交流戦第1戦は、横浜が接戦をサヨナラ勝ちで制した。横浜は1点リードされた9回、3四死球で1死満塁から、村田がプロ入り初のサヨナラ2点適時打放ち今季2度目のサヨナラ勝ちで今季初の4連勝。勝率5割に戻し3位に浮上。ロッテは両チーム無得点で迎えた7回、フランコがここまで2安打に抑えられていた三浦から6号ソロで先制するも、清水を9回途中からリリーフした小林雅がリードを守りきれず昨年5月29日近鉄戦以来の負け投手、今季2度目の連敗で貯金は15。試合のなかった2位ソフトバンクとのゲーム差は2となる。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
横浜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2x | 2x |
外野をフランコ、李、ベニーの外国人勢で占め、李が今季初の2番に座るという交流戦対策の攻撃オーダーも実らなかった。「交流戦という新たなステージで、ロッテの魅力と強さを見せたいと思った」というフランコの1発のみに終わった。バレンタイン監督は李の2番起用に「2番に置けば打点を多く稼ぐチャンスがあると思った」と説明した。
1点リードの最終回、1死満塁。小林雅が投じた村田への4球目はど真ん中へ入り、当然のごとく左前へはじき返された。まさかのサヨナラゲーム。降りしきる雨に打たれ、うつむきながらベンチへ向かう守護神。その足取りは重く「申し訳ない」とつぶやいた後に、しばらく言葉を失った。
思惑通りの展開だった。息詰まる投手戦の中、7回にフランコの1発で均衡を破れば、エース・清水も味方の堅守に支えられながら8回まで「0」を並べた。セ・リーグ相手にも盤石の強さを見せつけるのは、目前だったのだが…。
昨年は序盤で7度の救援失敗を犯し、プレーオフを逃した責任を負った守護神。巻き返しを誓った今季は、10試合の登板でここまで失敗はゼロだったが、記念すべき交流戦開幕試合で、制球を乱した。バレンタイン監督は「(小林雅は)これまで素晴らしい活躍をしてくれている」と変わらぬ信頼を強調したが、同時に「思い通りにいかなかった」と肩を落とした。
チーム打率3割超を誇る打線も、横浜投手陣の前に今季最少の3安打と沈黙した。2度目の連敗だが、その2戦の合計安打数はわずかに7。記録的な快進撃から一転、ロッテが今年初めての正念場を迎えようとしている。
大洋OBの201勝投手・平松政次氏と2057安打のロッテOB・有藤道世氏が務めた。共に現役時代のユニホーム姿で登場。平松氏の山なりのボールを有藤氏がカットして、スタジアムをわかせた。有藤氏は「僕らの頃から(交流戦は)やりたかったよ。ファンも楽しみじゃないかな」と笑顔。平松氏も「我々の時代は経験できなかったからね。やってよかったという試合をして欲しい」と期待を寄せていた。
ここは千葉マリンではなかった。雨に煙るハマで悪夢だ。
打球が三遊間を抜けていく。マウンドの小林雅は思わず下を向いた。今季初の救援失敗。ここまで9セーブの守護神は、横浜ファンの大歓声を背中に浴びて、足早に球場をあとにした。
「申し訳ない。四球でピンチを作ってしまった。4番をきっちり抑えていれば…」。佐伯に与えた四球を悔やんだ。
これが交流戦なのか。今季ここまでは、結果的に抑えてきたが、11試合中7試合で走者を背負う展開だった守護神。ついに横浜で土がついた。バレンタイン監督は「タフな状況をこれまで抑えてきたので、彼を信じて送った。(最後は)打ち取った当たり」と小林雅をかばったが…。
前日5日に連勝が12でストップし、心機一転で臨んだ交流戦の“湾岸ダービー”はサヨナラ負け。ハマのベンチには久しく味わっていなかった重苦しい空気が、プンプンと漂っていた。
8回まで4安打無失点と好投した清水だが、9回、先頭の金城に死球を与えたところで降板を命じられ、勝ち星はつかなかった。エースは「降板は監督が決めることだし、仕方ない」と淡々。バレンタイン監督は「とてもよく投げてくれていたが、コントロールに心配があると思って代えた」と説明。初体験の公式戦の打席では3打数無安打だった。
マウンド上の小林雅も、先発した清水も、ベンチもまさかのサヨナラ負けに呆然となった。雨の中、ロッテナインは肩を落として引き揚げた。完封ペースの清水が9回、金城に死球を与えたところで守護神の小林雅にスイッチ。だが4番佐伯にいきなり四球を与えて傷口を広げ、継投が裏目に出た。バレンタイン監督は「タフな状況だったが抑えてくれると信じていた」と、今季2度目のサヨナラ負けを淡々と振り返った。
11度目の登板で初めて救援に失敗した小林雅は「雨は関係ない。4番をきっちりと抑えられず、悪い状況をつくってしまった。申し訳ない」と話した。清水は「継投?マサやんを信頼してますから」と9回降板に理解を見せた。初の交流戦について「打席に立つことは影響なかった。セの打者はバットコントロールがうまいので、コースに投げた」と気をつけた。12連勝後に4月16日以来、今季2度目の2連敗。横浜との東京湾岸対決を飾れなかった。清水は「切り替えて、また明日」と気丈に語った。
ロッテは9回1死一塁での小林雅投入が結果的に裏目に出た。「マサ(小林雅)を信じて送り出した。最後はゴロを打たせてくれると思ったが…」とバレンタイン監督。ここまで救援失敗のなかった守護神が踏ん張れなかった。4月4日の西武戦(インボイス西武)以来となる今季2度目のサヨナラ負け。小林雅は「申し訳ない。投げる準備はできていた。(雨は)関係ない」と悔やんでいた。
6日から始まったプロ野球交流戦で、初日の観客数(5試合)は計7万170人だった。1試合平均は1万4034人となり、5日までの両リーグ平均2万2793人を大きく下回った。雨模様の天候や、収容人数の多い甲子園や東京ドームなどが使用されなかった影響とみられる。最多は日本ハム−阪神(札幌ドーム)の2万2877人、楽天−巨人(宮城)が1万8613人で続き、最低は雨が降り続いた横浜−ロッテ(横浜)の7000人だった。
交流戦開幕戦は入場者7000人と5球場で最少人数と寂しい数字だった。ロッテが好調で前売りは順調に売れ、1万3000人程度を予想していただけに、関係者は「雨が全て」と残念そう。それでも峰岸球団社長は「寒いのに7000人も入ってありがたい」と前向きだった。
今季負けなしの9セーブと好調だったロッテのストッパー小林雅が、初めてセーブに失敗した。9回無死一塁で登板していきなり四球を与え、満塁とされた後、村田に三遊間を破るサヨナラ打を許した。直球のスピードは150キロ前後と変わらなかったが、雨の中で制球が定まらなかった。サヨナラ打は、村田への4球目の速球が真ん中に入った失投。小林雅は硬い表情のまま「(サヨナラ勝ちできる)状況をつくってしまったのがいけない。(最後もコースが)甘かった」。うつむきながら、自分を責めるようにつぶやいた。
大阪府立大経済学部の宮本勝浩教授は「交流試合の経済効果」をまとめた。同教授の試算によると−。
宮本教授は「交流戦は日本経済にプラスの結果をもたらす。しかし、数年後も今年度と同レベルの観客数を維持するにはかなりの努力を要する。球界は活性化のため思い切ったことをやらなければいけない」と、警告している。
交流試合の推定観客数と球団別収入 | ||
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球団 | 観客数(1試合平均) | 総収益増減額 |
西武 | 38万7297(2万1516) | 5億5293万円 |
ソフトバンク | 63万5359(3万5297) | 6億8218万円 |
日本ハム | 40万7668(2万2648) | 5億9285万円 |
ロッテ | 31万8352(1万7686) | 5億3804万円 |
オリックス | 33万9407(1万8855) | 7億9659万円 |
楽天 | 26万6138(1万4785) | 10億6172万円 |
中日 | 56万2537(3万1252) | 1790万円 |
ヤクルト | 41万2747(2万2930) | 1461万円 |
巨人 | 81万9836(4万5546) | 7億8668万円 |
阪神 | 73万4465(4万803) | 2億2423万円 |
広島 | 24万9610(1万3867) | -1億2993万円 |
横浜 | 38万7968(2万1553) | -708万円 |