わたしはかもめ2005年鴎の便り(4月)

便

4月5日

西武4−12千葉ロッテ(インボイス)

ロッテが今季2度目の2ケタ安打2ケタ得点で大勝し、単独2位に浮上した。ロッテは1回、李承Yの適時打などで2点を先制。3回には李承Yの1号ソロ、その後も今江、西岡のソロHRなどで加点、5回を除き毎回得点を挙げた。投げては先発加藤が6回を1失点に抑え、2003年6月6日以来の勝ち星を挙げ、2人目の小宮山が15年ぶりのセーブをマーク。一方の西武はカブレラの4号ソロなどで応戦するが、先発、ルーキーの涌井が3回5失点で自身2連敗。その後の投手陣も打ち込まれ、3連勝はならなかった。

123456789R
千葉ロッテ22110211212
西武0000101114
加藤
「長いことチームに迷惑を掛けたので必死に投げました。今日は、カーブとチェンジアップが良かったですね。タイミングを上手く外すことができました。白星から遠ざかっていましたが、勝ちにはこだわっていませんでした。いかに自分のピッチングをするかということだけ。打線が点を取ってくれて、気持ちに余裕もありました。これで終わらないようにしないといけないですから。今日のようなピッチングを続けていきたいですね。」
小宮山
「疲れました。まさかあの場面でいくとは思わなかったので(笑)。15年間セーブがなかったことは、頭の片すみにあった。7回からマウンドに上がったので、このまま最後までいったら、という気持ちはありました。(シェイクは)とりあえず投げただけ。全然シェイクじゃない。まだまだですよ。」
「自分のことよりもチームが勝つことが1番。練習ではいいスイングができているけれど、実戦では微妙だった。これを繰り返していれば、結果は出てくると思います。シーズンは始まったばかりですからね。気を引き締めてこれからもどんどん打っていけるようにしたいです。」
西岡
「第1打席のバントは、セーフティーのサインはベンチから出ていましたが、小坂選手が出た時点でセーフティーをやろうと決めて打席に立ちました。ホームランはたかめの見逃せばボールかも知れない。会心の当たりではない。こすっただけです。昨日もスタメンを外れましたから。もっとアピールしないと。」

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李“改造”1号

李が待望の今季1号を中堅右へ運んだ。3回1死。西武のルーキー涌井の7球目をとらえた。「ちょっと抜けた球。失投を逃さず振り抜けた。シーズンは始まったばかり。これからですよ」と李。来日2年目の今季、体が前に突っ込むクセを直し重心を左足に残す打撃改造に着手した。だがオープン戦は20打数1安打で開幕も2軍。苦しみ抜いたからこそ、初本塁打ぐらいでは喜べなかった。

初回には一塁ベースに当たって右翼線に転がる二塁打と、この日は2打点。1軍復帰以来3試合連続安打にバレンタイン監督は「完全に復調した。特に今日の5点目につながった本塁打は大きい。昨季までは打てない球を体を残してはじき返した」と解説した。3番福浦、4番ベニーは無安打もそれぞれ打点を記録。指揮官が理想とする「日米韓クリーンアップ」が李の復活で機能し始めた。

◇加藤にチェンジアップの威力…伊原春樹

加藤が669日ぶりに勝った。それは1つのボールを身に付けることの大切さをあらためて目の当たりにさせた。ルーキー1年から2年で20勝したころの球威はもうない。ではナゼ?それは覚えたというチェンジアップの威力だった。

西武打者を翻弄した6回3安打1失点。1回1死平尾がカウント2−3の7球目。かつての加藤なら内角勝負。平尾もそう読んだに違いない。そこにチェンジアップ。結果は三振。6回。先頭赤田への12球目。ファウル7球。これまでなら粘り負けしたのをチェンジアップで凡飛に打ち取る。

チェンジアップを駆使することで、まさに投球の幅を、内側に加え外側もと、倍に広げた。打者からすれば倍てこずったのだ。1球でよみがえった投手といえば西武の小林、そしてロッテには倉持がいた。生まれ変わった加藤にはそれ以上の可能性を感じる。

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作業部会がJリーグを訪問

◇清武代表ら根本的違いを痛感

プロ球界の問題点を研究するワーキングチーム(作業部会=巨人清武、ロッテ瀬戸山両代表ら)が5日、都内のJリーグ事務所を訪れ、鈴木昌チェアマン、佐々木一樹事務局長からサッカー界の現状について説明を受けた。球界改革へ各界から参考意見を聞く試みの一環。

主な議題は

(1)
年俸システム
(2)
契約金
(3)
保留権
(4)
移籍

など制度についてだたが、根本的な組織の違いが顕著になった。佐々木事務局長は「サッカーは世界的なルールの中でやっています。プロ野球は国内の問題で、セ、パ・リーグでも組織が違いますよね」。選手獲得は「Jはピラミッド組織で、高校からのスカウトもあるが、自前で育てるシステムがある」。レンタル移籍も「サッカーは(クラブを)出てナンボという世界ですから」と説明された。

清武代表は「異文化から吸収する姿勢は大事だと思う。大変参考になった」と述べた。「異文化」という言葉を使ったところからも、根本的な違いを痛感したことがうかがえる。ドラフトやFAといった制度改革を優先しているが、まず各リーグ連盟のあり方やコミッショナーの役割など、プロ野球界そのものの整備から始める必要がある。制度だけを変えても球界のひずみは直らない。Jリーグから学ぶべき点は、そこに集約されているのではないか。

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西岡が4安打、ロッテ12点大勝[スポニチ]

打席に入る前に決めていた。ロッテは初回、1番・小坂が中前打で出塁。西岡は初球、絶妙なドラッグバントを一塁前へ転がし、50メートル6秒1の俊足で一塁を駆け抜けた。「バントはサインですけど出なくてもやっていた。練習はウソをつきませんから」。

1死後、すかさず重盗を決め、プロ入り2試合目の登板となった涌井を揺さぶる。ベニーの中犠飛と李承Yの一塁ベースに当たる幸運な二塁打で2点を奪い、試合の流れはロッテに傾いた。西岡は8回に2号ソロを放ち、今季2度目の4安打。ロッテのスコアボードに「0」が記されたのは5回だけだった。チームは計12点。西岡の貢献は大きかった。

鋼の精神力が売り物だ。「昨日(4日)は悔しい負け方をしたので…何とかしたい思いがあった」と話す。3月26日の楽天との開幕戦(千葉マリン)は先発落ち。翌27日に先発で起用されると4安打6打点を稼いだ。4日は先発から外れ、チームはサヨナラ負けした。「悔しい思いをすればするほど結果を出す選手」と宮田編成部長は評した。バレンタイン監督も「西岡のバントはパーフェクト。昨日(4日)のタフな負けから全員が気持ちを切り替えてくれた」と絶賛した。

1月、都内で共に自主トレを行ったメッツ・松井稼が開幕戦で本塁打。西岡は「やっぱり気合が入りました」と話す。強い気持ちと、小技の技術。パンチ力も兼ね備える20歳。かつての松井稼の姿にダブる。

◇小宮山3失点S

7回から今季初登板した小宮山が3回4安打3失点ながら最後まで投げ切り、90年4月28日の西武戦(川崎)以来、15年ぶりのセーブを挙げた。「(投げ切れば)セーブというのは頭にあったけど…。疲れました」と苦笑い。今季から取り組んでいる新球シェイクも1球だけ披露。81キロを計時した新球に「とりあえず投げただけ。今日ぐらいのシェイクでは使いものにならない」と自己採点は辛かった。

◇涌井が2軍落ち

プロの水は思った以上に苦かった。西武のルーキー涌井が2度目の先発も3回6安打5失点で沈没。試合後に待っていたのは2軍落ちの通告だった。

「やっぱりプロは違う。自分のボールを投げられなかったのが悔しい。疲れ?自分の中ではないつもりなんですけど」。日頃はポーカーフェースの18歳の表情がゆがむ。オープン戦では150キロをマークした直球は143キロ止まり。変化球の制球も定まらない。走者を出しても牽制しきれずマウンド上では余裕がなくなっていた。プロ初登板の3月29日、日本ハム戦は2回1/3で7失点降板。2試合で防御率20.25では首脳陣の我慢も限界だった。伊東監督は「下でもう1回ペースをつかんでもらう。よくなったらすぐ上げるよ」と状況次第での早期復帰も示唆した。「もう1回やり直します」。失敗を糧に涌井は一回り大きくなって帰ってくるつもりだ。

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西岡4安打2盗塁!“師匠”稼頭央の活躍に奮起[サンスポ]

カズオ2世だ!!西岡の打って、走っての大活躍に、左翼スタンドのボルテージは上がりっぱなし。5打数4安打3打点、1本塁打、2盗塁。海の向こうの先輩に負けない、大暴れだ。

西岡
「カズオさんの活躍を聞きました。それで気合を入れ直しました。明日の朝連絡するつもりです。」

今オフに、高校時代から憧れていたメッツ・松井稼に弟子入りを志願した。同じ関西出身で俊足のスイッチヒッターということもあって、夢の『カズオ塾』入門が実現。西岡は「練習量は嘘をつかないということを学びました」と自主トレを振り返る。

その松井稼が4日(現地時間)のレッズとの開幕戦で第1打席で右越え弾。映像は見ていなかったが、弟子が師匠の活躍に奮起しない訳がない。1回にセーフティーバントから自慢の足で盗塁を決めると、8回にはカズオと同じ右越えアーチで、長打力をアピール。3年目の20歳がロッテを単独2位に導いた。

チームも15安打、5回を除く毎回得点で、12得点。アジアの大砲・李承Yに待望の1発も飛び出し、西武投手陣を粉砕、貯金を2とした。この日は打線ばかりが目立ったが、もちろんリーグ屈指の投手陣も健在。加藤が勝ったことで、先発6人全員に勝ち星がついた。

若手の台頭に、安定した投手陣。今年のロッテが台風の目になっていく。

西岡剛(にしおか・つよし)
昭和59年7月27日、京都府生まれ、20歳。大阪桐蔭高から平成15年ドラフト1巡目でロッテ入団。高校通算42本塁打を放った打撃力で、将来の主軸として期待される。昨季は1軍では63試合に出場、打率.255、6本塁打、35打点。通算成績は79試合、打率.274、8本塁打、47打点。1メートル80、75キロ。右投げ両打ち。独身。年俸1700万円。背番号7。

◇小宮山15年ぶりセーブ

小宮山が15年ぶりのセーブをマークした。7回から登板し、3イニングを投げきった。「最後まで投げきればセーブがつくと思って、マウンドにあがりました」とニンマリ。9回、和田への4球目には超遅球の魔球“シェイク”を公式戦で初披露。「(シェイクは)とりあえず投げただけ。まだまだ」とはいえ、結局は和田を三振に斬っただけに、してやったり。

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加藤、669日ぶりの白星[報知]

久し振りすぎて、ヒーローインタビューの受け方も忘れていた。加藤はカメラに背を向けて、左翼席に手を振った。「長いこと迷惑かけたんで必死で投げました」。6回3安打1失点。2003年6月6日のオリックス戦以来、実に669日ぶりの白星だ。復活を果たした左腕は、自然と緩む口元を照れながら隠した。

精神面の弱さを、“逆転の発想”で克服した。昨季0勝、一昨年は1勝と、02年の11勝からの急転直下の転落劇。加藤を苦しめたのは、四球から崩れる悪癖だった。「悪いボールのことをひきずってしまっていた」と振り返る。3回、先頭の中島にストレートの四球。だが、今の加藤は動じない。「逆にゲッツーでもとってやろうかと思って。心は自分でも弱いと思うけど、認めないと直るものも直らないですからね」と笑った。結果は併殺崩れとなったが、「ノミの心臓」の面影は完全に消えていた。

技術的にも進化した。昨秋、チェンジアップを習得。ズラリ9人並んだ西武の右打者の外角低めに、面白いように決まった。直球と100キロ台のカーブも交え、レオを手玉に取った。

打線も5回を除く毎回得点の12点の援護射撃。バレンタイン監督は「今日はみんなで加藤を支えようと必死だった」と話した。3年ぶりの2ケタ勝利の期待がかかる好投にも加藤は「1年より1試合、それより1球1球を意識します」と前を向いた。その楽観的な笑顔は、無惨なKO劇に沈んできた近年とは別人のようだった。

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加藤1年10ヶ月ぶりの勝利[ニッカン]

ロッテの加藤は、丁寧に低めに集める投球で一昨年6月6日以来、およそ1年10ヶ月ぶりの勝利を手にした。「長い間チームに迷惑をかけてきたので、必死に投げた」と、感極まった表情で話した。

課題の精神面は「弱いところは弱いと認めるところからスタートした」といい、技術面では「チェンジアップをマスターして幅が広がった」と説明する。26歳の苦労人は「これで終わらないよう、気を抜かずに頑張ります」と、2つめの白星を狙う口ぶりだった。

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