わたしはかもめ2005年鴎の便り(4月)

便

4月23日

東北楽天4−12千葉ロッテ(フルキャスト)

ロッテは楽天先発、岩隈を崩し15安打、12得点を挙げ3連勝。貯金を99年7月7日以来の8とした。ロッテは1回、李、ベニーの連続適時打などで3点を先制。続く2回には、福浦、フランコの適時打など打者12人で一挙7点を奪った。楽天は先発岩隈が2回に持たず自身最短の1回1/3、9失点で降板したのが誤算だった。楽天は敗れて7連敗、借金は13に膨らんだ。

123456789R
千葉ロッテ37010000112
東北楽天0200002004
清水直
「今日は野手のみんなに助けられた。ファインプレーもあったし、本当に野手のおかげです。球は走らないし、風にもやられました。相変わらずのホームラン病も出てしまいました。序盤の攻撃で待たされたことも影響がありましたね。自分の中では、試合開始が1時間遅れた感じでした。それでも何とかしなければいけなかった。勉強になりました。それでも味方が点を取ってくれているんだから、何とかしなければいけないですね。とにかく、次は気持ちを切り替えて頑張ります。」
藤田
「(またノーヒットでしたねと聞かれて)エヘヘヘ…。風が強かったけれど、風の影響はなかったですね。状態は変わらずいい状態をキープしていますよ。とにかく、今年は優勝をしたいですからね。」

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西岡5安打

ロッテ・バレンタイン監督の「岩隅必殺作戦」が決まった。開幕戦で敗れた岩隅に雪辱するため、1番に西岡を起用。開幕戦で先発を外れ、岩隅とは初対決だったがズバリ的中した。1回、先頭打者で岩隅に食い下がる。ファウルで粘り10球目を右前打。さらに次打者堀の初球に二盗、4球目に三盗を決めた。これで勢いに乗った打線はこの回3点。2回にも4連打含む7安打で7点を挙げ、この回途中で岩隅をKOした。

前日22日は「休養」として、守備のみ出場。だが西岡は「僕は疲れていない。スタメンを外され悔しかった」と燃えていた。「全試合出場が目標なのに落とされた。だから結果を出そうと必死だった」と西岡。2回で早くも3安打の固め打ちを達成。さらに2安打して自己新記録の1試合5安打。あと1本出ればリーグ記録(6本)に並ぶところだった。3連勝で貯金は今季最多の8。指揮官は「ファームで実績を積んだ」と24日はルーキー久保をプロ初先発させ、ヤングパワーで4連勝を狙う。

ベニー
「ロッテファンが仙台にたくさん(バス5台、約1000人)来てくれたので、テンションが高くなった。」(初回に岩隈から中前適時打)

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李が初の4番打

今季初めて4番に座った李が、先制打を含む2安打で期待に応えた。初回1死一、三塁で岩隈のフォークボールをとらえて右前適時打。「初の4番だし、先制点の欲しいところで打てて良かった。一、二塁間を抜けてくれてラッキー」と相好を崩した。

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清水勝って反省

3勝目を挙げた清水だが「ボールが走らないし、全然ダメでした」と憮然とした表情。7回4失点で、全て本塁打による失点だった。この日の3本を含めて今季の被本塁打は早くも8本。「また本塁打病が出ちゃった。今日はバックに助けられた」。最後まで仏頂面だった。

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黒木実戦にメド

右ひじ手術から復活を期す黒木が23日、イースタン・リーグ、楽天戦(山形)に先発したが、6失点(自責5)で4回途中降板した。3回までに5点の援護も、1本塁打含む9安打を浴び、リードを守れずじまい。それでもこの日は変化球を交えた実戦的投球が課題。黒木は「スライダーなどの変化球が、実戦で使えるメドが立った。あとは肩のスタミナ」と話した。

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西岡、プロ初体験の5安打![ニッカン]

ロッテの西岡剛内野手がプロ初の1試合5安打をマークした。1打席目に初対戦の岩隈から粘った末に10球目を右前に運ぶなど、しぶとい打撃で右に左に打ち分け、チームの勝利に貢献した。前日、休養のために先発メンバーから外れたが「全試合出るつもりでやっているので、悔しかった」と話す西岡。「明日も結果を出さないと」とすぐに次の試合に目標を切り替えた。

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楽天7連敗、岩隈でもダメ[報知]

◇自己ワースト9失点

楽天のエース・岩隈がロッテ打線につかまり、自己ワーストの9失点し、自己ワーストタイの1回1/3で降板した。打線は礒部、ロペスのアベック弾など連敗中最多の4得点をあげたが、大黒柱の炎上を補うことはできず、ドロ沼の7連敗。

1万4168人の観衆は我が目を疑った。連敗ストッパーと期待されたエース岩隈が最短KOされた。先頭の西岡にこの日最速となる148キロの直球を右前に打たれ、二盗、三盗で揺さぶられるなど初回に3失点。2回には今江から福浦まで4連続安打を浴び、フランコに中前へ2点適時打を許した時点で、田尾監督が“タオル投入”だ。

自己ワーストの9失点もさることながら、1回1/3での降板は、02年7月6日の西武戦で和田の打球を右手に受け、負傷交代して以来の屈辱。そのときはノーヒットで、打ち崩されての降板では初めてだ。「連敗を止めたい強い気持ちでマウンドに登りましたが、満員のお客さんの声援に応えられず申し訳ない」自身も3連敗となり、エースは走ってマウンドから離れ、帽子を脱いでベンチに下がった。

指揮官は「予定外のゲームだった。打たれるとどうしても力に頼るピッチングになる。カーブなど緩い球を織り交ぜられなかったのか、藤井のリードに疑問を感じた」と岩隈をかばった。捕手の藤井も「研究された。風が強くてシュートが甘く入った」とエースの不調を否定した。

三塁側ベンチ上の最前列にある“岩隈シート”には、東北福祉大が仲介して招待した宮城県内の福祉施設・栗原秀峰会の生徒ら10人が初観戦した。皮肉な結果となったが保育士の伊藤裕子さんは「岩隈さんにプロ野球の面白さを体験させていただきました」と感謝し「次は絶対に勝ってください」と逆に激励のエールを送った。

山崎、ロペス、礒部の追撃3本塁打で見せ場をつくってくれたが、結局は連敗は止まらず7に伸び、借金も最多の13。「岩隈でやられるとはみんな思ってなかった」と指揮官はうなだれた。小野投手コーチは、先発投手陣のコマ不足から、本調子ではない岩隈をやむなく中6日から5日で先発させるプランも明かした。苦しい台所事情の中から、連敗を止める救世主は現れるのか。

◇采配ズバリ西岡、李で7安打、ロッテ開幕戦リベンジ

ボビー・マジックに導かれたロッテ打線が、岩隈を完膚なきまでに粉砕した。サングラス越しに勝利を見届けたバレンタイン監督は、してやったりの表情。「今日は色々なことを起こせたね」開幕戦で1失点完投を許した因縁の相手から、2回途中までに9得点。的中ラッシュの采配が、痛快なリベンジ劇を演出した。

「今日は新しい試合だから新しい打線に組み替えたんだ」。連勝中だが、迷いはない。前日4出塁の小坂に代え、1番に西岡を起用。李承Yを今季初の4番に据えた。この2人、開幕戦には不出場。岩隈にノーコンプレックスのコンビが、大量点の口火を切った。

初回、10球粘って右前安打で出塁した西岡は、直後に二盗。「モーションが大きい。三盗のサインを出してくれ」。塁上で祈ると、指揮官はすぐゴーサインを出した。そして先制打は李。「今季初の4番。どうしても打ちたかった」と燃えて、右前適時打を放つ。火がついた打線は岩隈を1回1/3でKO。2回までに10点を奪い、今季3度目の3連勝を決めた。

西岡は自身初の1試合5安打で打率トップに返り咲き。前日は休養目的でスタメン落ちしたが「“外された”と感じる。全試合出たいから悔しいんですわ」という。休養後の試合は3度とも4安打以上。指揮官は、西岡の勇ましい反骨心を岩隈攻略の先鋒とした。

貯金は今季最多の8。勢いに乗ってバレンタイン監督は24日、新人の久保をプロ初先発に送り出す。「いい投手だからな。やってくれるさ」と不敵に笑ったボビーの目は既に、楽天3タテを確信していた。

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ロッテ猛爆12得点!西岡が球団タイ記録の1試合5安打[サンスポ]

仙台の楽天ファンの皆さん、これが見逃した26点打線です!

なんとも嫌みな猛打爆発だ。エースの岩隈を序盤で簡単に攻略。嫌みついでに、岩隈がまだマウンドにいた2回、スタメン『5番・DH』のベニーに、何と第2打席で代打・井上を送った。

「ベニー?多少足に不安があるから、様子を見て使っている」とはバレンタイン監督の説明。しかし、接戦ではありえない交代劇。3月26日の開幕戦(千葉マリン)で1点しか取れなかった相手を1回1/3でKOすると、27日の開幕第2戦で26点を奪った攻撃の再現だ。2回終了時点で10−2。わずか1時間で勝負をつけた。

チームを引っ張ったのが、球団タイ記録となる1試合5安打を放った西岡だった。

西岡
「粘ったことで1番バッターの役割ができました。5安打は嬉しいけど、たまたまです。」

1回、岩隈との初対戦。西岡は9球粘った後の10球目を右前打すると、エンドランのサインで堀が空振りしたが、二盗に成功。すかさず三盗も決めて“猛攻”の足がかりを作った。気が付けば自身初の5安打。打率は.359に上昇し、一気に首位打者争いでトップに躍り出た。

「ソフトバンクが勝っているのに、うちが負ける訳にはいきませんから」と西岡。首位のソフトバンクとは1.5ゲーム差。離れない。ガムのように?ベタッとくっつきます。ロッテの強さは本物だ。

「打ったのはフォークボール。飛んだコースがよかった。初の4番で、どうしても先制したかった。」(今季初の4番で先制打)

◇清水“リベンジ”成功も反省しきり

先発の清水が7回7安打4失点で3勝目。開幕戦では岩隈との投げ合いに敗れていたため“リベンジ”に成功した。ただ、楽天打線に鋭い当たりを連発される場面もあり「球は走らないし、風でやられるし。野手に助けられました」と反省しきり。3本塁打を浴びたことについては「相変わらずのホームラン病です」と下を向いた。

◇黒木が2軍戦で6失点KO

イースタンの楽天戦で先発した黒木が、3回1/3で9安打6失点とKOされた。これまで3セーブを挙げ好調をアピールしていたが、昨年9月16日以来の先発で結果を残せず「課題は4回に入る前に肩のスタミナが無くなったことと、細かいコントロールをつけていくこと」。1軍昇格へは時間がかかりそうだ。

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エースもダメ、楽天7連敗[スポニチ]

連敗の坂道を転がるチームをエースでさえ止められなかった。自身最短タイの1回1/3でワースト9失点KO。連敗ストッパーの期待を背負ってマウンドに上がった楽天・岩隈が、ロッテ打線に8安打を浴びて炎上した。

「調子は悪くなかった。連敗を止めたいと思って力が入りすぎました」。開幕2連勝のあとは3連敗。チームも7連敗とあって元気がない。田尾監督は「どうしてあんなに打たれたのか。あんな岩隈は見たことがない」と首をかしげた。中6日で万全のはずだったが結果は火ダルマ。「ランニングの量を増やすとか調整法を考えたい」と岩隈。小野投手コーチも「中5日、6日、何がいいのか考える」と復活への糸口すら見えていないのが現状だ。

打線が3本塁打を放っても岩隈での大敗は痛い。連敗の坂道はさらに急勾配になった。

◇西岡が“足”で岩隈攻略

頼りになるリードオフマンだ。初回、ロッテ・西岡が3・26開幕戦で敗れた岩隈を“足”で攻略した。粘って10球目を右前に運ぶと2番・堀の初球に二盗、4球目には三盗と立て続けに決めた。「初球から打ちたい気持ちはあるけれど1番打者の役割を果たせたかな」。動揺した楽天のエースに李承Yの右前適時打などで3点先制。2回には4連打を含む5安打で岩隈をこの回途中でKOした。

西岡は大量リードの9回にも左前打で自身初の5安打をマーク。前日22日は12試合ぶりにスタメンを外れた悔しさをバネにした。「周囲は休養と言ってくれるけど全部出るつもりでいる」と1メートル80、75キロの体にはぎっしりと負けん気が詰まっている。打率.359で12日以来の首位打者にも返り咲き。「明日も結果を出すだけ」と20歳の若武者に浮ついた心はない。

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[東北ベースボール賛歌OB編]現役にこだわり全力で…諸積兼司[読売新聞]

◇鮮烈デビュー、父への恩返し

鮮烈な“デビュー”だった。入団2年目の1995年5月9日、県営宮城球場で行われた対日本ハム戦。「1番・左翼」でいきなりスタメンに起用され、5打数4安打の猛打賞。「無我夢中で、打ったらヒットだったということしか覚えていません」と話すが、首脳陣とファンに、その存在を強くアピールした。

風疹で離脱したリードオフマン西村徳文に代わって、前日、1軍登録されたばかり。監督ボビー・バレンタインからのスタメン宣告は試合直前だった。ブルブルと武者震いが起き、チームメートに顔をはたいてもらった。

初回、バッターボックスに入った時も頭の中は真っ白。だが、無心で振ったバットは、日本ハム先発グロスの変化球をとらえ、打球は中前へ抜けていった。

はじめは「西村さんの代役」という意識しかなかった。しかし、スタメンでの活躍を機に1軍に定着し、この年97試合に出場、打率2割9分の成績を残した。翌年は西村に代わる中堅手として、開幕スタメンを飾っていた。

◇強烈な敗戦の記憶

甲子園出場2回、大学では首位打者に盗塁王、そして社会人ではMVP。日の当たる道を歩み続けた諸積の原点は、福島県会津若松市立若松三中時代の1つの敗戦だった。

中学の卒業文集にあえて敗戦の記録をつづっている。それは、20年余を経た今もなお、「打たれた自分が不甲斐なかった」と脳裏に焼き付いている記憶だ。

中学3年の市中体連大会、対若松二中戦。マウンドの諸積は1安打2四球で満塁の危機を招き、本塁打を浴びて逆転負け。涙があふれ、グラブを地面にたたき付けると、監督に向かって「二度と投手はやりません」と宣言した。

「このレベルで打たれているようじゃ、高校、さらにその上ではとても通用しない」。目立ちたがり屋で負けず嫌い、実力でも抜きんでていた野球少年は、中学にして「エースで4番」を捨てた。以来、俊足の野手としてプロへの道を切り開いていった。

◇形見のジッポー

プロへ進んだ諸積には、大きな“支え”があった。

鮮烈デビューの約3ヶ月前、アリゾナキャンプ中に54歳で亡くなった父・勉。試合当日、形見のジッポーライターを球場に持参した。握りしめ、肩にあてると、父がついていてくれるような気がした。

幼稚園の時から、家族ぐるみで早朝ジョギングを続けてきた。寮生活となる私立高校への進学を迷っている時も、「甲子園に行きたいんだろ」と背中を押してくれた。

亡き父が打たせてくれた4安打−。試合から一夜明けた朝。会津若松市の実家で母・多比子(63)は、息子の父への感謝の弁を載せた新聞を目にして胸を熱くした。「本当にプロになったんだね。お父さんにも見せたかったね」。

今季、新旧交代劇の「相手」となった西村の当時の年齢を超える。2003年には開幕スタメンを外れ、代打・代走が中心となりつつあるが、「ダメなら来年はない。その時その時で全力を出す」。昨季からは引き立ててくれた監督ボビーが再就任。好調を維持し、今季もオープン戦で結果を出し、開幕1軍を手にした。

今も、ジッポーには朝晩欠かさず手を合わせ、遠征先にも持参する。「好きで選んだ道。形にこだわらず、とにかく1日でも長く野球を続けたい」。恩返しのためにも、とことん現役にこだわるつもりだ。

略歴
略歴日立製作所時代の1993年、全国社会人野球東京スポニチ大会で優勝し、MVPを獲得、ベストナインに選出される。94年、千葉ロッテマリーンズにドラフト5巡目で入団。昨季は97試合に出場し、打率.267。昨年9月には通算1000試合出場を達成した。右投げ左打ち。

◇「モロ」は故郷のヒーロー

当時の若松三中野球部監督・森武久さん(61)
「どこでも守れ、出塁すれば、いつの間にか三塁まで進んでいた。スポーツ一家ではぐくまれた運動神経と抜群の野球センスを感じさせたが、笑いも絶やさず、チームの緊張を緩めてくれた。監督として得難い存在だった。努力している姿は周囲に見せない。責任感と勝利への執着心は人一倍強かった。まだまだ健在の足と持ち前のセンスで、出場機会の多かった昨季以上の活躍を期待したい。今季は東北での試合が増えるので応援に行く機会も増えるはず。プロ入り後も『モロ』の愛称で親しまれる故郷のヒーローとして、できるだけ長く選手生活を続けて欲しい。」

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