ロッテが60年にプロ野球記録の18連勝を記録して以来、45年ぶりとなる11連勝をマーク。本拠地での連勝もチームタイ記録の9に伸ばして、貯金を今季最多の16とした。ロッテは同点の5回、2死満塁から福浦が走者一掃の3点適時二塁打を放ち勝ち越しに成功。その後先発小林宏が7回途中に3点を失って1点差まで詰め寄られるが、後を継いだ藤田、薮田、小林雅が無失点に抑え逃げ切った。一方楽天は7回に藤井、酒井の連続適時打で追い上げるが、あと一歩届かずに対ロッテ5連敗で借金は今季最多の19となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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東北楽天 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 |
千葉ロッテ | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | x | 4 |
首位ロッテの快進撃が止まらない。楽天に4−3で競り勝ち1960年(昭和35年)の大毎オリオンズ時代以来、45年ぶりの11連勝を飾った。5回2死満塁で首位打者の福浦が走者一掃の二塁打を放って勝ち越し。先発の小林宏から藤田、薮田、小林雅とつなぎ、1点差を守った。今季満塁の場面でのチーム打率は5割4分5厘と好機を逃さない。ゴールデンウイーク、今季最多2万8472人が詰め掛けた千葉マリンで、ファンに強さを見せつけた。
西日を受けたロッテナインの表情は充実感に満ちていた。11連勝を飾ると、選手はグラウンドに出て今季最多の大観衆に向かって挨拶した。恒例となった勝利の儀式。「みんなの声援が打たせてくれた。最高です!」とヒーローの福浦がお立ち台で声を弾ませると、千葉マリンの地鳴りのような声援はしばらく収まらなかった。
次々と本塁を駆け抜けた。チーム得意の満塁の場面は、5回裏2死で福浦に巡って来た。ファウルで5球粘り、フルカウントから10球目。低め直球を振り切った。痛烈な打球が右翼線を転がる。満塁一掃のV打に二塁上で両手をたたいた。
満塁の場面で今季チーム打率はリーグトップの5割4分5厘。福浦も満塁は大好き。5打席回って来て3打数3安打9打点、他の2打席も押し出し四球に犠飛の10割と満塁男の面目躍如だ。
5回のお膳立てもサブローの内野安打から始まり、大塚のバント安打、今江の送りバント、西岡の四球とつなぎの意識から生まれた。福浦は4月29日に右手甲を痛め、バレンタイン監督は2試合欠場させた。復帰即活躍と、指揮官の無理をさせない先を見据えた采配が奏功している。
この福浦、キャンプ直前の更改では3年総額推定6億円超の球団史上最高の大型契約を結んだ。バレンタイン監督は「大型契約を結んだので、通常はスロースターターだが、今年は良いスタートを切って欲しいとお願いした。その通りの活躍」と称えた。
45年前の大毎は榎本、田宮、山内で打率ベスト3を独占。「ミサイル打線」と呼ばれた。今季のロッテも首位打者に福浦(3割6分5厘)2位にフランコ(3割4分6厘)3位に西岡(3割4分3厘)と上位を独占。一部ファンの間ではマリーンズとマシンガンを組み合わせ「マリンガン打線」と呼ばれているほどだ。バレンタイン監督は「良い野球ができている。連勝?1つ1つ考えながら戦っているだけ。意識はしていない」と余裕すら漂う。45年前はプロ野球記録となる18まで連勝は伸びた。今年も歴史的な快進撃はまだまだ続きそうだ。
ロッテは千葉マリンで4月3日ソフトバンク戦から9連勝。95年6〜7月に同球場でマークした本拠地9連勝の球団最多記録に並んだ。
福浦が満塁で走者一掃の二塁打。これで今季ロッテの満塁成績は33打数18安打、打率5割4分5厘となった。中でも福浦の今季満塁成績は四球1、右犠1、右安2、中安2、右二3。5打席全て打点を挙げ、3打数3安打、9打点と「満塁男」になっている。
パ・リーグの満塁成績(3日現在) | |||||
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チーム | 打 | 安 | 本 | 点 | 率 |
ロッテ | 33 | 18 | 3 | 51 | .545 |
日本ハム | 45 | 19 | 4 | 44 | .422 |
西武 | 32 | 8 | 0 | 18 | .250 |
ソフトバンク | 24 | 6 | 1 | 19 | .250 |
オリックス | 33 | 8 | 1 | 21 | .242 |
楽天 | 22 | 5 | 0 | 13 | .227 |
ロッテの11連勝は全て先発投手が勝利。先発11連勝は91年西武(渡辺久、石井、工藤ら)が2分けを挟んで11連勝して以来だが、今回のロッテのように引き分けなしで先発が11戦11勝したのは63年9〜10月に阪神が村山、小山、バッキーらで11連勝して以来42年ぶりになる。
ロッテの11連勝以上 | |
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連勝 | 年月日&相手 |
18 | 60-06-05近鉄〜06-29近鉄 |
15 | 50-05-12西鉄〜06-04阪急 |
12 | 59-08-04南海〜08-23南海 |
11 | 05-04-19日本ハム〜05-03楽天 |
60年18連勝は1分けを挟む。
当時のチーム名は大映と毎日が合併した大毎。6月5日から29日まで1分けを挟んでプロ野球最多タイの18連勝。10年ぶりにリーグ優勝した攻撃陣は「ミサイル打線」と呼ばれた。阪神時代に首位打者の経験を持つ田宮が2番に入る布陣。3番榎本が首位打者、4番山内が本塁打、打点の2冠王になった。打撃3傑は榎本、田宮、山内で独占。18連勝中に10勝を稼いだ小野は33勝で最多勝、最優秀防御率、勝率1位に輝いた。
60年大毎ミサイル打線 | ||||||||
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打順 | 位置 | 名前 | 打 | 安 | 本 | 点 | 率 | |
1 | 二 | 柳田利夫 | 386 | 96 | 12 | 34 | .249 | |
2 | 中 | 田宮謙次郎 | 479 | 152 | 12 | 62 | .317 | 打率2位 |
3 | 一 | 榎本喜八 | 494 | 170 | 11 | 66 | .344 | 首位打者 |
4 | 左 | 山内和弘 | 483 | 151 | 32 | 103 | .313 | 本塁打王、打点王、打率3位 |
5 | 三 | 葛城隆雄 | 455 | 134 | 5 | 43 | .295 | |
6 | 捕 | 谷本稔 | 324 | 86 | 3 | 43 | .265 | |
7 | 遊 | 八田正 | 282 | 73 | 4 | 25 | .259 | |
8 | 右 | 矢頭高雄 | 396 | 90 | 5 | 40 | .227 | |
9 | 投 | 小野正一 | 33勝11敗、防御率1.98 | 最多勝、最優秀防御率、勝率1位 |
山内はのちに一弘に改名。
楽天戦のロッテ先発 | ||||||||
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打順 | 位置 | 名前 | 打 | 安 | 本 | 点 | 率 | |
1 | 遊 | 西岡 | 99 | 34 | 2 | 20 | .343 | 打率3位 |
2 | 二 | 堀 | 64 | 24 | 0 | 6 | .375 | |
3 | 一 | 福浦 | 104 | 38 | 1 | 24 | .365 | 首位打者 |
4 | 指 | ベニー | 101 | 28 | 6 | 31 | .277 | 打点王 |
5 | 捕 | 里崎 | 60 | 17 | 1 | 8 | .283 | |
6 | 左 | フランコ | 104 | 36 | 5 | 23 | .346 | 打率2位 |
7 | 右 | サブロー | 30 | 12 | 0 | 4 | .400 | |
8 | 中 | 大塚 | 72 | 24 | 1 | 9 | .333 | |
9 | 三 | 今江 | 94 | 27 | 2 | 20 | .287 |
ロッテが連勝を45年ぶりの「11」に伸ばした。首位のロッテは3日、楽天戦で3試合ぶりに戦列復帰した福浦和也内野手が5回2死満塁で走者一掃の右翼線二塁打を放ち快勝した。この日の千葉マリンは今季最多の観衆2万8472人。ファンの大声援を味方につけ、連勝街道はまだまだ続く。
全身が興奮で打ち震えていた。同点で迎えた5回2死満塁、カウント2−3から小山の10球目を右翼線に走者一掃の勝ち越し二塁打。これで今季は満塁機で3打数3安打の10割。普段は感情を表に出さない福浦が2度、3度とガッツポーズだ。
首位攻防3連戦の初戦となった4月29日のソフトバンク戦(ヤフードーム)で右手首を痛め、その後の2試合を欠場した。「“とにかく勝ってくれ”ってベンチでは見ていたけど本当に強い。自分が出場して負けたらシャレにならないと思った」。故障からの復帰初戦。チームの勢いを止めたくない一心で運んだ決勝打だった。
昨オフ、選手会副会長に就任し、3年6億円(推定)の大型契約を結んだ。契約更改の席では瀬戸山球団代表から「主将のつもりで引っ張って欲しい」と激励され、バレンタイン監督からは「スロースターターだが、大型契約もしたし最初から飛ばしてくれ」と大きな期待を寄せられた。2月には長男・功己くんが誕生。帽子の裏には愛息の名前がペンで記されている。様々な要素が発奮材料になっていた。
「福浦は2試合休んだが、ちょうどいいタイミングで戻ってきてくれた。満塁は投手にプレッシャーが掛かるもの。そんな気持ちで打席に立ってくれた」。福浦の活躍をバレンタイン監督は誇らしげに振り返った。打率.365でリーグトップの福浦だけでなく、ベスト3はロッテ勢が独占。チーム防御率も2.64。45年ぶりの11連勝は当然の結果だ。
「まだまだ始まったばかり。でも、このままいければ…」。4年ぶりの首位打者を狙う福浦も確かな手応えを感じている。60年の毎日時代に成し遂げた18連勝。今のロッテなら決して夢物語ではない。
先発した小林宏が、6回1/3を3失点で4勝目を挙げた。6回には高須の投前への強烈なゴロを右足に当て、素早く捕球して一塁に送球。惜しくも内野安打となったが、気迫のプレーでスタンドを沸かせた。粘投の右腕は「調子は最悪。低めに集めることを心がけました」と、クールに振り返った。
大歓声と、スタンドの地鳴りは、関東一円にとどろいたかもしれない。今季最多の28472人を飲み込んだ千葉マリンで、昭和35年に前身の大毎が樹立して以来、45年ぶりの11連勝。歴史的快挙に、興奮がおさまらなかった。
「一生懸命やっているのが(結果に)つながっているのでしょう。本当にいい雰囲気です」。福浦はお立ち台で体を震わせていた。
同点で迎えた5回2死満塁で、粘りに粘って10球目を右翼線へジャストミート。3人の走者を生還させ、二塁ベース上で両こぶしを突き上げた。
4月29日のソフトバンク戦で右手甲を負傷し、2試合欠場後の復帰戦。「自分が出て負けたら、シャレにならないですからね。チームの勝利に貢献できるように…」と、好調な流れに水を差さないように心がけた。
2月のキャンプ中に第1子が誕生。出産に立ち会い、翌日、練習に復帰した。常にチームのことを考える男は、水を差すどころか勢いを加えた。
楽天戦18打数12安打と好調だった切り込み隊長・西岡は、この日も2安打。5回の勝ち越し機では、こちらも9球粘って四球。「打ってヒーローになりたい気持ちをこらえた」と後ろにつなげ、2得点だ。
昨年、開幕直後に首位を経験したとき、“いずれ落ちるだろう”という気持ちが、ナインの中に少なからずあった。だが、1勝差でプレーオフを逃した悔しさが身にしみた。今年は違う。
「みんな調子がいいし、『オレも!』というのはある。近年にないくらいの勢いなんです」と福浦。1つの勝利を貪欲につかみに行く新生ロッテには、日替わりでヒーローが誕生する。首位打者争いは福浦、フランコ、西岡が上位を独占。投手陣の安定感は、12球団随一だ。
「本当にいい野球ができている。連勝は意識せず、1つ1つ勝っていくだけさ」とバレンタイン監督。日本記録は18連勝。快挙達成のムードは、日に日に高まっている。
先発の小林宏は7回途中8安打3失点(自責2)で降板。苦しみながらの4勝目に「球の走りもコントロールも調子は最悪でした」と苦い表情。それでも好調な打線にも助けられ、チームの連勝は11に伸びた。「本当に野手の皆さんのおかげ。今はチームに負ける雰囲気がない」と頼もしい打線に感謝していた。
ロッテが強い!本当に強い!10連勝中のロッテは1−1で迎えた5回2死満塁の絶好機で、福浦和也内野手が右翼線に走者一掃の3点勝ち越し二塁打。4−3で楽天を撃破し、1960年以来の11連勝をマークした。勝率7割6分7厘は、30試合消化時点では球団史上最高。ロッテ祭りは果てしなく続く。
5回2死満塁、福浦が勝ち越しの右翼線適時二塁打を放つ 地鳴りのような大歓声が、福浦の背中を後押しする。同点の5回2死満塁。「真っすぐだけだ」10球目。内角低めの直球を、右翼線へ弾き返す。走者一掃の3点二塁打。純白に染まった超満員のスタンドに応えるように、二塁塁上の福浦は青空に両手を掲げた。
「僕が試合に出て負けたらシャレにならない」右手甲の痛みから復帰して、3試合ぶりの出場。好調な周囲に乗り遅れまいと必死だった。今季、満塁では3打数3安打の打率10割、打点9。チームリーダーの責任感が、決勝打を生み出した。
貧打と言われた打撃陣だが、福浦、フランコ、西岡のロッテ勢が打撃30傑のトップ3を独占。福浦だけでなく、満塁でのチーム打率は5割2分9厘と、全員が「満塁男」。リリーフ陣も鉄壁だ。7回、小林宏が1点差に詰め寄られたが、藤田、薮田、小林雅が無安打救援。小林宏は「負ける雰囲気がない。どんな展開でも勝つ気がする」と強さを自覚する。
グラウンドで光を放ち続けるナインの陰では、結束力強化を目指す指揮官の努力があった。就任1年目の昨季から、選手と直接コミュニケーションを取るために、1日数時間の日本語学習を継続。中曽根通訳は「最近は難しい日本語を教えないようにしている。僕の仕事がなくなっちゃうからね」と冗談を言うほどの上達ぶり。意思疎通に不安はなくなり、ベンチの一体感は強まった。
30試合終了時の勝率は、球団史上最高の7割6分7厘。だが、今を最高の瞬間にするつもりは毛頭ない。今季のスローガンは「BUILDING OUR DREAM」。「いい野球ができている。1試合ずつ、違った形で勝利をものにしていきたい」と話すバレンタイン監督に慢心の色は一切見えない。まだ夢の途中。最高の「DREAM」は、31年ぶりの優勝と、心に決めている。
ロッテが、45年ぶりに新たな歴史を刻んだ。1点差の9回を小林雅が3者凡退に仕留めると、今季最多の2万8472人が詰め掛けたスタジアムは大歓声に沸いた。前身の大毎オリオンズが1960年に記録して以来の11連勝。当時の大毎は18連勝をマークし、54年の南海(現ソフトバンク)と共に最多連勝のプロ野球記録となっている。
5回の攻撃がチームの集中力の高さを象徴していた。無死一塁から8番大塚が絶妙のバント安打で好機を広げ、続く今江の犠打で1死二、三塁。西岡は「打ってヒーローになりたい気持ちをこらえた」と9球粘って四球を選んだ。そして2死後の福浦。今季満塁で打率10割の頼れる3番打者はフルカウントから10球目の内角直球を右翼線に運び、走者一掃の勝ち越し二塁打。「内角低めは好きなコース。相手も押し出しは嫌だろうから、直球を狙っていた」としてやったりの表情だった。
万全の継投で楽天の反撃をしのいだ。先発の小林宏は6回1/3を自責2に抑えた。「球は走らなかったし制球も悪かった」というが4勝目を飾った。6回に高須の打球を止めようと咄嗟に右足を出し、スネに打球を受けた。試合後はアイシングで「思わず足が出てしまった。大丈夫です」と振り返った。これで23勝中、先発投手が22勝だ。さらに左腕の藤田も好投。今季8戦、計7回を無安打無失点の快投。400試合連続救援登板にリーチをかけた。「とにかく抑えることだけ考えた」と話した。
サブロー外野手(28)の美智代夫人(32)が4月21日に都内の病院で第二子(長男)を出産。勝星(しょうせい)と命名した。
ロッテが13〜22日に千葉マリン球場で清水直行投手が先発する試合に共にタオルを回して登板する小学生をペア募集する。