プロ野球選手会会長の古田敦也捕手が27日、スカイパーフェクTV!と選手会のコラボレーション・キャンペーンについて都内で共同会見。キャンプ専門チャンネル「THE CAMP CHANNEL2005(ch179)」を新設し、2月1〜28日に期間限定放映すると発表した。サッカーのJリーグキャンプ情報も交え、12球団のキャンプ情報をほぼ24時間にわたって放映する。
番組のほか、子供達を対象とした第1回野球教室を2月6日、楽天のキャンプ地である沖縄・久米島で開催。映像を通したファンとの交流システムも決定した。古田会長は「選手としてファンの皆さんに喜んでいただけるように」と力を込めていた。
プロ野球の12球団監督会議が27日、都内のホテルで開かれた。「飛ぶボール」について議論が沸騰し、座長を務めたソフトバンク・王貞治監督が「今年からやらなければダメだ!!」と一喝。メーカーを問わず12球団そろって低反発のボールを使用する方向で一致した。
最大の議題だった12球団の使用球問題。「来季以降でも」という、よどんだ空気を座長の王監督がシャットアウトした。
この鶴の一声で会議のムードはガラリ。“飛ぶボール”に未練を残した数球団、それに「十分議論した上で」という態度だった連盟側も、“飛ばないボール”導入に一気に傾いた。
王監督にとって、使用球の統一は日本の野球レベル向上のためには絶対条件だった。昨秋、日本を率いた日米野球ではMLB公認球に戸惑い、「日本の選手は“飛ばない”という気持ちがあって、みんな力んで、力を出せなかった」と振り返った。今後、国際試合を平常心で戦えるためにも、MLB球や五輪使用球に近い“飛ばないボール”への統一は譲れなかった。
また、統一使用をより厳格にするためメーカーを1社にする意見についても、持論を展開。「戦前からメーカーはたくさんあった。ずっと共存共栄でやってきた」と、従来通り複数メーカーとの関係を訴え、これを通した。
王裁定でミズノ社を使用する8球団全てが、2月のキャンプで同社の“飛ばないボール”をテストし、公式戦でも使用する方向で一致。「これで足並みが揃った。選手はより飛ばそうという努力もするでしょう」。日本球界のレベルアップも視野にいれた王監督。その熱意が、球界を1つにした。
26日、公認球を製造するミズノ社から発表された。従来の同社製ボールは“飛ぶボール”とも呼ばれたが、新ボールは反発係数を抑え、飛距離に影響を与えるボールの中心にあるコルク芯のゴム材を低反発素材に変更、計算上では飛距離が従来のものより約2.1メートル短縮される。春季キャンプでテスト使用される予定。
ストライクゾーンも、ワイドなセに統一される。会議では各監督から「パのゾーンが狭い。広い方が試合のスピードアップにつながる」との声が集中。パの前川審判部長が「思いきって(ストライクを)判定します」と“決意表明”する事態となった。昨年の平均試合時間はパ3時間29分、セ3時間20分でともに史上最長。巨人・堀内監督は「飛ばないボールを使ってストライクを広くとれば試合時間は短くなる」と前向きに話した。
監督会議に初出席した楽天・田尾監督は、監督1年生ながら積極的に発言。「王監督を中心にフリーで話せるような雰囲気があった。意見しやすい感覚でした」。以前から訴えていた“ボールの統一”も実現の方向に進み、「こういう機会があるというのは、野球界にとってプラスだね」と手応えを感じたようだった。
横浜・牛島監督が初めて12球団の監督会議に出席。初体験で緊張したという同監督は「どんな議論になるのか、発言より皆さんの意見を聞かせてもらいました」と控えめ。それでも、公式戦を含めたセ、パのルールの統一など、収穫に笑みを浮かべた。
バレンタイン監督は「試合のスピードアップ」の必要性を訴えた。野球規則では、監督、コーチが1イニングに2度、同一投手のもとへ行くとその投手は交代しなければならないと定めている。これが確認されたことに対し「1試合の中でマウンドに行くのは2回が適していると思う。その点だけは賛同できなかった」と試合時間短縮の弊害となるルールに納得がいかない様子。
セ、パ両リーグが今季から、最優秀救援投手をセーブ数だけで決めることになった。
昨季までは、救援勝利とセーブ数を合わせたセーブポイントでタイトルを争っていた。セ、パ両リーグとも今週前半の理事会でアグリーメントの改正を承認した。
27日の監督会議では別表の通り、交流試合で適用されるグラウンド上での規則について6項目を取り決め、交流試合の試合制度に関しては8項目を確認した。
プロ野球の「12球団監督会議」が27日、東京・港区の新高輪プリンスホテルで開かれ「飛ばないボール」の導入や交流戦のルールについて話し合われた。使用球については、ミズノ社製品を使っている8球団が、同社が開発した低反発球をキャンプ、オープン戦で試用、公式戦でも採用する方向で意見が一致した。12球団の使用球統一は見送られたものの、座長を務め、この問題の話し合いに積極姿勢を見せたソフトバンク・王貞治監督は「足並みが揃ったのが良かった」と評価した。
約2時間半の監督会議で最も時間が割かれたのは、公認使用球の統一だった。旗振り役は会議の座長を務めた王監督。出席者によれば、セ・リーグには「おいおい決めていけばいいのでは」というムードがあったというが「選手が不公平感を口にしている。せっかく集まったんだから、こういう機会にちゃんと決めないとだめだ」と王監督が呼び掛け、意見を取りまとめた。
話し合いの結果、現在、ミズノ社製のボールを使っている巨人、ソフトバンクなど8球団が来月からのキャンプ、オープン戦において、同社がこのほど開発した低反発球を試用することで一致した。楽天など残りの4球団はゼット、那須など他メーカーと契約。これらは「飛ばないボール」とされていて、これで、いわゆる昨年までの「飛ぶボール」は姿を消すことになった。
落合監督を除く11球団の監督が集合した 王監督は会見の冒頭、「同じメーカーのボールを使用するという(12球団の)申し合わせはしませんでした」と話した。12球団の使用球統一は企業倒産にもつながるとの意見が出た。しかし「足並みが揃った、というのが良かった」と王監督は一定の成果を喜んだ。
今後は球宴中に再度、監督会議を開き、各球団が実際の使用結果を持ち寄る。王監督は「こうしなさい(球団にメーカーを指示)といえないが、できれば一社でやりたい」と持論を展開し「去年よりは前進した。二塁打、三塁打が増えて、野球がスピーディーになる」と続け、将来の使用球統一に向け、球界をリードしていく決意を見せた。
日本球界が使用球統一へ大きな一歩を踏み出した。27日、都内で12球団監督会議が開催され「飛ばないボール」への統一の流れができた。この日の会議の座長を務め「飛ばないボール」導入を訴えてきたソフトバンク王貞治監督が議論をリード。公式戦で大手スポーツメーカーのミズノ社製を使用する8球団については、同社が開発した「低反発ボール」の今春キャンプでの試験的導入を決定した。使用球統一に向けて異論を唱える球団はなく、12球団が歩調を合わせる形となった。
現場トップの意見は、いわゆる「飛ばないボール」の採用に前向きなものだった。「ボールの問題は白熱した議論になった。(飛ばないボール統一に)反対意見はなかった。足並みが揃った」。座長を務めた王監督は会見で“前進”を強調した。
かねてパ・リーグは来季から使用球統一の方針を固めていた。一方のセ・リーグに具体的な動きはなし。この日も冒頭、セ球団には今後の議題−との論調もあった。だが12球団の現場トップが顔を合わせるのは、02年11月以来のこと。貴重な場だからこそ、1度は棚上げされかけた話題に王監督が待ったをかけた。「これだけ集まったのだから、ここで話さないでどうするんだ」。セ・パ両リーグで監督経験のある王監督の一言で議論が再開。約2時間半におよぶ会議の、大半が費やされた「ボール問題」の道筋がつけられた。
ミズノ社が開発した「低反発ボール」を、同社を採用する8球団が、今春キャンプで試験的に導入することが決定。公式戦については「どうしてもダメな球団は、その球団の判断に任せる」と義務付けこそしなかったが「足並みが揃わない可能性?そういうことはないでしょう。私はそう感じている。1球団だけ違うのは、むしろ勇気がいること」とピシャリ。公式戦でも継続使用する方向が確認されヤクルト、阪神、広島、楽天も「低反発」とされる他メーカーの球を採用する。
世界への流れが根底にある。昨秋の日米野球で全日本は8試合で1本塁打。メジャー使用球だったことが要因とも言われた。指揮をとった王監督は「日本選手は飛ばないボールで力み、普段の力が出せていなかった。これからアジアカップもワールドカップもある。(国際試合で)平常心で臨めるようになればいい」。世界の頂点を目指すためにも、ボールの問題はクリアしなければならない。
ミズノ社が準備したボールは2種類あり、いずれを使用するかは各球団の判断に委ねられる。だが、王監督の提案で今年7月にも12球団監督会議の再招集が決まった。「ボールの反発係数がそのままでいいか、見直すべきか話し合う。反発係数を落とすこともある」(王監督)。日本球界が「飛ばないボール」統一へのスタートラインに立った。
飛ばないボール採用への動きが投手陣再建への契機になる可能性を示した。「飛ぶ、飛ばないという言葉ほどの違いはないが、イメージとして飛ばないと思えば楽になる」。昨季はチーム防御率がリーグ最下位だっただけに、打高投低の是正はきっかけ。チームは那須社製のボールを採用しているが、キャンプでは「相手チームが使うんだから」とミズノ社製も練習で試す。
飛ばないボール採用の流れを歓迎した。「皆さん自分の考えに近かったので、意見はしませんでした」。キャンプでは縫い糸が麻タイプと綿タイプの両方をテスト。指のかかり具合、マメができにくいかなどを精査し、公式戦での使用球を決める。ただ投手出身監督らしく「ボールのおかげで投手力が上がったとは言われたくない」とプライドものぞかせた。
飛ばないとされるメーカー「松勘」のボールを神宮で使っているが、走れる選手も多いだけに「ウチは今までの方がやりやすい」と飛ばないボール歓迎の姿勢を示した。本塁打が減る可能性については「しっかり打てば本塁打になるから」と意に介さず。「最終的には統一した方がいい」とした上で「足の速い選手を育てていかないと」と口にした。
監督会議後、交流試合に適用する取り決め事項が発表された。これらはオールスター、日本シリーズでも適用される。またセ、パ・リーグとも公式戦でも適用する方針を決めており、全ての試合が統一したルールで行われる。
監督会議ではパ・リーグ各監督から「ストライクゾーンをセ・リーグ並みに広げて」という要望が出された。西武伊東監督は「セよりパの方が狭い。試合のスピードアップにもつながるし、パも広くした方がいい」と説明。例年、日本シリーズ前などストライクゾーンの違いが話題になるが、今季は各球団とも交流試合で戦うとあって、同様の意見が相次いだ。
オリックス仰木監督は、昨季投手陣が大量失点を繰り返しただけに「セ・リーグ並みに広くすれば、うちの投手も20点も30点も取られることがないだろう」と笑わせた。楽天田尾監督は会議後にパ・リーグ前川審判部長に対して「2ストライク後の際どいコースはストライクと判定しない傾向がある。その逆にするべき」と持論を伝えた。
ストライクゾーンについては02年にボール2、3個分高めに広げてセで3分、パで11分も試合時間短縮につなげた。しかし、各監督の意見で翌年に約1個半分下げる申し合わせをきっかけに、以前のゾーンに戻ったとの声が上がっていた。審判部は意見を聞くのみに終わったが、今後の対応が注目される。
投手出身の巨人堀内監督は、ストライクゾーンの拡大については消極的だった。「(広げたら)ゾーンじゃなくなる。(攻守交代、投手交代を早めるなど)ほかの面でやろうよ。野球の中を削っちゃダメよ。手抜きだもん」と、改正には異を唱えた。
ロッテのバレンタイン監督は、各球団にあらためてチャリティー戦への協力を依頼した。昨年末に「日本人選抜対外国人選抜」を新潟県中越地震のチャリティー戦として行うことを提案し、3月14日の開催で固まっている。「正式発表は今後になるが、世界で災害があり、野球界としてファンに恩返しをするということは務めである」と語った。また試合のスピードアップも支持。「(コーチらが)1試合で2回、マウンドへ行ったら投手交代でいいと思う。同一イニングに2度には賛同できない」とスピードアップを求めた。
監督会議では、試合時間短縮のためコミッショナー事務局から「年度別平均試合時間」の表が配布された。1950年からの平均時間が一覧となっているもので、同年はパが1時間45分、セが1時間44分となっている。それが昨年はパが3時間29分、セが3時間20分と、共に最長時間となっている。長谷川事務局長が「この表を見てスピードアップについて、あらためて考えてみてください。キャンプ中に選手にも話してください」と伝えた。
場外戦は日本ハム・ヒルマン監督の「誉め殺し」で決着!?札幌ドームの「天井打」について西武伊東監督がヒルマン監督に監督会議後、個別の話し合いを申し入れた。昨年9月、最高点63メートルの札幌ドームの天井に西武カブレラが4度、打球を当てた。落下した打球を野手がキャッチし結果はアウト。昨季から外野フェア地域の2枚目のブロックより先は認定本塁打と変更した。カブレラの打球はその位置まで到達せずインプレーとなった。伊東監督は「飛びすぎてアウトになってしまうのはおかしい。ウチにはカブレラがいるが、日本ハムにもセギノールいう当てそうな打者がいるのだから」と要求。今後も話し合いを持ちたい意向だ。だがヒルマン監督は「日本一になったんだからいいじゃないですか。私は伊東監督を尊敬していますし」とこれをかわした。日本ハムではローカルルールの決定権を基本的に監督に与えており三沢球団社長補佐も「監督は変えるつもりはないと思う」と話していた。