ロッテ幹部が異例の極秘合宿に行った。瀬戸山球団代表らは9日、1泊2日のスケジュールで埼玉・さいたま市内のマリーンズ寮に“入寮”。この日は濱本球団社長も訪れ、7時間以上に及ぶ会議漬けで改革に向けて意見交換を行った。
一致団結の場は、何と合宿所だった。新人選手の入寮シーズンに、マリーンズ寮には球団職員11人が休日返上で詰めかけた。うち8人は相部屋宿泊。幹部が一同に会す機会は少ないため、濱本社長の呼びかけのもと、異例の合宿が実現。
2005年はパ・リーグにとっては節目の年。「改革のために何が必要か。改善すべき点に加え、新しい企画を話し合った」と狭間営業部長。会議では、1月に新任した荒木企画広報部長から、IT関連の取り組みや、球場活性化のためのアイデアが次々と提案された。年明け早々に開かれた前代未聞の箱詰め合宿。ロッテ・フロントの今年にかける意欲が表れた形となった。
ドラフト6巡目の木興拓哉投手(18=北海道栄)を励ます会がこの日、兵庫県伊丹市のホテルで行われた。中学時代に所属していたヤングリーグ「兵庫伊丹」の主催で、チーム関係者ら140人が出席。挨拶で木興は「焦ることなくしっかり体をつくって、ケガなく長い間プレーできる選手になれるように頑張ります」と誓っていた。
年俸闘争も「孫流改革」だ。ソフトバンクが来オフからの契約更改交渉で、孫正義オーナーの意向を受けた「信賞必罰」の姿勢を明確に打ち出すことになった。
9日、角田球団代表が「インセンティブ(出来高)契約を結ぶ場合は『マイナス・インセンティブ』を付けたい。ノルマをつくり、ノルマを達成できない場合はマイナス(減俸)になる。孫オーナーの言われる『競争原理』にも当てはまるし、王監督の意向でもある」と明言した。6日に都内で孫オーナーと王監督、角田代表らが会談。インセンティブ契約にノルマを設定し「ノルマ未到達=減俸」の球界では異例の新システム導入をダイエー選手会に通達する方針を固めた。
チーム内の士気を高めることが最大の狙いだ。角田代表は「選手はモチベーションを高めるために出来高払いを要求する。それならノルマがあった方がやりがいがある」と断言。例えば、投手が20試合以上の登板を出来高払いの項目として要求すれば、5試合未満の登板ならダウン。野手が30盗塁クリアを設定し、10盗塁未満ならダウン…という仕組み。ノルマのハードルこそ低いが、減俸の危機感を持たせて選手の活躍を引き出すのが狙いだ。
この日、契約更改交渉を行った新垣がインセンティブ契約を求めたが、球団は却下。3年連続で結果を残さなければ出来高払いを導入しない新球団の方針に沿った形だ。新生ホークスの年俸闘争には、「孫流のアメとムチ」が組み込まれていく。