わたしはかもめ2005年鴎の便り(3月)

便

3月27日

千葉ロッテ26−0東北楽天(千葉マリン)

ロッテは先発全員の24安打・先発全員得点で球団新記録となる26得点を挙げ大勝。1回の西岡の適時三塁打に始まり2回には西岡の1号3ラン、パスクチの満塁弾などで11点、3回にはベニーの1号ソロ、6回、パスクチの適時打などで4点、8回にはパスクチの2号2ランなどで7点を挙げチームとしては87年4月21日対日本ハム戦以来の20得点をマーク。先発の渡辺俊は、5回までノーヒット・ノーラン。6回1死から長坂にヒットを打たれたが被安打1奪三振5四球1で01年9月3日以来の通算2度目の完封勝利。

123456789R
東北楽天0000000000
千葉ロッテ211101407x26
誕生した球団新記録
試合最多得点「26」
試合最多打点「26」
1イニング連続得点「10」
1イニング最多安打「11」
誕生した球団タイ記録
1イニング最多得点「11」
1試合最多四球「13」
バレンタイン監督
「素晴らしい攻撃を見せてくれた。打線がつながり、全員が攻撃に参加した形で良かった。2人が2回に猛打賞を記録するなど見たことがない。11得点を奪った2回の攻撃は2死からだったが、代田が走ってダブルプレーを防いだことが大きかった。26点を奪ったことは覚えていないが、26点の差は初めて。また、シーズンの序盤に(選手を交代させて)全員が出場するチャンスができて良かった。パスクチも相手にダメージを与えてくれた。(渡辺俊も)見事だった。1球でノーヒットを逃したが、素晴らしいピッチングだった。」
渡辺俊
「完封は意識していなかったです。その前に6回、ベンチでノーヒットと言われたのですが、やるには早いと思ったので、点を与えないようにとだけ思って投げました。良かったところは、狙ってダブルプレーを取れたところですね。ヒットを打たれた後、初芝選手から『ダブルプレーの練習しろ』と言われたので、本当に取れたことが良かったですね(笑)。攻撃が長かったことも影響なかったです。去年も雨で40分中断とか経験していますから、今日は難しくなかったですよ。」
パスクチ
「昨日は開幕で意気込みすぎたけれど、今日は昨日のことを忘れていけた。ホームランは自分でコントロールできない。いい時に2本出てくれたよ。日本の投手には100%適応するところまではいっていないが、配球をビデオなどで自分なりに研究している。選球眼はいいと思う。去年は3Aでチームで1番四球が多かった。サイクル安打よりもホームランの方がいい。サイクルは次に狙うよ。」
西岡
「開幕スタメンを目指していましたが、それが叶わず、正直、悔しい気持ちでいっぱいでした。今朝スタメンと聞いて、何かやってやろうという気持ちが4安打につながったと思います。第1打席は小坂選手が二塁に行ったので、ヒットでいいという気持ちで打ちました。ホームランは、二塁打かなと思って走ったのですが、届いてくれました。サイクルは、8回にベンチでみんなから『絶対に回してやるから決めろ』とゲキを飛ばしてくれたのですが…。4安打は初めてだと思います。」

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ボビー、ナメんなよ

◇楽天に強烈お返し

ロッテが、新参球団を叩きのめした。前日26日の開幕戦で、楽天のエース岩隈に抑え込まれ、歴史的1勝を献上した。この日は、古参球団の意地が大爆発だ。2番に若手の西岡剛内野手を据えるなど、打線改造も奏功。西岡と新外国人ヴァル・パスクチ外野手がサイクル安打崩れの4安打を放つなど、24安打の猛攻で26−0で快勝した。先発渡辺俊介は緊張感を切らさず1安打1四球の走者も併殺で打ち取り27人切り。わずか1日で楽天に歴史的黒星をお返しした。

まさに鬱憤晴らしの猛攻だった。ナインはベンチ入り25人に続く選手(ファン)を示す「背番26」のユニホームをライトスタンドに掲げた。大応援が、前日の開幕戦の仕返しを願っていた。肩に打ち寄せる波をイメージした模様の入った新ユニホームで臨んだ開幕2戦目。まさに、打ち寄せる波のような、怒涛の攻撃。バレンタイン監督は「素晴らしい攻撃。打線がつながった」と、最後まで手を緩めなかった。

勢いをつけたのが売り出し中の西岡だった。開幕戦は出番なく「ああいう負け方をして悔しかった。今日は何かやったろう、と思った」と、先発起用にこたえた。開幕前日に髪を刈って気合も十分だった。初回に左打席で先制三塁打を放つと、福浦の左邪飛で迷わず俊足を生かして生還した。

2回は右打席で1号3ランを左中間に放ち、赤いリストバンドをはめた手を高く挙げて仲間とハイタッチした。さらにこの回2度目の打席で13点目のダメ押し適時打。打者16人、11安打11点で早くも先発全員得点、2回で試合を決めた。俊足代田の併殺阻止で、2死から始まった大量得点。バレンタイン監督の西岡、橋本、代田起用が的中した。

西岡は昨季途中から両打ちに取り組んだ。二塁打が出ればサイクル安打だったが、8回にとどめを刺す22点目の右前打を放った。フランコの二塁打で球団新の24得点となる本塁を踏んだ。「サイクル?みんなが言うので意識してしまった」と、自己最多の4安打6打点の活躍だった。

終わってみれば先発全員の24安打。26点差完封勝ちは実に59年ぶりのプロ野球記録タイ。この日千葉マリンに集結した74年のVメンバーに誇れる試合で、歴史的な開幕カードを締めた。バレンタイン監督は言った。「楽天の印象?岩隈が投げた時はいいチームだね」。

ベニー
「今シーズンの初ヒットが本塁打。嬉しいね。」

◇プロ史上8度目

ロッテが26−0で楽天に大勝。「大差完封試合」のプロ野球記録は46年7月15日グレートリングがゴールドスター戦でマークした26点差で、ロッテが59年ぶりにこの記録に並んだ。また、ロッテの26点は毎日時代の50年5月31日東急戦の23点を上回る球団新記録。プロ野球で26点以上は、03年8月1日ダイエーがオリックス戦で29点記録して以来8度目になる。

1試合最多得点記録(26得点以上)
得点球団年月日球場スコア相手
32阪急昭15-04-06西宮32−2南海271
29ダイエー平15-08-01ヤフーBB29−1オリックス317
28大洋昭25-10-17静岡28−5中日281
26グレートリング昭21-07-15高岡26−0ゴールドスター286
巨人昭21-08-31後楽園26−2中部日本152
巨人昭23-10-16大須26−5大陽277
ダイエー平15-07-27福岡ドーム26−7オリックス324
ロッテ平17-03-27千葉マリン26−0楽天244

◇2戦目20失点超、55年ぶり2度目

楽天が0−26で大敗。過去に開幕戦で20失点した球団はなく、開幕から2試合目で20失点以上は50年3月16日東急が西鉄戦(●14−21)で記録したのに次いで2度目になる。0−26は46年7月15日ゴールドスターに並ぶ大差完封負けのプロ野球タイ記録だが、ゴールドスターも楽天と同じ1年目の新球団だった。

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渡辺俊27人斬り!!

◇1安打1四球完封1番乗り

ロッテのサブマリン渡辺俊が、ひっそり?快記録を達成した。味方のあまりの猛打に目立たなかったが、リーグ1番乗りの完封劇。それも許した走者は1四球1安打の2走者だけで、いずれも併殺に切り抜け残塁なし、27打者斬りの1安打完封だ。攻撃時間が長すぎ、リズムをつくるのに苦労したはずだが、渡辺俊は「点を取ってくれるのはありがたいこと。絶対最後まで投げきると1回、1回集中した」と話した。

試合前のブルペンで、始球式登板の村田兆治氏がウォーミングアップするのを目撃した。「スピードでは負けると思った」そうだが案の定、村田氏の140キロに比べ、この日の渡辺俊の最速は127キロ。それでも本拠地特有の向かい風をうまく利用した。「4、5メートルぐらいの風が僕に合う。真っすぐが伸びたし、変化球も切れた」。浮いたり、沈んだりのクセ球を駆使、まさに風に乗ってのスイスイ完封だった。

渡辺俊が許した安打は、長坂の1本だけ。ロッテ投手の1安打完封は、86年5月9日深沢が西武戦で記録して以来、19年ぶり。52年7月26日大友(巨人)が17−0でノーヒットノーランを達成しているが、26−0の1安打完封も珍しいケースだ。渡辺俊は四球と安打で許した走者を併殺で打ち取り、楽天の残塁は0。打者27人の完封は、00年8月11日許(西武)がロッテ戦(2安打、1四球)で記録して以来のこと。

大量得点差の完封試合(20点差以上)
年月日球場球団スコア相手
05-03-27千葉マリン24ロッテ26−0楽天1
46-07-15高岡28グレートリング26−0ゴールドスター7
92-09-01西武19西武22−0近鉄4
79-05-09横浜25大洋21−0阪神6
97-05-07福岡ドーム29西武21−0ダイエー2
04-05-15千葉マリン24ダイエー21−0ロッテ5

◇パスクチ満塁弾

新外国人のパスクチも満塁弾を含む2発4安打7打点と大爆発した。2回に西岡の3ランの後、走者をためた場面で左中間上段に満塁本塁打を放った。三塁打が出ればサイクル安打の8回には、2ランをバックスクリーン左に叩き込んだ。

パスクチ
「来日1号が満塁という最高の場面で出て嬉しい。昨日はエキサイティングになりすぎたので今日はリラックスした。三塁打でサイクル?本塁打の方がいいよ。」

◇びっくり始球式、兆治氏140キロ

ロッテの74年優勝時のメンバーが千葉マリンに終結した。当時の金田正一監督と、エース村田兆治、弘田澄男外野手ら9人。往年のユニホームでポジションに散り、外野−内野とボール回し。最後はカネやんから村田氏へ渡され、始球式が始まった。その1球は楽天関川の外角低めいっぱいを突く140キロのストライク。村田氏は「すごい球が行った。31年前、監督に酷使され、鍛えられたから今がある。ぜひ、31年ぶりの優勝を」と後輩にエールを送った。

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ロッテ超いい気分!新記録づくしで開幕敗戦の憂さ晴らし[サンスポ]

勝利の瞬間、ユニホーム姿のファンで白一色の右翼スタンドが熱狂に揺れた。まるで優勝したような大騒ぎの中、選手達はハイタッチを繰り返す。前日の開幕戦では楽天のエース・岩隈からわずか5安打で敗れたロッテが、目の色を変えてリベンジを果たした。

バレンタイン監督
「昭和49年の優勝メンバーにチャンピオンのような野球を見せられて、光栄だ。素晴らしい攻撃だった。楽天の印象?岩隈が投げたときはいいチームだね。」

前日は眉間に深いしわを寄せていたバレンタイン監督も、試合前のイベントに参加したロッテの往年のスター選手を引き合いに出して、目じりを下げた。1試合26得点、1イニング11安打、10者連続得点と球団新記録づくしの圧勝劇。老舗球団が新規参入球団を完膚なきまでに粉砕した。

大勝の原動力は、新外国人のパスクチだ。5打数4安打7打点、2本塁打と楽天投手陣を粉々に打ち砕いた。2回2死満塁の場面では左越えにグランドスラム。球場中のファンが飛び跳ねながら自らに送る『ヴァル・コール』の中、期待を上回る大爆発だった。

「いいところでチームのために打て、勝利に貢献できて嬉しい」。オープン戦では本塁打ゼロに終わったが、昨季メジャー初昇格を果たした26歳の成長株。趣味が狩猟という助っ人は試合前、「イーグルは撃ったことがないけど、今日はいいハンティングがしたいね」とニヤリ笑ったが、見事に公約実現だ。

パスクチに加え、20歳の西岡があと二塁打1本でサイクル安打の7打数4安打6打点。先発全員安打、2度にわたる打者一巡と打線はフル回転し続けた。投げても渡辺俊が1安打完封。今季初戦は足元をすくわれたが、投打が噛み合い、ようやくシーズン開幕だ。

ベニー
「今季の初安打が本塁打で嬉しいよ。」(3回に1号ソロ)
小坂
「得点に結び付けることができて良かった。」(3安打4打点)
西岡
「ライトスタンドが言い過ぎ。ライトスタンドが悪かったです(笑)。」(二塁打が出ればサイクル安打という場面で観客席からの「ツーベース」コールを浴びた)

◇渡辺俊1安打完封…バレンタイン監督も絶賛

渡辺俊が楽天打線をわずか1安打に抑えて完封勝ち。アンダースローから繰り出す緩急を使った投球で6回途中までは無安打。前日の敗戦に「(2戦目は)自分で大丈夫かなと心配していた」と話していたが、見事に自身2度目の完封をマークした。バレンタイン監督も「とてもよかった。今まで見た中で最高のデキだった」と絶賛した。

◇データBOX

(1)
ロッテは26−0の大勝。26得点は毎日オリオンズ時代の昭和25年5月31日、東急戦でマークした23得点を上回る球団新記録。また、パ・リーグ史上歴代2位タイで、全体でも4位タイの得点。2回の11得点中、代田から1巡後の代田までの「10連続得点(過去9連続が3度)」「1イニング11安打(過去8安打が5度)」は共に球団新記録でパ・リーグ2位タイ。西岡はこの日「7打数」を記録。前出の昭和25年5月31日で河内がマークして以来、球団史上2人目。パ・リーグ全体でも10人目(11度目)。
(2)
先発の渡辺俊は1安打完封勝利。ロッテでは平成8年10月6日の日本ハム戦で伊良部−黒木の継投が記録して以来。単独投手では昭和61年5月9日、西武戦でマークした深沢以来、19年ぶり。
チーム1試合最多得点
球団年月日スコア相手球場
32阪急昭15-04-06○32−2南海西宮
29ダイエー平15-08-01○29−1オリックスヤフーBB
28大洋昭25-10-17○28−5中日静岡
26グレートリング昭21-07-15○26−0ゴールドスター高岡
巨人昭21-08-31○26−2中部日本後楽園
巨人昭23-10-16○26−5大陽大須
ダイエー平15-07-27○26−7オリックス福岡ドーム
ロッテ平17-03-27○26−0楽天千葉マリン

◇マサカリ村田氏が迫力の140キロ!

開幕2戦目のセレモニーには金田元監督のほか有藤、弘田、得津、飯塚、山崎ら昭和49年の日本一メンバーが集結。始球式は野球殿堂入りした村田兆治氏が務めた。ブルペンで約30球、マウンドでも3球肩慣らしした後、外角低めに140キロの剛速球。打席の関川が見逃すほどの迫力だった。「まだ現役には負けられないですから」という55歳、村田氏の無言のゲキが記録的大勝を呼び込んだ!?

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ロッテ、球団記録の26得点でお返し[スポニチ]

歴史的黒星の借りは記録的白星でお返しだ!ロッテは27日、楽天戦で球団新記録の26得点を挙げ大勝した。2回には打者16人の猛攻で球団最多タイの11得点。投げては渡辺俊介投手が1安打1四球で残塁なしの27人斬り完封劇。爆勝で連敗を回避したロッテが、快進撃への扉を開く。

バレンタイン監督は誇らしげに、背番号26のユニホームを両手で掲げた。ベンチ入り25選手に次ぐ戦士として26番はファンの番号だ。そのファンに感謝の気持ちを伝えるかのように、スコアボードには「26」が光っていた。

バレンタイン監督
「素晴らしい攻撃。全員が得点に貢献してくれた。監督生活で26点を取った試合は覚えていない。」

先発全員安打、先発全員得点でもぎとった今季初勝利。オリオンズが誕生した50年に記録した23得点を抜く球団新記録の26得点爆勝に、指揮官の笑いが止まらない。開幕戦で新規参入球団の楽天に苦杯をなめ、すぐさまリベンジできたことも喜びを増幅させた。

負けたくない思いで動いた。開幕戦の黒星を受け、指揮官はすぐさま先発オーダーを変更。2番に3年目のスイッチヒッター西岡を抜擢。これが当たった。

「開幕スタメンを目標としていたので、外れて(さらに)あんな負け方だったので悔しかった。何かやったろうと思った」。まさに西岡が火付け役だった。初回無死二塁では左打席で右中間三塁打。続く2回にも、2番手の左腕・有銘から右打席で左中間へ1号3ランを放ち、打者16人攻撃11安打、球団最多タイの1イニング11得点を呼び込んだ。4安打6打点。「26番に恥じない試合をできてよかった」と何よりもファンに白星を贈れたことを喜んだ。

オープン戦不発に終わった新助っ人パスクチも2本塁打を含む4安打7打点の活躍で貢献。西岡、パスクチ共にあわやサイクル安打の爆発だっただけに、バレンタイン監督も「パスクチが相手に相当のダメージを与えたね」と満足そうに話した。

楽天のキーナートGMと舌戦を繰り広げた指揮官は、2連戦を振り返って嫌味たっぷりに言った。「たった2試合だけで印象などない。岩隈が投げた時はいいチームだね」。レンジャーズ、メッツで采配を振ってきたボビーの、プライドを懸けた連敗阻止劇だった。

◇渡辺俊27人斬り

風の魔術師が楽天をねじ伏せた。球団史上、14年ぶりの1安打試合。しかも残塁なしでの27人斬りと、ノーヒットノーラン並みに記憶に残る快投を渡辺俊が演じてみせた。

「みんなでやり返してやろうという思いがあった。4〜5メートルといい風も吹いてました」。左翼から本塁方向に吹く千葉マリン独特の海風。その風はバックネットではね返り、投手にとっては向かい風となる。この向かい風が球界唯一の下手投げには絶好の“追い風”になる。地上10センチから投げ込む直球は浮き上がり、カーブは急ブレーキし、シンカーは沈んでいく。さらに今季から導入された縫い目の高いボールで変化は増した。

四球を出した4回は川口を三ゴロ併殺打、6回1死から長坂に初安打を許しても平石を二ゴロ併殺。大差にも集中力を切らさず最後まで投げ切った。始球式を務めたOB村田兆治氏の剛球を見て「やっぱり僕より速かった」と笑う。いや、120キロ台の直球でも魔球だった。

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ロッテ球団新の26点!ボビー大喜び[報知]

◇2回イッキだ11安打だ11連続出塁だ10連続得点だ

ロッテが球団新記録となる26得点を挙げ、大勝した。初回に西岡の右中間三塁打で先制。2回にはパスクチの1号満塁弾など打者16人で11点を奪い、序盤で試合を決めた。渡辺俊は被安打1の完封勝利。楽天は中継ぎ陣が総崩れだった。

右翼席の大合唱が鳴りやまない。ロッテのフィーバーは、果てしなく続いた。55年ぶりに球団記録を更新する26得点の大爆勝劇。マシンガンの域を超えた驚異の「マリンガン打線」がノンストップで楽天を襲い、百倍返しで開幕戦の雪辱を果たした。

歴史を塗り替える圧勝劇のクライマックスは2回だ。2死一、二塁。西岡が有銘の117キロスライダーをフルスイングで左中間に運んだ。初回の左打席での先制三塁打に続く、右打席での3ラン。決意の丸刈りで臨んだ開幕戦でスタメン落ちした20歳は、「昨日の屈辱を晴らしたかった。何かやったろうと思った」と強い気持ちを白球にぶつけた。今オフ、メッツ・松井稼と合同自主トレを敢行。“稼頭央2世”と称される未来のスーパースターの一撃で、打線は波に乗った。

この回、パスクチのグランドスラムなど怒とうの11者連続出塁、10者連続得点。球団最多となる1イニング11安打を浴びせ、球団記録タイの11点を奪った。新球団へのリベンジはエンドレスに続き、8回にも一挙7点。合計24安打、4本塁打、26得点。「26点差なんで初めて」というバレンタイン監督は、ファンのために用意した欠番「26」のユニホームを、誇らしげに掲げた。

試合前のセレモニーでは、1974年の日本一メンバー9人が大集合。V戦士は各ポジションに散り、31年ぶりの王座奪還を祈って現役選手を激励した。「皆さんの前でチャンピオンらしい野球を見せられた」と指揮官は胸を張った。打っては球団新記録の26得点、投げては渡辺俊が1安打完封。一寸のスキも見せない王者の野球。忘れ去られつつある「最強のロッテ」が、長い時を経て、よみがえろうとしている。

◇渡辺俊27人斬り

106球。余力を残してのシャットアウト劇だった。渡辺俊が2001年以来の完封を27人斬りのおまけつきでマークした。6回1死まで無安打投球。長坂に初安打を許したが、四球の走者を許した4回と同様、後続を併殺に仕留めて切り抜けた。

センターから本塁方向に吹く千葉マリン特有の風がサブマリンに味方した。「4〜5メートルくらいが1番思い通りに変化する」。バックネットに跳ね返った風は向かい風となり、直球はホップし、シンカーは沈む。最速127キロと“最遅”92キロ、緩急差35キロのボールで楽天打線を手玉に取った。

「できるに越したことはないけど、6回だったし意識はなかった。僕らしいっちゃ僕らしいかな」ノーヒットノーランを逃したことにも淡々。「去年から僕が投げるときは点を取ってくれる。今日はみんなで(開幕戦の黒星を)やり返してやろうと言っていましたから」打線の大量援護に感謝しながら、何よりチームの勝利を喜んだ。

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渡辺俊「集中できた」4年ぶり完封[ニッカン]

渡辺俊が01年9月以来の2度目の完封勝利を挙げた。味方の大量援護の一方で待機する時間も長かったが「最後まで投げなきゃいけないと思ったし、最後まで集中できた」と笑顔で誇った。地面すれすれの下手から、右打者の低めにシンカーを沈め、ブレーキ鋭いカーブで打者を翻弄。出塁を許したのは4回の四球と6回1死からの安打だけ。いずれも後続を内野ゴロ併殺打で断ち「狙い通りです」。打者27人で試合を終わらせる快投に「テンポよく投げることができた」と充実感を漂わせた。

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マサカリ兆治、ロッテ戦始球式で140キロ[ニッカン]

ロッテの元エースで殿堂入りした村田兆治氏が、始球式に登板した。登板前にブルペンで30球を投げ込み、マウンドでも3球の肩慣らし。往年のマサカリ投法から繰り出された直球は140キロのストライク投球。「優勝から遠ざかって31年。頑張れという気持ちを込めて投げた」と気合の投球で、打席に立った関川も驚きのあまり手が出なかった。「評論家だからこそ実際にやって見せて証明しなきゃ駄目だ」。後輩達もこれに触発され、大量得点で初白星を挙げた。

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