わたしはかもめ2001年鴎の便り(4月)

便

4月3日

大阪近鉄3−6千葉ロッテ(大阪ドーム)

ロッテは、3回、堀の適時打で先制すると、5回初芝の1号ソロで2点目を挙げた。5回まで被安打2本と好調のルーキー加藤は、6回、サード初芝の一塁への悪送球で2点を失い、同点にされるが、8回、その初芝が、2打席連続となる2号ソロを放ち、勝ち越し。さらに、ロッテは追加点を挙げ、この回計4点。加藤は、7回自責点0と好投し、プロ入り初勝利。

123456789R
千葉ロッテ0010100406
大阪近鉄0000020103

ページトップ

加藤が猛牛クリーンアップを3連続三振

同点で迎えた7回、大村に二塁打、続く水口に四球を与え、自ら無死一、二塁のピンチを招いた加藤。しかし、3番の中村を三振、4番ローズも見逃し三振、5番吉岡も空振り三振に仕留めた。カーブの曲がりが良くないと感じると、すぐさま主体を直球とフォークに切り替え、新人離れした冷静さを発揮した。

加藤
「7回はランナーの出し方が良くなかったですから。そこから開き直ったのが良かった。野手の皆さんのおかげです。自分が勝ったことより、チームが一丸となって勝てたことの方が嬉しいです。7回ですか?全部フォークです。」

ページトップ

初芝2発も複雑

今季1号、2号を連発した初芝だが、2点リードで迎えた6回裏、まさかの悪送球で2点を謙譲。8回表には近鉄を突き放す2号を放ったが、笑顔も見せずに引き上げた。

初芝
「あのエラーで頭の中は真っ白だよ。」

ページトップ

光山が骨折

光山が右足親指を骨折したため、出場選手登録を外れた。1日のオリックス戦で具から死球を浴び、2日の近鉄戦後に大阪市内の病院で検査を受けた結果、「右母趾末節骨骨折」で全治3週間と診断された。

ページトップ

加藤“鬼迫”猛牛斬り!プロ1勝

ルーキーの面影なんかどこにもない。ピンチではもの凄い形相で打者に立ち向かったロッテのドラフト1位左腕・加藤。その顔が崩れたのは守護神・小林雅からウイニングボールをもらったときだ。試合後の三塁側ベンチ前、はにかみ屋の素顔に戻っていた。

加藤
「野手の皆さんのおかげです。自分が勝ったことより、チームが一丸となって勝てたことの方が嬉しいです。7回ですか?全部フォークです。」

2−2で迎えた7回無死一、二塁、絶体絶命のピンチで“いてまえ打線”のクリーンアップを迎えた。まずは前日に逆転2ランを放っている3番・中村。初回と3回はいずれも1死二塁の場面で勝負を避けて四球。しかし、もう逃げたくない。「点を取られてもいいから開き直って投げました」2−1からフォークで空振りの三振。続くローズを見送り、吉岡からは空振りと何と3者連続三振だ。

プロに入って転機になったのが2月の鹿児島キャンプだった。父・康宏さんは「金田正一さんとお会いしたのが大きかったようです」と言う。2月13日に鹿児島を訪れた元ロッテ監督で400勝投手から直接指導された。技術以上にためになったのがプロとしての考え方だった。金田氏と言えばかつてルーキー長嶋(現巨人監督)をデビュー戦で4打席4三振。その“400勝魂”が生きたのだ。7回の3者三振。常に打者に向かっていく姿勢が8回の打線の援護を呼んだ。

「本当によう投げたよ。特に7回は素晴らしかった。わざとピンチをつくってクリーンアップを迎えたんじゃないかと思うぐらいだったね」と山本監督。7回4安打2失点でのプロ初勝利を絶賛したが、肝っ玉ルーキーは言う。「これぐらいで満足することなく、もっと上を目指したい」新人らしからぬコメントで締めた左腕には既にローテーション投手としての風格が漂っていた。

ページトップ