わたしはかもめ2005年鴎の便り(4月)

便

4月29日

福岡ソフトバンク5−6千葉ロッテ(ヤフードーム)

ロッテが1985年以来の8連勝で20勝に1番乗り。貯金も95年の9月20日以来の13、4月の首位を決めた。ロッテは1点を追う3回、西岡の犠飛で同点とすると、6回に大塚の1号2ランで2点を勝ち越し。その後、7回2点、8回にはサブローが今季初打点となる1点を追加し逃げ切った。開幕27試合目で20勝は91年の西武以来、ロッテでは毎日時代の55年以来50年ぶり。ソフトバンクは9回、ズレータが小林雅から10号3ランを放ち1点差に迫るも、逆転ならず。首位ロッテとソフトバンクのゲーム差は1.5に広がった。

123456789R
千葉ロッテ0010022106
福岡ソフトバンク0100001035
大塚
「三振は、和田がものすごく良かったので、打てる気がしなかったですよ。ロングヒットをという考えが少しはありましたけれど、とにかく、ランナーが一塁にいたので、つなぐことだけを考えていました。まさかホームランとは。今シーズンはホームランは出ないと思っていたんで(笑)。右肩は、影響がないことはないけれど、ケアはしっかりしています。それに、監督から『やれることやってくれればいい』と言ってくれているので、それで気持ちが楽になっていますね。」
清水直
「メチャクチャ気合が入っていました。この間の3連発のこともありましたし。自分のピッチングができたと思います。とにかく、敵地に乗り込んでの初戦でしたから、何とか頭のゲームを取りたかったので良かったです。6−5でも10−9でも頭を取れればいいんです。この試合は勝つことが大事でしたから。今日は、自分でも納得できたピッチングでした。」
小林雅
「1発打たれてもリードはあると思っていました。ヒヤヒヤですか?いえ、全然しませんでした。打たれた後も強気に攻められたし、逆に1発で気持ちも切り替えることができました。登板間隔の影響?それはないです。」

ページトップ

ロッテ11日間負けてない

◇7年ぶり4月首位、10年ぶり貯金13、20年ぶり8連勝、50年ぶり27戦目20勝

大塚の値千金の1発に、敵地福岡ドームが静まり返った。同点の6回2死一塁。フルカウントからソフトバンク和田の外角直球を右翼席へ運び込んだ。「嬉しい。興奮のあまり、ベースを回る時に叫びながらガッツポーズをしてしまったよ」。50年ぶりとなる27試合目での20勝到達、20年ぶり8連勝、10年ぶり貯金13、7年ぶり4月首位…。好調を示す数字が並んだ。

「打てるとは思わなかった」という大塚の今季1号決勝弾に、ロッテの強さが集約されている。右ヒザ違和感から復帰した1番西岡の犠飛で3回に同点。太もも痛の4番ベニーも先発し、中前打で大塚の本塁打につなげた。7回には堀が適時打、福浦が犠飛。8回はサブローが6点目の中前打を放った。

上位から下位打線までまんべんなく誰かが打つ。大塚は「打席が多く回ってくるから大変」と笑顔を見せた。02年に右肩を手術。昨年は左ヒザ痛で力を発揮できなかったが、今季はアイシング治療などで好調を維持。走攻守揃った外野手の復活で、打線の幅が広がった。28日に30歳の誕生日を迎えた。バレンタイン監督は「大塚が重要な役割を果たしている」と評価した。30日も勝てば、4月までの全カード勝ち越しが決定。記録ずくめの快進撃は続く。

◇データ

ロッテの8連勝は、85年10月に10連勝して以来、20年ぶり。楽天を除く11球団でロッテが最も8連勝から遠ざかっていた。20勝に到達し、98年以来となる4月の首位通過が確定。開幕から27試合目で20勝は91年西武以来で、ロッテでは毎日時代の50年25試合目に次ぎ、55年と並ぶ球団史上2番目のスピード到達だ。パ・リーグが1シーズン制に戻った83年以降、ロッテは4月を首位で通過した83、92、97、98年の4度全て最終順位が「最下位」となっているが今年はどうか。

ページトップ

ロッテ、20年ぶりの8連勝[スポニチ]

落合もリーも、サンデー兆治もいないけど、この強さは本物だ。首位ロッテは29日、2位ソフトバンクに6―5と競り勝ち、85年以来20年ぶりの8連勝を記録した。開幕27試合での20勝到達はロッテにとって実に半世紀ぶりの快挙。数々の「ぶり」をクリアする今季のマリーンズにとって31年ぶりの優勝だって夢ではないのだ。

ハイタッチでナインを出迎えるバレンタイン監督は安堵の表情だった。

バレンタイン監督
「相手の強力打線を清水がよく抑えた。ただ判定には疑問も残ったが…。まあ、試合は終わったし、選手達はいいプレーをした。」

85年以来となる20年ぶり8連勝。球団にとって歴史的快挙を達成した喜びよりも、苦しい戦いを制した充実感があった。2回、城島が放った右翼への大飛球は何かにはね返り、グラウンドへ戻ってきた。判定は本塁打。近くにいたファンが「ラバーに当たった。スピンがかかっていたのでグラウンドに戻ったんでしょう」と証言した打球だったが、指揮官の抗議も実らない。9回1死での松中の二塁内野安打も際どいタイミングだった。これが1点差まで詰め寄られる原因となった。

そんな「逆風」に清水が奮起した。「めちゃくちゃ気合が入っていた」の言葉をマウンドで実践してみせた。強打のソフトバンク打線の中でも松中を徹底マーク。最近11試合で8本塁打という昨季3冠王の胸元をえぐった。2回の第1打席で直球で遊ゴロに打ち取ると、4回の第2打席は直球で三邪飛。7回の第3打席では胸元の球で体を起こしてから、138キロのスプリットで空振り三振に仕留めた。

16日のソフトバンク戦(ヤフードーム)では松中、城島、ズレータに悪夢の3連発を浴びた。「23日の楽天戦(フルスタ宮城)が終わってから、ずっとソフトバンク戦のことだけを考えてきた」と屈辱を力にした。8回1/3を4失点で4勝目。完投こそ逃したが「首位攻防3連戦の頭を取ることが難しい。こういう試合は勝てばいい。6−5、10−9でもいいんです」。

98年以来の4月首位も決定。ここまでの連勝は先制点を奪うと1度もリードを許さない圧倒だったが、この日は逆転で辛勝。しかし勝てばいいのだ。有藤、落合、村田…。85年当時在籍したスターはいない。しかし、それに負けない若さがある。可能性がある。

◇大塚、勝ち越し2ラン

1−1の6回2死一塁から大塚が勝ち越しの1号2ランを放った。「打ったのは直球。バットに当てることだけを考えた」。28日に30歳になったプロ12年目。大器と評されながら02年オフに右肩を手術するなど故障に泣かされてきた。その右肩の不安は残るが「監督からできることをやればいい」と言われ、焦りが消えた。今季は主に中堅手として打率.361。規定打席もあと6と迫った苦労人が1日遅いバースデーを自ら祝った。

◇ソフトバンク、首位攻防第1戦は惜敗

首位攻防第1ラウンドは1点差の惜敗。「30試合を終えて20勝10敗は素晴らしい成績。今はうちよりちょっといいチームが上にいるだけ」。ロッテの名前を出さなかったあたりに王監督の悔しさが滲み出ていた。

7回の東球審の判定にも怒りの矛先を向けた。1死二、三塁から今江が福浦の中飛で本塁へタッチアップし1−5と突き放されたプレーだ。「(城島が)タッチしているのに見えないと言うんだから。最高のジャッジができるよう意識を持ってやってもらうしかない」と王監督。バレンタイン監督も判定に不服を唱えるなど、両軍指揮官にとって後味の悪い1戦となってしまった。

ページトップ

ロッテ20年ぶり8連勝!ボビーイズムで打線爆発[サンスポ]

もう、この勢いは止まらない!!ソフトバンクとの首位攻防第1ラウンドを制したロッテは20年ぶりの8連勝で、7年ぶりの4月首位ターンを手中に収めた。

「相手の攻撃は強力だからね。清水が(8回まで)2点に抑える投球で非常に良かった」とバレンタイン監督、試合中の激高がウソのようにニンマリと頬が緩んだ。

2回、城島の打球が右翼フェンス最上部を直撃したかに見えたが、一塁塁審の判定は本塁打。これでバレンタイン監督がベンチを飛び出した。

両手を広げて必死のアピール。退場も覚悟の上での抗議は約5分間に及んだ。結果的に判定は覆らなかったが、熱いボビーの思いは確かに選手に届いていた。「自分のことより、この試合は勝つことが大事」は清水。ボビーイズムは今季12試合目の2ケタ安打となって打線にも引火した。

「(自分の姿を)選手がどう受け止めたかわからないが、よく頑張ってくれた。明日も自分達のスタイルで自信をもってやって欲しい」。4月の20勝到達は実に55年ぶり。夢でも幻でもない、ロッテの快進撃は本物だ。

データBOX
ロッテの8連勝は昭和60年以来、20年ぶり(前回は10連勝)。27試合を消化して20勝7敗。4月中の20勝到達は球団創設1年目(当時・毎日)の昭和25年以来で、55年ぶり2度目。27試合目での20勝到達は、昭和25年の25試合目(20勝5敗)に次いで、30年の27試合目(20勝7敗)と並ぶ球団のスピード記録。4月終了時の貯金は昭和25年の12が最多だから、30日勝つか引き分けでこれを上回ることになる。 また、4月の首位通過も決定。これは平成10年以来、7年ぶりとなる。

ページトップ

ロッテ20年ぶり8連勝!強い!本物だ![報知]

◇98年以来4月首位確定

ロッテが20年ぶりの8連勝。4月の首位を確定させた。同点の6回に大塚の1号2ランで勝ち越し、その後も効果的に加点。清水は8回まで2失点と好投した。ソフトバンクは9回にズレータの10号3ランで迫るも反撃が遅かった。

敗戦の味を忘れた戦士達からは、王者の風格が漂っていた。ミラクルロッテが“時代”を超えた。4月の20勝到達は前身の毎日時代の1950年以来、実に球団55年ぶり。「僕は選手達のスタイルに自信を持っている」。バレンタイン監督は、半世紀の時を超えたナインの姿を、頼もしげに見つめた。エースが投げ、一丸となって点を奪い、守護神が締めて、20年ぶりの8連勝。ボビー流全員野球が最強軍団を蹴散らした。

脇役達の必死の形相に、勝利の女神はほほ笑んだ。同点の6回2死一塁。大塚が和田の直球を右翼席へ運んだ。「興奮しすぎて、叫んじゃいました」例年けがに泣かされたが、今季は打率3割6分1厘と絶好調。最高の場面で1発が飛び出した。

プロ12年生の能力を引き出したのは、ボビー流の人心掌握術だ。右肩や左ひざなどに故障を抱え、満身創痍の大塚は「ボビーは“無理せず君のやれることをやればいい”と言ってくれる。これまでとは違い、環境がいいです」と感謝した。

主役は1人じゃない。7回には、連勝中に1軍に昇格したサブローの二塁打と今江のバント安打で好機を演出し、2点を追加。8回にも適時打を放ったサブローは「みんな打つから、初球から狙っていけた」と相乗効果を感じていた。

1985年以来の8連勝。貯金13としたロッテは、98年以来の4月首位が確定した。この日のウイニングボールを受け取った大塚は「そのうち絶対けがは来る。覚悟しているからこそ、打てるうちに打っておきたい」と強い気持ちを口にする。昨年0.5ゲーム差でプレーオフを逃した悔しさもある。ナインの胸が熱い情熱に支配されている限り、ロッテの快進撃に終わりはない。

ページトップ

ロッテ8連勝、バレンタインも笑顔![ニッカン]

ロッテが20年ぶりに8連勝を飾った。11安打で6点を奪い、2位ソフトバンクを下し、首位攻防戦の初戦を制した。19日から始まった連勝は、85年10月以来20年ぶりの「8」となり、バレンタイン監督も「自分達の野球を崩さずできている」と満面の笑みを浮かべた。

1−1の6回。2死一塁から大塚の今季1号本塁打で勝ち越すと、7回には3長短打を絡めて2点、8回には2死からサブローの適時打で加点し、常にリードを奪った。9回に守護神の小林雅がズレータから3点本塁打を浴び、1点差に迫られたが、首位を走るロッテには焦りはなかった。

今季20勝目で4月中の首位が決定。バレンタイン監督は「いいプレーをしてくれているのは選手。自信を持って続けてもらいたい」と、手応えを口にした。

ページトップ

清水「勝つ投球」でソフトBに雪辱[ニッカン]

ロッテのエース清水が気迫の投球で4勝目を挙げた。6−2の9回、1死二、三塁とされて小林雅にマウンドを譲ったが「6−5でも10−9でも、勝ちは勝ち。3連戦の初戦を取れればいいと思っていた」と素直に勝利を喜んだ。16日のソフトバンク戦では3者連続本塁打を浴び、敗戦投手となっていただけに「どんな形でも勝つ投球をしたかった」と雪辱に燃えていた。バレンタイン監督も「相手の強い攻撃をよく抑えてくれた」と笑顔で清水の熱投を称えた。

ページトップ

心をほぐす「監督の椅子」[朝日新聞・千葉]

球場の奥深く。ミーティングルームのドアを開けると大きなマッサージ椅子が目に入る。この部屋でミーティングが行われていないときには、多くの裏方がこのマッサージ機を利用し疲れを癒やしている。

実はこれ、バレンタイン監督からスタッフへのプレゼント。鹿児島キャンプ中に「みんな疲れているだろう。スタッフのみんなで、この機械をどんどん利用してくれ」と、監督がポケットマネーで約40万円を出して電器店で購入。足の裏から首まで丁寧にもんでくれる最高級マッサージ椅子なのだ。音声を記録しておけば「肩」とか「腰」とマイクに話しかけるだけでその部分をもんでくれるから驚き。なかなかマッサージを受ける時間のない裏方にとってはこのマシーンは今や、なくてはならないありがたい存在となっている。

ちなみにこのマッサージ機。キャンプ中は監督の部屋の前の廊下に置かれていた。夜、1日の仕事を終えたスタッフが疲れを癒やすべく、ここに腰掛ける。そんな光景に嬉しそうにしているのがバレンタイン監督。「部屋の中にいて、誰かがマッサージ機を利用してくれている音が聞こえると、なんだか嬉しくなるんだよね」と自分のプレゼントが人気を博していることに笑顔を見せる。

常日頃から私達マリーンズのスタッフ(裏方)を「日本一のスタッフ」と称賛してくれている指揮官。全員の誕生日を覚えてくれていて、祝福してくれたり遠征先で食事に誘ってくれたり。小さな心配りを忘れない。そしてその期待に応えるべく我々も縁の下の力持ちとして頑張っているつもりだ。

試合後、静かになったミーティングルーム。静寂の中、優しい機械の音が聞こえてくる。そこには今夜もマッサージチェアに腰を下ろすスタッフの姿がある。(広報・梶原紀章)

ページトップ