わたしはかもめ2001年鴎の便り(7月)

便

7月10日

千葉ロッテ6−1福岡ダイエー(千葉マリン)

ルーキー加藤の2度目の完投で4連勝。加藤は完封こそ逃したが、13奪三振の力投。打線は2回に本西の適時打と清水将の犠飛で2点を先制。4回に失策、6回は初芝の犠飛、7回は福浦の2塁打で着実に加点した。

123456789R
福岡ダイエー0000000011
千葉ロッテ02010111x6

ページトップ

意識しすぎて完封逃す

完封こそ逸したが、ルーキー・加藤が、ダイエーを4安打1失点に抑え、2度目の完投で6勝目を挙げた。直球と同じ握りで投げるスライダーが有効で、ダイエー打線から13三振を奪った。12球団の新人ではトップの6勝目。新人王も夢ではなくなった。プロ初完封まであと1歩だった。8回までわずか1安打。しかし、9回、3連打を浴び無死満塁。小久保の中犠飛で1点を失った。

加藤
「2軍で自分を見つめ直せたのが良かった。9回になって完封じゃん、みたいな。意識しました。バカだから完封を意識したんですよ。」
小野投手コーチ
「最後の最後で1点を守れなかったのが情けない。それまでいいピッチングをしていても、最後に取られたら意味がない。」

ページトップ

ベテラン本西が援護射撃

23歳の加藤の完投を、39歳のベテラン本西が援護射撃した。試合前、1軍復帰して即先発する加藤に「楽しんでこい」とアドバイス。自身も5月2日以来の先発だったが、2回には先制タイムリーを放ち、ルーキーの復活を援護した。

本西
「久し振りやから気持ちをほぐそうと思ってね。」

ページトップ

加藤復肩!13K完投6勝

はじける笑顔だ。マウンドで清水将と握手を交わした瞬間、加藤は新人らしく初々しく笑った。「9回は完封を意識しちゃいました。でも、2軍に行って1軍でやれる幸せをあらためて感じたので勝てればいいです」。

8回までわずか1安打。9回に小久保の犠飛で完封こそ逃したものの、自己最多の13三振を奪う力投で6勝目を挙げた。

プロ生活の滑り出しは最高だった。5月までに4勝を挙げた。しかし、6月になって勝てなくなった。6月27日に下された2軍降格指令。そこで加藤は原点に帰ることを決意した。「自分は大した投手じゃないのに何か思い違いをしていた」。無名だった日大時代、敗戦後に1人で神宮球場から新宿の寮まで走らされたことを思い出した。2軍の浦和球場でポール間ダッシュを10往復するなどひたすら走り込んだ。

下半身が安定したことにより直球の切れが戻った。最速は139キロ。しかし、3回に野々垣、柴原、大道を全て直球で3者連続三振に仕留めたのが加藤の生命線がよみがえったことの証明だ。

山本監督は「これで吹っ切れるんじゃないかな。先発の競争が激しくなってきたね」と待望の先発左腕の復活に目を細めた。チームは4連勝で4位浮上。千葉マリンでのダイエー戦は9連勝だ。リーグで唯一3点台の防御率を誇る。旋風再び。ロッテは単なるダークホースではない。

ページトップ

39歳・本西、援護先制打

5月2日以来のスタメン出場になった39歳の本西が23歳の加藤をバットで援護した。2回1死二、三塁から左前打を放ち先取点をプレゼント。「加藤は久し振りの先発だったから早めに点を取ってやりたかった」とベテランらしいコメント。山本監督は「年食った体の若い人がよく打ってくれたよ」と起用に応えた本西に感謝していた。

ページトップ