ロッテが今季13度目の2ケタ得点となる11点を挙げ、3連勝で貯金を今季最多の27とした。ロッテは3点を追う5回に代打初芝の2点適時打、ベニーの12号2ランなど打者一巡で6点を奪い一挙に逆転。6回には李の昨年に並ぶ14号ソロ、7回にも追加点を奪い逃げ切った。勝ち投手の山アは5年ぶりの勝利でパリーグ9人目の1球勝利をマークした。中日は4回に4点を取り一時逆転したものの、先発山本昌がリードを守りきれず、打線も5回以降は1点に抑えられ5カードぶりの負け越しで交流戦の負け越しが決定。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 1 | 3 | 0 | 0 | 11 |
中日 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
15年目の32歳、山アが「1球勝利」を手にした。先発セラフィニが4回に4点を奪われ、2死二、三塁から2番手で荒木を1球で二ゴロに打ち取った。リーグ9人目となる1球勝利で、広島時代の00年9月以来、移籍後は初となる約5年ぶりの白星だ。試合後は「自分が白星?嘘でしょ?小宮山さんじゃないの」としばらく信じられない様子。この日で22試合目の登板とフル回転のベテラン右腕は、いつもより早い出番も「焦ることもなかった」と戸惑いは見せなかった。
ロッテの強さは若手の躍進だけじゃない。この日はベテラン勢が獅子奮迅の活躍を見せて、中日を圧倒した。3点ビハインドの5回に、初芝、堀、フランコらの適時打で一挙6点を奪って大逆転。投げては、山アが「1球勝利」を挙げ、チーム最年長の小宮山も2回を1失点に抑えた。若手とベテランがかみ合い、3連勝でパ・リーグ、交流戦の首位をガッチリとキープ。この勢いは梅雨入りしても止まりそうにない。
勝利に沸くベンチ裏で、39歳の小宮山がうなった。「このチームは本当につええ!」。昨年のセ・リーグ覇者を力でねじ伏せての逆転勝利。初芝、堀、フランコ、ベニー…。立役者となった百戦錬磨の男達の爽快な笑顔がまぶしかった。
ベテラン戦士の闘志がオレ竜をのみ込んだ。3点を追う5回1死二、三塁。「代打・初芝」のコールが逆転劇への大号令だった。外角低めのカーブを執念で中前へ2点適時打。「気持ちで食らいついていった」という38歳の一打で1点差に迫ると、ロッテの“三十路軍団”が本領を発揮した。2死一塁から36歳の堀が右中間を破る同点二塁打。続くフランコの右前打で瞬く間に勝ち越して、トドメはベニー。左中間に12号2ランを運んだ33歳の主砲は「日々の苦労と努力が報われた」と興奮気味にまくし立てた。
3点のリードを託されたのは、チーム最年長の小宮山だ。「普通、4回に(中日が)逆転して終わりだろ。それをはね返すんだからな」打線の奮起を無駄にはしない。老練な投球で2イニングを1失点にまとめ、勝利へ導いた。
「全員が刺激、勇気を与え合っている」。会心の3連勝にバレンタイン監督の笑顔もはじけた。この日、55歳のボビーは早朝に起床してランペン内野守備走塁コーチとともに「愛・地球博」へ出かけた。キャンプでは2軍視察のため、54キロの山道を自転車で完走。今季、野手では西岡(20歳)、今江(21歳)、投手ではルーキーの久保(24歳)ら若手の活躍が目立っているが、無限のスタミナと追求心を持つ指揮官がいる限り、ベテランも老け込んではいられない。
リーグ、交流戦の“ダブル首位”をキープして貯金は今季最多の27。小宮山は今の勢いを「神がかりに近い」と表現した。想像を超える強さを見せて、ボビー・ロッテが外界の梅雨空を吹き飛ばした。
苦労人の山アが、1球で勝利をつかんだ。乱調のセラフィニの後を受けて、4回2死二、三塁から登板。荒木を二ゴロに打ち取り、勝利投手の権利を手に入れた。チームはその後もリードを守りきり、山崎にとって広島時代の2000年以来、5年ぶりの勝ち星。「勝利?気にしてなかった。小宮山さんじゃないの?」と、自身が勝利投手となった事実が信じられない様子だった。
チーム最多の22試合に登板。この日も、セラフィニが突如、崩れため緊急登板となったが「いつもと同じですよ」と、平然とマウンドへ向かった。バレンタイン監督は試合後、「勝利投手は(小宮山と山崎)どっちなんだ?」と報道陣に逆取材。指揮官は小宮山に勝ち星がつくと予想していたようだが「2人とも大切な仕事をしてくれた」とねぎらっていた。
ファイナルカウントダウンだ。ロッテが11日、交流戦の中日5回戦(ナゴヤドーム)で、1−4の劣勢から5回に一挙6点を奪って11−5の逆転勝ち。歴史的な交流戦初代王者&賞金5000万円に「あと3勝」と迫った。ボビー・バレンタイン監督(55)は、この日のデーゲーム前に「愛・地球博」を“観光”して「楽しかったデース!!」。地球博→ナゴヤドームと“遠足気分”で勝っちゃった。さあ、優勝デース。
梅雨入りしても、ロッテ打線が湿ることはない。この日、平年より3日遅れで梅雨入りした東海地方。傘を手にした中日ファンは、試合終了を待たずに席を立った。
バレンタイン監督が絶賛したのは5回の爆発だ。1−4の劣勢。しかし、このままでは終わらない。リードを許した直後、打者一巡の猛攻で一挙6点。あっさりと逆転に成功した。
監督が慌てて付け足すほど、選手全員が活躍した。
強いロッテ。それを証明するような衝撃の遠足…いや、事実が明らかになった。この日は午後3時の試合開始とはいえ、デーゲーム。なのにバレンタイン監督は試合前、観光を満喫していた。
ランペン守備走塁コーチを誘い、愛知県で行われている万博『愛・地球博』へランランラン。開門時間の午前9時に入り口に並び、日本館やアメリカ館など4つのパビリオンを見学した。ファンに求められると、握手や写真撮影に応じ、ファンサービスもきっちり。「試合なかったっけ」という周囲のささやきも気にせず、まるで遠足のようだった。
「楽しかったデース!!すばらしい万博。この国で、あれだけのものが開かれていることに、感動した」。ナゴヤドームに移動しても遠足気分?はキープ。練習中も「ヘーイ」と手に入れた時計を選手やスタッフに見せて回って大はしゃぎだ。
監督が余裕なら選手も余裕デース。監督に名前を忘れられた36歳のベテラン堀は先日の6日、家族と共に海に釣りに出かけた。「月曜日は練習するな」が監督指令。翌日からは巨人3連戦、交流戦のハードな日程で本来なら体を休めるところだが“楽しくリフレッシュ”もまた、ロッテの方針だ。
交流戦元年。遠足しても釣りをしても勝っちゃう。21勝10敗1分け。気が付けば、優勝がそこにある。歴史的な初代王者へ、あと3勝だ。残り4試合。さあ、31年ぶりの優勝の予行演習デース。
4回途中からリリーフした山アがプロ20人目、パ・リーグでは同僚の小野が昨年4月に挙げて以来9人目の“1球での勝利”をマーク。先発・セラフィニの後を受け、荒木を二ゴロに仕留めた。5回に代打を送られると6得点で逆転。山崎は「小宮山さんが勝ち投手じゃないんですか。小宮山さんでしょ?」と試合後もしばらく信じられない様子。平成14年に広島から移籍した右腕にとって5年ぶりの白星、待望のロッテでの初勝利はまさかの1球でのゲットとなった。
山ア健投手(32)が11日の中日戦で、わずか1球で勝ち星を挙げた。昨年までの規定では小宮山に勝利投手がついたケースだったが、今年2月の改正に伴い、山崎が5年ぶりの勝ち星ゲット。小宮山を勝利投手にしようという温情起用を見せたバレンタイン監督も苦笑いだ。こんな騒動が起こるのも劣勢をはね返す打線の反発力があればこそ。やっぱりロッテって強い。
わずか1球で5年ぶりの白星を挙げた山アが目を白黒させる。「ウッソー、(勝利投手は)僕じゃないですよ。小宮山さんじゃないの?みんなそう言っていたよ。本当にオレ?全然実感わかないよ」。そう、ロッテベンチは小宮山の今季初勝利を信じていた。山崎は1−4の4回2死二、三塁で登板し、荒木を1球で二ゴロに。小宮山は逆転直後の5回から2回を1失点。昨年までなら勝利投手は小宮山だった。
だが、今年2月に救援勝利投手の規定が改正。投球回数が関係なくなった。バレンタイン監督も勝利投手が誰なのか分からず、試合後は「勝利投手はどっちだ?」。山アと教えられると「ウーン…」と悔しそうだ。公私ともに厚い信頼関係で結ばれている小宮山に、今季初勝利をプレゼントしたかったのが指揮官の本音。これまでは敗戦処理がほとんどだったが、この日は3点リードの場面で登板させた背景にはそんな思いがあった。「今までと違った形で出て仕事をしてくれた」とバレンタイン監督も苦笑いだ。
とはいえ、そんな騒動もロッテが強い故に起こった。先発セラフィニが4回に4失点で逆転されても5回にすぐに逆転してしまう。ベニーの12号2ランなどで一挙6点。その後も4点を奪い、終わってみれば余裕の勝利だった。余裕といえば指揮官の行動も…。この日早朝から遠征先の名古屋で開催されている「愛・地球博」を見学。万博でもらったからくり時計を自慢げに披露し「素晴らしかった」とリフレッシュしていた。
貯金は今季最多をまたしても更新する27。交流戦優勝で、賞金5000万円も現実味を帯びてきた。「それぞれが刺激と勇気を与え、いいチームに出来上がっている」。31年ぶりの悲願へ。バレンタイン野球に死角は見当たらない。
3点リードの5回から登板した小宮山は2回を4安打1失点。5回に3安打を浴びたが、続く6回を無失点でリードを守った。規定改正で今季初勝利を逃し、ホールドに。それでも気にしている様子はなく「このチームは本当に強い。普通なら逆転されてめいるのに、はね返すんだから。運もある。神がかり的だよ」とチームの強さに驚いていた。
ロッテのベンチには、3点ビハインドでも「いける」ムードが充満していた。苦しい試合でもベテランの力が頼りになる。4点奪われた直後の5回、反撃が始まった。1死二、三塁からプロ17年目の38歳、初芝が代打で打席に立った。カウント2−1と追い込まれながら「気持ちで食らいついた」と1点差に迫る執念の2点中前打を放った。
さらに2死一塁から18年目、36歳の堀だ。「打てる球なら打っていこう」と積極的に初球を狙い、右越えの同点二塁打。意地の打撃が続くフランコの勝ち越し打、ベニーの1発につながった。ベテランがマリンガン打線を目覚めさせ、打者10人で逆転だ。初芝は若手の今江の台頭で代打での出場が多い。堀も小坂、西岡との併用だが、自分の役割を果たして高打率を維持。くさらずにバレンタイン監督の起用に応えた。
逆転した後は14年目、39歳の小宮山が登板した。いきなり無死一、三塁の危機を招いたが、4番ウッズを遊ゴロ併殺。2回1失点で切り抜け、今季初ホールドだ。「このチームは本当に強い。4回に逆転されて普通なら滅入るところ。ここ10年で1番強い」という。中継ぎ陣で、常に真っ先にブルペンで準備するが「勝つために何をするかをみんなが考えているから、当然」と言い切る。
3人合わせて113歳のベテランの頑張りで、終わってみれば今季28度目の2ケタとなる12安打11点で3連勝。セ5球団に勝ち越しだ。今季最多の貯金は27。バレンタイン監督も「みんなが刺激と勇気を与え合っている」とムダな戦力はない。ロッテの強さをあらためて印象づける逆転劇となった。
4回に逆転を許したロッテが、直後の5回の反撃で6点を挙げて、底力を見せつけた。勝負どころで初芝、堀のベテランが山本昌をとらえ、中日に傾きかけた流れを引き戻した。
3点を追う5回、四球と安打から得た1死二、三塁。代打に送られた38歳の初芝が「いい場面で使ってもらったので、結果を出したかった」と、抜いた変化球を中前にはじき返し1点差。さらに2死一塁で36歳の堀が初球の外角速球を右中間へ適時打。これで勢いに乗り、フランコの勝ち越し打とベニーの2ランにつながった。
5回裏からは、9月で40歳の小宮山が2回を1失点。若手の台頭で出番の減った男達の活躍にバレンタイン監督も「それぞれが刺激と勇気を与え合っている」と笑顔。ベテランの活躍で、貯金は27となった。