わたしはかもめ2005年鴎の便り(6月)

便

6月10日

中日2−6千葉ロッテ(ナゴヤドーム)

ロッテが先発・清水直の今季3度目の完投勝利で連勝、貯金を34年ぶりとなる26に伸ばした。清水は、7回2/3までパーフェクトピッチング。今季初の2ケタ奪三振の11奪三振2失点で完投し、6勝目をマーク。打線は、3回にサブローの適時三塁打で2点を先制すると、7回に1点、8回に2点、9回に1点、計4点を追加し中日を突き放した。中日打線は8回に荒木の適時打などで2点を返すのみ。先発マルティネスは8回を7安打5失点で連続イニング無失点も16でストップ。首位・阪神とのゲーム差は1に広がった。

123456789R
千葉ロッテ0020001216
中日0000000202
清水直
「相手は強いチーム。マリンでパーフェクト寸前の好投をやられたので、どんなことがあっても最後までマウンドに立つ。そして、やり返してやろうと思ってマウンドに上がりました。立浪選手に打たれたのはスピリット。悪いボールじゃなかった。失投ではないですよ。でも逆にほっとしたところもありましたね。今日はスピリットを多めにしました。里崎捕手が上手くリードしてくれました。それと、早めに勝負に出ました。早く攻撃に入れるように、リズムを考えました。自分は他のピッチャーから遅れています。前回は初回に5点を失ってゲームを壊してしまった。前回から今日までの間に、1度自分を見つめ直して、気持ちを切り替えていこうと思って今日のマウンドに上がりました。それが上手くいったのかも知れませんね。」
竹原
「緊張はなかったですね。ノーヒットだったけど自分のスイングができたと思います。あんなもんですよ(笑)。最初打席でやはりマルチネスは少し打ちにくかったでです。打席では力みもありました。次のチャンスで結果を出したいです、頑張ります。」

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清水リベンジ投、ロッテ交流戦20勝[スポニチ]

爽快な笑顔。悔しさは、もうない。清水を包み込んだのはエースの仕事を成し遂げた充実感だけだった。

「前回(川上)憲伸にマリンでやられているので何とかお返ししたかった。絶対やり返してやろうと…(途中まで)完全で行けて、それらしい投球ができてよかった」。前回対戦した5月20日の中日戦で6回5失点KO。投げ合った川上は8回2死まで完全投球だった。李承Yの1発でパーフェクトは免れたが、エース対決に惨敗した。川上とは同い年の29歳。アテネ五輪に出場したプライドもある。「今でも(脳裏に)残っている」。練習しても自宅で休んでも悔しさは消えなかった。負けは認めたくない。敵地ナゴヤドームで登ったのはリベンジのマウンドだった。

あの時の川上に負けじと7回2死まで完全に抑えた。84球目、立浪にスピリットを中前に運ばれたが「ヒットはいつか打たれると思ってたし立浪さんでよかった」。8回には2失点。完封も逃したが、最近の制球に苦しみ自滅する投球は影を潜めた。「全部勝負」とボール球を一切使わず、スピリットを多投。テンポよく投げ切った。今季初の2ケタ11奪三振、2度目の無四球完投。今季チーム最短の2時間21分という早い試合がエース復活を象徴していた。

社会人・東芝府中の大先輩である落合監督の前で見せたエースの意地。バレンタイン監督も「低めにしっかり投げていた。8回以外は完璧」と絶賛だ。通算6勝目。「少し後れを取っているんでしっかり投げていきたい」。8勝のチームメート渡辺俊、小林宏に負けていられない。チームも今季最多の貯金を26に伸ばし交流戦20勝1番乗り。エースの復活が、さらにチームを勢いづける。

◇新人竹原先発も

ロッテはこの日初めて出場選手登録されたルーキー竹原が「7番・左翼」で即先発出場した。イースタンで打率.378、10本塁打の2冠王。左投げ右打ちの異色選手で中日先発が左腕マルティネスのため抜擢されたが、3打数無安打に終わった。試合後は「硬かったですね。でもあんなもんです。次、頑張ります」と次のチャンスに燃えていた。

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ロッテ交流戦20勝1番乗り!清水11奪K完投6勝目[サンスポ]

初めて実際に目にするロッテのあまりの強さにナゴヤドームのドラ党も静まり返った。追加点の欲しい7回1死一、三塁では今江が初球スクイズに成功。失点した直後の9回にはすぐさまフランコが本塁打。そして最も度肝を抜いたのがエース清水の快投ショーだ。

清水直
「早めの勝負を心がけて、とにかくゴロを打たせようと思いました。」

MAX147キロの直球を武器に7回2死まで1人の走者も許さない完全試合ペース。84球目、立浪に中前打を浴び、結局2失点したが、今季3度目の完投で11奪三振、今季6勝目。ハーラートップの8勝を挙げている同僚の渡辺俊、小林宏に決して負けていないエースの気迫の投球だった。

5月20日の中日戦(千葉マリン)でのエース対決。このときロッテは中日のエース川上に8回2死まで無走者、あわや完全試合という1安打(本塁打)完投負けを喫した。一方の清水は6回5失点でKO降板。「前回は憲伸にやられていたので…」とリベンジを胸に誓ったマウンドで堂々の快投だ。

チームの顔には、多方面から“出演依頼”が寄せられている。母校の兵庫・報徳学園高からは来年度の入試案内の登場を依頼された。新入生のハートをつかむ“スターOB”として白羽の矢を立てられたのだ。快進撃を続けるロッテ。もはやパのお荷物球団の面影はどこにもない。

投打がガッチリかみ合い、貯金は今季最多をさらに更新する『26』。これで交流戦も20勝1番乗り。ロッテに交流戦初代王者という栄光がハッキリと見えてきた。

データBOX
ロッテが交流戦20勝1番乗り、貯金も10になった(シーズンは貯金26)。公式戦での20勝1番乗りはソフトバンクに譲ったが、交流戦では12球団で初めて20勝に到達した。このうち先発投手が17勝。交流戦前までも24勝中23勝を先発でマーク。シーズン通算では44勝中40勝、チームの勝ち星の9割以上を先発投手で稼いでいる。

◇竹原“地元デビュー”にリキんだ…

D4巡目・竹原(三菱自動車岡崎)が1軍に合流し即スタメン。前夜に伝えられ、慌てて荷造り。社会人時代を過ごした愛知県で“地元デビュー”となった。結果は3打数無安打で「打ちたかったですね。力みがありました」と反省したが、バレンタイン監督は「ヒットは出なかったが(進塁打で)チャンスは広げた」と評価した。

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清水7回2死まで完全!無四球2失点完投[報知]

◇ロッテ6人エースの親分が本領

ロッテが貯金を今季最多の26とした。先発・清水が7回2死まで完全投球。2失点完投で6勝目。打線は3回にサブローの2点三塁打で先制すると、終盤にも効果的に加点。中日・マルティネスは来日初黒星を喫した。

清水の背中に男気があふれていた。7回2死まで1人の走者も許さない。完全試合にあと7人と迫り、打席には2000安打の立浪。しかし、この日84球目の外角スプリットは無情にも中前へ運ばれ、夢の記録は消えた。

「いつか打たれると思ってたから」パーフェクトは消えても「どんなことがあっても最後までマウンドを守りたかった」と切り替えた。8回に2点を失ったが、無四球完投。最強ロッテのエースが誰なのかを証明する熱投だった。

リベンジに燃えていた。5月20日、中日・川上が8回2死までパーフェクトの“準完全試合”。その試合で清水は11安打を浴びる屈辱を味わった。「憲伸にやられていたので、やり返してやろうと思った」ダイナミックなフォームから繰り出される最速147キロの直球に高速スライダー、スプリット。「打たれてばかりはいられない」と気合の投球で雪辱を果たした。

背番号18は「エースの美学」を貫いてきた。開幕から10戦連続で相手エースとの投げ合い。打線の援護に恵まれない日もあった。だが、清水は言う。「いい投手との対戦を任されているからこそ勝ちたい。僕がエース同士の試合で勝てば、勢いに乗るんだから」。

最近の不振を振り払うため、2日前には100球の投げ込みを敢行。「他の投手より出遅れてたから。1度、自分を見つめ直した」という。ロッテでは渡辺俊、小林宏が既に8勝を挙げているが、清水がエースであることに異論を挟むものはいない。最も苦しい試合を投げ抜いてきたのが誰であるか、ナインは理解しているからだ。

ロッテの貯金は今季最多の26。「秋にいい思いをするために、投げる試合では全力を尽くしたい」力とプライドが凝縮された120球。10月、日本一のエースとなる日を夢見て、清水の歩みは止まらない。

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ロッテ交流戦20勝、清水7回2死まで完全

◇清水直7回2死までパーフェクト

さあファンを楽しませてきた交流戦も残りわずか。首位ロッテは清水が7回2死まで1人の走者も出さないパーフェクト投球。夢は21人目の打者立浪に中前打されて消えたが、中日を2失点に抑え、無四球完投で6勝目を挙げ、チームも交流戦20勝1番乗りだ。一方、交流戦2位対決はソフトバンクが倉野の好投と継投で逃げ切り2位キープ。阪神が3位浮上、そして4位転落のヤクルトもまだ上位と直接対決を残し、優勝賞金5000万円争奪戦がヒートアップしてきた。

ヒーローインタビューを終え、一息ついた時だった。清水の口から思わず本音が漏れた。「惜しかった…クソ〜」。そう言うと、悔しさを込め指を鳴らした。7回2死まで許した走者は1人もなし。あと7人。完全試合へ…という雰囲気が漂い出した直後だった。

この日21人目の打者の3番立浪に投じた84球目。スプリットボールが真ん中に入った。打球は足元を転がり、中前へ抜ける初安打となった。「いつかは打たれると思った。その後も集中力を切らさないようにした」と振り返った。

8回に2点を失ったが、集中力は切れなかった。9回2死から福留にカウント0−3までいき「危なかった」というが、無四球を守り最後は空振り三振。4連続を含む今季初の2ケタとなる11奪三振完投で6勝目を飾った。最速147キロの直球に加え「スプリットで打者の手元でボールを動かしたのが良かった」と流れる汗をぬぐった。

雪辱を期しての登板だった。5月20日の中日戦で同い年の川上と投げ合ったが、6回5失点で降板。さらに、味方打線は8回2死までパーフェクトに抑えられていた。李の1発で“屈辱”は免れたが、完敗だった。「憲伸にやられていたので、お返ししたかった」と燃えていた。

さらに、前回登板の3日の阪神戦は4回6失点で今季最短KO。「恥ずかしい思いをした。自分を見詰め直してしっかり投げようと思った」という。チームの貯金は今季最多26となった。交流戦も残り5試合。「いい試合ができている。上位で終われるようにしたい」と、優勝への手応えを感じていた。

バレンタイン監督
「清水はパーフェクトに近い投球。サブローの2死からのタイムリーが大きかった。1試合、1試合、全力でやるだけ。」
サブロー
「(マルティネスが)制球に苦しんでいたように見えたから、ストライクゾーンを少し上げた。」
交流戦勝率1位争い(10日現在)
最終
勝数
ロッテソフトバンク阪神ヤクルト横浜オリックス
残り5最終勝率残り5最終勝率残り5最終勝率残り6最終勝率残り7最終勝率残り5最終勝率
255−0.714
244−1.6865−0.6866−0.667
233−2.6574−1.6575−0.6765−1.6397−0.639
222−3.6293−2.6294−1.6474−2.6116−1.611
211−4.6002−3.6003−2.6183−3.5835−2.583
200−5.5711−4.5712−3.5882−4.5564−3.5565−0.606

◇ほろ苦デビュー、竹原ノーヒット

新人竹原はデビュー戦で無安打に終わった。イースタンで3割7分8厘、10発と2冠の実績を引っ提げて、この日1軍昇格。三菱自動車岡崎出身で、名古屋の試合で7番左翼に抜擢と舞台は整ったが、3打数無安打。「緊張して力みがあった」と力を出し切れなかった。

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清水エースの意地!無四球完投[ニッカン]

ロッテ清水が調子の上向く中日を無四球完投でねじ伏せた。中日は清水には忘れられない相手だ。5月20日、投げ合った川上は8回2死まで無走者で結局1安打の快投だった。常々「エース対決は勝たないといけない」と口にする清水はこの時、6回5失点。それから3週間、マウンドに川上はいなかったが2度目の中日戦に、エースが燃えない訳がなかった。

意識したのは低め。追い込んでから小さく揺れて落ちる球で三振を奪うテンポのいい投球を展開し、7回2死まで無走者。立浪に初安打を許し8回には2点を失ったが、「何とかお返しをしたかったからね」と、手にした6勝目に表情が緩んだ。

打線も応えた。3回にサブローの三塁打で2点を挙げ7回以降にも4点。スクイズを決めた今江は「この前の試合を思い出していた。今日は直さん(清水)がいい投球をしていたので、その流れに乗った」と、右腕の気迫に触発されていた。

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野球の楽しさ子供らに[朝日新聞・千葉]

6月3日、甲子園での阪神との交流戦。清水直行投手(29)はいつもとはちょっと違う気持ちを抱きながらマウンドに上がっていた。

清水は甲子園から車で10分程度の距離にある武庫川団地の出身。彼にとってこの試合は文字通り、地元での凱旋登板。球場には清水直が小学生の時に在籍していた少年野球チームの選手70人と関係者30人を自費で招待していた。

「親に連れられてよく巨人戦を見に行ったよ。家が甲子園に近かったのはオレにとって本当に恵まれていたと思う。ここのスタンドからプロへの夢を膨らませていた」。高校は地元の名門・報徳学園に進んだが、甲子園の土は踏んでいない。地元であると同時に憧れの地。後輩、知人、家族。この日はみんなに見守られながらのマウンドとなった。しかし、それが力みにつながったのかもしれない。4回、6失点。不運な失策もあり阪神に負けた。

試合後のロッカー。落ち込んでいるであろうと誰もが声をかけるのをためらう中、清水は私にポツリと言った。「子供達は試合を楽しんでくれたかな?甲子園の雰囲気はどうだったかな?」。落ち込んでいるであろう投手は、ずっと招待した子供達のことを気にしていたのだ。

それだけではない。招待したのは小学4〜6年生の高学年。1〜3年生21人は「小さい子は夜遅くまで野球場にいるのは駄目」という理由から野球観戦を断念させられていた。そんな子供達のためにと、彼ら1人1人の名前まで入ったサイン入りボールをプレゼントするために疲れを忘れてペンを手に取った。清水直とはそういう男なのだ。改めてロッテのエースの持つ人間味に触れた気がした。

後日、私のもとに少年野球チームの代表者からお礼の電話をいただいた。「子供達は本当に喜んでいました。清水先輩みたいになれるように頑張るといっていましたよ」。

清水直は1年の時から6年になるまで練習を1度も休むことはなかったという。その結果として今がある。そんな彼が子供達に教えたいこと。それは野球の楽しさ。背番号18はいつも子供達の視線を感じながら、マウンドに上がっている。(広報・梶原紀章)

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