わたしはかもめ2001年鴎の便り(5月)

便

5月14日

佐々木コーチ「黒木よカブと勝負」

勝負しろ!いや、しない!15日のロッテ・西武戦(福井)を前に西武・佐々木恭介ヘッド兼打撃コーチの要求に山本功児監督が応戦した。発端はカブレラに対する各球団の四球攻め。佐々木コーチは16日に対戦する予定の黒木についても勝負を要求したが、山本監督は真っ向から反論。遺恨ムードも漂う勝負の行方から目が離せなくなってきた。

ここまでリーグ独走の21本塁打、52打点。西武打線の“至宝”をめぐって試合前から丁々発止のバトルが展開された。カブレラVS黒木と注目の対決を前に佐々木コーチは「(黒木は)黙っていたって勝負してくる。あいつはそういう男だ」と持ち上げた。褒め殺し半分の真っ向勝負の要求。しかし、山本監督も黙ってはいなかった。

伏線は前日のダイエー戦。カブレラが3連続四球で歩かされて試合後に佐々木コーチが「世界の王が泣くぞ。ケツの穴が小さい」と言い放った。これ以上の四球攻めに遭うとチームの得点力は半減。加えてファンに胸躍る対決を提供したいとの思いもある。だが、勝ち負けがかかわると話は別だ。

連戦に備えて福井県営球場での練習を終えた山本監督は「勝負しようが逃げようがこっちで決めること。自分の都合で言うんじゃない。王さんだって3回歩かされてその後に本塁打を打っていたんだ」と顔を真っ赤にして反論。さらに「今の黒木なら打たれない」と逆に挑発し返した。

思わぬ形の場外バトル。一方で当事者の黒木は「ファンは楽しみかもしれないが、やはりチームの勝利が優先。状況次第でしょう」と冷静に話した。過去2人の対戦は開幕戦(3月24日)の1度だけ。その時は黒木が3打数無安打に封じた。85年にバース(阪神)が54本塁打を放った際にはシーズン終盤の四球攻めにファンは興ざめした。防御率1位男と本塁打量産マシンの対決、果たして結果はいかに−。

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