“パンドラの箱”を開けるのは今しかない。10連勝中のロッテは2日、主砲のベニー・アグバヤニ外野手を起用した弁当「ベニーちゃんのロコモコランチボックス」(900円)を、3日の楽天戦(千葉マリン)から発売すると発表。過去の弁当はことごとく不運をもたらしているが、連勝の勢いに乗って、発売に踏み切った。
呪いを解くには絶好のタイミングだ。1995年以降、弁当のキャラクターに起用された9人の選手は故障、不振、退団…と、不運に見舞われている。だが、現在10連勝中のロッテの貯金は、日本一になった1974年後期以来の15。連勝街道がストップする気配はない。ベニーは「今はチームの状態がいいし、(弁当のジンクスは)関係ないと思うよ」と、弁当の出来に笑顔を見せた。
中身はハワイ出身のベニーを意識したロコモコ(ハンバーグ丼)がメーン。2種類のパッケージ、ユニークなネーミングなど、過去とは違ったスタイルで、ジンクス打破に挑む。
チームの勢いは、ジンクスを凌駕しつつある。弁当発売が決定した1日のソフトバンク戦で、ベニーは3ラン2発6打点の大暴れ。「チームに迷惑はかけたくないからね」と話した。
今季は既に、楽天との開幕2連戦で「開幕弁当」を発売。第2戦で球団新の26得点を奪い、一気に波に乗った事実もある。千葉マリンも現在8連勝中の最高の舞台「今回こそ弁当が幸運を運んでくるはずだ」と自信満々のベニー。パ全球団に大きく勝ち越している現在、ジンクスこそが最強の敵なのかもしれない。呪いを解いて、45年ぶりの11連勝を達成した時、ロッテは無敵のチームになる。
リーグトップの30打点を挙げているロッテのベニー・アグバヤニ外野手のオリジナル弁当が、3日の楽天戦から千葉マリンに登場することになった。その名も『ベニーちゃんのロコモコランチボックス』=写真。ハワイ出身にちなみ、ロコモコ(ハンバーグ丼)やスパム(現地でおなじみのハム)など。「ハワイではポピュラーな食事。家族で球場に来て食べて欲しいね」とベニー。
楽天との開幕カードで“開幕対決弁当”を出すなど、オリジナル弁当はマリン名物。平成14年に黒木、小坂の弁当が発売された際は、黒木が故障に苦しみ、小坂も規定打席に届かなかったというジンクスもあるが、ベニーは「今はチームがいい野球をしている。今回は幸運をもたらせばいいね」。10連勝、貯金15と波に乗るロッテ。弁当で満腹にして、試合を満喫しよう。
ロッテ球団がプロ3年目の西岡剛内野手をテレビCMで売り出す計画を進めていることが2日、分かった。瀬戸山球団代表が「具体的なことは決まっていないが、検討しているのは事実」と明かした。有力なのはチョコレート、ガムなどロッテ本社の主力商品のCM。ロッテ本社関係者は「まだ話をできる段階ではない」と慎重だが“甘党”を自認し、チョコレートが大好物というイケメンの20歳は格好のキャラクターとなる。
球団はCM以外でもスター候補生のアピールに躍起で、3日からの楽天戦(千葉マリン)で無料配布するカード別マッチプログラムの表紙や5月のチームポスターに西岡を起用した。今季はここまで打率.333、得点圏打率もリーグトップの.577。10連勝中のチームを引っ張る若きスター西岡にグラウンド外でも注目だ。
3日から千葉マリンで「ベニーちゃんのロコモコランチボックス」(価格900円)が発売される。具材はハワイ出身のベニーにちなみロコモコに豚肉のハワイソース焼き、スパム。これまでキャラクター弁当のモデルとなった選手は、故障や退団に見舞われる“ジンクス”があったが「今回こそは幸運をもたらしてくれるさ」と笑顔。左太腿に痛みを抱えるが、1日のソフトバンク戦(ヤフードーム)で2発を放った主砲は不安も一緒に吹き飛ばしていた。
日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会は2日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で6日からスタートする「日本生命セ・パ交流戦」のPR会見を合同で開催した。
パ・リーグの村田事務局長は「1967年11月のオーナー会議で東京オリオンズ(現ロッテ)の永田雅一オーナーが始めて提案されてから38年。交流戦を実現できることに感慨深いものがある」。ヤクルト・宮本とともに会見に出席したロッテの清水は「セとパ、どちらが力があるのか、全球団のエースと投げ合って試してみたい」と意気込んだ。また、選手会では「ライバル宣言」と題して、12球団の選手に聞いた「対戦したい選手」アンケート結果などをホームページで紹介。ファンの関心を誘っている。
NPB(日本プロ野球組織)と日本プロ野球選手会が2日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で、6日に開幕する「日本生命セ・パ交流戦」を盛り上げるため共同で記者会見を開いた。
会見にはヤクルト・宮本慎也内野手とロッテ・清水直行投手が出席。ヤクルトは6連勝中、ロッテも10連勝中とチーム状態がいいだけに、清水が「アテネ五輪やプライベートでお世話になっている分、抑えて恩返ししたい」といえば、宮本が「清水の(決め球の)しょぼいカーブを打ちたい」とやり返し、笑顔で“前哨戦”ムードを盛り上げた。
日本プロ野球選手会と日本プロ野球組織(NPB)は2日「日本生命セ・パ交流戦」(5月6日から6月16日)の振興企画などを合同で発表した。開幕の6日には開催6球場で両チームの選手会長による「開幕宣言」が行われ、選手会のホームページ(HP)では「ライバル宣言」として選手が相手リーグの選手を指名し、対決を盛り上げる。
選手会の古田会長(ヤクルト)は負傷のため欠席したが、会見にはヤクルト・宮本、ロッテ・清水が出席。清水は「セと真剣勝負がしたかった。パにもセに劣らない素晴らしい選手がいるというのをファンに見せたい」と対抗心をむき出しにした。宮本は「ライバルは清水。しょぼいカーブを打ちたい」と笑わせた。この日から選手会HPでは球団別に各選手が指名した「ライバル」の選手名が掲載されている。選手会では巨人・清原ら、アンケート未回収の選手についても今後掲載していく予定という。
ロッテが3日から千葉マリンで迎える楽天戦で、プロ野球記録をつくった60年以来、45年ぶりの11連勝を狙う。ソフトバンクに3タテを食らわせ、10連勝で福岡から1日に帰京。2日は休養日で、調整練習した先発予定の小林宏は「楽天?油断はできない」と気持ちを引き締めた。連勝記録には「先に負けられないから、いいプレッシャーにしている」と語った。
万全の態勢で楽天と戦う。ここまで連勝中、故障者が相次いだ。売り出し中の西岡が4月25日に右ヒザ内側に違和感を訴えていたが、同29日に先発復帰。首位打者福浦は同29日に左手親指を痛め、2試合を欠場中だが、「先発?行けます」と表情は明るかった。セットアッパーの薮田は同26日に左スネに打球を受け、左脛骨打撲と診断。ソフトバンク3連戦は登板を回避したが「大したことはない」と状態を見ながら、復帰する見込みだ。
故障組に無理させず、柔軟な選手起用を見せるバレンタイン流の采配で連勝を伸ばしている。45年前の11連勝は大毎オリオンズ時代で、その時はプロ野球記録の18まで伸びた。「18連勝」のXデーは順調なら11日の交流試合の阪神戦。バレンタイン監督は「次の試合のことだけを考える」が口癖となっているが、記録への挑戦ムードが高まってきた。
10日から本拠地千葉マリンで行われる交流戦で、イベントを企画している。まずセ6球団との交流戦始球式では、対戦相手にも在籍したOBを起用。横浜戦では牛島監督が登板する予定だ。また交流戦限定弁当を発売。相手球団のマスコットを千葉マリンに招き、共に盛り上げる。ナイターでは毎試合花火を打ち上げる。交流戦オリジナルTシャツも販売。ファンクラブ会員には先着順に対戦チームロゴを使用した交流戦限定ピンバッジをプレゼントする。
主砲ベニーのオリジナル弁当が3日の楽天戦から千葉マリンで発売される。「ベニーちゃんのロコモコ・ランチボックス」。出身地ハワイにちなんだロコモコ(ハンバーグ)丼。豚肉のハワイアンソース焼きやハムが入るなどボリュームも満点で価格は900円。ベニーもハワイアン衣装で写真撮影をするなど全面協力した。打点はリーグトップの30と調子も上向き。「自分の弁当が出て嬉しいね。家族で食べて欲しい」と笑顔だった。
最も客を呼べるのは阪神だった。今季から12球団は実数に近い観客発表に踏み切ったが、2日現在で1試合平均の観客数は、阪神が巨人を抑えて1位。開幕当初の好調もあり、平均4万3000人超の集客となった。昨季までは各球団発表の本拠地最大収容人員の発表数も不正確な球場が多かっただけに、実態が明らかになりつつある。だが測定法の違いなど、完全な実数とはいえない問題点も残されている。「実数発表」を検証する。
開幕から約1ヶ月が経過した改革元年のプロ野球。2日現在で、阪神の1試合平均観客数は4万3141人。2位の巨人に3000人以上の差を付けトップだった。世界で1番、観客を呼べる球団と呼ばれていたのは巨人。だが今季から導入された「実数発表」では、違う結果が出た。
阪神牧田球団社長は実数発表の感想に「正直言って、期待通りの数字かそれ以上です。予想より若干多めに売れているかなと思います」と話した。現状では4位だが、開幕当初からの好調が、集客力につながったことに違いはない。相手チームの本拠地他球場でも、黄色のメガホンが左翼席を埋める光景が多い。
巨人は冷静に現状を受け止めている。桃井球団社長は「巨人では実数という表現ではなく『実体に近い数字』という認識でいます。同じくらいか、増えている。増えたというのはエキサイトシート(228席)の分があるので」と説明。昨季まで東京ドームの満員を5万5000人と発表してきたが、今季は4万5600人に修正した1万人の溝がある。数字が減っても、増えた認識を持っている。
実数発表への不安を抱く球団は少なくない。
今季全体で最少の観客数の3875人(4月13日、ヤクルト戦)を発表したのは横浜だ。
日本プロ野球の人気凋落と受け止められる可能性はある。だが、現実を受け止めなければ、将来は見えてこないだろう。
首位を走るロッテと中日の観客数は前年とほぼ同じ。強さが「実数」でも客足を呼んでいると言える。ヤクルト、横浜、日本ハム、西武などは入場時間によって、格安料金にするなどサービスも行っている。ガラス張りの野球場からファンの姿も新しい球界も見えてくる。
今年と同試合消化時の観客数比較(05年は2日現在) | ||||||||
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球団 | 試合 | 05年 | 04年 | 前年比 (%) | ||||
平均 | 観客数 | 平均 | 観客数 | |||||
ソフトバンク | 17 | 28148 | 478523 | 47353 | 805000 | -40.6 | ||
オリックス | 14 | 17428 | 243993 | 21214 | 297000 | -17.8 | ||
日本ハム | 17 | 16663 | 283266 | 25353 | 431000 | -34.3 | ||
ロッテ | 12 | 16260 | 195116 | 16333 | 196000 | -0.5 | ||
楽天 | 17 | 12954 | 220223 | - | - | - | ||
西武 | 13 | 11122 | 144582 | 22000 | 286000 | -49.4 | ||
近鉄 | 17 | - | - | 19000 | 323000 | - | ||
パ計 | 90 | 17397 | 1565703 | 25978 | 2338000 | -33.0 | ||
阪神 | 12 | 43141 | 517696 | 52917 | 635000 | -18.5 | ||
巨人 | 11 | 40033 | 440364 | 55000 | 605000 | -27.2 | ||
中日 | 11 | 31573 | 347300 | 31727 | 349000 | -0.5 | ||
ヤクルト | 13 | 20949 | 272332 | 27000 | 351000 | -22.4 | ||
横浜 | 13 | 14777 | 192096 | 21923 | 285000 | -32.6 | ||
広島 | 15 | 13123 | 196845 | 14000 | 210000 | -6.3 | ||
セ計 | 75 | 26222 | 1966633 | 32467 | 2435000 | -19.2 |
球団別の今季最多、最少観客数 | ||||||
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球団 | 最多観客数 | 最少観客数 | ||||
月日 | 相手(球場) | 観客数(昨年) | 月日 | 相手(球場) | 観客数(昨年) | |
ソフトバンク | 05-01 | ロッテ(福岡D) | 35097(52000) | 04-19 | オリックス(北九州) | 15960(24000) |
オリックス | 04-24 | 日本ハム(東京D) | 26031(46000) | 03-30 | ロッテ(大阪D) | 10391(9000) |
日本ハム | 03-28 | 西武(札幌D) | 25236(43000) | 04-01 | オリックス(札幌D) | 10391(9000) |
ロッテ | 03-26 | 楽天(千葉) | 28353(35000) | 04-13 | オリックス(千葉) | 8104(8000) |
楽天 | 04-06 | 日本ハム(いわき) | 18794(-) | 04-26 | オリックス(山形) | 6053(-) |
西武 | 03-26 | オリックス(西武D) | 18698(48000) | 04-12 | 日本ハム(西武D) | 6404(10000) |
阪神 | 04-14 | 巨人(甲子園) | 47934(53000) | 04-02 | ヤクルト(大阪D) | 33404(25000) |
巨人 | 04-21 | 阪神(東京D) | 44703(55000) | 04-27 | ヤクルト(福岡D) | 25696(30000) |
中日 | 04-23 | 巨人(ナゴヤD) | 37600(40500) | 04-13 | 広島(豊橋) | 11500(12000) |
ヤクルト | 04-29 | 阪神(神宮) | 33050(45000) | 04-19 | 横浜(神宮) | 13242(8000) |
横浜 | 04-23 | 阪神(横浜) | 24903(30000) | 04-13 | ヤクルト(横浜) | 3875(10000) |
広島 | 04-29 | 巨人(広島) | 26263(30000) | 04-20 | 中日(広島) | 6634(6000) |
[注]ソフトバンクとオリックスの昨年最多は東京ドームで記録
昨年の観客数 | ||||||||
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球団 | 試合 | 観客数 | 平均 | |||||
ダイエー | 66 | 3070000 | 46515 | |||||
西武 | 68 | 1649000 | 24250 | |||||
日本ハム | 65 | 1616000 | 24862 | |||||
ロッテ | 67 | 1596000 | 23821 | |||||
オリックス | 65 | 1415000 | 21769 | |||||
近鉄 | 68 | 1338000 | 19676 | |||||
パ計 | 399 | 10684000 | 26777 | |||||
巨人 | 70 | 3744500 | 53493 | |||||
阪神 | 70 | 3523000 | 50329 | |||||
中日 | 68 | 2330500 | 34272 | |||||
ヤクルト | 68 | 1686000 | 24794 | |||||
横浜 | 68 | 1500000 | 22059 | |||||
広島 | 70 | 986000 | 14086 | |||||
セ計 | 414 | 13770000 | 33261 |
実数なのに、なぜ12球団の手法がバラバラなのか。現在は各球団がそれぞれ「実数の定義」を定め、それに従い集計、発表している。そのため、例えば年間指定席を数える球団も入場者だけの球団もある。 当然、議論はあった。実数とは何か。年間指定席を含め券は売れているのに観客が来ない場合もある。試合が何回まで進んだら来場しないと判断すべきか。試合開始後に値引きチケットを発売する球団では、試合終了まで増えつづける可能性を主張したくなる。
集計にも難関があった。これまでも球団は後日、資料として「実数」を把握していた。しかし、試合中の集計にノウハウを持たぬ球団もあった。札幌ドームのようにゲートに設定されているセンサーで数えられる球場もあるが、ほとんどは手作業。その人員にも差があり、集計時間にも差が出てくる。かなりおかしな日本語だが“本当の実数”を出すとなれば「試合中は無理。翌日以降になってしまう」という球団もあった。各球団とも、根本に「少しでも多く発表したい」という思いがあり、統一には到らなかった。
しかし、今回は「あまりに実態とかけ離れていては不誠実」という観点から動き始めた。多少の誤差を問題視する必要はないだろう。球団も試行錯誤している。今後、他球団を参考に改善したり、球場を改装、新築するときに集計システムを導入するケースも出てくるはず。今は「実数に近い」だが、いつか「近い」が取れる日もくるだろう。