わたしはかもめ2003年鴎の便り(11月)

便

11月2日

バレンタイン、3年10億円は日本一

ロッテ・バレンタイン監督が、史上最高年俸指揮官として9年ぶりに日本球界に復帰することになった。1日に来日したボビー・バレンタイン氏は2日、都内でロッテ川北代表と交渉し、破格の3年総額10億円で合意した。3日、正式契約を交わし、都内ホテルで就任会見する。来季のコーチングスタッフも3日に発表され、打撃コーチにはロッテ、メッツ時代の腹心だったトーマス・ロブソン氏が復帰する。 既に始まっている秋季キャンプには5日から合流し、キャンプ終了まで日本に滞在する予定だ。

優勝から遠ざかって29年。その空白を埋める金額が3年総額10億円だった。契約金等を含むが、1年あたりの年俸に換算すると3億3000万円。日本球界で過去最高だったダイエー王監督の今季年俸(2億2500万円)をはるかに凌ぎ、バレンタイン氏が史上最高年俸監督に躍り出た。

前回ロッテの監督を務めた1995年は未知数ということもあり、年俸6000万円をベースに満額でプラス1億円という出来高払いでの契約だった。結果は、チームを10年ぶりのAクラスの2位に躍進させ、出来高8000万円を手にし総額1億4000万円。もはや、指揮官としての実績は十分といっていい。メッツ最終年となった2002年の年俸は300万ドル(3億3000万円)。ロッテ側は、米時代と同等の金額を初年度から、しかも3年の複数年で提示した。それだけの価値がバレンタイン氏にはあった。

1995年は当時の広岡GMとの確執から、好成績を収めたにもかかわらず1年で解任となった。ただし、重光昭夫オーナー代行は、その後もバレンタイン監督復帰のタイミングを見計らっていた。関係者の話では、少なくとも3度は、水面下で復帰を打診した。今回も重光武雄オーナーが、5年契約の話もあったことを示唆している。チームはバレンタイン監督が指揮した1995年以降、低迷が続いている。今季も4位と8年連続Bクラスに終わり、抜本的な変化が必要と、球団上層部の危機感は大きかった。低迷脱出の切り札がバレンタイン氏であり、破格の条件が意気込みの表れだった。

バレンタイン氏
「ロッテとの契約について、全ての話をした。今はいい気分だ。コーチは米国から2人連れてくる。1人は打撃、もう1人は守備走塁の担当になるだろう。」
川北代表
「いい話し合いができた。正式には明日(3日)発表します。契約は3年。あとはサインするだけで、来季のコーチングスタッフも、明日合わせて発表します。これだけ長く低迷してますから、何が何でも明るく、強いチームになって欲しい。」

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バレンタイン氏、新庄獲り明言

前回のロッテ、メッツ監督時代の腹心トーマス・ロブソン氏の打撃コーチ就任が既に内定。そして戦力面での補強の目玉が新庄の獲得だ。バレンタイン氏は就任にあたり、「この(監督就任)話を受けるならば(新庄と)話をしたい」と、メッツ時代に師弟コンビを組んだ新庄剛志外野手の獲得に乗り出すことを明言。既に獲得を表明している日本ハムとの事実上の争奪戦参戦宣言をした。ただ、戦力分析などはこれからの話とあって、川北代表は「もう1度、うちの戦力を見てもらって、それから考えてもらえれば…」と、慎重な姿勢を崩さなかった。

新庄にとってバレンタイン監督は「師」とも言える存在。バレンタイン監督が率いるメッツでプレーした1年目、新庄はメジャーでシーズン最多となる123試合に出場、同監督の下で地位を確立させた経緯がある。

一方、日本ハムは、新庄については、2001年メッツ在籍時に通訳を務めていたのが、今季からヒルマン監督の専任通訳の岩本賢一氏。現在も親交は厚い。日本ハムの三沢取締役管理担当は2日、早ければ4日にも新庄の代理人と交渉する考えを示した。

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バレンタイン氏がロッテ復帰!新庄獲りに意欲[サンスポ]

ロッテの次期監督にメッツ前監督のボビー・バレンタイン氏が9年ぶりに復帰することが2日、決まった。川北智一球団代表と都内で入団交渉を行い、年俸3億円の3年契約で合意。3日、正式発表される。同氏は席上、メッツ監督時代に師弟関係にあった新庄剛志外野手について「ぜひ話をしてみたい」と発言。獲得を強く球団に働きかける考えを明らかにした。

穏やかな表情、口調とは裏腹に、その頭の中は既に戦闘態勢だ。バレンタイン監督が来季構想のカギとして指名したのは、かつての愛弟子“プリンス”新庄だった。

バレンタイン監督
「新庄?ぜひ話をしてみたいね。」

熱烈歓迎の来日から1夜明けたこの日、都内で川北球団代表との入団交渉に臨んだバレンタイン監督。一時はレッドソックスの監督候補に名が挙がるなど難航も予想されたが、ロッテ側は資金面でも文字通り万全の支援態勢を整えていた。

年俸3億円×3年契約の巨額提示に加え、前回のロッテ、メッツ監督時代の腹心トーマス・ロブソン氏の打撃コーチ就任が既に内定。そして戦力面での補強の目玉が新庄の獲得だ。

現在ロッテの外野陣はサブロー、井上純の2人以外は成長株も見当たらず、新庄が加入すれば不動の中堅、外野の要として投打の軸となる。また観客動員でも頭打ち状態が続いているロッテにとって“全国区スター”の加入は願ってもない。営業的な効果は絶大で、本社からもイメージアップにつながるとの声が挙がるほどだ。

一方の新庄も今季途中でマイナー降格、そのままシーズンを終えた。当初から節目としていたメジャー3年目を終え、自ら日本の12球団に対して自由契約の身であることを知らせるFAXを送信したという情報もある。出場機会を最優先に考えるという意向からも、日本復帰に気持ちが傾いているのは確かだ。

獲得に名乗りを上げていた巨人、横浜などの数球団は既に撤退。現在は日本ハムが獲得表明しているだけで一騎打ちの様相だが、本拠地を札幌に移す日本ハムに対して、新庄は日本復帰なら活動拠点を関東に置きたいという希望がある。

また新庄にとってバレンタイン監督は「師」とも言える存在。同監督が率いるメッツでプレーした1年目、新庄はメジャーでシーズン最多となる123試合に出場、同監督の下で地位を確立させた経緯がある。この年のオフに当時メ軍のスティーブ・フィリップスGMがジャイアンツに新庄を放出した際には、一報に激怒したとさえ伝えられるほど。同監督が新庄の最大の理解者の1人であることは間違いない。

バレンタイン監督
「ロッテと契約について全ての話をした。今はいい気分だ。」

既に投手力には手応えを感じているバレンタイン監督だけに、攻撃陣の補強さえできれば、再びAクラス、いや30年ぶりの優勝も−。古巣に戻ったメジャー監督が、日本球界にまた新しい風を起こす。

ボビー・バレンタイン(BOBBY・VALENTINE)
1950年5月13日、米コネティカット州生まれ、53歳。南カリフォルニア大から68年ドジャース入団。エンゼルス、パドレス、メッツ、マリナーズと渡り歩き、79年引退。85年途中から92年途中までレンジャーズを指揮。95年にロッテを率いてチームを10年ぶりのAクラス(2位)に導くも同年限りで退団。帰国後、96年途中から02年までメッツ監督を務め、00年にはナ・リーグ優勝を果たした。今年は米スポーツ専門有線テレビ局ESPNの解説者。
バレンタイン監督のロッテ快進撃VTR
平成7年にロッテを率いたバレンタイン監督は前年5位のチームを10年ぶりのAクラスとなる2位(69勝58敗3分)に躍進させた。投手陣ではこの年、最多奪三振、最優秀防御率に輝いた伊良部、小宮山、ヒルマンを中心に成本、河本のダブルストッパーが活躍。打撃陣では打点王の初芝のほか、鳴り物入りで入団したフランコがチームを引っ張った。6月中旬までは最下位に低迷したが、以後2度の6連勝を飾るなど快進撃で首位オリックスを猛追。就任1年目で69勝58敗3分けの好成績を収めたが、当時の広岡達郎GMと対立、1年で解任された。
新庄の近況
本人に近い関係者らによると、新庄側は既にメッツ傘下3Aノーフォークから自由契約となった旨を日本国内の全12球団宛てにFAXで伝えたという。入団への障害は何もなく、国内外全球団に対して話を聞く用意を整えている。10月10日にニューヨークから帰宅後は都内の自宅でトレーニングを行う一方で、知人への相談やかかりつけの歯医者への診療のため、大阪と間を往復する日々が続いている。
ロッテ・川北智一球団代表
「いい話し合いができた。正式には明日(3日)、発表します。新庄?検討してみたい。ただもう1度ウチの戦力を見てもらって、それから考えてもらえれば…。」

◇日本ハムは一騎打ち覚悟

来季から本拠地を札幌に移す日本ハムは移転後の“目玉”として新庄獲りを正式に表明している。条件面では既に具体的に基本年俸7500万円プラス出来高、さらに中堅のポジションを確約して獲得を目指している。国内のライバル球団の動向についても当初から「問題はロッテ。バレンタイン監督が欲しがっているみたい」(三沢取締役管理担当)とロッテとの一騎打ちは覚悟のうえだ。

◇オリックスはトーンダウン

フロント入りした9月末には、新庄獲りに前向きだったオリックス・中村勝広GMだが、今は「あれだけの選手だから…、ウチには(出せる)お金の限度もある。今すぐに獲りにいくということはしない」とトーンダウンしてきた。伊原新監督は日本代表でもある谷をセンターに固定して、チーム作りを進めている。新庄の守備力は認めるが、チームの構想とは不一致。近く、正式に“撤退”が決まりそうな雲行きだ。

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バレンタイン氏、新庄獲り明言[スポニチ]

ロッテの次期監督に前メッツ監督のボビー・バレンタイン氏が9年ぶりに復帰することが2日、決まった。同氏は都内のホテルで川北智一球団代表と交渉し、3年契約(2年のオプション付き)年俸総額7億円の条件で合意。3日に正式発表される。同氏は就任にあたり、メッツ傘下3Aノーフォークの新庄剛志外野手(31)の獲得に乗り出すことを明言。既に獲得を表明している日本ハムとの争奪戦が展開されることになった。

約3時間の交渉を終えたバレンタイン氏は清々しい笑みを浮かべていた。ロッテ・ファンなら誰もが待ち望んでいた「ボビー」がマリーンズのユニホームを着る。

バレンタイン氏
「細かい部分から全てのことについての話し合いができた。いい感じだった。今はいい気分だ。」

95年に2位に躍進させた立役者。その手腕に加え、溌剌とした言動や明るいキャラクターはチームのイメージさえ一新させた。当時の広岡GMとの確執が原因で、わずか1年で退団を余儀なくされたとはいえ、ロッテとしての悲願とも言えるのが9年ぶりの復帰だった。

それを物語るように球団は破格の条件を用意した。3年プラス本人の意思で2年間の契約延長が認められる条項が盛り込まれ、プレーオフ進出などの出来高を含めれば年俸総額は7億円に上る。また、チームが低迷しても途中解雇されないことも合意した。さらに、バレンタイン氏は新庄の獲得を球団側に要請。川北球団代表も「その用意はある」として、新庄獲得に動くことが正式に決まった。

「ぜひとも新庄と話をしてみたいと思っている」と自ら交渉にあたる意向まで示したバレンタイン氏は、新庄の実力を高く評価している。01年のメッツ監督時代には「クラッチヒッター(勝負強い打者)」として、大リーグ初の日本人4番打者に指名した。高い守備力に加え、華やかな雰囲気も新生マリーンズにはうってつけだ。

球団では新庄獲得資金のため、本社に対し「広告宣伝費」を要請する考えだが、実現した場合の効果は計り知れない。また、今月下旬から始まる契約更改を前に、ベテラン選手と下交渉を行い、大幅なダウン額を提示している。他選手の年俸圧縮も辞さない構えで新庄獲得に全力を注ぐ。

日本ハムとの争奪戦になるのは必至だが、新庄自身、新指揮官に厚い信頼を寄せている。74年から29年もの間、優勝から遠ざかるチームにはバレンタイン氏と新庄の力は不可欠。3週間程度、日本に滞在するバレンタイン氏は5日に秋季キャンプに合流。トンネル脱出への第一歩を踏み出す。

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