ロッテが今季3度目の4連勝で、貯金を今季最多の19に伸ばした。ロッテは2回に里崎の2号ソロで先制。3回には相手のエラーで1点、6回にはベニーの適時打、7回には今江の適時打と小刻みに追加点を挙げた。投げては先発・小林宏が7回0/3を無四球の1失点で今季5勝目。小林雅がソフトバンクの三瀬と並ぶリーグトップの12セーブ目をマーク。阪神は、濱中の2003年5月13日の広島戦以来となる猛打賞などロッテを上回る9安打を放つも、得点は8回の赤星、関本の連続2ベースによる1点で、連敗で5割に逆戻り。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | x | 4 |
投手王国・ロッテが阪神を圧倒した。先発・小林宏から薮田、小林雅とつなぐ必勝リレーで快勝。小林宏は5勝目を挙げ、守護神・小林雅は通算150セーブにあと「1」と迫った。貯金は1971年以来、34年ぶりの「19」。ロッテの強さは、セ・リーグ相手でも変わらない。
俳優並みの顔立ちが、カクテル光線に映えた。スラリと伸びた長い足。浜風になびく金色の後ろ髪。絵になる男・小林宏が、華麗に舞った。猛虎の突進をサラリとかわし、7回0/3を1失点。「みんながいいピッチングをするから、自分で崩すのは嫌でした」“投手王国”の牙城は、この日も揺らぐことはなかった。
スライダーとフォーク。2つの決め球で的を絞らせない。要所では直球で胸元をえぐった。バレンタイン監督は「去年と比べて内角を攻められるようになった。大きな成長だ」と称えた。7人の先発投手が生存競争を繰り広げるロッテ。先発3番手のイケメン右腕も、「危機感はかなり。負ける訳にはいかないですから」と、身内のライバルに劣らぬ熱投を展開した。
スターターだけではない。ピンチとあらば、完全無欠の救援陣が加勢する。小林宏が連打で1点を失った8回。「1番抑えにくい場面」(小林宏)でバトンを受けた薮田が、圧巻の投球を見せた。阪神クリーンアップを、直球とフォークだけで3者連続空振り三振。中継ぎとしては異例のお立ち台に上がった薮田は「自分を信じて逃げずに勝負した」と胸を張った。9回のマウンドは小林雅の独り舞台。2三振を含む3者凡退で試合を締めくくった。
今季3度目の4連勝で、6カード連続勝ち越し。13日に55歳となるバレンタイン監督は「十分すぎる内容」とチームの強さに目を細めた。お祭りムードに拍車をかけるように、誕生日当日にはタレントの小倉優子がお祝いに駆けつける予定という。
交流戦のチーム防御率は1.02。150セーブにリーチをかけた小林雅は「目標はそれじゃない。日本シリーズに勝つことなんです」と即答した。貯金19は、日本一となった1974年をさらにさかのぼり、71年以来34年ぶり。日本一軍団を超えるスピードは、加速の一途を辿っている。
ババババ、バレンタイン・ロッテが、つつつつ、強い。タタタタ、タイガースを連破して、パパパパ、パ・リーグはもちろん、交流戦も4勝1敗で、シュシュシュシュ、首位。なんとシーズン、ヒャヒャヒャヒャ、102勝ペース。チチチチ、千葉マリンが、燃えている〜(球場の地鳴りがすごいので、ペンを持つ手が震えてしまいました)。
21世紀のタテジマ伝説が始まった。阪神?それはもはや元祖。いまやこちらが本家と言っても、過言ではない!?3種類のホーム用ユニホームのうち、オーソドックスなタテジマを身にまとったロッテが、猛虎軍団に噛みついた。
ヒーローは地味な役回りのセットアッパー・薮田だ。小林宏からマウンドを引きつぎ、3点リードの8回無死二塁。迎えたのは阪神のクリーンアップ。虎党のだれもが、日本一になった昭和60年、巨人戦でのバックスクリーン3連発を思い浮かべた。その幻想を薮田が打ち破る。シーツを3球で仕留め、金本をフォークで空転させ、今岡を144キロで3球三振。新伝説“クリーンアップ3者連続空振り三振”だ。
4月6日の西武戦(インボイス)以来、9試合連続無失点で、チームも全勝。いまや、勝利を呼ぶセットアッパーは、バレンタイン監督から「薮田はあれ以上の投球はない」と絶賛された。
仰天のヒーローは、薮田だけではない。4試合ぶりスタメンマスクの里崎も虎党のド肝を抜いた。2回、杉山の初球、内角低めをフルスイング。左翼席中段へ2号先制ソロを突き刺した。
スタメンを固定しないロッテ。今春キャンプでは各ポジション3人、1軍に計47人を帯同させた。開幕マスクを任された里崎もスタメンは19試合目。残る18試合は橋本と、互角。その橋本は打率.351と打撃好調。里崎には投手陣のリードだけでなく、打ってアピールする必要があった。この競争原理が、ロッテの躍進を支えている。
お立ち台の里崎がほえた。球団としては前身の毎日以来、54年ぶりの3試合連続無失点勝利は逃したが、この4試合、失点はわずか3。4連勝の貯金19で、驚異の102勝ペース。もうだれも、春の珍事と笑わない。千葉のタテジマ軍団が、Vへ一直線だ。
先発の小林宏は8回に1点を失うまで阪神打線に連打を許さず、スイスイと5勝目。プロ初完封を狙ったが「6、7回にピンチがきて、バテてしまいました」と苦笑い。夫人が5月末に第一子を出産予定で「99%男の子です」と表情を崩したが、現在3連勝中だけに長男誕生まで負けるつもりはない。
ロッテ・快進撃の立役者達 | ||
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位 | 選手 | 今季成績 |
先発 | 渡辺俊介(28) | 6勝0敗0S、防1.63 |
小林宏之(26) | 5勝2敗0S、防2.79 | |
小野晋吾(30) | 4勝1敗0S、防2.45 | |
清水直行(29) | 4勝2敗0S、防2.72 | |
セラフィニ(31) | 3勝0敗0S、防2.29 | |
久保康友(24) | 2勝0敗0S、防0.00 | |
中継ぎ | 藤田宗一(32) | 1勝0敗0S、防0.00 |
薮田安彦(31) | 1勝2敗0S、防1.69 | |
山崎健(32) | 0勝0敗1S、防3.18 | |
抑え | 小林雅英(30) | 0勝1敗12S、防2.19 |
野手 | フランコ(35) | 率.352、7本塁打、29打点 |
福浦和也(29) | 率.338、1本塁打、29打点 | |
西岡剛(20) | 率.336、2本塁打、21打点 | |
ベニー(33) | 率.289、6本塁打、37打点 | |
小坂誠(31) | 率.282、2本塁打、14打点 | |
今江敏晃(21) | 率.267、2本塁打、22打点 |
[注]今季成績は11日現在。かっこ数字は年齢。防は防御率、率は打率
ロッテは薮田−小林雅の勝利の方程式がハマった。8回に先発・小林宏が連続二塁打を浴びて4−1。なおも無死二塁のピンチでセットアッパー薮田が猛虎打線のクリーンアップを力でねじ伏せた。
「凄いバッターばかりなので、逃げないで自分を信じて思い切って投げた」。3番シーツを139キロ直球、4番・金本をフォーク、最後は5番・今岡を144キロ直球で3者連続の空振り三振。バレンタイン監督も「あれ以上のことをできるピッチャーはいない」とうなった。そして9回は守護神・小林雅が2三振を奪って3人でピシャリ。今季12セーブ目で通算150セーブに王手をかけたが「僕自身は意識していない。目標は日本シリーズで勝って優勝すること」と選手会長らしくフォア・ザ・チームを強調した。今季3度目の4連勝で今季最多の貯金19。136試合で換算するとシーズン102勝ペースだ。
阪神は拙攻の連続で連敗、貯金は消滅した。「点が取れないとちぐはぐになるな。焦りが出ている」。岡田監督の言葉にも力がない。6、7回と得点圏に走者を置きながら、あと1本が出ない。「初対決の投手でボール球に手を出してしまった」とスペンサー。小林宏の前に的を絞れなかった。交流戦5試合を終え、打順2巡目までで得点した試合はゼロ。「(打順組み替えも)考えなあかん。点があまりに取れない」。指揮官の表情に迷いがのぞいた。
ロッテ西岡が猛然と頭から突っ込んだ。初回、先頭打者で打席に立った。投ゴロに終わったが、一塁へヘッドスライディング。前日10日は発熱の影響で欠場したが、いきなり見せた気迫がロッテの強さの象徴だ。
さらに見せ場は3回にやって来た。右前打で出塁すると、続く2番堀への初球で迷わず二塁を狙った。今季13盗塁で、リーグ単独トップに立った。そして2点目のホームインだ。阪神赤星とのセ、パ盗塁王対決は、交流戦ならではの注目点。共に10日に月間MVPを獲得した。西岡は「実績のある人だから、勉強して盗めるものは盗みたい」と阪神戦に臨んでいた。
その赤星も6回に中前打で出塁すると、西岡と同じように初球で二盗。マークされている中、実力を見せつけた。
快勝でチームは71年以来、34年ぶりに貯金を19とした。4連勝を決めると、西岡は躍るようにマウンドへ向かい、ナインとハイタッチをかわした。得点圏打率と得点もリーグ1位。打って良し、走って良し、守って良し。20歳の西岡がロッテを連勝街道に乗せる。
ロッテ投手陣がこの日も万全の継投を見せた。先発の小林宏が丁寧な投球で8回途中まで9安打を許しながら1失点に抑えた。順当なら中6日で前日10日の登板だったが、3日の楽天戦で右スネに打球を受け、大事を取っての中7日登板。「打球の影響?もう大丈夫。完封したかったが甘くないですね」と話した。続く薮田が「逃げないで自分を信じた」と3者連続三振。最後は小林雅が通算150セーブにリーチをかける12S目。「記録のためにやっている訳ではない。チームのおかげで結果として近づいている」と語った。
ロッテが安定した投手力で快勝した。8回、110球を超えた先発小林宏が連続二塁打で失点し降板したが、2番手薮田が3連続三振でピンチを脱し、9回は小林雅が抑えてゲームセット。
これで交流戦は5試合で5失点と、投手陣の安定度は抜群だ。しかもチーム内の激しい競争が、投手陣に緊張感をもたらしている。先発は7投手がローテーション入りを争い、1人が2軍で出番をうかがう状況。小林宏も「味方に刺激を受ける部分はある。常に危機感を持って臨んでいる」と、5勝目を手にしても安心していない。
チームとしては前身の毎日以来、54年ぶりとなる3試合連続の無失点勝ちを逃したが、バレンタイン監督は「投手全員がよかった」と振り返る。ロッテの強さは本物だ。
来年3月の実現を目指す野球のワールドカップが大リーグと選手会側の間で開催合意に達し、11日(日本時間12日)に行われるオーナー会議終了後にも正式発表されることが明らかになった。大会の正式名称は「ワールド・ベースボール・クラシック」で内定した。
まだ細部の詰めが残されているものの、大会には16の国と地域が参加。4ヶ国ずつ4グループの1次リーグに分け、うち1つはアジア地区で開催する方向。大リーグ側の計画では、日本は3月3〜5日に東京ドームで行われる1次リーグで韓国、台湾、中国と対戦予定となっている。1次リーグ各組2位までが3月13〜15日に米国内で行われる2次リーグに進み、18日に準決勝、20日に決勝を行う。日本は参加の方向だが、まだ開催時期や開催方法等について検討を続けている。