わたしはかもめ2005年鴎の便り(6月)

便

6月2日

千葉ロッテ6−1広島(千葉マリン)

ロッテが5カード連続の勝ち越しで両リーグ通じて40勝1番乗り。貯金を今季最多の24とした。ロッテ先発のルーキー久保が、8安打1失点の自身3度目の完投勝利で5勝目をマーク。打線は4回、サブロー、里崎の連続適時打、今江のスクイズなどで先制。6回には小坂の適時打で追加点。広島は、先発の長谷川が5回1/3を4失点で自己ワーストの5連敗を喫し、リーグワーストタイの7敗目。打線も、この日2安打で首位打者に立った前田の適時打による1点のみで、チームは3カード連続の負け越し。借金は今季最多タイの5。

123456789R
広島0000010001
千葉ロッテ00040110x6
久保
「低目を意識して、ゴロを打たせるように投げました。リズムを崩さず、ピンチでは三振を取りにいったところはありましたが、それ以外は打たせて取ることを考えました。前回四球から1発を浴びたので、今日は四球を出さないように気をつけたのですが、1つの四球が1点につながりました。これは反省材料です。中止は全然考えなかったです。いつでも投げられる状態でした。雨だったら雨の投げ方がありますからね。低目を意識して、ゴロを打たせるように投げました。リズムを崩さず、ピンチでは三振を取りにいったところはありましたが、それ以外は打たせて取ることを考えました。社会人野球で雨の試合をたくさんやっている。守りは短く、攻めは長くがいいですからね。」
バレンタイン監督
集中力を切らさず、終盤に多少はヒットを打たれたけれど、最後まで投げ切ったのは、1軍でこれからも投げ続けられるということを証明してくれた「。」

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12球団最速40勝

両リーグ最速の40勝1番乗りだ。球団史上でも日本一となった50年(当時、毎日)に次ぐ2番目、パ・リーグでは史上3番目の早さだ。4回に相手先制チャンスを摘み取った左翼フランコのダイビングキャッチや、6回に本塁で走者を刺したサブローの肩など、守備でも好プレーが続出。バレンタイン監督も「みんなよくやっている」とナインを褒めていた。

56試合以内で40勝到達
年度球団最終
65南海494090優勝
37春巨人5340112優勝
37春タイガース53401122位
50毎日5440131優勝
55巨人5440140優勝
41巨人5540132優勝
47阪神5540141優勝
52巨人5640160優勝
71阪急5640124優勝
05ロッテ5640160

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久保5勝目で新人王レーストップに[ニッカン]

◇115球3度目完投

今季5勝目で新人王レースのトップに立ったロッテ久保だが、投球内容は全然新人らしくない。115球で3度目の完投を果たし、同世代の西武松坂の4勝を抜いたこともそうだが、7回表無死一、二塁。1度、2度…と、里崎のサインに首を振った場面だ。

「あのへんはこだわりがありましたから。取れる時に併殺を取った方が楽なんで」。外角直球、スライダー、チェンジアップ、フォークの要求に首を振り、最後は内角シュート気味の直球で、緒方を三ゴロに仕留めた。もう少し良い当たりなら狙い通りだったが、あいにくバットが折れるほどのナイスボール。それでも打者が一塁に生きた後、次をきっちり空振り三振に仕留めるあたりが、ものが違う。

前回、5月26日の巨人戦では3発で7失点。その反省から「この前は四球のあとに本塁打を打たれた。今日は四球を出さないことと、低めに集めることを注意しました」と修正した。バレンタイン監督も「まだ新人王を言うには先が長い。でも彼は日々進歩している。素晴らしい競技者だ」と、その適応力を評価する。

同じルーキーのオリックス光原はこの日、ヤクルト戦で敗戦投手。勝ち星は4勝のままだ。先は長いが、落ち着き、投球の成熟度から考えると、大崩れしない久保が一歩リードしたのは間違いない。

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ロッテ両リーグ40勝1番乗り[スポニチ]

何もかもが早い。今季最多の貯金24で両リーグ40勝1番乗り。リーグ優勝した70年以来35年ぶりのスピード到達だ。導いたのは両リーグのルーキーで5勝1番乗りを果たした久保だった。

「雨なら雨の野球のやり方がある。社会人で5年やってますから」。試合前から降り続ける雨。投手にとって最悪の環境だったが、久保は熟知していた。守る時間を短く、攻撃を長くという雨天試合の鉄則を−。見せ球のボール球を一切使わず、ストライクゾーンで打たせて取る投球に徹した。直球を140キロ以下に抑え、低めに集めた。わずか1四球、8安打で115球。少ない球数が“狙い通り”の投球の証だった。

圧巻は5−1で迎えた7回無死一、二塁のピンチ。代打・緒方を2−2に追い込むと捕手・里崎は三振狙いの外角球を要求。だが久保は3回も首を振り、内角シュートを投じた。時間短縮のために三振ではなく、併殺打を打たせるためだった。計算通り緒方は三ゴロ。だが、バットが折れて打球が失速し併殺ならず。「バットが折れたのが誤算」。悔しがる姿はルーキーとは思えなかった。

「松坂世代最後の大物」と周囲は呼ぶ。松坂とは何度かグラウンドで話したが「世間話だけ。(自分が)10勝する投手なら(松坂と)何か賭けたりするんでしょうけど」。松坂を上回る5勝、資格は十分にある。次戦は9日巨人戦が濃厚。前回5月26日の巨人戦では勝ち投手も3発7失点とプロの洗礼を浴びた。「全国中継で恥ずかしい思いをしたんで必ずリベンジしたい」。その思い、意気込みの先には新人王だってある。やっぱり並のルーキーではない。

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ロッテ40勝1番乗り!久保5勝目、新人王へまっしぐら[サンスポ]

試合開始から降り続いた雨。いつ中止になってもおかしくない悪天候の中、ルーキーの爽やかな笑顔がはじけた。9回8安打1失点。新人トップの5勝目は、今季3度目の完投勝ち。久保がチームの40勝1番乗りと、今季最多の貯金24を運んできた。

久保
「ここまでは自分の思っている以上に順調です。今日は守備に助けられました。自分というより、チームの勝利です。(雨で)中止?全然、考えませんでした。」

前回登板では四球の後に1発を浴び7失点だった。この日は1四球で1失点。実は「(雨で)相手の集中力が欠ければ、有利になる」とほくそえみ「打たせて取る投球を徹底した」というから、したたかだ。

現在はマイカーで、さいたま市の寮から通っている。「渋滞していると2時間かかることもあります」と道路事情に苦労も多い。実は以前、電車で“通勤”していた。千葉マリンの試合が終わると、JR海浜幕張駅まで約15分、トボトボ。帰宅するマリーンズファンに交じり、気付かれることなく、寮へ帰っていた。開幕からわずか2ヶ月。今では球場を出ようとすると、すぐにファンにもみくちゃにされる人気者。ファンには悪いが、車は手ばなせない。

「雨のなか、正直、こんなにたくさんの人が駆けつけてくれるとは思いませんでした」と久保。勝ち星を重ね、新人王へまっしぐら。フレッシュなルーキーの快投が、どんよりとした梅雨空を吹き飛ばした。

久保康友(くぼ・やすとも)
昭和55年8月6日、奈良県生まれ、24歳。関大一高から松下電器を経て平成17年ドラフト自由枠でロッテ入団。高3時のセンバツ決勝で横浜高・松坂(現西武)と投げあい、0−3で敗れた。社会人では最速149キロの直球を武器に日本代表入り。“松坂世代”最後の大物として満を持してプロ入り。1メートル81、82キロ。右投げ右打ち。独身。年俸1500万円。背番号16。
久保康友の今季登板成績
月日●○登板スコア相手
04-02中継ぎ4−5ソフトバンク1/30000
04-24○完封6−0楽天941310
05-04○先発10−0楽天5 2/35320
05-12●先発0−3阪神7 1/37410
05-19○完投9−1広島94811
05-26○先発10−9巨人68547
06-02○完投6−1広島98311
7試合、5勝1敗、防1.7546 1/33636109

パ・リーグの主なルーキーの今季成績
選手所属今季成績
久保康友ロッテ7試合5勝1敗0S、防1.75
涌井秀章西武4試合0勝2敗0S、防7.94
マイケル中村日本ハム21試合2勝0敗1S、防3.45
光原逸裕オリックス11試合4勝2敗0S、防5.53
一場靖弘楽天11試合0勝7敗1S、防6.41
平石洋介楽天25試合、率.178、0本、1点

[注]成績は2日現在

◇バレンタイン監督ご満悦

バレンタイン監督は先発の久保を「素晴らしい集中力だった。彼は成長しつづけている」と絶賛した。40勝1番乗りについては「選手が非常によくやっている。それぞれの1勝は、勝つべくして勝っている」とご満悦だった。

サブロー
「バットが振れていたので、打てると思っていた。適時打は最後に投手がミスをしてくれた。」(2安打1打点)
今江
「調子が悪かったので、スクイズのサインが出て逆に嬉しかった。」(4回にスクイズ)
小坂
「点を取られた後のチャンスだったので、点に結びついてよかった。」(6回にタイムリー)

◇データBox

ロッテが40勝1番乗り。毎日時代の昭和25年、31年、大毎時代の昭和35年、ロッテになってからは昭和45年とあり、球団史上、35年ぶり5度目。各年度の40勝目は

昭255440131
昭315740161
昭356140192
昭456140210
平175640160

今季は初優勝の昭和25年(パ・リーグ創立1年目)につぐ速さ。今後もこのペースだと、最終的に97勝(39敗、.713)になるが…。ちなみに勝率7割台は昭和30年の巨人(92勝37敗、.713)と南海(99勝41敗3分け、.707)が最後だ。

◇表彰

ロッテ・福浦和也内野手(29)の1000試合出場の表彰式が、広島6回戦(千葉マリン)の試合前に行われた。

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ロッテ、スピード40勝、56試合目パ史上3位[報知]

◇5点以上取れば負けない!

ロッテが広島を下し、両リーグ40勝1番乗りを果たした。豪雨の中、ルーキー・久保が頭脳的な投球を展開して1失点完投。打線も4回に“お家芸”の集中打で4点を奪って快勝した。56試合目での40勝は、球団史上2番目のスピード。独走Vを達成した前身の50年毎日、65年南海に次ぐ、パ・リーグ3番目という快速記録だ。6月に入ってもロッテの勢いが止まる気配はない。

降りしきる豪雨も、久保にとってはスパイスでしかなかった。肌をつたう水滴が頭脳をフル回転させた。「雨が降った方が相手が集中力を欠きやすいですしね。雨なら雨の戦い方がありますから」百戦錬磨のベテランのような口調で言い切った。9回8安打1失点。今季3度目の完投勝利は、チームに40勝1番乗りの勲章をもたらした。

「守備は短く、攻撃は長く」−。久保はその一念でマウンドを死守し続けた。持ち前の打たせて取る投球は、雨が降ってなお冴え渡った。球種は少ないが、技術は一線級。「外角には遅い真っ直ぐ、内角には速い真っすぐを投げました」。7回無死一、二塁。久保は3度サインに首を振って、内角のシュートを選択。代打・緒方を三ゴロに打ち取り、広島の流れを断った。

“最遅”120キロ台の外角への直球に対して、内角の勝負球は140キロ超。変幻自在の投球を捕手のサインなしで「自分の感覚で」組み立てた。里崎は「雨のマイナスなんて一切感じませんでした。ボクは新人として見てませんよ」と久保の完成度に驚嘆した。 背番号16が生み出した心地よいテンポは、攻撃陣の集中打を生み出した。1軍残留のかかっていたオープン戦でも「千葉マリンの風や、ストライクゾーンを確かめていた」という久保。同年齢のライバル・松坂を上回る5勝目には、ルーキーの次元を超えた頭脳があった。

“雨天決行”が奏功しての快勝に、バレンタイン監督は「今日よりひどいコンディションでの試合も知っているから」とほくそ笑んだ。56試合目での40勝到達はリーグ史上3位タイの超スピード。指揮官は「このチームにはその価値がある。全試合、勝つべくして勝っている」と誇らしげに語った。6月も連勝スタート。プレーオフ制度がうらめしいほどの強さで、最強ロッテは一気に夏を駆け抜ける。

◇1イニング4得点以上24回

ロッテの本領が凝縮されていた。バレンタイン監督の掲げる「つなぎの野球」が、勝負を決めた。4回1死二、三塁、6番・サブローの左前安打で先制すると、里崎の左翼線二塁打で2点目。今年のロッテはここで終わらない。なおも二、三塁から、今江が顔面付近のボールをスクイズ。「外角より内角の方がバントしやすいですから」と会心の笑みを浮かべた。9番・小坂も遊撃内野安打で続き、一挙、4点を奪った。

広島守備陣が無警戒だったスクイズ。指揮官は「3点目が絶対欲しい、と思ったから」と振り返った。ロッテ投手陣の2点台の防御率を考えれば、勝利を決定づける得点だった。 今季、1イニング4得点以上のビッグイニングは24度目。昨年の15度(同じ56試合時点)から飛躍的にアップした。ビッグイニング誕生試合では今季19勝無敗。「マリンガン打線爆発=必勝」の構図が成り立っている。

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ロッテ40勝1番乗り!貯金も今季最多24[ニッカン]

2巡目に入ったロッテ打線が4回に目覚めた。4長短打に小技を絡め一挙4点。雨中の試合でも変わりない集中力で主導権を握り、両リーグ最速の40勝目を手にした。

1死二、三塁から一気に畳み掛けた。サブローはカウント2−0からの直球を左前に運ぶ先制打。「低めの球だったけど、うまく打てた」と自賛する一振りに、里崎も左翼線二塁打で続いた。なおも1死二、三塁で今江への指示はスクイズ。降雨コールドゲームを想定し「3点目が絶対ほしかった」というバレンタイン監督の期待に、今江は顔付近に来た初球のボール球をきっちりと投前に転がした。

効率的な援護で新人の久保も完投し、貯金は今季最多の24。投打が噛み合ってつかんだ節目の勝利に、バレンタイン監督は「この時期に40勝してもおかしくない。1つ1つ、勝つべくして勝った試合だからな」。勢いだけではない強さに、指揮官は自信たっぷりだった。

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“W杯”意見書をMLB側に送付[スポニチ]

日本プロ野球組織(NPB)が「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」運営に関する意見書を、米大リーグ機構(MLB)とMLB選手会に送付したことが2日、明らかになった。NPBではWBCの利益分配や運営方法などを問題視し、参加を保留。5月25日の実行委員会で12球団の意見を集約し、意見や質問、提案を文書でMLBに伝えることになっていた。MLBジャパンのジム・スモール代表は「文書は頂いたが内容は言えない。今までにないリクエストもあるが、検討し、できる限り応えたい」と語った。同代表は6日に離日し来週中にもニューヨークのMLB本部で、日本への対応を話し合うという。

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WBCへNPB12球団が意見書[報知]

◇MLB「日本参加へ努力」

日本の参加が注目されるプロ野球のW杯「第1回ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)=来年3月、米国などで開催=について、MLB(米大リーグ機構)ジャパンのジム・スモール代表が2日、東京・内幸町の事務所で、日本プロ野球組織(NPB)12球団からの意見書を受け取ったことを明かした。

米大リーグ機構と米大リーグ選手会が主催する16ヶ国・地域の国別対抗戦。組織委員会の設立、利益配分の方法に不公平感を訴えるNPBは12球団の提案や要望などをまとめ、バド・セリグMLBコミッショナーとドン・フィアー選手会専務理事宛てに文書を送付した。 これを受け、MLBは週明けに米ニューヨークで緊急会議を開く。スモール氏は「できる限り要求に応え、日本が参加してくれるように努力する」と語った。NPBは回答を待って、実行委員会などで参加を検討する。

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