メイが甘い球を逃さずに2本塁打を放った。小野は低めを丁寧に突き、打たせて取って、5回を無失点に抑えた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 5 |
横浜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 3 |
これで“ローズショック”とおさらばだ。打球の行方の確認は不必要。メイの手に残った感触だけで“結果”は分かった。
「気持ち良かった。やっと感触がつかめてきた。自分のスイングを取り戻したよ」。初回2死三塁から若田部の内角高めの136キロ直球を右翼席最上段へ。場外まであと10メートルに迫る特大の140メートル弾だ。被弾したマウンドの若田部は「力のないボールでした」と完全にお手上げだ。
この試合まで13打数1安打と不振に陥っていたメイ。練習が休日となった10日には千葉マリンで志願の特打を行った。約2時間に及ぶ練習でインパクトの瞬間に右肩が開き、外からバットが出てくる欠点を修正。その成果はすぐに表れ、8回無死一、二塁からは左腕・稲嶺のスライダーを右翼スタンド中段に運ぶ135メートル弾。9回には左前打を放ち、3安打の固め打ちで5打点とチームの全得点を叩き出した。
本来の構想では電撃退団したローズが4番を打ち、5番にはメイが座る予定だった。紅白戦では福浦を4番に据えるなど山本監督は打線の組み替えに試行錯誤した。そんな指揮官の悩みも計275メートルの2発で解消され「福浦は3番。メイは警戒されながらも大きいのが打てる」と“4番・メイ”を即決した。
ここまでのオープン戦でのチーム本塁打は西武、日本ハムと並んで最低の4本。そのうち2本を放ったメイは「4番は意識してない。昨年よりもいい数字を残すだけだよ」。その言葉こそ4番の証明だった。
メイが1回、140メートルの特大2ランを放つと、8回にも135メートルのダメ押し3ラン。チームの全5打点をたたき出した。ローズ退団で空位となっていた4番だが、合格を決定付ける連弾となった。「気持ちよかった。やっと感触がつかめてきたよ」と3年目を迎えた助っ人は頼もしかった。
前のゲームまで.077と今1つ調子が上がってこなかったメイが、初回に先制2ラン、8回には3ラン、9回には猛打賞となるヒットも放って5打数3安打、全得点となる5打点を叩き出した。メイは、大阪、神戸遠征から帰った翌日10日のチームは完全休養日、マリンスタジアムで打ち込みを行い本来のバッティングの感触を取り戻していた。打線も、メイの爆発につられるようかのように、12安打と、このオープン戦初めて2ケタ安打を放った。
左打者を内角を突くカットボール、そして右打者をえぐるシュートで『大ちゃんス打線』を手玉に−。サンデー晋吾こと小野が5回を4安打無四球で無失点に抑えこみ、復活を予感させた。
晋吾スマイルが戻ってきた。昨年は肩痛、そして持病の座骨神経痛で開幕2軍スタート。昇格後も腰痛を引きずり、2年連続2ケタ勝利のエースが5勝止まりだった。
前回6日の中日戦から中5日で結果を出した。今後は同じ中5日で18日のオリックス戦、24日の巨人戦と調整を続け、30日のダイエー戦で初登板を迎える計算になる。30日は一昨年、13勝あげたシーズンに9連勝を飾った日曜日。ブレークした幸運のサンデー登板で、復活へ最高のスタートを切る。
「予定通り、順調だね。それなりのボールを投げてくれた」。先発の柱として期待を寄せる山本監督も、抜群の仕上がりに目尻を下げる。これでオープン戦8回を6安打無失点と文句なしの内容だ。
「登板日は聞いてませんが開幕に合わせていくだけです」。新球カットボールにも手応えをつかみ「秘密のボールにしておきたいですね」とニヤリ。10年目の節目の年、本当の復活はサンデー登板でみせつける。
オープン戦2度目の先発となった小野が、4回までは毎回安打でランナーを許すも、ランナーを進めず、5回を零封した。