ロッテが4試合連続、今季14度目の2ケタ安打で、1985年10月2日から10月13日以来となる9連勝。貯金を1984年9月25日以来となる14とした。5回、フランコの4号ソロで1点を先制すると、続く6回にはベニーの適時打で1点を追加。最後は小林雅が抑え、ソフトバンク三瀬に次ぐリーグ2位の8セーブ目を挙げた。今季5度目の先発・セラフィニは6回を被安打5、無失点に抑え、今季負けなし来日初の3連勝。ソフトバンクは8回、城島が2試合連続の7号ソロを放つが、得点はその1点のみで、今季2度目の連敗。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
強いチームに優良助っ人は欠かせない。首位ロッテが、2位ソフトバンクに2−1で競り勝ち9連勝。45年ぶりに月間18勝をマークし、21年ぶりに貯金を14として4月を締めくくった。先発セラフィニが6回無失点と好投。攻めてはフランコ、ベニーが貴重な2点をたたき出した。セラフィニは開幕後に太ももを痛めたが、余裕を持った先発ローテーション効果で無傷の3勝目。打線は「首位打者」福浦が左手負傷で大事をとって欠場した中での外国人勢活躍だった。余裕を持った起用法でこの強さ。余力十分で5月に入る。
快進撃の4月を象徴するような、白星だった。息詰まる接戦を勝利に導いたのは、決して派手ではない外国人勢。「昨年もいいチームだったが、今年はそれ以上にいい守り、攻撃、投手陣。自分もチームに貢献して、それが勝ちにつながればいい」。6回無失点と好投し、2−1での勝利をベンチで見届けたセラフィニは安堵の表情を浮かべた。
来日2年目の左腕は、踏ん張った。直球は最速150キロを記録したが、序盤から危機の連続。5回以外は毎回走者を背負った。特に2、4回は塁を埋めたが直球主体の強気の攻めを忘れず、無失点。捕手の橋本も「あそこを抑えたのが大きい」と振り返った。
またも先発が好投した。だが、セラフィニは、決して万全な状態ではなかった。開幕後に両太ももを痛めた。この日は19日以来の登板で、登録即先発だった。先発投手が揃っており、余裕をもって調整できるから、きっちり仕事ができた。
打線も、そうだ。この日、打率リーグトップの福浦は、29日に手を痛めたため、大事をとって欠場していた。ならばと、外国人勢が奮起。5回、フランコが4号先制弾を放った。「外の速い球をうまく弾き返すことができた」。練習中に打撃投手と話し合い、右肩の開きをチェックした成果が出た。6回1死一塁からは李が右前打でつなぎ、ベニーが中前へ適時打。貴重な2点目をたたき出した。「追加点のチャンスだったので、大きいのを狙わずコンパクトにスイングして、ジャストミートすることができた」とチーム打撃に徹した結果だった。
セラフィニ、フランコは昨季終了後、新外国人の獲得状況により契約保留の状態になっていた。新加入がパスクチ1人にとどまったため契約続行となったが、予想を超える大活躍だ。3月27日の楽天戦で満塁弾を放つなど、2発7打点の働きをしたパスクチが2軍調整を続けるほど、優良外国人カルテットは力を発揮している。
○○ぶり、が目立った快進撃の4月を、2位ソフトバンクに2.5ゲーム差をつけて締めくくった。それでもバレンタイン監督は「明日試合を取ることが大事」。それどころか「これで全てとは思っていない。十分成長する余地はある」と話した。
ロッテ先発投手 | ||||||
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月日 | 相手 | 先発 | ローテ | 勝敗 | 投球回 | 失点 |
03-26 | 楽 | 清水直 | 初 | 1敗 | 8 1/3 | 3 |
03-27 | 楽 | 渡辺俊 | 初 | 1勝 | 9 | 0 |
03-28 | オ | 小林宏 | 初 | 1敗 | 6 | 3 |
03-29 | オ | セラフィニ | 初 | 1勝 | 8 | 3 |
03-30 | オ | 小野 | 初 | 1勝 | 7 | 1 |
04-01 | ソ | 清水直 | 中5 | 1勝 | 9 | 0 |
04-02 | ソ | 渡辺俊 | 中5 | - | 5 2/3 | 4 |
04-03 | ソ | 小林宏 | 中5 | 1敗 | 7 2/3 | 2 |
04-04 | 西 | セラフィニ | 中5 | - | 6 0/3 | 1 |
04-05 | 西 | 加藤 | 初 | 1勝 | 6 | 1 |
久保が抹消 | ||||||
04-06 | 西 | 小野 | 中6 | 2勝 | 6 | 3 |
04-08 | 日 | 清水直 | 中6 | 2勝 | 7 2/3 | 2 |
04-09 | 日 | 渡辺俊 | 中6 | 2勝 | 7 | 1 |
04-10 | 日 | 小林宏 | 中6 | 2勝 | 9 | 1 |
04-13 | オ | セラフィニ | 中8 | - | 6 1/3 | 3 |
加藤が抹消 | ||||||
04-15 | ソ | 小野 | 中8 | 1敗 | 4 1/3 | 4 |
04-16 | ソ | 清水直 | 中7 | 2敗 | 8 | 4 |
04-17 | ソ | 渡辺俊 | 中7 | 3勝 | 8 2/3 | 1 |
04-18 | 日 | 小林宏 | 中7 | 2敗 | 5 1/3 | 5 |
04-19 | 日 | セラフィニ | 中5 | 2勝 | 7 | 1 |
セラフィニ抹消 | ||||||
04-22 | 楽 | 小野 | 中6 | 3勝 | 9 | 1 |
04-23 | 楽 | 清水直 | 中6 | 3勝 | 7 | 4 |
04-24 | 楽 | 久保 | 初 | 1勝 | 9 | 0 |
小野が抹消、久保が登録 | ||||||
04-25 | 西 | 渡辺俊 | 中7 | 4勝 | 8 | 2 |
04-26 | 西 | 小林宏 | 中7 | 3勝 | 7 | 1 |
04-27 | 西 | 加藤 | 中21 | 2勝 | 7 | 1 |
加藤が登録 | ||||||
04-29 | ソ | 清水直 | 中5 | 4勝 | 8 1/3 | 4 |
04-30 | ソ | セラフィニ | 中10 | 3勝 | 6 | 0 |
セラフィニ登録 |
野手も休んでます | |||
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選手 | 先発 | 途中 | 欠場 |
今江 | 27 | 1 | 0 |
福浦 | 27 | 0 | 1 |
フランコ | 25 | 1 | 2 |
ベニー | 25 | 0 | 3 |
西岡 | 22 | 3 | 3 |
小坂 | 20 | 7 | 1 |
大塚 | 19 | 5 | 4 |
李 | 17 | 3 | 8 |
里崎 | 15 | 3 | 10 |
堀 | 14 | 1 | 13 |
橋本 | 13 | 2 | 13 |
パスクチ | 7 | 0 | 21 |
サブロー | 6 | 2 | 20 |
代田 | 5 | 12 | 11 |
井上 | 3 | 8 | 17 |
諸積 | 2 | 18 | 8 |
渡辺正 | 2 | 9 | 17 |
初芝 | 2 | 7 | 19 |
平下 | 1 | 2 | 25 |
ロッテが連勝を9に伸ばした。4月は18勝5敗で、ロッテの月間18勝は大毎時代の60年6月に20勝して以来、45年ぶりになる。この日は6回を0点に抑えたセラフィニが勝利投手となり、9連勝は全て先発の白星。救援投手の白星を挟まない9連勝は、91年に広島と西武が記録して以来、14年ぶりだ。ロッテのイニング別失点を見ると、序盤3回まではわずか21点、前半5回まででも36点しかない。ほかの5球団は全て3回までに50失点以上あり、ロッテ先発陣の安定ぶりが分かる。序盤の失点が少ないロッテは28試合のうち21試合で先制し、試合を有利に運んでいる。
パ・リーグ6球団のイニング別失点 | |||||||||||
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球団 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 延長 | 計 |
ロッテ | 3 | 9 | 9 | 11 | 4 | 14 | 11 | 6 | 9 | 0 | 76 |
ソフトバンク | 11 | 8 | 34 | 8 | 9 | 11 | 10 | 12 | 1 | 0 | 104 |
日本ハム | 17 | 22 | 20 | 15 | 16 | 7 | 16 | 13 | 4 | 1 | 131 |
オリックス | 18 | 11 | 23 | 6 | 10 | 21 | 13 | 13 | 4 | 4 | 123 |
西武 | 19 | 25 | 32 | 16 | 8 | 30 | 14 | 13 | 11 | 0 | 168 |
楽天 | 22 | 29 | 13 | 15 | 22 | 31 | 23 | 22 | 8 | 4 | 189 |
左腕のセットアッパー藤田がこの日も抜群の安定感を見せた。7回から打者5人を完璧に抑えこれで今季7試合、計6回1/3を無安打無失点の好投を続けている。「いいピッチングができた。今年は右打者も抑えるつもりでやっている」と話した。チームの好調に「強いねえ。どうなっているのかねえ」と笑顔を見せた。
福浦和也内野手が前日4月29日に左手親指を痛めたため、ソフトバンク8回戦(福岡ドーム)を欠場した。1日の出場は当日の様子を見て決める。
ロッテの快進撃が止まらない。30日、ソフトバンクとの首位攻防第2戦も2−1で逃げ切り、9連勝。首位打者・福浦を“温存”する開幕28試合目で27通り目の「猫の目オーダー」で連日の1点差ゲームを制した。4月を18勝5敗で折り返したチームは60年6月の大毎以来、45年ぶりの「月間18勝以上」に到達。昨年プレーオフ進出を逸した雪辱どころか、31年ぶりの優勝へ突き進んでいる。
ベンチから出てきたバレンタイン監督が顔を紅潮させながら大きく息をついた。「試合の終わり方は色々あるが、最後は内野手が落ち着きのあるプレーで締めてくれた」。1点差の9回1死一、二塁。最後は守護神・小林雅が大村を二ゴロ併殺に切ったが、メジャー通算1117勝の指揮官にとっても連日の辛勝はしびれる展開だった。
開幕28試合目。ここまで唯一、全試合に出場してきた福浦をスタメンから外した。「多少手を痛めていることもあって、1日だけ休ませることにした」。29日の最終打席で左手親指付け根に違和感を覚えたとはいえ、打率.366の首位打者に迷わず休養指令を出すのが今のロッテの強さだ。ブレーク中の西岡さえ6試合スタメンから外れている。ところが休養翌日は打率.435と爆発。西岡だけじゃない。今江、小坂、堀、大塚…。日替わりの出番でも結果を出そうとする競争意識こそが快進撃を支えている。
投手陣も同じだ。小野、加藤は登録と抹消を繰り返しながら計5勝を挙げた。24日の楽天戦(フルスタ宮城)で初先発初完封と鮮烈デビューしたルーキー久保も「中途半端な結果じゃ1軍に残れなかったはず」と言う。この日は“休養明け”のセラフィニが奮投した。19日の日本ハム戦(札幌ドーム)で右太腿裏を痛めて出場選手登録を抹消。中10日で再登録された左腕は6回を5安打無失点と好投した。「相手が強力打線なので集中して投げた。調子はよくなかったけどバックがよく守ってくれた」。
5回にはフランコが先制の4号ソロ。6回には大塚、李承Y、ベニーの3連打で加点と指揮官が繰り出す27番目の打線はしっかり機能した。
前夜は福岡市内でしゃぶしゃぶパーティーを開催。「キャンプからよく頑張ってくれた」とバレンタイン監督が裏方全員を招待したものだ。選手だけじゃない。こんな気配りがチームを一体化させている。85年の10連勝まであと「1」。首位ロッテの勢いは衰えない。
歴史的快進撃に営業サイドは嬉しい悲鳴だ。海浜幕張駅前にある球団オフィシャルショップ「ボールパーク」ではホーム用ユニホームが4月途中で一時売り切れた。ゴールデンウイーク前の28日にようやく追加が届いたが、グッズ担当の北村企画広報も「売れ具合が想定範囲外だった」と驚くばかり。Lサイズに関しては依然として品切れと、快進撃の“余波”は続いている。また敵地・ヤフードームで緊急販売した、エース清水がプロデュースするサポーターズタオルも完売。千葉から200枚を追加するほどの好調ぶりだ。
ノリノリのロッテの連勝が、止まらない。ソフトバンクを連破し、9連勝で貯金は14。4月終了時点での球団記録、昭和25年の貯金12を上回った。
ニッコリはセラフィニ。右太もも痛が治り、1軍登録されたばかりで、6回を5安打無失点と好投し、3勝目だ。普段は陽気な左腕も、試合前は口数少なく、激しい曲調のヘビメタをじっと聴いて集中している。お気に入りは米国のロックバンド『メタリカ』。ズンジャカ、ズガジャガと、まさに“ノリノリ”で気分を高めている。
この日、休養を与えられた首位打者・福浦を欠いた打線も10安打。日替わりヒーローが誕生する選手層の厚さが、快進撃につながっている。
「しばらく投げていなかったセラフィニが力投してくれた。うちのチームはまだまだ成長する余地がある」とバレンタイン監督。1日の先発は、ここまで4勝負けなしの渡辺俊。サブマリンがチームを10連勝に導く。
好投・新垣から5回、フランコが先制の4号ソロ。「自分のバットが得点に結びついてよかったよ」と笑顔。4回の守備では1死満塁のピンチで犠飛を避けるため、大村のファウルグラウンドへの飛球を故意に捕球せず、結果は捕邪飛。続く井手も三振に倒れ、この回の失点はゼロ。「セラフィニが抑えてくれると信じていたけど、ギャンブルだったね」と内心はヒヤヒヤ?
福浦和也内野手がソフトバンク8回戦(ヤフードーム)の試合前に、左手親指つけ根の違和感を訴え、スタメンから外れた。1日の試合には出場する見込み。
ロッテ旋風が止まらない。眼下の敵・ソフトバンクとの首位攻防第2戦は投手戦となったが、2−1で競り勝ち、20年ぶりに破竹の9連勝をマークした。貯金14は1984年9月27日以来、21年ぶり。シーズン102勝の驚異的ペースで連勝街道を突き進んでいる。
勝利の儀式はもはや、日課になりつつあった。三塁ベンチで繰り返されるハイタッチの雨あられ。真っ赤に染まったナインの手が、9連勝の証しだった。連日の接戦を制してソフトバンクに連勝。「シーズンは長い。ウチのチームはまだまだ成長していくよ」バレンタイン監督の自信は、確信へと変わっていた。
強いチームは頭も切れる。絶体絶命のピンチで、スーパープレーが生まれた。4回1死満塁。大村の打球は左翼線上に上がった。左翼・フランコはダッシュで落下点へ。次の瞬間、捕球体勢に入りながらボールはグラブをすり抜けた。打球はファウルゾーンに着地。スタンドの一部からは失笑すら聞こえたが、助っ人はクールな表情で定位置へと戻っていった。
「考えて、ワザと捕らなかったんだよ」。捕球すれば、犠飛で1点を献上する。自身の肩が決して強くないことも承知している。何よりフランコは、序盤とはいえ先制点を許してはならない理由を熟知していた。ロッテは先制点を奪った試合で17勝4敗、8連勝中。捕球しなければピンチは続くが、先行逃げ切りが身上のチームだからこそ「ギャンブルの気持ちで」ボールを見送った。
そして直後の5回。先頭のフランコは“責任”をとりにいった。新垣の外角低め直球を左翼席へ。是が非でも欲しかった先制点。「真ん中寄りの打ちやすいコースだったよ」。難しい外角低めが絶好球に見えるほど集中していた。外国人枠の影響で今季は2軍暮らしの可能性もあった男が、9連勝の立役者となった。
頭脳プレーと先制弾に、助っ人達が加勢。「投手を信頼しているから、フライを見送ったんだ」。フランコのエールを受け、先発・セラフィニがよみがえる。4回まで再三ピンチを招いたが「守りがもり立ててくれた」と5、6回をピシャリ。6回にはベニーが追加点となる適時打。助っ人トリオがチームを乗せた。
4月を終え、28戦21勝。貯金14は、84年の稲尾監督時代以来、21年ぶりの快進撃だ。投げてよし、打ってよし、ついでに頭脳も超優秀。常勝軍団を撃破して、ロッテが堂々、“東の横綱”に躍り出た。
必死にもがいても、全身に巻きついた鎖は最後まで解けなかった。1点ビハインドで迎えた9回1死一、二塁のラストチャンス。頼みのFA戦士・大村の一振りは、二塁正面へ転がりお誂え向きの併殺打となった。「こういう試合をしたら勝てん」重苦しさが漂うベンチ裏に、王監督の嘆きが静かに響いた。
首位決戦で喫した痛すぎる連敗は、打線の大幅組み替えが招いた皮肉な結末だった。左腕・セラフィニ攻略へ左の柴原、宮地、本間を外し、7人の右打者を連ねたオーダー。だが、松中と共に残った左打者の1人、17試合ぶりの1番復帰となった大村が2、4回に訪れた2度の満塁機でいずれも邪飛に倒れた。「あと1本が出なかった?そうですね」とうつむいた失意のリードオフマン。4回までで、8人の走者が塁上に残った。
快走する敵の前で拙攻を繰り返し、その差は2.5に。「1位と2位の力の差じゃない。一方的にやられた訳じゃない」と指揮官。3連敗阻止へ必死に、自らとナインを鼓舞した。
ロッテが20年ぶりの9連勝だ。終盤、ソフトバンクの追撃をかわしての勝利に、試合後のベンチは再び盛り上がった。バレンタイン監督は「救援陣がしっかり投げてくれたし、最後も内野陣が落ち着いて併殺で締めてくれた」と接戦を振り返った。29日に手を痛めた福浦を1試合休養させた。打率リーグトップの牽引役を欠いても、今度は投手陣が踏ん張った。投打がきっちり役割を果たす好循環に、指揮官は「これで全てとは思っていない。まだ十分に成長する余地はある」と貪欲だった。