ロッテ投手陣が完封リレーを見せた。エース・清水は5回を2安打無失点と開幕に向けて順調な調整ぶり。4人の救援陣も安定感抜群だった。谷、村松ら主力を温存させたオリックスは3安打と貧打に泣き、オープン戦初の完封負けを喫した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | x | 3 |
楽天との開幕戦(26日、千葉マリン)先発が決定している清水が本拠地で初登板。谷、村松ら主力抜きのオリックス打線を相手に5回2安打無失点と貫録を見せた。「ボールの縫い目が高くなって落ち幅が広がった」と新たに導入する低反発球の特性を生かし、スプリットを多投。新球のチェンジアップも試球したが、4奪三振の内容に「これならスプリットの方がいいかな」と笑顔だった。
シュルルルッ…。なかなかホームに届かない。両軍のベンチが、ファンが小宮山の“遅いボール”にイライラした。そして歓声をあげた。
6回、先頭の的山を2−0と追い込むと、まるでキャッチボールのような投げ方で魔球・シェイクを披露。球速が表示されないほど遅いボールに、バットは空を切る。対外試合3試合目で初めて魔球で三振を奪った。
昨年まで近鉄でプレーした12年目のベテラン捕手・的山はガックリだ。「テレビでやっていたのを見たのに…」。前日の深夜に小宮山がスポーツニュースに生出演して魔球の解説をしていた。なるほど。分かっていながら三振。悔しさは倍増だ。
シェイクは「揺れる」の意で小宮山が命名。球種を増やそうと考えていた昨秋、バレンタイン監督の「揺らしなさい」のアドバイスでナックルに挑戦したが、揺れなかったため、フォークのような握りから押し出して投げる新球にたどりついた。ボールに回転を与えない遅球は球速85キロ前後。風の影響を受けやすいため、風の強い千葉マリンなど、屋外球場では特に有効だ。
「与えられた所で投げるだけ」と小宮山。39歳のベテランが屋外球場限定?の超遅球で勝負する。
清水が5回2安打無失点と開幕に向けて順調。この日は決め球にスプリットを多投し、4三振を奪った。「久々のマリンで楽しめた」。11日の楽天戦(千葉マリン)では登板こそしなかったが「(ベンチから)チラチラ見ていた」と開幕戦の相手が気になる様子。仲のいい岩隈との投げ合いに準備万端だ。
ロッテ投手陣が完封リレーを見せた。エース・清水は5回を2安打無失点と開幕に向けて順調な調整ぶり。4人の救援陣も安定感抜群だった。谷、村松ら主力を温存させたオリックスは3安打と貧打に泣き、オープン戦初の完封負けを喫した。
死角はどこにも見当たらなかった。清水は速いテンポで凡打の山を築いた。最速140キロと直球が走らない中、5回を2安打4奪三振無失点。開幕戦で楽天・岩隈と投げ合う清水は「投手戦になっても負けない。点はとられません」と堂々“宣戦布告”した。
150キロ超の速球を欠いても、抑える術はあった。「真っ直ぐのスピードも出ないし、フォームもバラバラ。それでも低めに投げれば、そうは打たれませんよ」自信の根拠は低反発球の導入だ。「変化球の落ち幅が大きくなった」と実感する通り、73球中42球が変化球。スプリット、カーブ、スライダーを多投し、技術でオリックス打線をかわした。
前回登板の中日戦(6日・ナゴヤドーム)では失策絡みで失点したが、自責はゼロ。オープン戦2試合で8回を投げ、防御率は0.00。「正直、今年は防御率(のタイトル)を狙っている」と2年連続タイトルホルダーの西武・松坂超えを目論んでいる。
26日の開幕戦は楽天・岩隈と投げ合う。「向こうが点をくれないなら、こっちも点は取られない」と言い切った。2年連続の開幕戦白星、そして最優秀防御率のタイトル奪取を誓った右腕。「勝利」と「0」へのこだわりが、パのエースへと押し上げる。
清水直行投手はテンポのいい投球で5回2安打無失点。スプリットが効果的で4三振を奪い、「低めにしっかり投げられたし、三振を取れる球だと思う」と収穫を口にした。
今季から使用する縫い目の高いボールで、決め球の落ち幅が大きくなったという。2年連続の開幕投手が有力な右腕は「次の登板は開幕戦のつもりで投げる」と気合十分だった。
黒木知宏投手の1軍復帰は4月半ば過ぎになる。昨秋右ひじを手術し、2軍で調整中の同投手が13日、1軍の試合前練習で打撃投手を務めた。昨夏以来の本拠地マウンドに、黒木は「やはり、マリンのマウンドは格別な思いがある。緊張で浮足立ってしまった」。最初こそボールが上ずったものの李、里崎ら5打者に変化球を交え71球を投げ抜いた。安打性の当たりは11。空振りを6個奪い、直球の最速は137キロを計測した。
黒木は「ゲームに参加したい気持ちが強くなった。まだ夢(開幕1軍)は捨てていない」と話したが、開幕まで10日余りと迫っており現実には厳しい。
バレンタイン監督は「流れるようなフォームで健康(身体)的には何の問題もない。復帰プランは彼に任せるが、ファームで1試合100球をメドに投げられるようになればカムバックしてくる」と話した。
右ひじ痛から復活を目指す黒木知宏投手が13日、2軍から千葉マリンへ駆けつけ、オリックス戦前のフリー打撃に登板。バレンタイン監督の見守る前で71球を投げた。
制球にばらつきはあったが、力みのないフォームからフォークボール以外の全球種を投げた。約1週間前に監督から要請されたという黒木は「思い描く球も何球かあった。そろそろ実戦登板を考えていいと思う」。バレンタイン監督は「状態は問題ない。今年は多くの勝利をもたらしてくれる予感がする」と話し、1軍昇格に2軍戦で100球を投げるノルマを課した。
既に開幕投手に指名されている清水が、5回無失点で万全をアピールした。オリックス相手に「ノーヒットノーランを狙っていた」と3回1死まで完全試合ペース。後藤にテキサス性の安打を打たれ、夢は消えたが、安打は3回の2本だけ。あとの4イニングは全て三者凡退だった。それでも「結果的には0点だったが、内容は良くない。スピードが今1つ(最速141キロ)だったし、ボールもばらつきがあった」。花粉症で鼻をグズつかせながら不満を口にした。
それも開幕投手を意識し、高いレベルを追い求めている証拠。相手の楽天岩隈とはユニホームを脱げば仲良しで、キャンプ中も情報交換した。といっても、ゲームソフトの話で「方法を教わった」とか。「クマ(岩隈)も今日、(西武戦で)投げているんでしょう?(開幕戦は)素晴らしい投手戦をして球界を盛り上げたい」とエールを送った。
小宮山が新球の遅球シェイクボールで初めて三振を奪った。6回から登板。先頭の的山に対しカウント2−0と追い込んでから「揺れる球」で空振り三振。7000人近い観客から拍手と歓声が上がった。的山は「テレビで知っていたが、エッ、まさか、です」と唖然。小宮山は「よく揺れたね。でも高めの完全なボール。もっと精度を高めないといけない」と慎重だった。