ロッテの山本監督が8日、新外国人のショートに絶妙のアドバイスを送った。フリー打撃を終えて着替えをしているショートをつかまえて「マシンで打っているときと、投手を相手にしたときとタイミングの取り方が全然違う。マシンで打ったときの方がいい」。通訳を交えて身ぶり手ぶりの説明にショートも「力んでいたので突っ込んでしまった。次は重心を後ろに残して打つ」と納得顔だった。
山本功児監督が8日、左腕投手に“遅球習得令”を出した。右打者にも有効な“遅球”を習得することで、特に左の中継ぎ投手の起用の幅を広げるのが狙い。山本監督は「左ピッチャーがスクリューでも覚えれば、ワンポイントで対左だけじゃなく右バッターにもぶつけられる」と話し、小刻みな継投を避けて投手陣の負担を軽減させたい考えも示した。
昨年11勝を挙げた左腕の加藤、中継ぎで51試合に登板した川井がスローカーブとスクリューボールを武器に急成長。早速、ドラフト5巡目のルーキー左腕・鈴木がチェンジアップに着手。キャッチボールで試投し「社会人で練習したときはあまりよくなかったけど、このキャンプ中にものにしたい」。初のフリー打撃登板では制球難を露呈した鈴木だったが、山本監督は「1軍で投げるレベルまで来ている」と評価していた。
前日118球を投げたD5巡目の左腕・鈴木(王子製紙)が8日、フリー打撃にも「アピールしたかった」と志願登板した。打者5人に70球を投げたが、山本監督は「右打者の内角に食い込むタマは一級品」と絶賛。新人のアピールは大成功だった。
ドラ5巡目ルーキーの鈴木が8日、フリー打撃に初登板。原井、立川、堀、サブロー、小坂、諸積の6人に対し、70球を投げ込んだ。しかし、期待とは裏腹に、31球がボール。山本監督は、前日7日にブルペンで自己最多の118球を投げた鈴木を「タテのスライダーがものすごくいい」と絶賛。中継ぎの即戦力と評価している。この日は直球だけでスライダーは封印したため、評価が下がることはなかった。13日の紅白戦に登板予定。
ここまでけが人も出ず順調に進んでいるキャンプ地・鹿児島で、思わぬ事件が起こった。8日早朝、鹿児島市内の選手宿舎から約4.5キロの場所で暴力団の対立抗争とみられる発砲事件が発生。6日の深夜から7日朝にかけては鹿児島市最大の繁華街、天文館で暴力団同士の小競り合いが起きたとの情報があり、鹿児島県警も960人態勢の捜査本部を設置して、緊急配備を敷くという厳戒ムードになっていた。休日の前日には繁華街の天文館に出向く選手も多いため、これを受けて川北智一球団代表は「注意をしてもらわないといけませんね」と話し、ナインに警戒するよう呼びかけることになった。