わたしはかもめ2001年鴎の便り(2月)

便

2月24日

広島0−11千葉ロッテ(都城)

ロッテの新人が内容ある投球を見せた。左腕の加藤は、切れのある速球と大きなカーブを低めに集め、2回を無失点。下手投げの渡辺俊も2回を無失点。広島の長谷川は、球威、制球とも精彩がなく、14安打7失点。

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千葉ロッテ21004040011
広島0000000000

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新戦力が大活躍

24日のオープン戦初戦は「山本コージ」対決。ドラ2・加藤が、大きなカーブを武器に2回無失点。貴重な先発左腕候補の好投に加え、移籍組の小林渥、山崎、新人の渡辺俊も無失点リレー。11−0と大量リードで迎えた8回から登板したドラ4・渡辺俊は、2回を投げて被安打1。広島打線を手玉に取った。

山本監督
「(新戦力は)楽しみより、やってくれるという期待感の方が大きい。」

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4番・初芝3の3

5投手の完封リレーに、打線も応えた。アーチこそ出なかったものの、広島の4投手に18安打を浴びせ11得点の猛攻。4番・初芝は、寝違えで首を痛めて鹿児島に残った石井の代役を見事に務めあげた。

山本監督
「ちょうど、キャンプの疲れがとれてきた。オレだって頑張ってるんだよ。」

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清水直3回を無安打無失点

先発した2年目の清水直が、2回先頭の金本に四球を出した以外は、3回を無安打無失点に封じた。

清水直
「自分のピッチングをすれば大丈夫だと思って投げました。」

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サブマリン渡辺俊、赤ヘル手玉

オープン戦初戦で実現した“山本コージ”対決。功児を喜ばせ、浩二を黙らせたのはロッテのドラフト4位・渡辺俊(新日鉄君津)だった。11−0と大量リードで迎えた8回からオープン戦初登板。即戦力のサブマリンが広島打線を手玉に取った。

“必殺シュート”で押しまくった。ぐいぐいと右打者の内角に投げ込む。先頭の新井をカウント2−2からシュートで投ゴロ。続くディアスには初球からシュート。ボテボテの三ゴロに仕留めた。結局、対戦した右打者5人中4人を内野ゴロに抑えるなど2回を投げて被安打1の快投デビューだ。

渡辺俊は「点差もあったし、オープン戦なので気楽に投げられました」と冷静に振り返ったが、山本監督は「いい度胸をしている。常に先手を取って攻めのピッチングをしてくれた」と内角を突く強気な投球に二重丸をつけた。

18日の紅白戦で2回無失点の投球に続く好投にも浮かれた様子はまったくない。この日朝山に許した唯一の安打を振り返り「初球より甘く入ってしまった」と悔やむあたり渡辺俊の視線は完全にシーズンでの投球を見据えている。

ネット裏で視察した日本ハムの大宮育成部編成担当は「久し振りに本当のアンダースローを見た。面白いね」昨季、日本ハムはロッテを20勝6敗1分けとカモにしているが、新戦力の台頭に警戒を強めた。

渡辺俊はシドニー五輪と比較して「あの時はわくわくした感じでしたが、今日はいつも通りの緊張感を持ってやれました」大舞台を経験している男にとってオープン戦は単なる調整の場に過ぎない。登板前には「いつもやっているんです」とスパイクを磨く余裕も見せた。次戦は3月3日の中日戦(鹿児島)。肝っ玉ルーキーは今度も平気で右打者の内角をえぐるに違いない。

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加藤も2回2K

ドラフト2位の加藤(日大)も2回で2三振を奪い、無失点に抑える好投を見せた。13日に元ロッテ監督の金田正一氏(評論家)から伝授されたカーブで金本を二ゴロに仕留めるなど「変化球は腕が振れたと思います」と27球中7球投げたカーブについては自ら合格点をつけた。山本監督は「練習通りのピッチングを見せてくれた。あれぐらいはやると思っていたけど、実戦で違和感なく放れるあたりは凄いね」と待望の先発左腕誕生の予感に目を細めた。加藤はほぼベストメンバーの赤ヘル打線については「気が抜けませんでした」と語ったが、町田、金本、ロペスの主軸をノーヒットに抑え込んだ。この日の好投で目標の「開幕ローテーション入り」をまた一歩引き寄せた。

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