ロッテ鹿児島キャンプの6日、2200人のファンが詰め掛けた中、バレンタイン監督が新たなファンサービスを披露した。ランニングをしていた選手が突然、マウンド近くでピタリ。マウンド後方に整列すると、ルーキーの久保が「松下電器から来たルーキーの久保です。応援よろしくお願いします」と大声でファンに挨拶した。前夜、スポーツニュースで巨人のファンサービスを見たバレンタイン監督の新機軸。練習中もスタンドでお菓子の配布と、まさにファンサービスデーだった。
里崎が打撃でアピールし、正捕手争いへ順調な仕上がり。李承Yと共に臨んだ特打ではサク越え8本で圧倒し「(李と)並ぶと燃えますね」と笑顔。昨年は左ひざ手術を経験し、満足のいくシーズンを送れなかったが、バレンタイン監督は「彼はよい打者。もう100%、健康だと思う」と太鼓判。
ロッテのボビー・バレンタイン監督が6日、ファンサービス面での巨人への対抗心を燃やした。宮崎でファンとの交流を実践中の巨人。このことを知ったボビーは急遽「大サービス指令」をチームに発令した。
5日夜、テレビでファンと接する巨人選手の姿を見て、指揮官は発奮した。一夜明けた6日。練習前の円陣での指示はたった1つだった。「他球団もファンサービスに力を入れている。みんなも積極的に触れ合うように」直後に観客に向かって異例の声出しを指示。久保がマウンドから「応援よろしくお願いします!」と声を張り上げた。
球団は監督の要請に応え、福浦、渡辺俊のサイン会を準備。が、ボビーはサブロー、諸積、久保を追加招集して、計5選手がサイン会に参戦。監督、他選手も会場脇でペンを走らせた。チョコ200個を配るため、観客席に登場した浅間は「喜ぶ顔を見られてよかった」と満足顔で話した。
サイン会に800人の大行列。全選手合わせて、サイン数は1300を超えた。今キャンプ最多の観客2200人中、実に半数以上が選手、監督のサインを手にした計算となる。バレンタイン監督は「1日の中でファンのために何かをする時間は取れる」と満足げ。出血大サービスデーとなった日曜日。曇りがちな天候とは逆に、ファンの心はスッキリと晴れわたっていた。
ロッテの自由獲得枠ルーキー、久保康友投手(24=松下電器)がこの日の練習前、スタンドの観衆に向かって大声で自己紹介した。ファンサービスの一環としてバレンタイン監督の要望で行われた。本塁上からバックネット裏の観衆に「久保で〜す!ポジションはピッチャーです。精一杯頑張りますので応援よろしくお願いします」と叫ぶと、大きな拍手を受けた。ファンからの公募で愛称は「ソニック」に決まったが、今後も実力と共に知名度アップを狙う。
楽天の本拠地「県営宮城球場」の命名権(ネーミングライツ)を3年契約6億円で獲得した人材派遣会社「フルキャスト」(本社東京)の平野岳史社長が6日、宮崎の巨人キャンプを視察。平野社長は「楽天のスポンサーとして協力していきますが、将来的には球団(保有)に興味は持ってます」と球界参入の意向があることを明かした。
タレント萩本欽一率いる「ゴールデンゴールズ」が訪問して盛り上がる中、平野社長はネット裏のゲスト席で巨人の練習を視察した。巨人側は原沢総務・編成本部長補佐が対応。巨人のファンサービスなどの説明を受け「色々な意見交換ができた。プライベートで宮崎に来たんですが、5月の楽天と巨人の交流戦には観戦にいきます」と語った。
関係者によると、平野社長は楽天三木谷オーナーの兄貴分的な存在で、西武の身売り騒動の際には、他企業と連携し水面下で買収に動いたという情報もある。「フルキャスト」は90年設立で昨年9月に東証1部上場。人材派遣を軸に急成長した。一般的な知名度は低いが、ソフトバンクの孫オーナーもオリックスの本拠地「ヤフーBB」の命名権獲得を経て、ダイエーを買収した経緯がある。
「フルキャストスタジアム宮城」となる宮城球場には、センターバックスクリーンにフルキャストの看板を設置。看板まで推定飛距離が150メートルで「直撃弾が出た場合には全国から球場に150人のファンを招待します。楽天をサポートする具体案も検討してます」。楽天効果で自らの企業をアピールして、球界進出を見据える意向だった。
キャンプ初の日曜とあり、充実したファンサービスを行った。まず練習前にルーキー久保康友投手(24=松下電器)がネット裏の観衆に向かって大声で自己紹介し、拍手を浴びた。ランチの空き時間には、サブローら5選手がサイン会。スタンドでは、浅間、手嶌がロッテの菓子を配り、多くの子供達に囲まれた。浅間は「子供達が笑顔を見せてくれたので嬉しかった。こういう触れ合いもいいですね」と話した。
松坂と高校時代に死闘を繰り広げた田中雅彦捕手が、今季から三塁との二刀流に挑戦する。6日、田中雅は全体練習後に初めて三塁の特守をこなした。小学3年の時に野球を始めて以来、初の内野守備。室内練習場でランペン内野守備コーチから1時間30分ノックを受けた。「三塁は全く初めてですからね。戸惑いはあります」と言いながらジャンピングスローも披露。初挑戦とは思えぬ軽快な動きを見せた。
「生き残るためには嫌だと言っていられない。必死でやる」。この姿勢の原点は、PL学園2年だった98年8月20日の選手権準々決勝にある。現西武の横浜・松坂と死闘を演じた。田中雅は8回から2番手捕手として出場。4打数無安打で延長17回裏、松坂から三振を喫して最終打者となった。「あの試合は忘れられない。松坂さんは本当にすごかった」と振り返る。
近大を経て昨年プロ入り。1軍出場はなかったが、2軍で68試合に出て打率3割8分2厘の好成績を残した。175センチ、75キロと大柄ではないが、パワーある打撃が売りだ。バレンタイン監督は「サードもセカンドも守ることがあるだろう。いい打撃を生かすチャンスが出てくる」と説明した。今年の目標は「1軍で1試合でも多く出場したい」と田中雅。そして「松坂さんとまた戦いたい」と延長17回以来の再戦を果たすつもりだ。
98年甲子園での田中雅対松坂 | |||
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10回 | 12回 | 15回 | 17回 |
右飛 | 二ゴ | 一ゴ | 三振 |
昨日風邪のため、練習を休んだパスクチだったが、今日は練習に復帰。予定通りのメニューを消化した。「まだ少し体が重い」と話して練習に入ったパスクチ。今日1日の動きを見て、バレンタイン監督も「ほとんどの練習をこなして良かったが、まだ力強い体は戻っていない。病人のようだった」と心配そうな表情。それでも、バレンタイン監督いわく「サムライスピリットを見せてやってくれた」練習では、バント練習で、三塁線上や一、二塁間にセーフティバントを決め、器用なところも見せた。見守った佐野巡回コーチも「体が大きいわりに、器用なところもある」と目を細めていた。