続日本一を狙うヤクルトは大阪市の京セラドーム大阪で阪神と、パ・リーグを制したオリックスは埼玉県所沢市のベルーナドームで西武と対戦。「ビッグボス」こと新庄剛志新監督が注目を集める日本ハムは福岡市のペイペイドームで、藤本博史新監督の下2年ぶりの日本一を狙うソフトバンクとの顔合わせ。
楽天は則本昂大投手(31)が自身7度目となる開幕投手を務める。その相方となるのがドラフト2位ルーキーの安田悠馬捕手(22)=愛知大=で球団史上初となる新人での開幕スタメンマスクとなった。
ロッテもドラフト1位の松川虎生捕手(18)=市和歌山=が「8番・捕手」でプロ野球史上3人目となる高卒新人でのスタメンマスクをかぶる。開幕投手は石川歩投手(33)で自身3度目の大役を担う。
両チームともにルーキーのキャッチャーがマスクをかぶる注目の開幕戦は16時開始予定。両チームのスタメンは以下の通り。
ロッテは25日、シーズン開幕盛り上げの一環として「スポーツを通じた地域振興・地域貢献に関するフレンドシップシティ・プログラム協定」を結んでいる千葉県内フレンドシップシティ12市の市役所など公共施設で2022年開幕日程ポスター合計300枚が掲示されると発表した。
フレンドシップシティ協定を結んでいる12市は、千葉市、鴨川市、市川市、市原市、浦安市、柏市、佐倉市、袖ケ浦市、習志野市、成田市、船橋市、茂原市で、それぞれの市役所など公共施設内にポスターが掲示される。
ポスターは2022年開幕日程ポスターで「MARINES NATION(マリーンズ・ネーション)」と題して全てのマリーンズファンの結集を訴え、全員で「頂点を、つかむ。」という2022年シーズン開幕に向けた球団からのメッセージがデザインされている。
ポスターにプリントされているメッセージ内容は次の通り。
「すべてのマリーンズファンへ。結集の時がきた。常勝軍団へと向かう、新たな船出を飾るために。みせてやろう、この挑戦を。みせてやろう、この熱狂を。みせてやろう、この結束を。全員で。頂点を、つかむ。」
『頂点を、つかむ。』をチームスローガンに掲げ1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテは25日、楽天との開幕戦に4−0で勝利。昨季は開幕5連敗スタートだっただけに、今季は幸先の良いスタートとなった。
楽天の先発・則本昂大の前に4回に中村奨吾が四球で出塁するも、5回まで出塁はわずかに1度、ノーヒットに抑え込まれた。
0−0の6回に“ロッテらしい”攻撃を見せる。1死走者なしから9番・平沢大河が四球で出塁すると、続く1番・部瑛斗が則本の初球を三塁線にセーフティバント。これが内野安打となり一、二塁とすると、マーティンの死球で満塁に。3番・中村がレフト前に安打を放ち、三塁走者の平沢に続いて二塁から部も俊足を飛ばしてホームイン。さらに一塁走者のマーティンも三塁へ進んだ。ここで注目したいのは、レフト前に落ちる安打で部、マーティンが積極的に“1つ先の塁”を狙ったこと。続く4番・レアードがレフト前にはじき返す安打で、三塁走者のマーティンが生還した。マーティンが三塁まで進塁したことで、繋がった3点目といえる。この回挙げた3点は下位打線からチャンスを作り上位打線で還す、さらには足を絡めるロッテらしい攻撃だった。
3−0の8回には先頭のマーティンが四球で出塁すると、和田康士朗が代走で登場。「早いカウントでいかないと、バッターにも迷惑がかかってしまいます。なるべく早いカウントで走るようにしています」と話す和田は、続く中村奨吾の初球に二塁盗塁成功。今季も早いカウントから積極的に仕掛けた。中村が三振に倒れるも、レアードの打席中に暴投で和田は三塁へ進み、レアードが右中間を破る二塁打で1点を追加した。レアードのあたりはセンターへの犠牲フライになるような当たりだったが、レアードが二塁打にしているところも“1つ先の塁を狙う走塁”が見られた場面の1つといえる。
4−0で勝利したとはいえ、今後に向けて課題も残った。中村、レアードの連続適時打で3点を先制し、なお1死満塁の好機に岡大海が二直で二塁走者のレアードが戻れずアウト。7回も先頭の藤岡裕大が右安、続く松川虎生が1球目できっちり送りバントを決めたが、平沢が二飛、部が三ゴロで無得点。9回も1死満塁としたが中村が一邪飛、途中出場の小川龍成が左飛に倒れ、得点することができなかった。
開幕戦で硬さはあったとはいえ、6回以降は毎回のように走者を出していただけに、欲をいえばもう少し得点をとっておきたかったところ。ただマリーンズは昨季の後半から“1点のリード”を投手陣が守りきり、勝利を積み重ねてきた。そういった意味では、マリーンズらしい勝ち方だった。
ロッテの平沢大河が25日、楽天との開幕戦に『9番・三塁』で先発出場。これが平沢にとってプロ7年目で初の開幕スタメンとなる。
平沢は15年ドラフト1位で仙台育英高からロッテに入団し、プロ1年目から大きな期待を受けてきた。プロ1年目の16年は開幕2軍スタートも、4月23日のDeNAとの2軍戦で3安打5打点の大活躍を見せるなど、ファームで31試合に出場して、打率.294、4本塁打、23打点の成績を残し、5月11日にプロ初昇格、初出場を果たした。
翌5月12日のソフトバンク戦でプロ初打席、5月14日の楽天戦では「どの打順にしろやることは変わらないので、しっかりとやれればいいと思います」と『9番・ショート』でプロ初スタメン出場、同年8月17日の楽天戦でプロ初安打を放った。
2年目の17年には当時楽天でプレーし、現在はチームメイトの小野郁からライトへプロ初本塁打。プロ初スタメン、プロ初安打、プロ初本塁打はいずれも楽天戦。ちなみに初安打、初本塁打は開幕戦の舞台となる楽天生命パークと、平沢にとって縁起の良い球場といえるかもしれない。
3年目の18年には内野だけでなく、「どこでも守れれば強みだと思います。しっかり準備していきます!」と外野でも出場し、自己最多の112試合に出場。
112試合に出場したが本人は「1年間1軍にいたのは自信になりましたけど、掴み取った1軍ではなくて、いさせてもらったというのが正直なところ。来年以降はつかみ取れるようにやりたい」とシーズン直後の取材で話していたのが、今でも強く印象に残っている。
同年のオフには「日本は恵まれた環境。ハングリーさがあった」とオーストラリアでのウインターリーグに参加し、日本に戻ってからも栃木県内、ロッテ浦和球場で自主トレ。2月の春季キャンプでは、「ファーストスイングでしっかり捉えられたのは良かった」と対外試合初打席で本塁打を放ちアピールした。
飛躍のシーズンにするはずだった19年だが、前年を下回る51試合の出場にとどまり、打率も.198に終わった。「(飛躍のシーズンにするために)去年(18年)出させてもらったと思っていますし、今年(19年)は結果で応えられなかった」と悔しさをにじませた。
4年目が終わり、高卒までのプロ入り4年間を振り返ってもらったときには「(プロ4年間で)チャンスはいっぱいいただきましたし、そこで活かせなかったのは悔しかった。納得はいっていないですね」と反省の言葉が並んだ。
またこの時代、ドラフトで17年に藤岡、18年に松田進、19年に福田光輝と毎年、ショートの選手がプロ入りしていた。「ライバルが入ってくるのは毎年そうなので、負けないようにしないといけないと思います」。多くは語らなかったが、この現状をなんとしても打破したいという思いは強かった。
大卒の同学年の選手達がプロ入りする5年目の20年は、「シーズンで結果を残すために、何をするか考えてやっています」と、自主トレではロッテ浦和球場でバットを振った。あるときには、朝の9時すぎには室内練習場で1人黙々とティー打撃を行うなど、5年目にかける思いがひしひしと伝わってきた。
2月の春季キャンプは2軍スタート。シーズンが開幕してからも1軍に呼ばれず、プロ5年目で初めて1軍出場なし。エチェバリアが加入した翌21年は、オープン戦で本塁打を放ったが、開幕を2軍で迎え、1度も1軍に呼ばれることはなかった。
1軍出場こそなかったが、映像を見ていると、いつ1軍から声がかかってもいいように、きっちりと2軍で準備していたように見える。
今季は3年ぶりに春季キャンプA組スタート予定も、新型コロナウイルス感染によりB組スタートに。それでも、2月23日のオリックス戦から1軍に合流すると、昇格後初打席となった同戦でいきなりセンター前に適時打を放った。
2月の対外試合で打率.333(12−4)、0本塁打、2打点、出塁率は.469の成績を残すと、3月に入ってから藤岡、エチェバリアが1軍合流し、ベンチスタートという日もあったが、途中出場からでも1日の日本ハム戦で1安打1四球、8日の日本ハム戦で2安打と与えられた機会で結果を残した。18日の巨人戦からオープン戦最終戦となった21日の中日戦にかけて4試合連続三塁でスタメン出場し、4試合全てで安打を放った。
4年前の2018年は“期待の若手として”試合に出場させてもらう立場だったが、今年は自らのバットで開幕1軍、開幕スタメンをつかみ取った。来るべきチャンスに備え、地道に練習を何年も積み重ねてきた。新型コロナが拡大する以前にはZOZOマリンの室内練習場、ロッテ浦和の室内練習場で、試合前、試合後にバットを振る姿を目撃したファンも多いのではないだろうか。
ただ本当の勝負はここから。シーズンで結果を残すことが何よりも大切だ。言い方は厳しいが、三塁・遊撃にはライバルが多く結果を残せなければ、代わりの選手がいる。レギュラーを掴むためには打ち続けるしかない。3月25日は、シーズンが終わったときにレギュラーへのきっかけとなる日になったと言えるような活躍に期待したい。地元で最高のスタートを切ることを強く願う。
まだ東北の山々の頂上は雪で白く覆われていた。肌寒さを感じる杜の都仙台からマリーンズの2022年は始まる。チームスローガンは「頂点を、つかむ。」。優勝を絶対目標に掲げる力強いメッセージで、チーム一丸、同じ目標に向かうことを指揮官は臨んだ。優勝以外はない。強い決意がにじみ出る。
「いよいよ始まる。自主トレ、キャンプと、ここまでいい準備をしてくれた。その仕上がりとして、しっかりとシーズンでもいいものを出して欲しいと思う。最後まで戦い抜いて、今年こそ最後に笑うのは我々だとオレは確信している。新しい戦力も加わりながら隙のない野球をやっていく。去年に引き続き確実に1点を取っていって、1点をしっかり守りに行く。全員で戦い抜きたい。いい準備をして貪欲に各自の目標を色々持っていると思う。チームとして今年は勝ちにこだわる。それだけ。最後にみんなで笑えるように頑張ろう」。
楽天生命パークで行われた前日練習が始まる前、センター付近に井口監督は選手達を集めて、そのように訓示をした。「ハイ!」。男達の野太い声が響き渡る。充実した表情が並ぶ。昨年末の自主トレから始まり石垣島キャンプ。練習試合、オープン戦と段階を踏んでしっかりとした調整を行うことが出来た。その手応えは指揮官にも選手達にも確かにある。
指揮官にとって、また眠れない日々が始まる。「去年の後半戦は睡眠をしっかり取れなかった」と井口監督。それは重圧とは少し違う。「ベッドに入っても色々と考えると眠れなくなる。次はこうしようとか、明日の練習であれを試してみようとか。そうこうするうちに気になってデータを見直したり映像を見たりすると、1、2時間経っている。そんな感じ」と言う。
現代プロ野球はデータに溢れている。指揮官は少しでも有意義なデータはないかと日夜、チェックをする。選手の疲労度をデータ化した資料もある。様々な数字と向き合い、勝つための最善策を導き出している。そして毎日、1軍の試合だけではなく二軍戦も全試合チェック。移動のバスの中でもタブレットで若い選手達の動きを凝視している。だから気が付けば寝れなくなる。色々な事が頭を駆け巡り、また考え、数字を導き出す。気が付くと夜が明けてしまうこともあるのだ。24時間の間で指揮官の脳が休む機会は少ない。
「チームスローガン通り、頂点を、つかむという目標に全員で向かって突き進んでいきたいと思う。いい形でチームは仕上がってきている。マリーンズらしい野球をやっていけたらと思う」。
監督になって5年目。今年はとにかく勝ちにこだわったタクトを振るう。時には非情ともいえる采配をとることもあるだろう。それは、まだ見ぬ景色を全員で見るため。全員で喜び、笑うため。シーズンは長く、そして肉体と共に心も消耗していく。苦しい日々。ただ、苦悩の先には大きな幸せが待っている。22年、頂点を全員でつかむ。仙台から頂点まで突っ走る。14時半から始まった楽天生命パークでの全体練習。グラウンドは春の日差しが差し込んでいた。球春が到来した。