ロッテは、2回と3回に、ボーリックの2打席連続本塁打で4点をリード。2点差に迫られた5回には、石井の2号2ランで追加点を挙げる。オリックスもその裏、進藤の適時打で1点差とするが、5回2死からマウンドに上がった和田が踏ん張り、藤田、小林雅と継投で勝利。小林雅は11試合連続セーブのパ・リーグ新記録を樹立。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 |
オリックス | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
小林雅がパ・リーグ新記録となる11試合連続セーブを達成した。6−5と1点リードした9回に登板し、オリックス打線を3人でピシャリと締めた。次の記録は1998年横浜佐々木が達成した22試合連続セーブの日本記録。
5回2死二塁から、決勝点となる2ランを放った。自らの37歳の誕生日の前祝い弾となった。
繰り返される祝福の言葉と握手。ロッテの守護神・小林雅が5月25日の日本ハム戦(東京ドーム)から11試合連続セーブを記録した。90年西武・鹿取のパ記録「10」を超える新記録。小林雅は静かな口ぶりで喜びを表した。「裏方さんを含めてチーム全員のおかげ。名前が残るのは嬉しいけど、周りの方に感謝したいですね」。
全てを背負い、最後を締める。後ろ向きな投球はできないと攻めた。9回1死から大島を四球で歩かせたが、続く谷を151キロの速球で二ゴロ併殺。8球のうち4球が150キロを超える圧巻の投球だった。
日体大時代はスライダー投手。変わったのは東京ガス時代という。「10キロぐらい球が速くなった」と小林雅。当時コンディショニング・コーチとして指導した久保田真広さん(現本田技研熊本)は「プロ願望が強く“上でやるために社会人でやっておくべきこと”という観点で鍛えました」と話した。2年後にドラフト1位でロッテ入り。社会人時代からの強い意志で、抑えるという目標はセーブという現実として積み重ねられた。
プロ3年目にしてつかんだ栄光の記録だが「僕はオールスターで誰にも破られない記録を持っていますから」と笑った。昨年の球宴第2戦で7連続を含む9安打7失点。1イニング最多失点など3部門でワースト記録をつくった。舞台はこの日と同じGS神戸。しかし今度の勲章は正真正銘の本物だ。「記録は通過点。優勝が残っていますから」と小林雅。美智子夫人への記念ボールをバッグにしまい込むと意識を次へと向けた。視界には最大の目標がとらえられていた。
打のヒーローは今季初の1試合2本塁打を放ったボーリックだ。2回に先制の左越え14号ソロを放つと、3回1死一、二塁でも2打席連続の左越え15号3ラン。「自分のタイミングでバッティングができた。2本連続で打てて本当に嬉しいよ」。今季は度々4番が入れ替わってきたロッテだが、ボーリックは15試合連続42試合目。すっかり主砲の風格が漂ってきた。