ロッテが清水の完投で今季3度目の6連勝、貯金を今季最多の23に伸ばし、首位をキープした。ロッテは2回、サブローの2号ソロで先制すると、3回には李の2点適時打などで3点、4回にはベニーの適時打などで3点を追加、7回にも今江が適時打を放ち、横浜を突き放した。先発・清水は4月1日以来今季2度目の完投勝利で、自身の連敗をストップ。横浜は先発・三浦が4回を投げ、被安打6押し出し四球を含む5四球で、今季最多の7失点と乱調。得点は6回小池の2号2ランのみで、借金3、再び5位に転落。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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横浜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 |
千葉ロッテ | 0 | 1 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | x | 8 |
交流戦2回り目に入ってもロッテは強い。好投しながら交流戦で白星がなかったエース清水が横浜打線を2点に抑え完投勝ち。マリンガン打線はこの日もつながりを見せ、横浜三浦を攻略した。今季3度目の6連勝で2位ソフトバンクとの差を最大の5ゲームに広げた。
エース清水は、1発を浴びた横浜小池から最後は狙って三振を奪った。小さく沈むスプリットボールにバットが空を切る。4月29日のソフトバンク戦以来、約1ヶ月ぶりの5勝目を完投で飾った。
「良かった〜。長かった」。思わず千葉マリンの天を仰いだ。好投手との投げ合いが続き、今月は味方打線の援護に恵まれなかった。6日の横浜戦はこの日と同じく三浦との投げ合いとなり、完封目前で降板後、逆転サヨナラ負け。13日のヤクルト戦は1失点完投も打線がシャットアウトされた。前回登板の20日は中日川上にあわや完全試合、という展開。3戦で味方の得点はわずか2点だった。
それでも「僅差の投げ合いは嬉しい」とエース対決は望むところだった。「最後までマウンドにいようと決めていた」という志願の完投。「頭をクリアにしたい」と11時間の睡眠時間を取って登板した。すると打線が序盤から援護した。2回にサブローが先制2号ソロ。3回にも李が2点適時打を放つなど、3得点。続く4回も相手の守りのミスを逃さず加点、三浦を4回KOした。「番長を崩してくれた」と清水も感謝した。さらに8回無死、金城の右中間の飛球を諸積がダイビングキャッチする超ファインプレーも飛び出した。「今日のヒーローはモロさんじゃないかと思うプレー。助かった」と振り返った。
今月から登板時は子供がサポータータオルを振り、それに従って清水が先発マウンドに向かう。自ら企画したものだ。「それを変えていったり、色々考えていきたい」と球場にファンを集めるために努力している。これで今季3度目の6連勝で今季最多の貯金は23となった。ソフトバンクとのゲーム差も最多の5だ。「エースに勝って、優勝に貢献したい」と背番号18が、本来の輝きを取り戻した。
走、攻、守で横浜を圧倒した。先制2号ソロのサブローは「制球のいい投手が相手だったのですが、甘く入ってきた失投をとらえることができた」と振り返った。頭から突っ込んだ好プレーの諸積は、4月18日以来の先発。「顔から落ちたのがオレらしい」と笑った。バレンタイン監督は「諸積は出るチャンスがなかったが、スーパープレイを見せてくれた。清水もリリーフに休みを与えてくれた」と評価。2位とのゲーム差には「まだそれを話すのは早すぎる。目の前の試合に集中するだけ」と冷静だった。
ロッテOBの牛島監督が千葉マリンのマウンドに上がった。この日、福澤コーチを捕手に始球式を行った。打席にはロッテ西村ヘッドが立ち1球を投じた。同監督は92年4月7日に完投勝利を挙げている。自身3年ぶり勝利で、ロッテの千葉初勝利でもあった。「涙の完投勝利?覚えていますよ。始球式もやったことあるなあ」と話していた。試合はロッテに完敗。「相手のペースにはまってしまった。三浦も考え過ぎて自分のペースをつかめなかったね」と残念そうだった。
ロッテの勢いが止まらない。巨人に3連勝で迎えた交流戦後半戦初戦も横浜を8−2で下し、今季3度目の6連勝を飾った。サブロー外野手の2号ソロを皮切りに打線が8得点を奪えば、エース清水直行投手も9安打2失点完投で5月初白星をマーク。2位ソフトバンクが中日に逆転負けしたため、ゲーム差は今季最大の「5」に広がった。
ガッツポーズはない。あるのは誇りと意地だった。「どんな形になっても絶対に最後までマウンドを守って見せる」。9回2死一塁、清水は最後の打者・小池をスプリットで空振り三振に斬ると、手のひらを広げて、大きく息を吐いた。
「2点も取られてガッツポーズなんてできなかった。もうアカンって感じです。でも本当にホッとした」。偽りない言葉だ。4月29日ソフトバンク戦(ヤフードーム)以来の勝利は、交流戦4度目の登板で手中にした初白星。ナインからのハイタッチでようやく表情は緩んだ。
20日の中日戦(千葉マリン)は6回を11安打5失点と散々な内容。打線も川上に李承Yの1発のみに封じ込まれるなど、屈辱まみれの敗戦だった。だからこそプライドを取り戻す必要があった。
調子はよくなかった。中盤以降は毎回のように走者を背負い、6回には小池に2ランを左中間へ運ばれた。7回からはバレンタイン監督から“交代要請”も受けた。それを振り切ってまで完投にこだわった。
背番号18の奮投に諸積が守備で応えた。8回、右中間を襲った金城の打球をスーパーキャッチ。フェンス間際にもかかわらず、猛然と頭から突っ込むと顔面着地だ。「うまいヤツなら手で滑っているよ」とプロ12年生は照れたが「大きなプレー。先頭打者だったし助かった」と清水は頭を下げた。
エース復権でチームは今季3度目の6連勝。ソフトバンクとのゲーム差も今季最大の「5」と開いた。「目の前の試合を戦うだけ」と繰り返す指揮官だが、いよいよ独走ムードも漂い始めてきた。
ロッテ李が技ありの一打だ。3回、1点を追加し、なおも1死満塁で三浦のフォークを中前へはじき返した。「タイミングを崩されたが、泳ぎながらもうまく打ち返せた」と自画自賛。6戦連発のパ・リーグタイ記録を狙った24日の巨人戦(長野)以来の先発出場だったが「2試合先発を外れたがチャンスでしっかりと打ってくれた」と指揮官を喜ばせていた。
これぞ“バレンタイン・マジック”だ。今季3度目の6連勝で、リーグ、交流戦ともに首位を独走。ロッテがこよいも♪千葉!ロッテ!マリーンズ!!ララララ〜ラララ〜♪だ。
「李はチャンスに大きな2打点をあげてくれたし、戻ってきた小坂も貢献してくれた。今日もまた、選手の貢献度の高い試合だった」。試合後恒例の一塁ベンチでの円陣。中心に座る真っ赤な顔の監督の興奮が、連日連夜ヒートアップだ。
連勝中にもかかわらず、前日からスタメン5人を入れ替える大胆起用。“リフレッシュ休暇”が明け、3試合ぶりにスタメンに戻った李承Yが3回1死満塁から中前2点タイムリーだ。福浦にかわり5番に起用された韓流砲は、「泳ぎながらもうまく打ち返すことができた」と横浜の番長・三浦を粉砕。今季3試合目のスタメンとなった35歳の諸積は、8回に中堅フェンス際の打球を超美技。監督の起用に、きっちりとこたえた。
試合前にはバレンタイン監督が、“日替わりの”選手起用について持論を披露した。「正しいメンバーを決めるのが、監督の1番大切な仕事。全員の力を信頼できるから、このチームは強い」。
打率.352の福浦をスタメンから外すのが、自信の裏返し。選手が1人欠けると、ガタガタと崩れるどこかのチームとは違う。チーム打率は.297。日替わり起用は、チームほぼ全員が“3割打者”のカモメ軍団の強さだ。
交流戦はこれで13勝6敗。パ・リーグでは2位ソフトバンクとのゲーム差も「5」に広げた。強いロッテはどこまで走るのか。
清水直が“4度目の正直”で、交流戦初勝利だ。横浜のエース・三浦と投げあい、5回までは2安打の安定した投球。6回に小池に2ランを浴びたが「今日はどんなにやられても、マウンドにいようと思った」と志願の137球で9回を投げ抜き、9安打2失点。4月29日以来1ヶ月ぶりの勝利に、ファンと一緒に笑顔が弾けた。
ロッテは2回、サブローの2号ソロで先制。3回は押し出しと李の適時打、4回はベニーの適時打などで3点ずつをあげ、6連勝を飾った。
完投で5勝目を挙げた清水は、ファンのためのユニホームを高々と掲げた ベンチを温めていた男達が燃えに燃えた。バレンタイン采配の真骨頂とも言える「日替わりオーダー」で、再びロッテが進撃に加速をつけた。
まずは3回だ。ベニーが押し出しの四球を選び、2点目を奪った直後だった。3試合ぶりにスタメンに名を連ねた李承Yが1死満塁から中前へ2点適時打。「最初の打席が併殺だったので、打ててよかった」第1打席の二ゴロ併殺を帳消しにする一打で、試合の主導権をたぐり寄せた。
さらには4月18日以来のスタメン出場となった諸積だ。8回無死。先発の清水が「先頭(打者)だったし、本当に助かった」と振り返った場面。金城の右中間を抜けるかという当たりを約3メートルのダイブでキャッチで清水を、チームを救った。
毎日、猫の目のように変わるオーダー。この日、バレンタイン監督は疲労を考慮し、巨人戦で好調の福浦をスタメンから外した。前夜(26日)活躍した堀、大塚もベンチに下げ、李、諸積を入れて新たなオーダーを組んだ。決してメンバーを固定しない。それがベンチにいる全員のモチベーションを高く維持することにつながっている。
「先発メンバーを決めるのは監督に任された大事な仕事。毎日、同じメンバーを使うのであれば誰が監督をやってもいい。様々な理由があるが、正しいと思うからやっているんだ」と指揮官は胸を張る。
3度目の6連勝で貯金は最多の23。2位・ソフトバンクが負けたため、ゲーム差は5と今季最大に開いた。プレーオフでは1勝のアドバンテージを得られる数字だが、指揮官は「その話をするには少し早すぎる。今、集中しなければいけないのは目の前の試合だ」と笑い飛ばす。勝って兜の緒を締める。独走態勢に入っても、指揮官には全く浮かれるところはなかった。
横浜三浦の落胆ぶりがロッテ打線のすごみを物語る。「最後まで修正できずに終わってしまった…」。経験豊富な相手エースに息つく暇を与えない攻撃で今季3度目の6連勝を手繰り寄せた。
4回までに7点。それも、3、4回はそれぞれ2安打で3点ずつを積み重ねた。「とても素晴らしい攻撃だった」とバレンタイン監督。横浜が3回に送りバントを失敗、4回は併殺で好機をつぶしただけに、明暗がくっきりと浮かび上がった。
3回は1死から小坂が四球で出塁。エンドランを指示された西岡は、がら空きの三遊間に狙い打って一、三塁。さらに西岡が二盗。これで三浦の生命線である制球とリズムが狂う。連続四球で1点をもぎ取り、李が2点中前打を放った。
4回は野選と盗塁で好機を広げ、相手左翼手が左飛を後逸するミスにも乗じた。結果的には横浜より1本少ない8安打も、6点差をつける快勝だった。
情報通信サービス業、インボイスの木村育生社長は27日、西武球団について、あらためて買収に前向きな姿勢を示すと共に、買収が実現した場合には企業名ではなく「所沢」という地域名を使用する考えも示唆した。同社は2軍と本拠地西武ドーム(現インボイス西武ドーム)のネーミングライツ(命名権)を獲得した。西武鉄道の後藤高志社長は24日の就任会見で球団保有に関し「恒常的な赤字は放置できない」としながらも「今後の観客動員の推移を楽しみにしている。今は我慢のしどころ」と話し、結論を先送りにしていた。
情報通信サービス業のインボイスの木村育生社長は27日、西武球団の買収にあらためて前向きな姿勢を示すと共に買収が実現した場合には企業名ではなく「所沢」の地域名を使用する考えを示唆した。同社は今季から2軍と本拠地球場のネーミングライツ(命名権)を取得しているが、同社長は「(球団を)売らないと言っているのに買うと言うのは駄目だけど(買収については)前向きな気持ちで推移を見守っていく。どれほどライオンズの経営改革を支援できたか、これからの私達の2、3年の行動次第ではないか」と話した。
情報通信サービス業のインボイスの木村育生社長は27日、プロ野球の西武球団について、あらためて買収に前向きな姿勢を示すと共に、買収が実現した場合には企業名ではなく「所沢」という地域名を使用する考えも示唆した。
同社は2軍と本拠地西武ドーム(現インボイス西武ドーム)のネーミングライツ(命名権)を獲得した。同社長はこれまで「知名度の点でみるとネーミングライツの効果はとても大きかった。(球団を)売らないと言っているのに買うと言うのは駄目だけど、(買収については)前向きな気持ちで推移を見守っていく」と話していた。
西武鉄道の後藤高志社長は24日の就任会見で球団保有に関し「恒常的な赤字は放置できない」としながらも「今後の観客動員の推移を楽しみにしている。今は我慢のしどころ」と話し、結論を先送りにしていた。
今、売り出し中のロッテ戦士に西岡剛内野手がいる。4月に球団史上最年少で月間MVPを獲得。プロ3年目の今年、大きな花を咲かせようとしている。
彼がグラウンドで所狭しと暴れまわる姿を目にしながら、私は2月の鹿児島キャンプでの出来事を思い出した。
キャンプ休日、西岡はある場所に足を運んだ。チーム宿舎から車で1時間程度の距離にある知覧。太平洋戦争末期、そこから特攻隊が飛び立ったことで有名な場所だ。西岡をこの場所に誘ったのは現役時代に3度、盗塁王に輝いている高橋慶彦コーチ(48)だった。
「オレにとっては若い時から見に行きたいと思っていたところ。これまでチャンスに恵まれなかったけど、今回ようやく行くことが出来た。西岡にその話をしたら、あいつも行きたいといったから連れていった」。その時のことを高橋コーチは嬉しそうに振り返る。特攻隊の記念館で過ごした時間は濃密なものとなった。記念碑の前で西岡は両手を合わせ静かに祈った。
「ボクとちょうど同じくらいの年の子が特攻隊として亡くなった。それに比べると自分はなんて幸せなんだろうと、初めて分かった気がする。人間の命の大切さ、1日を生きるということの重要性が分かった」。その時、受けた衝撃が今の西岡を支えている。あれ以来、目の色を変えて練習に励むようになった。連れていった高橋コーチはその姿を頼もしそうに見つめている。
「過去の歴史を知るということは大事なことだと思うよ。これが当たり前となっている現在は、色々なことを辛く感じるかもしれないが、ちょっと角度を変えて見てみると、いかに自分が幸せなのかが分かる。彼もあれで生きる大事さを感じてくれたのではないかな」。高橋コーチが若い西岡に教えたかったこと。それは生きているということの幸せであり、毎日を一生懸命に生きなくてはいけないということだったに違いない。
西岡剛、20歳。今を、一生懸命に生きている。