ロッテが逆転勝ちで交流戦単独1位を決めた。ロッテは1点を追う3回、福浦の3号2ランで逆転に成功。5回に小坂の適時打で1点を追加し、9回李の16号2ランで試合を決めた。先発清水直は7回を投げ、被安打6、奪三振4、1失点で7勝目をマーク。ロッテは3カード連続の勝ち越しで、貯金を今季最多タイの29とし、交流戦成績24勝11敗1分で交流戦単独1位。レギュラーシーズンでも2位ソフトバンクとのゲーム差を4とした。ヤクルトは4カード連続の負け越しで貯金3、首位タイガースとのゲーム差は3に広がった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 |
ヤクルト | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
ロッテが、正真正銘の1番になった。ヤクルトとの交流戦最終戦に、5−1と快勝。賞金5000万円総取りに成功した。3回に福浦の2ランで逆転すると5、9回に追加点。投げてはエース清水から薮田、小林雅とつなぐ盤石のリレーで逃げ切った。負ければソフトバンクとの同率優勝にとどまる重圧のもとでも、普段通りの力を発揮した。1戦の重みが増していくリーグ再開後、そしてプレーオフ、日本シリーズに向けても自信を深める1勝となった。
やっぱり、ただの1勝とは喜びが違った。最後はロッテの守護神・小林雅が1死満塁の危機を招いたが、青木を三振、宮本を一飛に打ち取ってゲームセット。直後に三塁側ベンチ前で行われた賞金授与式で、チームは素直に歓喜を表現した。小林雅が「50,000,000」と書かれたボードを高々と掲げれば、バレンタイン監督は「ブチュッ」とトロフィーに熱烈キス。スタンドの「5000万!5000万!」という大合唱はいつまでも続いた。勝てば賞金総取り、負ければ半分。そして、金額以上に大きな意味を持った戦いだった。
真価が問われる1戦で逆転3号2ランを放ったのは、交流戦で苦しんだ福浦だった。1点先行された直後の3回、川島のフォークをバックスクリーン右へ運んだ。5月終わりに腰痛に悩まされ、体のケアに細心の注意を払った。腰骨にバンドを巻き、矯正。さらに試合の日も球場の風呂につかり、体を温めた。昨年の無念を味わったからこその自覚だった。
昨年は最後の最後に日本ハムに抜かれ、0.5差でプレーオフ進出を逃した。9月24日、千葉マリンでプレーオフに備えて練習。大型映像で日本ハムの勝利を見届け、4位が決定した。キャンプからチームの合言葉は「あの悔しさを忘れるな」。全員が胸に刻んでいた。
福浦の「2500万円上乗せ弾」にチームは乗った。5回に二塁打の今江を、先発の清水がバントで送り、続く小坂が右前打でかえした。この日も投手のバットが得点に絡んだ。9回には李がダメ押し2ラン。勝たなければいけない試合でも、選手はいつも通りの野球で勝った。
バレンタイン監督も必勝態勢だった。2回に早くも先発要員のセラフィニを、6回には前日先発予定だった久保をブルペンに待機させた。指揮官はこれで日米通算1300勝にあと1つと迫った。「ロッテ(球団)は今まで赤字が続いていたかも知れないが、お金を稼げることを証明できた。また次の試合へ準備したい」。リーグ戦再開へ、チームがまた強くなった。
ロッテは、賞金5000万円を現場と球団で2500万円ずつ分ける。バレンタイン監督は「フェアに分けられる方法を考える」とスタッフを含め全員に分配する方針。球団の2500万円は濱本球団社長が「ファンが望むことを考えたい」と感謝イベント開催など、還元する方法を今後決める見込みだ。
主力打者の交流戦成績 | |||||||||
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打者 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四死球 | V打点 | 打率 |
フランコ | 33 | 117 | 41 | 8 | 25 | 0 | 17 | 3 | .350 |
小坂 | 27 | 76 | 25 | 1 | 9 | 5 | 10 | 1 | .329 |
福浦 | 24 | 86 | 28 | 2 | 16 | 0 | 11 | 3 | .326 |
堀 | 29 | 102 | 33 | 1 | 10 | 0 | 11 | 1 | .324 |
ベニー | 35 | 135 | 43 | 6 | 30 | 1 | 11 | 2 | .319 |
李 | 29 | 104 | 32 | 12 | 27 | 2 | 8 | 3 | .308 |
今江 | 36 | 118 | 36 | 0 | 11 | 2 | 11 | 1 | .305 |
里崎 | 24 | 82 | 24 | 3 | 13 | 0 | 6 | 2 | .293 |
西岡 | 33 | 131 | 36 | 1 | 14 | 8 | 12 | 1 | .275 |
サブロー | 34 | 94 | 22 | 3 | 11 | 2 | 4 | 3 | .234 |
主力投手の交流戦成績 | |||||||||
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投手 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | セーブ | 投球回 | 三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
小林宏 | 6 | 5 | 0 | 0 | 42 2/3 | 33 | 13 | 13 | 2.74 |
渡辺俊 | 6 | 4 | 1 | 0 | 52 | 29 | 12 | 10 | 1.73 |
久保 | 5 | 4 | 1 | 0 | 39 1/3 | 25 | 12 | 10 | 2.29 |
小野 | 6 | 3 | 1 | 0 | 40 1/3 | 16 | 9 | 9 | 2.01 |
清水 | 7 | 3 | 2 | 0 | 52 | 41 | 18 | 13 | 2.25 |
セラフィニ | 6 | 1 | 1 | 0 | 33 1/3 | 26 | 21 | 12 | 3.24 |
小林雅 | 12 | 0 | 1 | 9 | 11 1/3 | 12 | 3 | 3 | 2.38 |
エース清水が川島との投げ合いにリベンジを果たした。5月13日は失点1、自責0の完投も、打線が川島に零封された。前日16日は久保の先発予定だったが、雨で流れ、大一番の登板がめぐってきた。「メチャメチャ重圧があった。昨日も喋りかけんといて下さい、という気持ちだった。久保も投げたかっただろうし」。2回に1点を失ったが「開き直った」と粘りの投球で7勝目を挙げた。「区切りの優勝だが先は長い。追われる苦しみを味わう時がくる」と先を見据えた。
ロッテがヤクルトを下し、交流戦単独優勝を決めた。3回に福浦の逆転2ランが飛び出し、エース・清水から薮田−小林雅の必勝リレーで締めくくった。賞金5000万円は球団と現場で折半され、球団はファンに還元、現場は等分割する方針。貯金29でシーズンを折り返したロッテ。シーズン96勝の驚異的ペースで、31年ぶりのリーグ優勝に突き進む。
ボビーがスマイル全開で優勝トロフィーにキスをした。「賞金5000万円」と記されたボードは、選手会長の小林雅から、勝利投手の清水、逆転2ランの福浦へと手渡された。ロッテが交流戦単独優勝を決めた。「チームが全力を尽くし、力を振り絞って戦った結果だ」バレンタイン監督は興奮気味に会心の36試合を振り返った。
負けても同率Vは決まっていたが、単独での「初代チャンピオン」へ向かい、無我夢中で勝利を目指した。1点を追う3回2死、福浦が中堅右へ逆転2ラン。腰痛で欠場がちだった福浦は「迷惑をかけた。少しでも優勝に貢献したかった」とバットに意地を詰め込んだ。
リードを受けたのは、エース・清水。前日の雨天中止で巡ってきた大舞台で、背番号18は燃えた。「プレッシャーはめちゃくちゃあったよ。けど楽しかった」重圧を力に変え、直球主体で7回1失点。エースが、大一番での勝負強さを見せつけた。
単独Vで賞金5000万円を独占した。「赤字続きの球団だったが、お金を稼げると証明できたよ」。いたずらっぽく笑ったバレンタイン監督だが、信念を持って交流戦を戦い抜いた。期間中、先発ローテの変更はほとんどなかった。「ファンの(先発)予想を裏切りたくなかった」。ファンを引きつけるために始まったはずの交流戦だったが、予告先発制度は採用されなかった。「真っ先にファンのことを考えるべき」。指揮官はローテを守り、時には先発投手を明言して、事実上の予告先発を遂行した。
プロ野球改革元年。ボビーは哲学と結果を両立させた。最後の大一番は、エースが投げて、主軸が打って、守護神が締める完勝劇。初代王者は強かった。「ロッテがここまでやると信じていなかった人もいる。今後もいるだろう。その人達が間違っていたことを証明したいね」とバレンタイン監督は宣言した。見返す方法はただ1つ。31年ぶりのリーグ優勝を果たした時、万人の価値観が統一される。
交流戦単独優勝を果たしたロッテには、賞金5000万円が贈られた。賞金は、まず球団と現場が折半。現場に入る2500万円については、バレンタイン監督が「優勝に貢献した選手らに、フェアに分ける方法を考えます」と裏方さんを含めて、均等に分配する方針を示した。
球団側の2500万円は、ファンに還元される。濱本球団社長は「ファンが彼ら(選手)を動かしている。26番目の戦士ですからね」とファンの貢献度に感謝。瀬戸山球団代表も「賞金はファンのために使う」と明言しており、本拠地試合でのイベントなどを検討している。同代表は「全額?その可能性も含めて検討します」と、2500万円全額をファンに還元する可能性も示唆。ファンへの“大盤振る舞い”の詳細は、近日中に発表される。
やっぱりロッテは強かった。交流戦は勝率1位が確定していたロッテが単独で初代王座に輝いた。負ければソフトバンクと同率1位となる最終戦に逆転勝ちし、優勝賞金5000万円も単独ゲット。ボビー・バレンタイン監督(55)のもと快進撃で31年ぶりの優勝を目指すかつてのお荷物球団。球界初の試みとなった交流戦で、その強さと共に、魅力溢れるロッテの姿を全国のファンに知らしめた。
トロフィーを右手に掲げたボビーは、ロッテサポーターで埋め尽くされた左翼席に走った。ヤクルトを下して交流戦の単独V決定。プロ野球改革元年。初代王者に輝いたのは“お荷物球団”とまで揶揄されたロッテ。昭和49年以来31年ぶりの“日本一”に君臨した。
バレンタイン監督は歓喜の瞬間を最高の笑顔で迎えた。3回、福浦の逆転2ラン。5回には小坂の右前タイムリー。そして9回、李承Yのダメ押し弾。投げてはエース清水から薮田、小林雅とつないだ。「選手の力が結集された素晴らしい勝ち方」と自ら絶賛する通り、今季のロッテの強さが凝縮されていた。
前日16日は交流戦36試合目で初の雨天中止。今回のヤクルト戦では都内のホテルに宿泊していたバレンタイン監督だったが、急遽千葉・幕張の自宅に戻った。
表向きは交流戦Vも通過点と話していたが、ソフトバンクが横浜に負ければ、交流戦の単独優勝が決まるだけに、試合の行方が気になって仕方ない。しかし、当日の中継はCS放送のみで、宿泊先のホテルでは見られない。そこで自宅に戻り、近くの馴染みのスポーツカフェでお忍びテレビ観戦していたのだ。
24勝11敗1分け、勝率は.686。強さの象徴となったボビーズ・ロッテに本社も動く。自社製品のCMにバレンタイン監督と主力選手らを起用する方針が明らかになった。快進撃を続ける球団は現在、ロッテグループにとって最高のシンボルにもなっている。
「(リーグ2位の)ソフトバンク、(セ・リーグ首位の)阪神が力を振り絞って戦ったなかで、トップになれたことを誇りに思う」とバレンタイン監督。21日からはリーグ戦が再開される。最後まで交流戦Vを争ったのはやはりソフトバンク。既に視線の先は秋の決戦、パ・リーグ制覇に向けて“王者”ロッテが威風堂々、歩を進める。
優勝賞金5000万円は現場とフロントで折半。現場はバレンタイン監督の方針で均等に頭割りする予定だが、球団分は「ファンが望むようなことを考えたい」と浜本球団社長。独特の応援スタイルで話題となり、ロッテでは「26番目のベンチ入り選手」といわれるサポーターのために、感謝イベントを開く資金などとして還元されることになりそうだ。
20日に発表される交流戦MVPの最有力候補は小林宏。交流戦は5勝0敗、防御率2.74。これまで打席に立つ機会がなかったにも関わらず、打率.300、3打点。3二塁打を放つなど投打での活躍も交流戦にはピッタリだ。対抗はトップタイの12本塁打を放った李承Yで、期間中5試合連続本塁打をマーク。また4勝ながら防御率1.73がトップの渡辺俊、最終戦に勝ったエース・清水も候補。その他ベニー、フランコら選手全員が活躍したロッテには候補が目白押しだ。
交流戦MVP候補 | ||
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位 | 選手 | 交流戦成績 |
投手 | 小野晋吾 | 3勝1敗 防2.01 |
渡辺俊介 | 4勝1敗 防1.73 | |
久保康友 | 4勝1敗 防2.29 | |
清水直行 | 3勝2敗 防2.25 | |
小林宏之 | 5勝0敗 防2.74 | |
野手 | フランコ | 率.350 8本 25点 |
ベニー | 率.319 6本 30点 | |
李承Y | 率.308 12本 27点 |
[注]成績は17日現在
福浦が3回、値千金の逆転2ランを放った。腰痛に苦しみ、交流戦では欠場が続いたため「出れないことが多くてチームに迷惑をかけた」と最終戦での1発に笑顔。「価値ある勝利で、チームにとって自信になる。こういう経験の少ないチームですから」と、自身の活躍よりも、勝利を喜んだ。
ロッテが交流戦初代王者に輝いた。負ければソフトバンクと同率首位になるヤクルト戦で、福浦和也内野手(29)が3回に逆転2ラン、9回にも李承Y内野手(28)の16号2ランで快勝。交流戦36試合を24勝11敗1分けで終え、V賞金5000万円を独占した。昨年の球界再編騒動により誕生した日本球界初のインターリーグは昨年、プレーオフを0.5差で逸したチームの優勝で幕を閉じた。
神宮の杜に「5000万」コールが響き渡った。ファンのために欠番とした26番のユニホームを福浦が、5000万円小切手のパネルを清水が、左翼席を埋め尽くしたロッテ党に掲げると、最後はバレンタイン監督だ。優勝トロフィーを持って左翼フェンス沿いを猛ダッシュ。「完全優勝」の感激を26番目の戦士と共有した。
賞金5000万円の夢を乗せた打球がバックスクリーン右へ飛び込んだのは3回だ。2死一塁から福浦が5月24日の巨人戦(長野)以来となる逆転3号2ラン。「この交流戦は出場できないことが多くてチームに迷惑かけた。優勝のために少しでも貢献したかった」。
5月26日の巨人戦(東京ドーム)でスイングした瞬間、腰に痛みが走った。プロ入り後の持病が悪化。同29日の横浜戦(千葉マリン)から12試合先発を外れた。無理をすれば出場はできた。それでも指揮官の休養指令に「とにかくみんな頑張ってくれ」とベンチで必死に声を張り上げ勝利を祈った。12日の中日戦(ナゴヤドーム)で先発復帰すると1安打1打点。14日のヤクルト戦(神宮)では3安打の猛打賞と爆発した。
9回のダメ押し弾は2試合ぶりに先発した李だ。1死一塁から右翼席上段へ会心の一撃は横浜・多村、巨人・小久保、西武・中村に並ぶ交流戦トップタイの12発目。「打った瞬間に入ると思った。来日して1番嬉しい」と喜怒哀楽を表に出さない男が珍しく興奮した。
交流戦もリーグ戦同様の采配だった。バレンタイン監督は36試合で34通りの日替わりオーダーを駆使。「1、2人のスタープレーヤーが欠けても大丈夫なように打線もローテーションしてきた。ロッテがここまでやると思っていた人は少なかっただろう。その考えが間違っていたことをこれからも証明する」。
初代王者を手にしたバレンタイン・ロッテ。31年ぶりのペナント制覇へ向け、まだまだ成長していく。
エース清水が大きな1勝を挙げた。7回6安打1失点で交流戦4勝目(今季7勝目)。前日の雨天中止で賞金5000万円のかかるマウンドが巡ってきただけに「久保がスライドできたのに僕ですから。めちゃめちゃプレッシャーがあった。根性で粘りました」。秋へ向けても価値ある単独Vとなって「全員の力で獲れた勲章。まだ先は長いけど、もう1度気持ちを1つにしてペナントを獲りたい」と話していた。
先発・川島が7回7安打3失点で粘投も打線に火はつかなかった。2回無死二、三塁の好機は城石が空振り三振、川島もスクイズ失敗で1点止まり。4点を追う9回1死満塁も後続が倒れた。ロッテに4勝2敗とセで唯一勝ち越しているが、若松監督は「自信にはならないよ」としょんぼり。18日に交流戦最終試合の西武戦(神宮)を控え「明日が終わったら、リーグ戦に向けて切り替えないと」と話していた。
ロッテが交流戦最後の試合を制し、単独で初代王者に輝いた。9回、小林雅が最後の打者を一飛に打ち取ると、ナインはガッツポーズをつくって歓喜の声を上げた。
リーグ戦の勢いを、そのまま交流戦に持ち込んだ。横浜にサヨナラ負けを喫するスタートだったが、結局連敗は1度だけ。6連勝、5連勝と勝利を積み上げた。快進撃を支えたのは12球団唯一の防御率2点台を誇る投手陣。渡辺俊ら完投能力のある先発陣が試合をつくり、打率3割を超えるフランコや交流戦12本塁打の李ら外国人勢が打線を引っ張った。
この日も3人の投手リレーでヤクルトを1点に抑え、福浦の逆転2ランに、李のダメ押し2ランで勝負を決めた。
次に狙うのはリーグ制覇。優勝トロフィーを受け取ったバレンタイン監督は「ロッテがここまでやれないと思っていた人に、それが間違いだと証明していきたい」と意欲を見せた。
ロッテが交流戦の単独優勝で獲得した賞金5000万円は、現場とフロントで折半することになった。 浜本球団社長は、フロントの取り分はファンサービスで活用したい考え。「ファンが望むような事を考えたい。ファンは26番目の選手だから」と話し、優勝をサポートしてくれたファンに何らかの形で還元したい意向を表明した。
現場の2500万円分については、バレンタイン監督が「優勝に貢献してくれた人に、公平に分けられるように考えたい」と話した。
交流戦は17日、勝率1位を確定していたロッテが最終戦でヤクルトに勝ち、24勝11敗1分けで単独優勝を決めた。負ければ23勝12敗1分けとなり、既に全日程を終えているソフトバンクと並んで同率1位となるところだったが、先発・清水の好投と福浦の逆転2ラン、李のだめ押し2ランなどでヤクルトに5−1と快勝。冠協賛社による優勝賞金5000万円を獲得した。
交流戦は18日のヤクルト−西武(神宮)と楽天−横浜(フルスタ宮城)の2試合を残すだけとなり、両リーグの対戦成績はパが104勝103敗(7分け)とリード。リーグ戦は21日から再開する。
日本プロ野球組織(NPB)と労組・日本プロ野球選手会の代表者が17日、都内で来年3月に初開催される「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の参加について話し合い、この席上、選手会側はNPBに対して、3月開催ではほとんどの選手が参加できないという意向を持っていることを伝えた。
前日の16日にNPBはMLBのアーチー副会長らと会談したが、選手会も15日にMLB側から開催時期や運営方法について変更がないとする説明を受けていた。
開催時期について選手会では、調整段階の3月開催では故障などの可能性も高まることや、時期的に所属チームを優先する選手が多いことなどから、参加に難色を示す選手が大半という状況。選手会関係者は「MLB側に譲歩する姿勢がないなら、参加はできない」との立場を示している。
NPBは20日の実行委員会で、WBC参加問題について協議する。
日本プロ野球組織(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝が17日都内で行われ、来年3月開催が予定される国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の参加問題を話し合った。NPB側は16日に行ったMLBのポール・アーチー副会長、MLB選手会のジーン・オルザCOO(最高運営責任者)との日米会議の結果を報告。MLB側が6月30日までに結論を出すよう求めていることや11月開催が困難であることを伝えた。これに対し、選手会側は「(3月開催など)今のままの条件では出られない。辞退する選手が多くなる。何が日本野球のためになるのか。結論を急がず議論して欲しい」(松原事務局長)と強硬姿勢を示し、NPBに30日以降もMLBとの交渉を継続するよう要請した。
選手会はオルザCOOと日米選手会会談も行った。席上、日本が参加しない場合にはオーストラリアを代替出場させる予定を“通告”されたが、現状では参加困難との意向を伝えている。NPBは20日の実行委員会でWBC問題を議論。その後、選手会と再度話し合いを行う予定。今後もMLB側の譲歩は期待できずNPB、選手会とも難しい選択を迫られそうだ。
労働組合日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)と、ソフトバンクと楽天を除く10球団の選手会長ら35選手が所属球団を相手取り、野球カードの肖像権の使用許諾権がないことの確認を求める訴えを東京地裁に起こした。17日、選手会の顧問弁護士が明らかにした。
肖像権の帰属問題について選手会は、平成14年8月に古田会長ら13選手がゲームソフトメーカーと日本野球機構を相手取り、販売差し止めなどを求める裁判を起こした。その後メーカーとは和解したが、機構とはまだ係争中。今回のカードは各球団がメーカーと契約しているため、各球団の選手会長ら役員が所属球団を訴える形となった。
日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)が日本プロ野球組織(NPB)と係争している選手の肖像権の帰属問題に関し、これまで裁判の対象としてきたゲームソフトとは別に、新たに野球カードを争点とする訴えを東京地裁に起こしていたことが17日、選手会の顧問弁護士によって明らかになった。ゲームソフトはNPBがメーカーと契約したが、野球カードは各球団がそれぞれメーカーと契約しているため、今回は各球団の選手会の役員が所属球団を訴える形となり、楽天とソフトバンクは除かれている。選手会の山崎弁護士は「選手会がライセンスを持ち、球団には権限がないことを確認したい」と語っている。
交流戦優勝のロッテが本社と強力タッグを組む。バレンタイン監督と主力選手がロッテの人気商品「グリーンガム」のCMに出演することが17日、分かった。近日中に千葉マリンで撮影を行う。
この日、交流戦で単独1位を決めるなど強さは本物。本社サイドもこの機を逃す手はない。安定した投手陣を軸に、好機を逃さぬ「マリンガン打線」は迫力十分。若手も台頭し、フレッシュな戦いぶりも見せる。出演選手は今後決めるが、チームカラーを前面に出したCMとなりそうだ。
昨年、バレンタイン監督が「フリーゾーンガム」のCMに出演したが、選手を含めたチーム一体ものは初の試み。今まではチーム成績が短期間で変動することなどの理由が、CM出演の「高いハードル」となっていたが、快進撃がそれを超えた形だ。球団関係者は「チームと商品、相乗効果で盛り上げていきたい」と期待していた。
両リーグ首脳が、来季も交流戦を継続させたい考えを口にした。優勝が決定した17日、パ・リーグ小池会長は「パは普段メディアの露出度が低いが、大いに存在感を示したと思う。前、後期に分けるなど方法の議論は出てくると思うが、来年も同じ規模で続けたい」と語った。セ・リーグ豊蔵会長も「セの中には観客を減らした球団もあったようだが、トータルとしては増えたようなので良かったと思う。どうしたら、もっと喜んでもらえるか議論して続けていきたい」などと話した。20日の各リーグ理事会、実行委員会で観客動員など数字が報告され、来季以降の開催方法に話も及びそうだ。
阪神牧田俊洋球団社長が17日、自軍の交流戦日程終了を受けて総括し、ロッテのファンサービスを評価した。パ各九条での遠征に帯同した同社長は「周辺は千葉市の土地と聞いているが(海浜幕張)駅を降りてから球場まで地元と一体となって盛り上げているのに感心した」。最寄り駅から球場までを「マリンロード」と名付けるなど、ロッテと地元との姿勢に刺激を受けた。甲子園は親会社・阪神電鉄甲子園駅が最寄り駅だが、球場周辺の整備見直しなどを示唆した。
横浜山中球団専務が交流戦について総括し、試合数と過密日程について問題点を指摘した。「ファンの関心も高く盛り上がった」と評価した一方で、横浜はこの日を含め2戦を残し「もう少し雨が降っていたらどうなっていたか。期間もやや長い印象を受けた」と話していた。
巨人が来季の交流戦について、前期、後期の2部制を提案していく。17日までに現場の意見を聞いた清武球団代表が、36試合を短期間で消化する日程の再検討の必要性を20日の実行委員会で訴える意向だ。
既にナインから意見を聞いているという同代表は17日までに「来年は、例えば2つに分けるとか」と話し、来季の期間について分散させる意向を示した。3試合ずつに分け、その間にリーグ公式戦を挟む方式を理想とする。初の試みとなった今回は、目新しいカード、注目選手の対決など盛り上がった反面、選手からは「期間が長い」との声が上がっている。さらに21日の公式戦再開まで4日間あくのが7球団、中止分が組み込まれたのが5球団と、不公平感も生じている。また現場の堀内監督も「前期、後期みたいにして、中にまた普通の公式戦を入れてやるのも面白い」との持論を展開しており、試合数は現在の各対戦6試合を限度とした上で、調整に入るとみられる。
また同監督はストライクゾーンのセ、パ間での差、ファンへのアンケート調査など来月の監督会議で提案する意向だ。他球団でもソフトバンク王監督がリーグ、交流戦を並行して消化する私案を披露するなどしている。
日本プロ野球組織(NPB)と労組・プロ野球選手会(古田敦也会長)が17日、来年3月に開催予定のワールド・ベースボール・クラシックについて話し合った。既に選手会は全球団の選手に意思を確認。公式戦開幕直前の3月では参加は難しく「代表に選ばれても辞退するかもしれない」という意見の選手が多かったという現状をNPBに報告した。15日は、松原事務局長らが、来日していた大リーグ選手会のユージン・オーザ最高運営責任者と会談し、直接考えを伝えてもある。NPBは前日16日に大リーグ機構(MLB)から受けた説明を選手会に伝えた。米国側は、日本が納得していない運営方法の変更はしていない。ただ、2回目以降の大会運営については、あらためて話し合うという案を示している。20日の実行委員会で話し合われる。
労組・プロ野球選手会が、日本プロ野球組織と係争している選手の肖像権帰属問題の口頭弁論が17日、東京地裁で開かれた。次回7月27日にこれまでの争点などを整理する。
この日、今裁判の争点であるゲームソフトとは別に、選手会が野球カードについて新たな訴えを同地裁に起こしていたことが分かった。カードは各球団が各メーカーと契約しているため、原告は選手会と役員を務める35選手で、被告は新球団ソフトバンクと楽天を除いた10球団となる。
選手会の山崎顧問弁護士は「カードも同じ裁判で争いたかったが、認められなかった」と説明。 古田会長は「ゲームと一緒で、契約書に書いてないのに使っているから」と語った。一方、選手会担当の中日伊藤参与は「選手と球団の契約の問題であり、選手会も原告になる点に適格性がないのではないか」と話した。
交流戦単独優勝が懸かったヤクルト戦(神宮)はロッテにとって今季68試合目。シーズン136試合のちょうと番分、折り返し地点である。
節目の一戦。2番にはセカンドの堀幸一が入った。開幕から西岡剛、小坂誠との併用が続いている二遊間。堀にとっては今季44試合目のスタメン出場になる。
ほぼ3試合に2試合のスタメンでここまでの成績は170打数58安打、1本塁打、17打点。既定打席には到達していないが、打率.341は申し分ない成績だ。
長崎海星高から1987年ドラフト3位で入団して18年目の36歳。95年.309、96年.312と2年連続3割をマークして以来大台から遠ざかっているが、今年はかなりの数字が期待できる。
プロ8年目で初めて3割を打った95年の監督はボビー・バレンタイン。9年連続Bクラスに低迷したチームを2位に引き上げながら、GM広岡達朗との確執でわずか1年で退任となった。
そのボビーが米国に連れて帰りたいと思ったのが堀だった。「走攻守全てにおいてメジャーのレベルに達している。史上最高の2番打者」と高く評価していたのだ。
堀が初めてFA権を取得した98年、メッツの監督になっていたボビーから実際に話があった。すでに野茂英雄は活躍していたが、日本人野手の大リーガーは1人もいない時代である。
ボビーの高評価も「そう言ってもらうのは嬉しいけど、社交辞令じゃないですか?」と受け止め、FA宣言してロッテに残留した。
チームはボビーが去った96年から再び9年連続Bクラス。ボビーが返り咲いた昨年はプレーオフ出場を懸けて最後まで3位争いを展開しながら、わずか0.5ゲーム差で4位に甘んじた。だが、昨年の経験は重かった。
昨年までAクラスは95年の1度しか経験がなかった堀。その95年にしても優勝したオリックスに12ゲーム差をつけられての2位だった。
プロ17年目で初めて味わったシーズン終盤のしびれる緊張感が、ボビー絶賛の「史上最高の2番打者」のパワーをよみがえらせたのである。
「たまに休むのならともかく…。レギュラーじゃないですから」と自嘲気味に話すベテラン。適度な休養と飢餓感を与えられながらの出場が、快進撃の大きな力になっている。