わたしはかもめ2000年鴎の便り(9月)

便

9月27日

ノリ、田口も目真っ赤

敗戦の瞬間、誰もベンチから動けなかった。中村が、田口が目を真っ赤にして泣いている。今大会2度目の対決となった左腕・具台晟から5安打で1点しか奪えず、7回まで無失点の松坂を援護できなかった。「1点取れば勝てると思った。紙一重の勝負だったけど…。相手もプロだった」と中村は声を震わせた。

プロ・アマ混成チームの最大の課題とされた打線のつながり。だが、この日も2回、中村の左越え二塁打から1死一、三塁としたが、7番・梶山義彦が見逃し三振。9回1死から松中が右翼線二塁打を放ち、二塁ベースに頭から滑り込む気迫を見せ、田中が中前適時打で1点を返したが、続く広瀬純が見逃し三振、代打・阿部慎之助が二ゴロに倒れてジ・エンド。決勝ラウンド2試合で連打が出たのはこの9回だけで「最終的には点が取れなかった。いい投手が出てきたらこういう展開になってしまう」と大田垣監督は敗因を口にした。

「メダルを獲れなくて申し訳ない。アマはよくやったけど、僕らプロがもう少し打っていれば…」と松中が天を仰ぎ、中村は最後にこう言った。「チャンスがあったら(アテネで)バットを振り回したい」プロとアマが一緒に流した涙が日本野球のアテネへのスタートになった。

黒木
「プロとアマが野球を通して1つになれた。メダルは獲れなかったけど、野球の原点を見た気がします。野球をやってて本当に良かった。4年後は出られるなら出たいですね。ジャパンに入って五輪の素晴らしさを感じたんで…。」

ページトップ