1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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中日 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | x | 2 |
川上とのエース対決を6回1失点でしのいだ清水は、開口一番「準備はOK。満足している」と胸を張った。今オープン戦最長の6回を、86球で投げ切った。当初の予定は7回。しかし、6イニング目で少しつまずいた。荒木にバント安打され、井端にはヒットエンドランを決められて無死一、三塁のピンチ。ここから「粘りの清水」の本領を発揮した。
この場面、清水は開幕試合を想定しながら「切り抜けるぞ」と自分に言い聞かせた。開幕相手の楽天は岩隈が投げてくる。この日の川上と同じくリーグを代表する投手で、得点の少ない接戦が予想される。「同期の川上との投げ合いで僕が先に1点(2回)取られた。岩隈ともロースコア対決になるし、開幕試合と思って、追加点は与えたくなかった」。森野を空振り三振、ウッズを投ゴロに仕留め、無失点に切り抜けた。
球数が予定数を超え、この回限りで降板したが、バレンタイン監督は「全ての球種が機能していた。非常に良い状態でシーズンインできる」と評価した。開幕投手は2年連続。清水は「昨年と違って余裕がある。のんびり1週間を過ごして、魂のこもった第1球を投げたい」と言い切った。
ロッテは開幕投手の清水が6回6安打を浴びながらも1失点。本番に向けて申し分のない仕上がりを見せた。打線も4番のベニーがオープン戦1号を含む2安打と復調。中日は川上、山本昌の左右の両エースが共に予定の3回を投げ切り、まずまずの投球内容。
完調ではない。それでも粘り切った。清水が今オープン戦最長の6回、86球を投げて1失点。シーズン開幕前、最後のデモンストーレーションを上々の形で完結させた。26日の開幕戦(楽天戦)に向けて「順調にきている。問題ない」と大いなる自信を見せつけた。
エースのプライドがにじみ出ていた。2回に連続二塁打を浴び、オープン戦初の自責点を記録するなど6安打を浴びた。打線の援護にも恵まれない。さらには5回裏終了後に「ベースボールオリンピック」と題した子供達によるベースランニングのために5分以上の中断。それでも集中力は切らさなかった。「こういう展開は慣れている。その中でいかに次の1点を与えないかが大事」低めを丁寧につく粘投はチームの逆転勝利として実を結んだ。
オープン戦3試合に登板し、計14回で自責点、与四死球はともにわずか1。バレンタイン監督も「開幕まで準備万端に整っている。課題?体調を崩さないことだけかな」と全幅の信頼を置いている。
エースの視線はいよいよ「3・26」へと向けられる。「舞台はマリンですからね」と清水。開幕戦の主役を楽天に譲る気など毛頭ない。
ボビーが突然、声を荒らげた。5回終了後、グラウンド整備の時間を有効利用するためにこの日試験的に行われたファン参加イベント。その途中で怒声が響いた。「オーケー。もう十分だろ。長すぎる!」
実際にファンがグラウンドを走り、スコアボード横に大型ビジョンの映像でベースランニングする小坂、西岡と競争するのだが、グラウンド整備を約5分間と見ていた球団側に対して、現実には3分少しで終了。参加者5人中4人が終わった時点で、対戦相手の中日ではなく、企画したロッテ側のバレンタイン監督からのストップがかかる“異常事態”となった。
「今日初めての試みだから。時間が読み取れなかったようだ」とは試合後のバレンタイン監督。ファンサービスの中でもお気に入りの企画だっただけに、参加者を3人程度にするなど改善する方針とか。ファンサービスに力を入れるロッテだが、まだ開幕までに“調整”が必要なようだ。
2年連続の開幕投手が確実な清水が、オープン戦最後の登板を好投で締めくくった。6回を6安打1失点。全ての球種を試し、制球も安定した内容に「順調にきているので問題はない。粘りたいところで粘れた。開幕に準備万端でいければいい」。仕上がりの良さが表情に満足感を漂わせた。
李承Y内野手が、東京韓国青年商工会の朴秀幸会長から感謝状を贈られた。昨年8月、韓国の孤児院から6人の子供を千葉マリンの試合に招待したため。
帽子のツバに書いた「Be Patient」(耐えろ)の文字に清水は手をやった。中日戦(千葉マリン)は0−1で迎えた6回無死二、三塁。森野をスライダーで空振り三振、ウッズを投ゴロ、福留の四球後、アレックスをカットボールで三ゴロに仕留めた。6回6安打1失点。開幕前最後の登板で粘りの投球が光った。
5回終了時に「ベースボールオリンピック」と題したファンイベントが行われた。少年がバックスクリーンに映し出された選手とベースランニングで対戦する企画だったが、5分近く経過したところでバレンタイン監督がキレた。「空いた時間を有効利用する企画なのに試合を引き延ばしてやるものではない」。これが清水の6回の投球に影響したのは明らかだったが「公式戦だったら大変だけど、いい練習になった」と笑い飛ばす余裕がある。
防御率のタイトル奪取を公言する男はオープン戦の防御率を12球団2位の0.64でまとめた。2年連続開幕投手として、26日の楽天戦(千葉マリン)へ準備は整った。「向かっていく気持ちを忘れず、辛抱強く。千葉マリンでやるからにはロッテが主役になる」。どんなに走者を背負っても、得点を許さないつもりだ。
ベニーが6回、山本昌からバックスクリーンへ1号ソロを放った。121キロのスクリューボールを完璧に運んだ一打に「手応えは十分だった。開幕にいい形で入りたい」と笑顔で話した。ここまでオープン戦打率.190だったが、第2打席でも右前打を放つなど上昇気配。バレンタイン監督も「体の大きな選手は仕上がりが遅いものだけど、タイミングは合ってきている」と主砲の1発に目を細めていた。
自由獲得枠ルーキー久保康友投手(24=松下電器)ら新入団、移籍10選手の紹介が試合前に行われた。通常はグラウンド上に整列するが、この日は一塁側ベンチ上に新設された「マリーンズ・サインゾーン」で式典。代表して久保が「プレーオフに進出するよう頑張ります」と挨拶すると、選手との「近さ」と喜ぶファンから大きな拍手が送られた。