わたしはかもめ2003年鴎の便り(4月)

便

4月26日

千葉ロッテ2−1西武(千葉マリン)

清水直が開幕5連勝。スライダーなど変化球がよく切れ、8回まで3安打、本塁打の1点に抑えた。6回にメイの二塁打と連続四球で無死満塁と攻め、堀が2点中前打を放って逆転。9回は小林雅が三者凡退で締め、7セーブ目を挙げた。

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西武0000100001
千葉ロッテ00000200x2

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清水直、開幕5連勝

風速12メートルと吹き荒れたマウンドが心地よかった。冷静な判断力と集中力。清水直がまた勝った。開幕から無傷の5連勝。それも毎週土曜日の登板で“サタデー直行”の称号襲名だ。

チームメート、そして“魔物”を味方につけた。初回1死から小関に右翼線二塁打を許したが、後藤武を投直併殺。「ここ(千葉マリン)でやっている以上、何とか工夫しなきゃいけないでしょう」。いずれも直球をシンでとらえられた結果を踏まえて、2回から強風時に威力を発揮する高速スライダー主体の投球に切り替えた。8回まで14個の内野ゴロでわずか3安打の1失点。これで5度の登板全てでチームの連敗を阻止してみせた。

“山本マリーンズ”のコールが鳴り響く中、山本監督は「プレッシャーの中でよく投げてくれた。いつも5割とか連敗とか」と目を細めた。近鉄・岩隈と並ぶハーラートップ。清水直が投げれば負けない。不敗神話がロッテの進撃合図だった。

清水直
「開幕してから負けていないというのは、本当に気持ちがいい。風のない時と比べて距離感が変わるんですけど、早いうちに感覚をつかめたのがよかった。MVPよりもウチのチームにどんどん貯金をつくっていきたいですね。」
山本監督
「プレッシャーの中でよく投げてくれた。あいつの勝利には価値がありすぎる。いつも5割とか連敗とか。」
小林雅
「いきなり(高木浩に)スリーボール。初めストライクが入らなかったけどその後、シュート、真っすぐでカウント2−3になってからは調子がよくなった。」

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マサカリ兆治目指せ!清水直が無キズ5連勝[サンスポ]

4勝目を挙げた19日のオリックス戦(千葉マリン)では、長男の龍之介クン(3)と試合後のインタビューに臨んだ清水直だが、この日は1人。「実は風邪をひいて、こられないんです。まだ野球そのものが分かっていないと思うんですが、それでも来れば、頑張ろうという気持ちになりますから…」と残念そうだった。それでも、この日の白星が、龍之介クンにとって、元気の出る最高の良薬となったはずだ。

千葉マリン名物の突風を味方につけた。中堅から本塁に吹く風は、この日はMAX12メートル。まるで春嵐のような気象条件を“追い風”に、清水直が勝利に突き進んだ。

清水直
「こういう強風を味方にしない手はない。本拠地だから、慣れているしね。カーブやスライダーがちょうど良く落ちる距離感を早くつかめた。」

背中から吹く強風は、バックネット裏のスタンドで跳ね返って、本塁付近では逆風となる。変化球がよく落ちる条件が整うわけだ。1回、カーブやスライダーの曲がり具合いを確認すると「今日はカーブの落ち具合がいい」。その後はカーブ中心の組み立てで、レオ打線を手玉に取った。

9回、守護神・小林雅の助けを借りたが、8回をわずか3安打1失点で堂々の開幕5連勝。しかも、どの白星もチームが負けた後に挙げたものだけに、価値がある。「直(清水)はホントに良い仕事をしてくれる」。昨年はチームの開幕連敗を11で止めた男のさらなる奮投に、山本監督も目を細めるばかりだ。

今季の活躍の陰には、奮起材料がある。シーズン前の3月、夫人の明美さんと相談し、念願のマイホームを購入。それも東京都世田谷の高級住宅地にある“億ション”だけに、一念発起の出費となった。「ローンを早く返したい」。まだ4年目で年俸5400万円の右腕は、昨年(14勝11敗)以上の成績を残し、大幅昇給を狙っている。

清水直
「勝ち進んでいくと、今度は負けるんでは…と思ってしまう。でも、この恐怖心が逆に、慎重さと集中力を生んでいるのかもしれませんね。」

ロッテ投手の開幕連勝記録は、村田兆冶の11連勝(昭和56、60年)。4月の月間MVPを同じ5勝の近鉄・岩隈と争う27歳は、ファンと自らの夢を乗せ、またマウンドに向かう。

清水直行(しみず・なおゆき)
昭和50年11月24日、京都府生まれ、27歳。報徳学園高から日大に進学したが、右肩を故障してリーグ戦はわずか1勝。東芝府中、東芝を経て平成12年ドラフト2位でロッテ入団(逆指名)。1メートル80、80キロ。右投げ右打ち。家族は夫人の明美さんと1男1女。背番号18。年俸5400万円。
データBOX
清水直が無傷の5連勝を遂げた。ロッテでは一昨年、黒木知が開幕9連勝して以来で2年ぶり。チーム記録は村田兆治の開幕11連勝(昭和56、60年の2度)。なお、プロ野球記録は間柴茂有(日本ハム)の15連勝(昭和56年)。
小林雅
「いきなり(高木浩に)スリーボール。初めストライクが入らなかったけどその後、シュート、真っすぐでカウント2−3になってからは調子がよくなった。」

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堀が逆転決勝2点タイムリー

20日のオリックス戦でサヨナラ本塁打を打った堀が、再び決勝点をたたき出した。0−1の6回無死満塁で前進守備の二塁・高木浩の頭上を抜く2点タイムリー。「前の打席の三振で気合が入った。二ゴロかと思ったがラッキーだった」。11打席ぶりの安打が、チームに再び貯金をもたらした。

「初球から積極的に打ちにいったのが良い結果に結びついたと思います。前の打席でチャンスに三振していたので、この打席は気合を入れて打席に入ったよ。打った瞬間はセカンドゴロかと思ったが、良く跳ねてくれたね。ピッチャーが頑張っていたので何とか逆転することができて本当に良かったです。」

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