ロッテはなぜ監督を交代したのか。退任する河合オーナー代行兼球団社長は吉井新監督に対し「これまでのビジョンを引き継いで常勝軍団を作ってくれる」と期待する。イズム継承ならば、なぜ“井口留任”の選択肢が消えたのか。
これまでの首脳陣は井口前監督曰く「僕の野球観と合うコーチに来てもらっている」メンバーだった。一方で、井口体制は5年になり、役割の線引きが不明瞭になった。コーチ数が増え、戦略コーチがベンチ入りできない試合もあった。ベンチ内には、戦略構築→決定→指示の道筋にスムーズさを欠いたと指摘する声もある。今回退団の鳥越氏はヘッドコーチを3年務めた後、昨季から若手育成で2軍監督に配置転換。鳥越氏がいなくなった1軍ベンチから適度な緊張感が消えたとの証言も少なくない。
2025年、常勝軍団に−。今回の首脳陣変更は、残り3年となったこの目標達成期限へ向け、課題が露呈したベンチワークを刷新した印象が強い。吉井新監督は球団では今世紀初の投手出身監督。チームの柱と見込む佐々木朗の「5カ年育成計画」策定に携わった人物で、優勝に欠かせない長いシーズンでの投手陣の登板管理にも理論がある。
球団の最終目標は、いかに永続的に強くするか。19年の現役引退時から未来の監督候補と目される福浦打撃コーチが、来季はヘッドコーチを兼務する。いよいよ次は、の段階に来た。違和感が生まれたベンチをいかに再構築するか。新監督はもちろん、同僚から「背中で引っ張るタイプ」と称される新ヘッドの手腕も注目される。
ロッテは7日、昨季まで投手コーチで、今季はピッチングコーディネーターを務めた吉井理人氏(57)が新監督に就任すると発表した。井口資仁監督(47)が2日の今季最終戦後、退任を電撃表明。後任の選定を進めていた。福浦和也1軍打撃コーチ(46)の1軍ヘッド兼打撃コーチ就任も決定。また、任期満了で退任する河合克美代表取締役オーナー代行兼社長の後任社長として、球団執行役員の高坂俊介氏(40)が内定した。
ロッテの新監督は、恐らく誰も予想していなかった人物だった。午後4時半。ZOZOマリンの記者室で配布された「就任の件」と題したリリースにあった名前は「吉井理人」。突然の発表を示すかのように、吉井氏のコメントも「(就任要請に)ただ、ただ驚いています」で始まっていた。就任会見の日程は未定だ。
本人が驚いても、リリースには「25年に常勝軍団」という目標達成へ、球団の意欲が込められている。河合オーナー代行兼社長は「この目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団を作ってくれる監督だと期待をしています」。吉井氏は19年から3年間、投手コーチを務めた。今季は現場から引き、ピッチングコーディネーターという立場でチームを俯瞰した。シーズン中には、米国に数度にわたりメジャーに“短期留学”。侍ジャパンでは栗山監督の下、投手コーチを担う。知見を広める手を緩めない。
そのスタイルは現役時からだ。97年オフにFA権を行使し、ヤクルトから大リーグのメッツに移籍。国内5球団の誘いを断った。金銭面の条件は低かったが、それでも人生経験を選んだ。03年に日本球界に復帰。07年にロッテで現役を終えるまで、日米7球団でプレーした。コーチも3球団を数える。
先まで見通した指導に定評がある。ロッテでは佐々木朗に代表されるように、若手を着実にステップアップさせ、リリーフ陣も整備した。3年連続Bクラスだったチームは、20年から2年連続2位。吉井コーチの下支えは大きかった。この日、森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)の退団申し出が受理され、井口監督以下、首脳陣の退任は8人目となった。福浦1軍打撃コーチの1軍ヘッド兼打撃コーチへの就任も決まり、組閣も進んでいく。5位から常勝軍団へ−。ハードルは決して低くない。革新と継続の先、手腕を発揮する場が待っている。
プロ野球選手会は7日、日本野球機構(NPB)と事務折衝を行い、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる「現役ドラフト」を12月9日に開催することが決まった。非公開で行われる。既に大筋で合意していたが、細かい点について、この日までに各球団の選手の了解を得た。
各球団は11月30日までにコミッショナーに提出する契約保留選手名簿の中から、現役ドラフト対象選手を2人以上、選択する。FA権を持つ選手、FA権を行使したことがある選手、育成選手、外国人選手などは対象外。各球団で必ず選手の出入りがある仕組みとなっている。
18年から始まった話し合いが結実した。選手会の森事務局長は「もともと選手会が望んでいる現役ドラフトとは違う方向だが、何とか現役選手のドラフトが実現したのはよかった」と評価した。当初求めていた年数や1軍登録日数によって、自動的に現役ドラフトの対象となる形とは異なる。「不都合だったり、あまり効果がないようだったりしたら、話し合いになると思う」。まずは制度をスタート。その上で、より良い形を目指す考えだ。
1番のポイントは、「現役ドラフト」が実を伴ったものになるかだ。懸念されるのは、本来なら戦力外の選手を現役ドラフト用に取っておく事態が頻発することだろう。つまり、各球団で不要な選手を入れ替えるだけとなれば、移籍先でもプレーの機会は、ほとんどないままと予想される。「出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する」という理念は有名無実となる。
制度上の工夫はされている。詳細は未発表だが、他球団からの指名希望の総数をもっとも集めた球団が、最初に指名できる仕組みだという。より人気のある選手を出した球団が有利となる。それでも、仮にそういう球団が1球団だけだったら、その球団への希望が殺到し指名順位がたとえ1番目となっても、他11球団に取りたい選手がいないということに。新制度は機能しなくなる。
各球団が用意する対象選手が「2人以上」というのはカギとなりそうだ。2人とも本来戦力外だった選手とすると、1人はそのまま自球団に残るケースも出てきて、貴重な枠を使うことになる。やはり、各球団が「うちでは出場機会が限られるが、環境を変えれば戦力になり得る」と考える選手を真剣に選ぶことが求められる。NPB選手関係委員会の委員長を務める広島鈴木球団本部長が「戦力外の選手を選ぶ訳ではなく、契約した選手。それ相応の選手を選んでいく」と言ったのは朗報だ。
選手側も務めを負う。移籍した選手が活躍して初めて、現役ドラフトは成功したと言えるからだ。正直どうなるかは、実際にやってみないと分からない点が多いと考える。ただ、球団側も新戦力発掘の機会になり得る訳で、選手と双方にとって、より良い制度にしていって欲しい。
ロッテは7日、吉井理人氏(57)の新監督就任を発表した。吉井氏は昨季までロッテ投手コーチを務め、今季はピッチングコーディネーターに転身していた。侍ジャパンの投手コーチも務めている。現役時代は日米通算121勝を挙げている。
1965年生まれで和歌山県出身。箕島では2年春と3年夏に2度、甲子園に出場した。83年のドラフト2位で近鉄に入団した。
1軍デビューは2年目の85年で、同初勝利は87年。23歳シーズンの88年から抑えの守護神に抜擢され、34セーブポイント(24セーブ)で最優秀救援投手に輝いた。89年には日本シリーズに初出場し、巨人を相手に5試合登板した。93年から先発に転向した。
95年、西村龍次とのトレードでヤクルト移籍。野村克也監督の下で3年連続の2ケタ勝利をマーク。95年、97年と2度の日本一に貢献した。同年オフにFA権を公使し、横浜や巨人などのオファーを断り、メッツと1年50万ドル(出来高を除く)で契約した。
メッツでは元ロッテのバレンタイン監督の下で、1年目の98年は6勝8敗、2年目の翌99年は12勝8敗とローテーションに定着。99年はプレーオフに出場し、ナ・リーグ優勝決定シリーズでは2試合に先発した。
2000年はロッキーズ、01、02年はエクスポズ(現ナショナルズ)でプレー。メジャーでは5年プレーし、通算162試合(118先発)に登板して32勝47敗、防御率4.62。ロ軍時代の00年6月24日ダイヤモンドバックス戦の5回、殿堂左腕ランディ・ジョンソンから、日本選手初の盗塁(二盗)を記録した。
03年からオリックスで日本球界復帰。07年はロッテで1年プレーし、ユニホームを脱いだ。NPB通算は385試合(170先発)で89勝82敗62セーブ、防御率3.86。
引退後は日本ハム、ソフトバンク、ロッテで1軍投手コーチなどを務めた。また、14年から2年、筑波大大学院の修士課程で学んだ。
ロッテは7日、吉井理人氏(57)の新監督就任が決まったと発表した。 井口資仁監督(47)が2日に退任を表明していた。吉井氏は昨季までロッテ投手コーチを務め、今季はピッチングコーディネーターに転身していた。侍ジャパンの投手コーチも務めている。
ロッテは7日、フロント人事を発表した。
河合克美代表取締役オーナー代行兼社長が任期満了により今季限りで退任することに伴い、後任社長として、高坂俊介(こうさか・しゅんすけ)氏(40)が内定した。
高坂氏は05年3月、東北学院大経済学部卒業。楽天株式会社、トラベルズー・ジャパン株式会社、株式会社リヴァンプをへて、15年1月に株式会社千葉ロッテマリーンズ入社。20年2月にマーケティング戦略本部長に就き、22年1月からは執行役員(事業担当)となった。
ロッテは7日、吉井理人氏(57)の新監督就任が決まったと発表した。
井口資仁監督(47)が2日に退任を表明していた。吉井氏は昨季までロッテ投手コーチを務め、今季はピッチングコーディネーターに転身していた。侍ジャパンの投手コーチも務めている。
球団を通じ「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメントした。
河合克美代表取締役オーナー代行兼社長は「マリーンズが掲げているのは2025年に常勝軍団になるということ。吉井新監督はこの目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方だと考えています。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団を作ってくれる監督だと期待をしています」とコメントした。
また、福浦和也1軍打撃コーチ(46)が、1軍ヘッド兼打撃コーチに就任することも発表された。
12月9日、ついに「現役ドラフト」が行われる。今後の1番のポイントは、どれだけ実を伴うかだ。
各球団で必ず選手の入れ替えが起きる仕組みとなっている。言い換えると、各球団は他球団へ“供出”する選手を用意しなければいけないということ。これまでなら戦力外にしていた選手を、現役ドラフト用に取っておくという事態も考えられる。言葉は悪いが、クビが1年伸びるだけ、12球団で不要な選手を入れ替えるだけ、といったことになる恐れもある。移籍先でもプレー機会がないままなら「出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる」という理念は有名無実となってしまう。
12月ではなく、シーズン中に開催する案もあった。20年にプロ野球選手会とNPBとで合意間近までいった時は、7月や8月の開催が議論されていた。選手側からすれば、残りのシーズンで一花咲かせようというモチベーションになっただろう。
ただ、この日の決定を受け、プロ野球選手会の森忠仁事務局長は「時期よりは、どういう選手がリストアップされるかが大事だと思っている」と強調した。さらに「保留者名簿に載った選手ということで、各球団、戦力では考えているところから選手が出てくる。この時期で良かったと思う」と評価した。開催の1週間前(12月2日)に、各球団が翌年の契約締結権利を保留する選手の名簿が公示される。現役ドラフトの対象選手は、その名簿に載った選手なのだから、少なくとも建前上は、不要な選手の入れ替えにはならないとは言える。
制度上も、不要な選手の入れ替えにならないようにする工夫がされている。詳細は未発表だが、用意した選手に対する他球団からの指名希望の総数がもっとも多い球団が、最初に指名できる仕組みだという。つまり、より人気のある選手を用意した球団が有利となる。もっとも、この工夫だけでは万全とならない。仮に人気の出る選手を用意するのが1球団だけなら、そこに希望が殺到。当然、指名順位は1番目となるが、他の11球団には取りたい選手がいない、ということに。新制度は機能しなくなる。
ただ、選手会関係者は「現役ドラフト用に本来戦力外の選手を残しても、貴重な枠を埋めることになる。球団にもリスクはある」と指摘する。用意する選手は「2人以上」と定められている。1人は他球団に移籍させても、もう1人がそのまま残るケースが出てくる。
やはり、球団側が「うちでは出場機会が限られるが、環境を変えれば戦力になり得る」と考える選手を真剣に選ぶことが求められる。また、選手の側も移籍を好機とし、新天地で出場チャンスにつなげたい。移籍先で活躍する選手が出ることで、初めて現役ドラフトは成功したと言える。
いずれにせよ、実際にやってみないと読めない部分は大きい。森事務局長も「やってみないと、どういう選手が出てくるか分からない」と言った。まずはスタートする。それで不備が明らかになれば、選手、球団双方のメリットを見つけるべく、改善点を話し合って欲しい。
プロ野球選手会が、選手や球団への誹謗中傷への対策に乗り出す。
7日に日本野球機構(NPB)との事務折衝を実施。その後の会見で、森忠仁事務局長が「最近、選手、球団に対する誹謗中傷が多い。一部の人で、度が過ぎているというのがある。選手会としても、12月(の選手会総会で)、対応をしていこうと話し合いはしますが、NPB、球団と一緒に(声明文などを)出せればと(NPB側と)相談しました」と話した。
ソフトバンクが4日、SNSでの度が過ぎる誹謗中傷に対し、法的措置を検討していると表明。選手会としても、球団とともに対策に乗り出したい考えだ。
ロッテは7日、育成選手のサンディ・サントス外野手(28)、ホルヘ・ペラルタ外野手(21)と来季契約を結ばない旨を通知したと発表した。
ともにドミニカ共和国出身の2年目。今季2軍の成績は、サントスが42試合、17安打、0本塁打、5打点、0盗塁、打率2割1分、ペラルタは64試合、11安打、0本塁打、4打点、6盗塁、打率1割2分。
ロッテは7日、森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)より退団の申し出があり、この日受理したと発表した。首脳陣の退任は8人目となった。
同コーチはダイエー(現ソフトバンク)コーチ時代の教え子である井口資仁監督(47)の下、昨季よりロッテで指導に当たった。
井口監督は今季最終戦となった2日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)後、グラウンドでファンに向かって退任を表明。5日には、鳥越裕介2軍監督(51)の退団申し出が受理されたことと、木村龍治1軍投手コーチ(52)、河野亮1軍打撃コーチ(51)、清水将海1軍バッテリーコーチ(47)、的場直樹1軍戦略コーチ兼バッテリーコーチ補佐(45)が契約満了で退団することが発表された。さらに6日、川越英隆2軍チーフ投手コーチ(49)が契約満了で退団すると発表された。
プロ野球選手会は7日、日本野球機構(NPB)と事務折衝を行い、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させる「現役ドラフト」を12月9日に開催することが決まった。既に大筋で合意していたが、細かい点について、この日までに各球団の選手の了解を得た。
各球団がオフに全保留選手名簿を提出する際、一緒に現役ドラフトの対象選手を2人以上、選ぶ。FA権を持っている選手、FA権を行使したことがある選手、育成選手などは対象から外れる。同名簿の公示日(12月2日)の1週間後に現役ドラフトを開催する。
各球団で必ず移籍が起きる仕組みとなっている。現役ドラフトの対象として選出されたことを本人に伝えるかは、球団の自由。なお、現役ドラフトは非公開で行う。
18年から始まった話し合いが結実した。選手会の森忠仁事務局長は「元々選手会が望んでいる現役ドラフトとは違う方向だが、なんとか、現役選手のドラフトが実現したのは良かった」と評価した。従来は、年数や1軍登録日数によって、自動的に現役ドラフトの対象となる形を求めていた。
現状では各球団が指名対象を2人以上、選ぶ形となっている。森事務局長は「不都合だったり、あまり効果がないようだったりしたら、話し合いになると思う」とした。まずは制度をスタート。その上で、改善点が出てくれば求めていくつもりだ。
ロッテは7日、吉井理人ピッチングコーディネーター(57)が来季監督に就任すると発表した。現役時代は近鉄、ヤクルト、米大リーグのメッツなどで日米通算121勝を挙げ、日本ハムの投手コーチとして大谷翔平(現エンゼルス)を、ロッテでは佐々木朗希を指導してきた名コーチに新監督として白羽の矢が立った。また、チーム生え抜きの福浦和也1軍打撃コーチ(46)が1軍ヘッド兼打撃コーチに昇格することも発表された。
2日の今季最終戦で井口監督が電撃辞任したロッテの新監督が決まった。投手コーチとして複数球団で手腕を発揮してきた吉井氏が来季の指揮を執ることになった。
「(就任要請に)ただただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強しながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです」。
球団から決意表明のコメントが発表された。この日に契約を交わし、2025年に常勝軍団への変貌を目指すチームのバトンを託された。
現役時代は抜群の制球力と投球術を駆使して、日米通算121勝。近鉄・仰木彬、ヤクルト・野村克也と2人の名将の下でプレーし、優勝を経験した。
現役を引退した08年以降は日本ハム、ソフトバンク、ロッテで投手コーチを歴任。日本ハム時代の16、17年はメジャー移籍前の大谷を指導し、ロッテでは、20年に入団した佐々木朗をマンツーマンで指導した。期待の大きかった令和の怪物≠1年目は体作りに専念させ、2年目でデビュー、3年目での完全試合達成に導くなど、大きな役割を果たした。
コーチ業の合間に筑波大大学院(人間総合科学研究科修士課程・スポーツ健康システムマネジメント専攻)に通った。ロッテのピッチングコーディネーターを務めた今年は複数回渡米し、メジャー球団でコーチングを学ぶなど、定評のある投手理論をさらに蓄積させている。
来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表の投手コーチは継続する方向。ロッテの新監督として、「基本的に選手のパフォーマンス向上と人間力向上の2つを上げること。最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とリーグ優勝を目標に掲げた。
球団では八木沢荘六氏(1992〜94年)以来、29年ぶりの投手出身監督。吉井ロッテ≠ェ新たな希望を胸にスタートする。
ロッテは7日、河合克美オーナー代行兼球団社長(70)の任期満了での退任に伴い、後任の球団社長に高坂俊介氏(40)が内定したと発表した。就任日は未定。
高坂氏は2015年1月に球団入りし、20年2月からマーケティング戦略本部長、今年1月から執行役員事業担当を務めた。
ロッテは7日、吉井理人ピッチングコーディネーター(57)が新監督に就任すると発表した。今季全日程が終了した2日に井口資仁監督(47)が辞任を表明。後任選びを進めていた。吉井新監督の誕生にツイッターでは「吉井さん」がトレンド1位を獲得するなど話題になっている。
吉井氏は和歌山・箕島高から1984年ドラフト2位で近鉄入団し、主に抑えとして活躍。2007年の現役引退後はコーチとしては日本ハム、ソフトバンク、ロッテで指導。2022年は「ピッチングコーディネーター」の肩書きでロッテに在籍する傍ら、日本代表の投手コーチも務めた。
井口前監督の辞任表明後、鳥越裕介2軍監督(51)や森脇浩司ヘッドコーチ兼内野守備コーチ(62)らコーチ陣も続々と退団を発表。ファンからは不安の声が上がっていた。今回の吉井新監督の発表に「あーなんか安心したぁ」「絶望していたロッテファンも多い中、 吉井さん監督でメンタルが回復したファンも多いはず」「これは名将になる予感」「朗希くん誰が面倒みるのかちょっと心配だったけど、吉井さんが残ってくれるのなら安心」「皆んな居なくなって不安だったが、吉井さんが残ってくれたのはロッテファンにとって心強い限り」などツイッターで期待を寄せる反応が上がっており、大のロッテファンとして知られるぺこぱの松陰寺太勇(38)も「うぉー!!!吉井さん!!!」と興奮気味にツイートしていた。
ロッテは7日、吉井理人ピッチングコーディネーター(57)が新監督に就任すると発表した。今季全日程が終了した2日に井口資仁監督が辞任を表明。後任選びを進めていた。
吉井新監督は球団を通じて「(就任要請に)ただただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強しながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメントした。
吉井氏は和歌山・箕島高から1984年ドラフト2位で近鉄入団し、主に抑えとして活躍した。その後、NPBではヤクルト、オリックス、ロッテでプレー。MLBはメッツ、ロッキーズ、エクスポズの3球団でマウンドに立った。NPB通算18年で89勝82敗62セーブ、MLBでは通算5年で32勝47敗をマークした。
2007年の現役引退後はコーチとしては日本ハム、ソフトバンク、ロッテで指導。2022年は「ピッチングコーディネーター」の肩書きでロッテに在籍する傍ら、日本代表の投手コーチも務めた。
コーチ陣の組閣では、福浦和也打撃コーチ(46)が1軍ヘッド兼打撃コーチに就任する。球団社長には高坂俊介執行役員事業担当(40)が就任する。
ロッテが7日、森脇浩司ヘッドコーチ兼内野守備コーチ(62)の退団を発表した。本人から退団の申し出があった。同コーチは昨季から2シーズン在籍した。
2日のソフトバンクとの今季最終戦後に、井口資仁監督(47)が電撃的に辞任。ロッテは5日に鳥越裕介2軍監督(51)とコーチ4人、6日に川越英隆2軍チーフ投手コーチ(49)の退団を発表した。
また、ドミニカ共和国出身の育成選手、サンディ・サントス外野手(28)、ホルヘ・ペラルタ外野手(21)に来季の契約を結ばないと通告したことを発表した。
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンラインで行われ、選手や球団に対する誹謗中傷についての対応策について協議した。
選手会の森忠仁事務局長は「最近、選手、球団に対する一部、誹謗中傷が度が過ぎている。12月の選手会総会で何とか対応していこうと話ししていく。これに伴いNPB、球団と一緒に何かださせていただければ、という相談をしました」とNPBにも呼び掛けたことを明かした。
今月4日にはソフトバンクが球団公式ツイッターで、SNS上での行き過ぎた誹謗中傷や虚偽投稿に法的措置を検討していることを発表し、注意喚起した。
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンラインで行われ、12月9日に現役ドラフトを実施すると発表した。
現役ドラフトは出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるための制度で、各球団は12月2日の保留者名簿提出時に、ドラフトの対象となる2人以上(フリーエージェント選手、育成選手らを除く)をリストアップ。各球団は必ず1人は獲得する。9日に非公開で開催される。
選手会の森忠仁事務局長は「何とか実現することになってよかった」と話したが、具体的な方法については「発表するか決めていないので、まだお伝えできない」とした。
日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)の事務折衝が7日、オンラインで行われ移籍の活性化を目的とする「現役ドラフト」が12月9日に開催されることが決定した。保留者名簿の提出期限から1週間後の実施で非公開となる見込みだ。
同ドラフトでは各球団がFA有資格者や育成選手など除外された選手以外で2人以上の選手リストを提出。その中から全球団が選手1人を指名、獲得する。選手会の森忠仁事務局長は「どういう選手がリストアップされるかが大事。契約更改が終わった選手、保留者名簿に載った選手で、各球団が戦力と考える選手が出てくる。実現したのは良かった」と期待。選手関係委員会委員長の広島・鈴木清明球団本部長は「どこまで機能するか、試行錯誤の中で出場機会を増やすという方向性を持って進めていけたら」とした。
選手会はネット上などで問題になっている選手、球団への誹謗中傷について対抗措置を講じる。12月5日の選手会総会で議題とする予定で、森事務局長は「一部で度が過ぎている。選手会として何らかの対応をしていこうと話し合う」。選手を守るために問題提起のメッセージ、声明文などを出すことも検討しており、この日の事務折衝では選手会だけではなくNPBと共同で行動することを申し入れた。
選手会はFA資格取得年数の短縮など、保留制度に関する要望書を近日中にNPBに提出する考えを示した。「球団と選手のバランスも考え、FAの今の年数がいいのかどうかも含めて議論させていただければ」と森事務局長。契約更改交渉での球団側の対応も問題視しており、昨年12月の総会では選手の立場の改善などを強く求めていく姿勢を示していた。
ロッテは森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)から退団の申し出があり、受理したと発表した。退任した井口監督とはダイエー(現ソフトバンク)時代に選手とコーチの関係で、発展途上の若手らの守備力の向上を期待されて昨年から入閣していた。
5日に退団が発表された鳥越2軍監督、木村投手コーチらに続き、井口監督と関係が深かったコーチが、また球団を去ることになった。
ロッテは7日、来季監督に、今季ピッチングコーディネーターを務めた吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の今季最終・ソフトバンク戦後に、井口資仁監督(47)が5位で3年ぶりBクラスの責任を取り電撃辞任。後任を急ぎ検討し、数々の名投手を育て、チーム事情も熟知する名伯楽に白羽の矢を立てた。スポーツニッポン本紙のロッテ担当記者が吉井氏の素顔を明かした。
吉井さんとは07年オフに初めて会った。この年で現役引退し、翌年から日本ハム投手コーチに決まっていた。偶然にも、記者は年明けから札幌転勤し、日本ハムを取材予定で、「わしが変なことを言ったら“ダメですよ”と注意して!」と目付け役を言い渡された。
温和で、関西人らしくコメントもユーモアあふれるが、自分のポリシーを曲げられない性格だ。日本ハム・梨田、栗山、ソフトバンク・工藤、ロッテでも井口といった歴代監督と起用法でよく意見がぶつかったというが、2年連続リーグ2位だった井口監督以外は、全員胴上げに導いた。
昨オフ、栗山監督が日本ハムを退任する際、吉井さんから興味深い話を聞いた。「この前、栗山さんと話して“ヨシには何度も怒られ、ケンカもしたけど勉強になった”と言われた。ちょっと、嬉しかった。中間管理職だけど、選手に向いて仕事しないと、僕はいけないと思っている」。これが哲学だ。侍ジャパンの栗山監督から投手コーチを頼まれるのも自然な流れだと思った。個人的には、日本で1番優秀な投手コーチだと、ずっと思っている。
ロッテは7日、来季監督に、今季ピッチングコーディネーターを務めた吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の今季最終・ソフトバンク戦後に、井口資仁監督(47)が5位で3年ぶりBクラスの責任を取り電撃辞任。後任を急ぎ検討し、数々の名投手を育て、チーム事情も熟知する名伯楽に白羽の矢を立てた。また、福浦和也打撃コーチ(46)がヘッド兼打撃コーチになることも決まった。
井口監督辞任から、わずか5日。今度は吉井新監督の電撃就任が発表された。会見などは未定だが「ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割で勉強しながらやってきたが、全体のマネジメントを任される立場になる。身が引き締まる思いです」と球団を通じ、第一声のコメントを出した。
驚きも当然だ。今季最終戦セレモニーが行われた2日。昨季限りでユニホームを脱ぎ、今季はフロントに転身して大リーグを視察するなど、チームの将来を見据えた育成システムなどを学んだ吉井氏は「井口監督が辞めるのも、そこで初めて聞いた」と言う。
投手コーチとして、日本ハムでダルビッシュ(現パドレス)、大谷(現エンゼルス)、ソフトバンクで千賀と世界クラスの投手を育て上げた。ロッテでも佐々木朗の育成プランを確立し、3年目の今季完全試合を達成できる土台をつくった。ロッテとの契約は今季限りだったが、そんな中での監督要請だった。
ただ、経験は十分にある。現役時代も日米通算121勝をマークし、7球団でプレー。最後にユニホームを着たのがロッテなのも縁を感じる。「選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つ。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」と1シーズン制では70年以来の勝率1位でのリーグ制覇を誓った。また栗山英樹監督の下、来年3月のWBCに出場する侍ジャパンの投手コーチも兼務していた。2、3月の時期に新監督との兼務は簡単ではなく、こちらは今後協議される模様だ。
ヘッドコーチには、福浦打撃コーチが兼任で昇格する。ロッテ一筋で2000安打を達成した生え抜きで、球団にとっては切り札となる次期監督候補に、いい形でバトンを託すのも使命となる。河合克美オーナー代行兼社長の退任に伴い、球団執行役員事業担当の高坂俊介氏(40)が球団社長の後任となることも内定。いくつも電撃が飛び交う荒波の人事を乗り越え、チームは新たな航海に出発する。
プロ野球・ロッテは7日、育成契約のサンディ・サントス外野手(28)とホルヘ・ペラルタ外野手(21)と来季の契約を結ばないことを通告したと発表した。前日の吉田裕太捕手(31)に続き戦力外通告は3選手となった。
またロッテはこの日、ピッチングコーディネーターを務めていた吉井理人氏(57)が来季の監督に就任することを発表。ヘッドコーチは福浦和也打撃コーチ(46)が兼任する。
フロント人事では、河合克美代表取締役オーナー代行兼社長(70)が任期満了に伴い、後任社長に高坂俊介氏(40)が内定。高坂氏は1982年5月10日生まれ、東北学院大経済学部卒。05年4月に楽天株式会社に入社。07年10月からトラベルズー・ジャパン株式会社、2012年8月から株式会社リヴァンプを経て、15年1月に千葉ロッテマリーンズに入社。20年2月からマーケティング戦略本部長を務め、今年1月から執行役員事業担当に就任していた。
ロッテの新監督として発表された吉井理人投手コーディネーターとは、07年オフに初めて会った。その日は、都内の小学校で野球教室を行っていた。
この年限りでロッテを戦力外となり、翌08年から日本ハムの投手コーチに就任することが決まっていた。偶然にも、記者も年明けから札幌転勤し、日本ハムを取材予定だった。そんな挨拶をすると、「わしが変なことを言ったら“ダメですよ”と注意して!」と喜んでくれた。
温和で、関西人らしくコメントもユーモアたっぷりだが、ウソが嫌い。自分のポリシーを曲げられない性格だ。日本ハムで梨田監督、栗山監督、ソフトバンクで工藤監督、ロッテでも井口監督と起用法でよく意見がぶつかったと聞く。
目の前の勝利だけにこだわらず、投手のコンディションや、長いシーズンを見据えるのが、吉井コーチの特徴だった。その試合の最善策をとることが指揮官の任務だから、仕方ないともいえた。それでも、2年連続リーグ2位だった井口監督以外は、全ての指揮官を胴上げに導いた。
昨年、栗山監督が日本ハムを退任する際、吉井新監督から興味深い話を聞いた。「この前、栗山さんと話して“ヨシには何度も怒られ、ケンカもしたけど勉強になった”と言われた。ちょっと、嬉しかった。中間管理職だけど、選手に向いて仕事しないと、僕はいけないと思っている」。侍ジャパンの栗山監督から投手コーチとして招集されたのも自然な流れと感じた。
あくまでも個人的な意見だが、癖は強くても、日本で1番優秀な投手コーチだと、自分はずっと思っていた。
ロッテは7日、今季ピッチングコーディネーターを務めていた吉井理人氏(57)が新監督に就任すると発表した。ヘッドコーチは福浦和也打撃コーチ(46)が兼任する。吉井氏は昨季までロッテ投手コーチを務めていた。
井口資仁監督が2日のシーズン最終戦で退任を表明し、5日経っての発表。ツイッター上では「吉井さん」「吉井監督」がトレンド1、2位にランクインした。
電撃発表に、フォロワーからは「びっくりした」「予想外」という投稿が続出し、「吉井さんが監督!?楽しみだ」「え?!吉井さん監督やってくれるの?!神か」「吉井さんは予想外だ。マジかって驚きよりそう来たかという感じ」「マジか 面白くなりそう」と驚きの声が多く上がった。また、福浦打撃コーチの昇格にも「吉井さんと俺達の福浦…名前が並ぶだけで強そうに聞こえる…」「楽しみ」「シーズンチケット更新する!」「期待してます!!!」などと好意的なコメントが多数を占めた。
吉井氏は「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメントした。
ロッテは7日、河合克美代表取締役オーナー代行兼社長(70)が任期満了に伴って退任し、後任社長に高坂俊介氏(40)が内定したと発表した。
高坂氏は1982年5月10日生まれ、東北学院大経済学部卒。05年4月に楽天株式会社に入社。07年10月からトラベルズー・ジャパン株式会社、2012年8月から株式会社リヴァンプを経て、15年1月に千葉ロッテマリーンズに入社。20年2月からマーケティング戦略本部長を務め、今年1月から執行役員事業担当に就任していた。
吉井理人という野球人を表すなら「理論派」であり、「熱血漢」だ。この両極端な姿が吉井氏の生き様ではないだろうか。
箕島高、近鉄、ヤクルト、大リーグ、さらに日本球界復帰と日米通算23年のマウンドでは常に闘志を前面に出したスタイルが印象深い。
一方で和歌山の中学時代に円盤投げで近畿大会の上位に入賞した異色の経歴を持つ。当然野球部で、陸上競技に関してはまったくの初心者だったが、自分で陸上関係の本を読みあさり、高校の陸上指導者の教えを受けに訪ねていったり勉強して、円盤投げを習得した。吉井氏いわく「下半身から指先に伝える運動連鎖は投球に共通するものがあった」という。
その探究心から引退後、筑波大大学院の人間総合科学研究科博士前期課程体育学専攻野球コーチング論研究室でコーチング理論を研究し、体育学の修士学位を取得したのも納得だ。
コーチとしてもその深い理論で、ソフトバンクの強力投手陣、日本ハム時代には大谷翔平、ロッテで佐々木朗希らが一流に育つための指導を行ってきた。一方で、日本ハム投手コーチ時代に忘れられない姿がある。対戦相手の投手が打ち込まれ、マウンドでコーチから叱責を受けた試合を振り返ったときだ。吉井氏は怒っていた。
「打たれたくて打たれた訳じゃない。それなのに試合中みんなが見ている前であんなふうに怒るなんてあかんやろ。選手がだめになる」。
現役時代の熱を感じ、ちょっと怖いくらいだった。同時に相手チームであっても選手に対する愛情は深いのだと感心した。コーチを受けた選手からの信頼は言わずもがなだ。情に厚い人。井口監督の電撃辞任で動揺するチームをまとめるには最適な人物だと思う。
今季、ロッテのピッチングコーディネーターを務めていた吉井理人氏(57)がロッテの新監督に就任することが7日、決まった。球団が発表した。ヘッドコーチは福浦和也打撃コーチ(46)が兼任する。吉井氏は昨季までロッテ投手コーチを務めていた。
井口資仁監督が2日のシーズン最終戦で退任を表明してから5日。早くも球団から新監督が発表された。
吉井氏は「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」と語った。
河合克美代表取締役オーナー代行兼社長もコメントを発表し「マリーンズが掲げているのは2025年に常勝軍団になるということ。吉井新監督はこの目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方だと考えています。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団をつくってくれる監督だと期待をしています」と吉井氏の采配、改革に期待を寄せた。
ロッテは7日、森脇浩司ヘッドコーチ兼内野守備コーチ(62)の退団を発表した。本人からの申し出があり、7日に受理した。
リーグ5位に終わったロッテは井口資仁監督が2日に辞任を電撃表明。鳥越裕介2軍監督、木村龍治投手コーチ、河野亮打撃コーチら首脳陣7人の退団が発表されていた。
ロッテは7日、来季監督に、球団のピッチングコーディネーターと野球日本代表の投手コーチを務めている吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の最終戦セレモニーで井口資仁監督(47)が電撃退任を発表し、後任の選定を急いでいた。スポーツ報知評論家・金村義明氏が語る、吉井氏の素顔とは−。
吉井新監督の若い時は短気だった。私の2年後輩だった近鉄時代、ベンチ裏の鏡を割ったり、仰木監督との試合後の握手を拒否したり…。
しかし逆に言えば、裏がない男。オリックス監督になった仰木さんが“生前葬”と言った殿堂入りパーティーの壇上で「社長、吉井と契約してください。給料は俺が払う」と、吉井のクビを撤回させた。若い頃の反抗的な態度にもかかわらず、仰木さんは、一本、筋が通っている吉井の人間性を認めていたのだろう。
引退後にコーチになっても、吉井らしさは変わらない。自分を曲げず、意見を主張する。だから、監督らと衝突することもあったと思うが、上にヨイショなんてしないから、選手からの信頼が厚い。
近鉄から移籍したヤクルトで野村監督に教わり、投手としても人間としても成長した。「古田のリードに1度も首を振らなかった」と言っていた。頭を使う野球に目覚め、メジャー、筑波大大学院にも行き、野球理論を深めた。投手を育成する手腕は文句なしで、特に佐々木朗をさらに飛躍させてくれると期待する。
弱点が1つある。試合中にカミナリが鳴ると、ピッチングにならなかった(笑)。指揮する来年、試合中にカミナリが来ないことを祈っている。
日本プロ野球選手会と、日本野球機構(NPB)の事務折衝が7日、オンラインで行われ、出場機会の少ない選手の移籍の活性化を目指す「現役ドラフト」を12月9日に開催することが決まった。選手会の森忠仁事務局長が明かした。各球団は現役ドラフトの約1週間前に出す保留者名簿の中からFA権取得選手や育成選手を除いた2人以上の選手のリストを提出し、1人以上を獲得する。
詳細は未発表だが、提出した選手リストの中で、他球団から1番多い指名を受けた球団が、最初に指名できるシステムで、より他球団が欲しい選手を出した方が有利となる。その後は、最初に選手を獲得された球団が2番目に指名する権利を得る。基本的にそれを繰り返し12球団で入れ替えが生じる。
選手本人に現役ドラフトの候補リストに載せることを伝えるかは球団に一任されている。候補となりながら残留することもあるため、そのリストや会議自体も非公開となる。
森事務局長は「年数、1軍登録日数などで自動的に選ばれるのがいいと思っていた。球団が選ぶというところで、望んでいるようなものとはちょっと違う方向ではありますが、実現したことはよかった」と説明。開催にはこぎつけたが有効性はまだ分からず、今後改善していくことになる。
ロッテは7日、来季監督に、球団のピッチングコーディネーターと野球日本代表の投手コーチを務めている吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の最終戦セレモニーで井口資仁監督(47)が電撃退任を発表し、後任の選定を急いでいた。また、この日発表された森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)の退団に伴い、福浦和也打撃コーチ(46)がヘッド兼打撃コーチに昇格することも発表された。
ロッテの後任監督にはこれまで、福浦氏や球団スペシャルアドバイザーを務めるOBの里崎智也氏の名前が候補として挙がっていたが、吉井氏の就任が発表された。
チームは井口監督、鳥越2軍監督を含め、計8人の首脳陣がこの日までに退団する異例の事態。1、2軍とも監督が退団し、指揮を執る人物が不在となった。一刻も早くチーム内の混乱を収めるためにも、早急に後任を決める必要があった。そのため、チーム事情を熟知している吉井氏に急遽、白羽の矢が立ったとみられる。
ヘッド兼打撃コーチに就任した福浦氏は、20、21年と2軍ヘッド兼打撃コーチを務めるなど指揮官のバックアップ役として経験はあり、選手やファンからの信頼も厚い。監督経験のない2人がトップに立つことを不安視する声もある中で、バッテリーコーチや投手コーチなど大きな穴を埋めるコーチ人事がチーム再建の鍵を握りそうだ。
ロッテは7日、来季監督に、球団のピッチングコーディネーターと野球日本代表の投手コーチを務めている吉井理人氏(57)が就任すると発表した。2日の最終戦セレモニーで井口資仁監督(47)が電撃退任を発表し、後任の選定を急いでいた。また、この日発表された森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチ(62)の退団に伴い、福浦和也打撃コーチ(46)がヘッド兼打撃コーチに昇格することも発表された。
井口監督の電撃退任からわずか5日。刷新を図っていたロッテの新体制が決定した。3年ぶりにBクラスに沈んだチームの再建は内情をよく知る吉井氏に託された。
吉井氏はこの日、球団を通じ「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです」とコメント。想定外の要請だったことをうかがわせた。
後任の選定を急ぐ中、球団は求める人材として「我々がずっと掲げているのは2025年に常勝軍団になること。そこに向けて共通の認識で戦ってもらえる人」と明かしていた。時間的にも外部からの起用は難しく、内部やOBを中心に人選を進めていたとみられる。
同氏はこれまで監督経験はないものの、日本ハム、ソフトバンク、ロッテと3球団でコーチを務めるなど経験は豊富。日本ハムではダルビッシュや大谷を一流に育てた。ロッテの投手コーチを務めた19〜21年は井口監督と連携を取りながら、投手の細かい起用法や佐々木朗の育成にも尽力。登板なしながら1軍帯同という異例の育成方針を貫き、右腕を球界を代表する投手に成長させた。
また、今季から球団が新たに創設したコーディネーター部門のピッチングコーディネーターに就任。現場ではなく外側から「1、2軍監督コーチとの状況共有や全選手の状態把握」、「2025年に常勝軍団になるための中長期的視点での強化施策策定」などの役割を担っていた。今季中は複数回渡米して選手の育成や戦略を学んでいた。チームが求める後任として、球団の理念、そして現状を知り尽くした吉井氏が最適な人材と言える。
チームは後半戦、救援陣が不安定で途中からオスナを獲得するなど強化を図ったものの、8月2日以降は順位が浮上することなく5位でシーズン終了。残り3試合でCS出場も逃した。20、21年に2年連続の2位となったチームの打率も今季は2割3分1厘でリーグ5位。この日、森脇ヘッドコーチが退団し、新たなヘッド兼打撃コーチには2000安打を達成するなど現役、コーチ含め29年間ロッテに在籍する福浦氏が就任し、吉井氏をバックアップする。
「基本的には選手のパフォーマンスと人間力の2つを向上させること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」と新監督。05年以来のリーグ制覇へ、新たなリーダーがかじを取る。
ロッテは7日、吉井理人氏が1軍新監督に就任することを発表した。
吉井氏は19年からロッテの投手コーチに就任し、今季はピッチングコーディネーターに就任していた。ロッテは2日に井口監督が電撃退任したことで、この日まで首脳陣8人の退団が発表されていた。
吉井新監督は「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメント。
今年限りで退任する河合オーナー代行も「マリーンズが掲げているのは2025年に常勝軍団になるということ。吉井新監督はこの目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方だと考えています。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団を作ってくれる監督だと期待をしています」とコメントした。
ロッテは7日、1軍新監督に吉井理人氏、1軍ヘッド兼打撃コーチに福浦和也氏が就任すると発表した。
吉井氏は球団を通して「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメントした。
河合克美代表取締役オーナー代行兼社長は「マリーンズが掲げているのは2025年に常勝軍団になるということ。吉井新監督はこの目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方だと考えています。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団を作ってくれる監督だと期待をしています」とコメントした。
ロッテは7日、育成のサンディ・サントス外野手、ホルヘ・ペラルタ外野手と来季契約を結ばないことを発表した。
サントスはBC富山から21年に育成選手として入団。今季はファームで42試合に出場し打率2割1分だった。ペラルタも21年から育成選手としてロッテに入団し今季は64試合に出場、打率1割2分。
2人はすでに帰国したことが発表されている。
ロッテは7日、森脇浩司ヘッド兼内野守備コーチが退団することを発表した。本人から申し出がありこの日、受理した。
森脇コーチは21年から1軍野手総合兼内野守備コーチに就任し、今季からはヘッド兼内野守備コーチに就任していた。5日に鳥越2軍監督、木村1軍投手コーチ、河野1軍打撃コーチ、清水1軍バッテリーコーチ、的場1軍戦略コーチ兼バッテリーコーチ補佐の退団、6日には川越2軍投手コーチの退団が発表されており、2日の井口監督の電撃退任からこれで8人目の首脳陣退団となった。
日本プロ野球選手会と、日本野球機構(NPB)の事務折衝が7日、オンラインで行われ、現役ドラフトを12月9日に開催することが決まった。選手会の森忠仁事務局長が明かした。
各球団が11月末に保留者名簿を提出する際、同時に任意で2名以上の選手リストを提出し「現役ドラフト」で各球団1名指名するシステムとなった。「現役ドラフト」は非公開となる。
森事務局長は「望んでおるものとはちょっと違う方向ではありますが、何とか実現したのはよかった」とコメントした。
ロッテは7日、来季監督に吉井理人ピッチングコーディネーター(57)が就任すると発表した。井口資仁監督(47)のシーズン最終戦辞任表明の後、内外問わず人選を進め、「2025年プロジェクト」常勝軍団形成へ最適の逸材と判断された。また、森脇浩司ヘッド兼内野守備走塁コーチ(62)の退団を発表。後任に福浦和也1軍打撃コーチ(47)のヘッド兼打撃コーチ就任が決まった。
球団は井口政権時代から掲げている目標理念「常勝軍団プロジェクト」を継承できる人材として、今季1、2軍の投手を統括するピッチングコーディネーターを務めていた吉井氏に来季監督を託すことを決めた。
就任要請を受け、受諾した吉井氏は「ただ、ただ驚いています。これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです」と責任を痛感。早速、来年に目を向け、「選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと。10月に大舞台に立てることを目指していきます」と日本シリーズ出場を掲げた。
選手育成と投手起用の手腕に定評がある。日本ハムコーチ時代には大谷翔平(エンゼルス)を、ロッテでは19年から1軍投手コーチを務め、佐々木朗を育てた。河合オーナー代行兼社長は「2025年に常勝軍団になる目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方。常勝軍団を作ってくれる監督だと期待しています」と強く願った。
今季最終戦の井口監督電撃辞任から5日。その間、森脇ヘッド兼内野守備走塁コーチら首脳陣7人が退任しコーチが刷新される中、新ヘッドコーチには福浦1軍打撃コーチが打撃コーチ兼任で就任。今季5位の悔しさをバネに新たな顔ぶれで再スタートを切る。
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンライン形式で行われ、出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」を今オフから導入し、今季は12月9日に実施することで最終合意した。この日までに細部の内容を各球団の選手会役員が了承した。新型コロナウイルスの感染拡大による協議中断などを経て、ようやく制度スタートを迎える運びとなった。
選手会待望の「現役ドラフト」の実施が正式に決まった。20年にはシーズン中の実施で合意間近まで進んだが、新型コロナウイルス感染拡大による対応で協議を中断。その後、話し合いが再開され、この日を迎えた。
12球団側は11月30日に次年度の契約保留選手名簿を提出後、名簿の中からFA権を保持または行使したことのある選手や育成選手などを除いた上で2人以上をドラフトへ選出。12月2日の契約保留選手名簿公示から1週間後に、「現役ドラフト」が非公開で行われる。
詳細な規定は発表されていないが、各球団はドラフトに掛けられた選手から1人以上を獲得。総数で他球団から最も指名希望を得た選手を選出した球団が、最初に指名する権利を得られる方式だ。
選手会・森事務局長は「元々、選手会が望んでいるドラフトとはちょっと違う方法ではある」と課題改善への議論を続けていく姿勢を示しながら、新制度のスタートには「何とか実現したことは良かった」と話した。
NPBの選手関係委員長を務める広島・鈴木球団本部長も「改善点があれば今後に向けて改善していく。試行錯誤の中で出場機会を増やすという方向性を持って進めて行けたら」と応じる構え。実施していく中で、有用性の高い制度内容を模索していくことになる。
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンライン形式で行われ、出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」を今オフから導入し、今季は12月9日に実施することで最終合意した。ようやくスタートを迎える新制度で、球界はどう変わるのか。担当記者が解説した。
多くの課題を抱えながら「現役ドラフト」の実施が決まった。率直に言えば制度スタートを優先させ、選手の利になるかは不透明という印象を受ける。
実現目前の20年は8月実施が計画されていた。このタイミングでは戦力外通告の前倒しの選手選出となる懸念もあったが、保留者名簿から2人以上の選手がドラフトに選出されることで、一応は球団が戦力と考える選手の入れ替え実現となる枠組みとはなっている。
だが選手会・森事務局長が「どういう選手がリストアップされるかが大事」と話すように、真に選手の救済となる制度かは、ふたを開けてみないと分からないのが実情だ。
最も重要なのは選出候補に入りながら移籍がかなわなかった選手への配慮だろう。本人に候補入りを通達するかどうかは球団の任意だが、言葉1つたがえばモチベーションの低下につながる。逆に通達しないならば、徹底した秘密保持が不可欠だ。
もちろん新天地で活躍の可能性を得る選手は出るが、その裏で不利益を被る選手を多く生み出しては選手、球団の双方に利は無い。生じた課題は早急に是正し、多くの選手を救う制度へ成熟することを願いたい。
ロッテは7日、井口資仁監督(47)の退任に伴い、来季監督に、ロッテのピッチングコーディネーターと野球日本代表の投手コーチを務めている吉井理人氏(57)が就任すると発表した。
吉井新監督は球団を通じ「ただただ驚いている。選手のパフォーマンスと人間力の二つを上げる。最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指す」とコメントした。和歌山・箕島高から1984年に近鉄に入団。98年に米大リーグへ移籍し、メジャー通算162試合で32勝47敗、防御率4.62。2003年にオリックスで日本球界に復帰し、07年途中にロッテへ移籍し現役を引退した。
ロッテは7日、河合克美代表取締役オーナー代行兼社長(70)が任期満了をもって今季かぎりで退任することに伴い、後任社長に高坂俊介(こうさか・しゅんすけ)氏(40)が内定したと発表した。
高坂氏は1982年5月10日生まれ、東北学院大経済学部卒。2005年4月に楽天株式会社に入社。2007年10月からトラベルズー・ジャパン株式会社、2012年8月から株式会社リヴァンプを経て、2015年1月から千葉ロッテマリーンズに入社。2020年2月からマーケティング戦略本部長を、2022年1月から執行役員事業担当を務める。
ロッテは7日、吉井理人氏の1軍監督就任が決まったと発表した。
吉井氏は球団を通じ「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメント。
河合克美代表取締役オーナー代行兼社長は「マリーンズが掲げているのは2025年に常勝軍団になるということ。吉井新監督はこの目標に向かって、共通の認識で戦っていただける方だと考えています。これまでのビジョンを引き継いで、常勝軍団を作ってくれる監督だと期待をしています」とコメントした。
日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が7日、オンライン形式で開かれ、出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」について細部の内容にも合意し、12月9日に開催されることが決まった。
球団側は次年度の契約保留選手名簿を提出する際に、FA権取得選手や育成選手などをのぞいた中から2人の選手を選出。各球団は選出された選手の中から、少なくとも1人は獲得をするという方式となる。ドラフトへの選出を当該選手に通達するかどうかは、球団の一任される。
選手会・森事務局長は「年数や登録日数で自動的に(ドラフト対象選手が)選ばれるのがいいと思っていたが、球団が選ぶというところは(協議開始当初と)イメージとは違う」と課題を口にしながらも、新制度のスタートにこぎ着けたということに「実現したことは良かった」とし、今後も制度の整備については都度話し合いを続ける考えも示した。
ロッテは7日、来季の1軍監督に吉井理人氏が就任すると発表した。メジャーリーグで選手歴のある日本人がNPB球団で監督に就任するのは5例目となる。過去の4人が、就任1年目にどんな成績を残したかを振り返っていきたい。
日本球界で最初のメジャー選手出身監督となったのは、吉井氏の前任にあたる井口資仁監督だ。ダイエーから米国に渡り、ホワイトソックスではワールドシリーズ優勝も果たした。帰国後はロッテ入りし、2017年限りで現役引退。そのまま翌年から監督に就任した。1年目は59勝81敗3分で、優勝した西武から28.5ゲーム離された5位に終わっている。ただ前年のロッテはソフトバンクに39ゲーム離されての最下位で、順位を1つ上げた。
2例目、そして初のメジャー投手出身監督となったのがヤクルトの高津臣吾監督だ。2020年に就任し、1年目の成績は41勝69敗10分。優勝した巨人から25ゲーム差の最下位に終わった。前年のヤクルトは59勝82敗2分の最下位だったので、順位は変わらなかった。
ただ、高津監督のまいた種はのちに大輪の花をさかせる。投球間隔を長くとった先発起用や、リリーフ陣の負担を考えてブルペンでの準備を減らすなどの策もあり、就任2年目の昨季はセ・リーグ優勝、今季も連覇を果たした。
2021年から楽天の監督となったのが、ドジャースとメッツで投げた石井一久監督だ。2020年はチーム編成の責任者たるゼネラルマネジャー(GM)だったのが、監督兼GMとなった。1年目は楽天を66勝62敗15分の3位に導いた。就任前年の2020年は4位で、順位を1つ上げている。
そして今季は、メッツとジャイアンツでプレーしたことのある新庄剛志監督が日本ハムを率いた。チームの成績は59勝81敗3分で、優勝したオリックスに16.5ゲーム離されての最下位。新型コロナウイルスに感染してチームを離れた際には、こちらもタイガースなどで現役生活を送った木田優夫2軍監督が代行として指揮を執ったこともあった。栗山英樹監督が率いた前年は55勝68敗20分の5位で、この中では唯一順位を下げている。
1995年に野茂英雄氏がドジャース入りしたのをきっかけに、メジャーに挑戦する日本人選手は急増した。近鉄時代に野茂氏とチームメートだった吉井新監督は、ヤクルトでプレーした1997年のオフに、始めてFA宣言をして海を渡った日本人選手となった。ロッキーズ、エクスポズ(現ナショナルズ)と渡り歩いたものの、1度もマイナー落ちすることなく通算32勝をマーク。帰国してからはオリックス、ロッテで現役生活を送り、2008年に日本ハムで指導者となった。
今季リーグ5位に終わったロッテの再建を託された吉井氏は、投手コーチ時代はブルペン運営に気を配った。選手にしっかり準備させることを目的に、役割分担をはっきり伝え、崩さないのを好んだ。今や名監督と評される高津監督とも相通ずる部分だ。メジャー流を取り入れた采配で、どんな成績を残してくれるだろうか。
2022年10月7日の16時33分、ロッテから「監督就任の件」というプレスリリースが届いた。メールをクリックすると、それは吉井理人氏の1軍監督就任の報せだった。吉井監督就任に続いて1分も経たないうちに、福浦和也氏の1軍ヘッド兼打撃コーチ就任のプレスリリースが送られてきた。
10月2日に井口資仁監督の辞任が発表されてから、5日に鳥越裕介2軍監督、木村龍治投手コーチ、河野亮打撃コーチ、清水将海バッテリーコーチ、的場直樹戦略コーチ兼バッテリーコーチ補佐、6日に川越英隆2軍チーフコーチ、そして7日に森脇浩司ヘッドコーチ兼内野守備コーチ退団が発表されるなど、ネガティブなニュースが相次いだ。SNSなどを中心に来季以降のロッテを心配、不安視する声が多かった中で、7日夕方に吉井監督就任が発表され、一気に歓喜に沸いた。
吉井監督は球団を通じて「(就任要請に)ただ、ただ驚いています。これまでコーチとしての役割ということで勉強をしながらやってきましたが、これからは全体のマネジメントを任される立場になるということで身が引き締まる思いです。基本的には選手のパフォーマンス向上と人間力の向上の2つを上げること。そして最終的には勝つこと、10月に大舞台に立てることを目指していきます」とコメントした。
吉井氏は19年から3年間ロッテの1軍投手コーチを務め、今季は「ピッチングコーディネーター」という役職でチームを支えた。吉井氏が投手コーチ時代の20年、21年には最強のブルペン陣を構築し、2年連続2位となった。
20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズン開幕が遅れるなど、投手陣の調整が難しかったことに加え、大事なシーズン終盤を見据えて、3連投、1週間に4試合以上登板が非常に少なく、1週間の登板数をしっかり管理。
同年6回終了時点でリードした試合は44勝3敗1分。19年はイニング別失点で8回が最も多い87失点だったが、リリーフ陣を補強した20年は8回の失点数が47と減少した。ジャクソン退団後は苦しい台所事情となったが、唐川侑己、ハーマン、澤村拓一、益田直也の勝利の方程式が確立した。
翌21年は開幕から勝利の方程式が固まらず、4月が終了した時点で、6回終了時にリードしていながら逆転され敗れた試合は3度あった。それでも、5月以降は調子の良い投手を勝ちパターンで起用し、開幕直後はビハインドゲームを中心に存在感を示していた佐々木千隼は徐々に序列を上げていった。
東京五輪明けの後半戦は、7回・国吉佑樹、8回・佐々木千隼、9回・益田直也の勝利の方程式を確立。6回終了時点でリードした試合の試合は49勝5敗6分で、4月24日のソフトバンク戦から9月5日の日本ハム戦にかけて引き分けを挟んで28連勝ということもあった。
国吉は益田が3連投中だったときに勝ち試合の最後で投げ、佐々木が連投中のときには8回のマウンドにあがった。佐々木はシーズン通して1度も3連投、1週間に4試合以上の登板がなく、フレッシュな状態で登板することができた。益田はビハインドゲームでの登板は1度もなし。
特に2021年は、“勝利の方程式”と呼ばれる投手達をチームの勢いをつけるために、1点、2点を追う展開で投げさせるということがほとんどなかった。
2年連続2位に入った昨季は救援陣の働きが大きかったが、延長12回制が3年ぶりに復活となった今季、延長戦の成績は5勝10敗1分、8回の失点はイニング別では3番目に多い67失点、守護神がシーズン途中に益田直也からオスナに変更、新型コロナウイルス感染による離脱者も多く“これがロッテの勝利の方程式”という形を最後まで作れなかった。
また3連投した投手は今季オスナだけだったが、安定した投球が続くと東條大樹、唐川、西野勇士など勝ちパターンを務める投手に依存する傾向が強く、ビハインドゲームでも登板するなど登板数が増え、疲労からか打ち込まれる場面もあった。その逆にビハインドゲームで投げることの多かった中村稔弥、八木彬などは2週間近く1軍登板がない時期もあった。今季は、投手運用という部分で苦労することが多かった印象だ。
投手コーチ時代、“投手運用”に定評のあった吉井氏には、今季最後まで固まらなかった“勝利の方程式”をはじめとした救援陣を、投手コーチとともにどう運用していくのか非常に注目だ。もちろん、野手を含めたチーム全体のマネジメントをどのようにしていくのかも見どころの1つ。2025年に常勝軍団になるため監督を託された吉井氏のもと、来季どんな戦いを見せるのか、ワクワクしているマリーンズファンも多いのではないだろうか。