わたしはかもめ2003年鴎の便り(4月)

便

4月20日

千葉ロッテ8x−6オリックス(千葉マリン)

粘ったロッテが堀の一振りで延長戦を制した。ロッテは、3点を追う9回、ショートの適時打2ベース、辻のショートゴロ間などで3点を挙げ、土壇場で同点とし試合は延長戦へ。10回、2死二塁から堀が2ランを放ち、今季初となるサヨナラ勝ちを収めた。堀のサヨナラ本塁打は1996年5月15日以来で自身4本目。投げては、10回から登板した神田が1イニングを三者凡退に抑え、プロ入り初勝利を挙げた。

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オリックス01000300206
千葉ロッテ1001010032x8x

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堀、7年ぶりの“殊勲打”…自分信じて初球を痛打[千葉日報]

初球だった。延長10回2死二塁。堀は直球だけを待っていたという。そこに、抜けたフォークボールが甘く入ってくる。自然と体が反応していた。打球は左中間席へ。自身にとり1996年以来、4本目のサヨナラ本塁打となった。

9回に3点差をつけられて敗戦濃厚の試合展開だった。それを土壇場で追いつき、ひっくり返した。「みんなが一丸となって追いついた。こういう試合は勝ちたかった」。プロ16年目、34歳のベテランは素直に喜んだ。

この試合前までの打率は2割。決して調子は良くなかった。それでも、自分のバットを信じて初球から振っていけた。「打てなくても同点の場面だから。結果的にサヨナラになっただけ。でも何度やっても気持ちいいね」と笑顔を見せた。

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堀、サヨナラ弾

16年目のベテラン堀が一振りで決めた。10回裏1死一塁となったところで、山本監督に「バントで走者を二塁に進めるから任せたぞ」と耳打ちされた。そして巡ってきた2死二塁。過去3本もサヨナラ本塁打を打っているいぶし銀男は冷静だった。「どうにいかしたいと思ったけれど、打てなくても同点で試合は続く。無心で振った」と、萩原の初球を叩いた一打は、小雨の煙る左中間中段まで飛んでいった。今キャンプは右ひじ痛(遊離骨)に悩み2軍調整を余儀なくされた。完全に痛みは取れないが、上手く付き合っていくことを考えている。今春小学生となった二男裕二くんの入学式も、ナイターに備え欠席した。全てを野球に賭ける職人かたぎが、1996年ダイエー戦以来、自身4本目のサヨナラ弾に結びついた。「この勝ちは大きいぞ」と、堀よりも山本監督の方が興奮していた。

「フォークが抜けたボールだった。完璧だった。9回まで負けゲームをやっていたので、9、10回と盛り上がった雰囲気になった。気負いは最初少しあったが、打てなくても同点だと考えて無くなった。監督から『リックがアウトになっても渡辺正に送らせるから幸一が決めて来い』と言われて気持ちが入った。チームもこういう状態だったので必死だったよ。」
山本監督
「ピッチャー交代のタイミング、小林宏をもう1回行くことや川井の交代のタイミングの遅れなど、采配ミスを選手がカバーしてくれた。敬遠もあるかなと思って次の諸積に前の打席のことは忘れろと言おうとしたところだった。よく打ってくれたね。」

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ベンチ入り最年長の堀がサヨナラ弾[スポニチ]

手に残る感触だけで十分だった。打球の行方を確かめる必要はない。誰にも止められない“ウイニングラン”。笑顔の堀はホームベース上の歓喜の輪に飛び込んだ。「みんな一丸となって追いついたので、勝ちたかった思いだけで無心でした。もう完璧ですね」。9回に敵失などで同点とし、6−6で迎えた延長10回2死二塁。萩原の初球133キロのフォークを左中間席へ運ぶ2号サヨナラ弾。96年5月15日のダイエー戦(仙台)以来、自身4本目の“祝砲”だった。

キャンプ中の2月11日。目覚めた堀の右ひじに激痛が走った。腕は曲がらず、ボールも握れない。診察の結果は遊離軟骨(ネズミ)。ベンチ入り最年長の34歳は「(野球を)“やるんだ”という気持ちは持ち続けていた」と振り返る。チューブを使った懸命のリハビリで、開幕1軍入りを果たしたが、現在も試合後のアイシングは欠かせない。そんな状態で打った劇的な1発だった。

不振だった打線に復調の兆しが見え、4連敗から2連勝で借金は1。22日からは首位・近鉄との2連戦。勢いを取り戻したマリーンズがパ・リーグの台風の目になりそうだ。

堀幸一(ほり・こういち)
1969年(昭44)4月2日、長崎県生まれの34歳。長崎海星からドラフト3位でロッテ入団。95年は打率.309でリーグ2位、96年は.312で3位。98年にFA権を行使して残留。家族は由美子夫人(37)と1女3男。1メートル82センチ、80キロ。右投げ右打ち。

◇神田2K初勝利

ルーキー神田がプロ初勝利をマークした。先発に転向するシコースキーに代わってこの日から中継ぎでブルペンで待機。延長10回から登板すると2者連続三振の力投で3人でピシャリ。その裏のサヨナラ弾で白星が転がり込んだ。試合後は山本監督から、ウイニングボールに日付とサインを書き込んでもらい「嫁さんに見せてから両親に送りたいと思う」と嬉しそうにボールを握り締めた。

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延長制す…ベテラン堀が劇的サヨナラ弾[サンスポ]

苦労人のバットから、劇的な1発が飛び出した。堀が打席に向かいながら描いたイメージが、現実となった。

「打てなくても同点だ。よーし、初球から思い切って打って、ヒーローになってやる。」延長10回2死二塁の場面だ。萩原の初球、甘く入ったフォークボールを逃さない。「完璧に捕らえることができた」と自画自賛する一撃。平成8年5月15日のダイエー戦で吉田から奪って以来、通算4本目となる2号サヨナラホーマーが、左中間スタンドで弾んだ。

無死からメイが中前打で出た後だ。山本監督が堀に耳打ちをした。「(渡辺に)バントさせるから、お前が決めて来い!」。そういいながら、指揮官は『敬遠策』もあることに気づき、次打者・諸積にアドバイスしようとした瞬間だった。次策を打つことなく、16年目のベテランが、鮮やかに決めたのだった。

堀は平成元年に長崎海星高から入団して以来、ポジションは固定しなかった。内野から外野、そして再び内野に戻り、今年は退団したローズの影響で二塁−三塁を往復した。

「どこでもいい。プロは試合に出てナンボですから…」。守備でもバットでも、ここ1番で頼りになる。銭を獲れる男だ。

◇新人・神田がプロ初勝利

延長10回を3人で片付けたロッテの新人・神田に、堀のサヨナラ2ランでプロ初勝利が転がり込んできた。「今日から中継ぎに入ってくれといわれいきなりですからね。嬉しいです。こんなに早く勝てるなんて思っていませんでしたから…」。ウイニングボールは、まず夫人の弥世さんに見せて、香川・高松市に住む両親に送るつもりだ。

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助っ人トリオがチャンスメイク

3点差を追いついた9回は、外国人トリオの3連打で2点差とした後、1死満塁から辻の一打は遊ゴロ。併殺で終わりと思われた瞬間、相手二塁手が送球を受け損ね、2点が転がり込んだ。

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神田、プロ初勝利

ルーキー神田が嬉しいプロ初勝利を手にした。延長に入る直前、ブルペンには小林雅を含め4人しか残っていなかった。10回を3人で切り抜けた。しかも、葛城、塩谷を切れの鋭いフォークボールで2者連続三振。「あれでまた、流れがうちに傾いた」と山本監督が指摘した通り、サヨナラ劇を演出した。新人ながらこの日で5試合目の登板。前回(16日)はプロ初先発とあって、高松市に住む両親と、昨年クリスマスイブに入籍した弥世夫人をスタンドに呼び寄せた。6回2失点の好投も初勝利はならなかったが、ローテーション入りのお墨付きをもらった。しかし、大阪遠征では登板予定がなく、間隔が空くため今日はベンチに入って登板する準備をしていた。

神田
「最高です。嬉しいですよ。突然指名されてびっくりした。気持ちで負けないよう向かっていった。1勝は意外に早い感じがする。(ウィニングボールは)嫁さんに見せてから両親に贈ります。」

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