今季から導入される交流戦をにらみロッテの守護神・小林雅英投手が2日、室内練習場で異例の居残り特打を行った。
流れる汗が心地いい。ユニホームを脱ぎ、アンダーシャツと短パン姿で約30分間。松井ブルペン捕手を打撃投手役に、意外?にもコンパクトなスイングで右方向へ快打を連発した。
「13年ぶりにしてはいいでしょう。まあ、遊びですよ。気分転換になりますからね」。特注の赤褐色バットを手に、ブルペンでは見せたことのない笑顔を見せた。
リードした終盤にマウンドに上がり、試合を締めるのがクローザーの役割。しかもセ・リーグ主催の交流戦はわずか18試合。常識的に考えれば打席に入る確率は“ゼロ”に近い。
それでも意気込みは増すばかりだ。キャンプには特注バットを4本持参。しかも、この日使用した青ダモの素材だけではなく、感触を比べるためにメープル製まで用意している。
高校時代(山梨・都留)は甲子園出場こそなかったが、3番打者として活躍。「本塁打を打った記憶はない」と言うが、シュアな打撃にはひそかな自信がある。
「せっかくいいバットを作ったんだから、使わないともったいないでしょう。今季は3イニング以上投げますよ」。今季から就任した選手会長は、投打でチームを引っ張る。
小林雅が2日、室内練習場で30分の居残り特打を敢行。都留高時代には3番打者を務めたが、バッティングは実に13年ぶり。赤褐色のバットを4本持参、鋭い打球を連発した。今季、組まれている交流試合のなかで、投手が打席に立つのはセ・リーグ主催の18試合のみ。投球回数が限定される守護神にとって、打撃を披露する機会は極めて少ない。それでも「可能性がない訳ではないから」。選手会長自らが居残り特訓だ。
ロッテは梶原紀章氏(28)が広報担当に就任したと発表。
李承Yが打撃練習で折れたバットを、室内練習場の前で待っていたファンにプレゼント。バレンタイン監督は子供にサイン。声をかけようとするが、もらうなり走り去る。こういうファンはいかがなものか。
ベテラン小宮山が、打撃練習で貫録のバットさばきを見せた。この日の鹿児島は前日に続き、朝から雪が降り積もった。今年から実施されるセ・リーグ主催の交流戦では、投手も打席に立つ。そのためチームでは今キャンプで投手も打撃練習を行うことになった。小宮山はバットを短く持ち、バント、バスターなど球をバットの芯でとらえた。メッツ時代の02年以来の打撃だが「バッティングはあまり好きじゃないんだけどね。それでもやれるんだから、みんなすぐに慣れるよ」と語った。手がしびれるなど他の投手陣が四苦八苦する中、室内練習場で快音を響かせていた。
右肩痛、そして昨年10月の右ひじ手術からの復活を目指す黒木が、順調な調整ぶりだ。2軍キャンプ地のロッテ浦和球場で、前日には40メートルの距離でも投球練習を30球。この日はそれを2セット行った。3日は3セットに増やす。黒木は「この時期は量じゃなくて、その後の肩の反応を見ることが大事。良いとか、悪いとか言えないよ」と冷静だが、大谷トレーニングコーチは「順調です。この状態であれば、ブルペンはもう少しのところ」と話した。
渡辺俊がさらなるサブマリンとなる。地上スレスレから投げる下手投げで、昨年はチームトップの12勝。そのサブマリン投法が今年は進化する。直球は最速134キロだが「より速く見せるため」球をギリギリまで持ち続け、できるだけ体の前でリリース。球離れが遅くなり、打者にとっては、より近いところから球が出てくるため打ちづらい。結果的に今より低い位置から投げることになる。さらに球に伸びが生まれるため「サンライズボール」と命名。「体のバランスが重要になる」とブルペンで50球投げた。
ロッテは新たに梶原紀章氏(28)の広報就任を発表した。
オリックスが「大阪ドーム用ユニホーム」をつくることが2日、明らかになった。新調されたホーム用ユニホームは胸のロゴが「Blue Wave」から「Buffaloes」に変わっただけで、色も字体も昨年のオリックスと同じ。ビジター用も「ORIX」のロゴのままで近鉄ファンから猛反発されていた。配慮する意向から急遽、別バージョンのユニホーム作製に着手。シーズンから着用することになった。関係者によると胸のロゴをBSにし、所々に赤をあしらったものになることが濃厚。極力、オリックス色を弱め、統合球団を意識したものになる見込みだ。
大阪に市民球団の設立を目指す団体の中心となっている近畿産業組合(本店・大阪市)が2日、大阪市内の日本銀行大阪支店で会見し、GM兼監督に前近鉄監督の梨田昌孝氏を招聘することを明らかにした。共同経営の形をとる新球団について同組合の青木定雄会長は、既に関西財界を中心に約30社から賛同を得ていることを認め、今月中にもプロ野球組織(NPB)に新規参入手続きを取る予定。巨人前オーナーの渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長ら球界首脳との会談も求め、06年からの球界参入に意欲を示した。
大阪に市民球団の設立を目指す関西の企業グループが、新チームのGM兼監督に梨田氏の起用を固めた。この日、日銀大阪支店で会見を開いた旗振り役の近畿産業信用組合の青木会長は「球団ができたときの選手の運営については梨田さんにお任せするつもりだ」と語り、補足する形で大本理事が「GM兼監督と位置付けている」と説明した。
新球団は、個人と関西の法人企業からの共同出資を得て運営する。最終的に支配下70人選手枠に合わせて70社を募るが、既に30社から了解をとりつけている。MKタクシー(京都市)の創業者として業界の価格破壊を実現した青木会長の迅速な根回しは、監督を中心としたスタッフ人事にまで及んでいた。
昨年は近鉄、オリックス合併を発端に史上初のスト決行など、球界は再編問題に揺れた。同会長が球団の新設を真剣に考えた時期は昨年10月頃で「今なら近鉄買収に手を上げたが、その時には球団経営がうまくいくかどうか分からなかった」という。伝統ある近鉄球団の消滅で、関西経済の地盤沈下を危惧する声が上がっていた。
大阪への球団招致。そのアドバイザー役に浮上したのが“最後の猛牛”を率いた梨田氏だった。「もし受けてもらえるならスタッフ、選手を集めるのは梨田さんに任せるつもりだ。スポーツは商売と一緒で精神文化をとり入れ、子供に夢を与えることが大事。大阪を活性化させたい」(青木会長)。01年に近鉄をパ・リーグ優勝に導いた手腕、球団消滅の憂き目に遭いながらスタッフ、選手の処遇を気に留めるなどの気配りのできる人間性などに白羽の矢が立てられた。
今回の市民球団参入が認められれば球界は「6・7」と不規則な形となる。ただ関係者は「これを機に(球団設立に)出てくる企業があるかもしれない」と2次再編の可能性に期待を寄せた。青木会長は「プロ野球が12球団で自分達だけの権利を守っていては、他のスポーツに負けてしまう」と球界拡大路線を強調。1ヶ月後をメドに新規参入の申請手続きを目指す。
項目 | 内容 |
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初期投資 | 100億円 |
出資 | 個人出資(1口×1万円活動) 法人企業選手サポーター制度 |
専用球場 | 大阪ドーム(大阪市大正区=1軍) 舞州ベースボールスタジアム(同此花区=2軍) |
保護地域 | 大阪府 |
準保護地域 | 京都府 |
設立準備アドバイザースタッフ | 梨田昌孝元近鉄監督 |
準備委員会 | 3、4人で近々設立 |
NPBへの申請 | 1ヶ月後をめど |
選手の獲得方法 | (1)球団買収 (2)ドラフト、トライアウト (3)エキスパンションドラフト |
青木会長は既存球団の買収に関して、西武、オリックスなどの具体名を挙げながら「買収する場合もある」と否定しなかった。西武グループ再建をめぐり、球団売却は今季終了後に検討される。ただ球場施設を含めた売却を視野に入れれば、関西に本拠を置く今回の構想と食い違いが生じる。それらの検討も含めて青木会長は「(読売の)渡辺さんにもお会いしに行くし、(オリックス)宮内さんにも間接的に伝わっているはずだ」と積極的に根回しに動く。この日は根来コミッショナーが不在だったため、近日中に上京して事情説明を行う。