ロッテが今季3度目の5連勝で貯金を今季最多の22としソフトバンクとのゲーム差を4と広げ、また交流戦での単独首位もキープした。ロッテは3回、福浦の2点適時打で先制。小久保の14号2ランで同点に追いつかれた4回、今江、西岡、堀、福浦の適時打で5点を勝ち越すと、5回久保の2点適時打、6回にもベニーのタイムリーで1点を追加し、今季11度目の2ケタ10得点を挙げ、今季5度目の同一カード3連勝。巨人は4本のホームランで9点を返すが及ばず、今季5度目の2ケタ失点で今季4度目の同一カード3連敗、借金は6。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 10 |
巨人 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 2 | 9 |
ロッテの勢いが勝敗を分けた。1点差に詰め寄られたが、最後は守護神の小林雅が小久保を空振り三振。東京ドームで躍るようなガッツポーズを見せた。巨人を3タテで今季3度目の5連勝。2位ソフトバンクに今季最大4ゲーム差をつけた。先発のルーキー久保がプロ24年目の巨人工藤を相手に粘りの投球で新人トップの4勝を挙げた。
3発7失点も冷静だった。「巨人?意識はしなかった」。2回に審判から2段モーションのフォームを注意される場面も。だが「巨人側の指摘だと分かったから影響はなかった。そこまでして崩しに来て嬉しかった」と相手をのんだ。
1発はなくともマリンガン打線も圧倒した。3回に福浦が先制2点適時打。4回には今江の勝ち越し2点二塁打に西岡−堀−福浦の3連打で一挙5点。5回には久保が自ら2点二塁打を打った。4戦連続で今季23度目の2ケタ安打と新人を援護した。くしくもこの日、久保の出身の松下電器がロッテ2軍と浦和でプロアマ交流戦を行った。チーム関係者がスタンドで見守る中、白星を飾った。ロッテの強さをテレビ中継でもアピールしたが「明日の横浜戦に目を向けるだけ」とバレンタイン監督はチームを引き締めた。
ロッテは4回に6安打を集中させるなど、打線がつながり6回までに10点を奪った。巨人は小久保、ローズ、清水、二岡の4本塁打で1点差に追い上げたものの、反撃もそこまで。巨人は今季4度目の同一カード3連敗。ロッテは5連勝。
恒例となった勝利の儀式。全員でつかんだ勝利を再認識させるためのベンチ前でのミーティングは、もうすっかり見慣れた光景となった。バレンタイン監督の勝ちどきが上がると、選手はその余韻にひたるように、互いの拳をぶつけあった。
猛打で球界の盟主を丸飲みにした。3回、無死満塁から福浦の適時打で2点を先制すると、4回には1死二、三塁から今江が勝ち越しとなる左翼フェンス直撃の二塁打。さらに、2死二塁から西岡が左前に弾き返し、この回一挙5点を奪った。「2人の年を合わせたぐらいの投手だろう」バレンタイン監督が讃えた21歳の今江、20歳の西岡。2人の若武者が42歳の大ベテラン左腕・工藤を沈めた。
「ここ何試合か、チャンスで打てなかったので、ホッとした。久保さんには(12日の)阪神戦でエラーをした借りがありましたから援護できてよかった」と今江が振り返れば、「(カウント1−2の)バッティングカウントだったので、1、2の3で直球を狙って打った」と西岡は自画自賛。巨人戦初先発のルーキー久保を、“先輩”がサポートした。
アーチなしのタイムリーだけで10得点。9回に1点差にまで詰め寄られたが、守護神・小林雅が何とか後続を断ち、逃げ切った。パ・リーグ首位の力を存分に見せつけ、巨人を3タテ。5連勝で、貯金も今季最多の22まで増やした。交流戦でも首位をキープし、死角は見当たらない。「巨人を3タテ?それはもう終わったこと。明日の横浜戦に目を向けて頑張るだけだよ」勝利へのマジックを操る指揮官にはスキを見せる素振りすらない。
大量の援護に悩まされ、そして救われた。久保は6回裏、清水にバックスクリーン右へ5号3ランを浴び、3点差に迫られた。「後手に回って打たれました」ボールが先行し、ストライクを焦った。6イニングを7失点で降板。胃の痛む終盤を見守り、4勝目を手にした。
「若いピッチャーが大量リードをもらって投げるのは難しいもの」とバレンタイン監督。久保が打のヒーローも兼ねたから笑うに笑えない。
先頭打者の3回表は工藤から中前安打して、先制のホームを踏んだ。5回は2死一、二塁で真田のカーブを狙い打ち、左中間へ2点二塁打した。「野手の気持ちになった。絶対に打ってやろう!と。球種を絞り、ヤマを張りました」。
DH制の社会人(松下電器)生活を6年。打撃は「得意な方じゃない」と謙遜するものの、関大一高(大阪)時代の1998年、横浜高とのセンバツ決勝で西武の松坂からヒット。勝負強さが光る。
2回裏2死三塁で杉永塁審に2段モーションを注意されても、「動揺もしなかった」と笑みさえ浮かべ、危機を脱した。規格外の度胸が「松坂世代最後の大物」を支えている。
若い、安い、うまいの三拍子。ロッテが若手の活躍で巨人を3タテし、5連勝。貯金22で交流戦、パ・リーグの首位をがっちりキープした。
バレンタイン監督がほくそえんだのは4回、2−2の場面。8番・今江が左翼線へ2点打。1番・西岡が左前適時打。工藤を若武者が攻略した。
今江は21歳で年俸1350万円。西岡は20歳で年俸1700万円。工藤はというと、42歳で年俸2億9000万円。キャリアの差は歴然で、工藤がプロ入りした昭和57年、2人はまだ生まれていなかった。
ロッテの総年俸(外国人選手は除く)19億3492万円に対し、巨人はほぼ倍の38億7274万円。それでも勝ってしまうのが今年のロッテ。
「(巨人戦は)もう終わったこと。明日からのベイスターズ(横浜)戦に目を向けていきたい」とバレンタイン監督。東京ドームでも左翼席を占拠した黒い軍団の大合唱が、これからも列島を席巻する。♪千葉!ロッテ!マリーンズ!!ララララ〜ラララ〜ラララ〜ラララ〜♪
先発の自由枠ルーキー久保(松下電器)が6回8安打7失点と打ち込まれながら、打線の援護で4勝目。2回には杉永二塁塁審から「2段モーションではないか」と指摘された。久保は「流れが悪かったから、巨人が言ってきたのでしょう。そこまでして、崩しにきたのは嬉しい」と気にしない様子。バレンタイン監督は「ルールブックにないルールを作ろうとしていた」と皮肉った。
鳴りやまないロッテコールの大合唱。ロッカーから再びベンチに引き返し、左翼席を見つめていた里崎が思わずつぶやいた。「本拠地みたい…」。今季3度目の5連勝。しかも、4本塁打の巨人打線を相手に、1発なしで打ち勝っての3連勝だからたまらない。ファンが狂喜乱舞するのも当然だった。
チームの強さが凝縮されたのは同点の4回だ。1死二、三塁から今江が左翼フェンス直撃の二塁打。さらに2死二塁から西岡も左前に適時打を放った。2人の年齢を合わせるとマウンドの巨人・工藤より若い41歳。バレンタイン監督も「工藤がプロ入りしたときに、2人は生まれてなかったんじゃないか?」と目を細めた。若手に刺激されたベテランの堀、福浦も適時打で続き、この回5得点で試合の主導権を握った。
先発した新人右腕の久保も粘った。3被弾するなどして6回7失点も、相手にリードを許さず4勝目。2回2死三塁では清水に2球目を投じた後、投球フォームに関して巨人ベンチから「2段モーションではないか?」などとクレームを受けたが、続く3球目で中飛に打ち取った。「相手の(陽動)作戦でしょう。逆に、そこまでして自分を崩そうとしてきたのは嬉しい」と久保。5回には貴重な追加点となる2点二塁打を放つなど、投打で勝利に貢献した。
登板前、久保は「巨人戦なのに、全く緊張できない」と話していた。4回に適時打を放った今江、西岡も、V9時代など巨人の黄金期を知らない若い世代だ。貯金は22。快進撃は、しばらく止まりそうもない。
プロ野球の交流戦は26日、各球団とも相手リーグの6チームとの最初の対戦を終えて前半戦が終了し、両リーグの対戦成績はパ・リーグが52勝51敗3分けでセ・リーグをわずかにリードした。順位はパの首位を快走するロッテが12勝6敗でトップ。2位には11勝した阪神とヤクルトが続き、巨人とソフトバンクが4位で並んだ。新規参入の楽天は中日3連戦で3連勝して11位。最下位に転落した中日は6カード全て負け越し、リーグでも交流戦前の首位から3位に後退した。
ロッテが集中打で巨人工藤を攻略し、5連勝を飾った。同点の4回、サブローと里崎が連打し、いきなり無死二、三塁の好機をつくった。1死後、8番・今江が左越えに2点適時二塁打。さらに、1〜3番も3連続適時打で続き、この回で工藤をマウンドから降ろした。このイニングだけで6安打5得点。最終回は1点差に迫られたが、序盤の大量リードが生き、逃げ切った。
工藤に対して2安打1四球だった2番・堀は、相手を称えながらも「やっぱり昔と比べると球の勢いはね」。先発の久保も「うちの打線が良過ぎましたね」と、甘い球を逃さずに打ち続けた打線の活躍を頼もしげに振り返った。
巨人との3連戦は全て2けた安打をマークし、チームは今季3度目の5連勝。交流戦も12勝6敗と大きく勝ち越して折り返した。バレンタイン監督は「もう終わったこと。次の横浜戦で頑張りたい」と浮かれることなく、次を見据えていた。
史上初の交流戦が26日で前半戦を終了し、両リーグの対決はパ・リーグが52勝、セ・リーグが51勝(3引き分け)の、ほぼ互角の対戦成績で折り返した。半世紀ぶりに新規参入した楽天は前半戦の最後で対戦した中日3連戦で球団初の3連勝をマークし、存在感を示した。パの各球団とも主催試合の1試合平均の観客動員がアップし、リーグとして熱望した交流戦の成果が営業面などでも好結果を生み出している。冠協賛社から交流戦期間中の優勝チームには賞金5000万円が贈られることになっており、前半戦はパで首位を快走するロッテが12勝6敗でトップに立っている。
労組・日本プロ野球選手会・古田敦也会長(ヤクルト)は26日、来年3月に開催される予定の「ワールド・ベースボール・クラシック」について、「シーズン後の選択肢があるなら、その方が絶対にいい」と話した。選手会では既に開催時期などへの疑問をまとめた意見書を実行委員会へ送付しているが、古田会長自身が言及したのは初めて。同会長は「どこかが主導権を握るのは仕方ないが、スポンサー、放映権がきれいに決まっていない段階で発進するのはどうか」とイベントの運営形態にも疑問を呈した。
労組日本プロ野球選手会の古田敦也会長(ヤクルト)が26日、来年3月開催予定のワールド・ベースボール・クラシックについて選手会としての見解を示した。時期について「どうしても3月と言われたらやりますけど、今の段階では11月がいいという選手の方が多かった。シーズン後という選択肢があるんならそっちの方が絶対いい」と公式戦終了後の開催をあらためて強く訴えた。大リーグ機構主導の開催方法についても「どこかが主導権を握るのは致し方ないのかもしれないけど、煮詰まっていない段階で発進するのはどうかと思う」と異議を唱えた。ただしその前提として「世界レベルの大会は絶対にやった方がいい」と開催自体には強く賛成した。