交流戦で大活躍したロッテのサブマリン、渡辺俊介投手(28)が右ヒジ違和感のため20日、出場選手登録を抹消された。ここまでローテーションを守り、ハーラートップの9勝(1敗)、防御率1.83と開幕直後から首位を走るチームの原動力となっていた。軽傷とみられ、1軍練習には帯同する。21日の日本ハム戦からリーグ戦が再開するが、豊富な投手陣でカバーする。
ロッテの快進撃の最大の要因である好調な先発投手陣に、初めて再調整以外の離脱が起こった。渡辺俊は交流戦でも4勝1敗、防御率1.73と安定した成績を残した。全国にサブマリンの快投をアピール。オールスターファン投票でも先発部門で西武松坂を抑え、1位に立っている。
12日の中日戦では4失点完投でハーラートップの9勝目を飾ったばかりだった。その後、右ヒジに張りを訴えたもようだ。この日も千葉マリンで行われた1軍練習に参加、投内連係プレーなどをこなした。ピッチングも行い、練習後はグラウンドでイベントを見守るなど、リラックスした表情だった。「長引くようなものじゃない。大したことはないと思う」とチーム関係者は語った。
病院には行かず、1軍に帯同して様子を見る。これから2連戦が3カード続き、日程的な余裕があるため、1回ローテーションを飛ばして回復を図る。バレンタイン監督はこの日、リーグ戦再開に向けて「ホットな日本ハムが相手で、とてもいい連戦になると思う」と不安な表情は見せなかった。夏場を前にしても「そもそも野球は暑い時にやるもの。問題ないでしょう」と語った。
渡辺俊の復帰まで、豊富な投手陣がまとまって乗り切る構えだ。オールスターまで1ヶ月。独特のサブマリン投法で多くのファンを惹き付けてきただけに、回復状況が注目される。
黒木がイースタン・リーグのインボイス戦に先発、5回を3安打無失点と好投。5月14日に同リーグで登板後、右ヒジに違和感を訴え、約1ヶ月ぶりのマウンドだった。
現在ハーラートップタイの9勝と好調な渡辺俊介投手(28)が20日、右ひじ違和感のため出場選手登録を抹消された。プロ入り後、右ひじの故障は初めて。今後は1軍に帯同しながら患部の回復に努める。
首位を快走するロッテを不測の事態が襲った。関係者によると、渡辺俊は12日の中日戦(ナゴヤドーム)で完投勝利を挙げて以降、右ひじの張りが取れない状態が続いていたという。この日は患部の回復具合を確かめながらキャッチボール、投内連係、投球練習を行ったが、違和感が消えなかった。
球団関係者は「今は休ませることが1番。長期離脱は考えられない」と軽傷を強調。選手に無理をさせないバレンタイン監督の方針と、日程的な余裕もあるため登録抹消となった。
渡辺俊は今季ここまで9勝1敗、防御率1.83。球界唯一の下手投げとして人気、実力両面でロッテの快進撃を支えてきた。球宴ファン投票でも1位を独走しているが、患部の回復状況によっては辞退する可能性もありそうだ。
入団以来、故障とは無縁だっただけに慎重にならざるを得ない。バレンタイン監督も「エースの1人」と評するサブマリンの離脱。盤石を誇ってきたロッテ投手陣が最初の正念場を迎えた。
最多勝争いのトップに並ぶ9勝を挙げている渡辺俊介投手が20日、右ひじに違和感を訴えて出場選手登録を抹消された。球団は「大事を取っての処置。病院には行かずにチームに同行しながら炎症を和らげる」と説明。22日の日本ハム戦(千葉マリン)に登板予定だった渡辺俊は「監督から1回休めと言われた。時間ができたのでミニキャンプのつもりでトレーニングします」と話した。
渡辺俊介投手が20日、右ひじに違和感を訴え、出場選手登録から外れた。球団広報は「大事を取っての処置。病院には行かずにチームに同行しながら炎症を和らげる」と説明した。渡辺俊はパ・リーグで最多勝争いのトップに並ぶ9勝(1敗)を挙げている。開幕から交流戦前まで5連勝。交流戦でも4勝1敗、12球団トップの防御率1.73の快投でロッテ優勝の原動力となった。
小林宏之投手(27)が20日、交流戦のMVPに選ばれ、賞金200万円をゲットした。千葉マリンで会見し「すごく嬉しい。光栄です」と喜びを素直に表現した。交流戦で6試合に登板、巨人から2勝をあげるなど無傷の5勝で防御率2.74と好投。打席に立った3試合でいずれも二塁打、打点をあげて活躍した。日本シリーズに出場すれば、再び打席に立つ可能性があるが「また二塁打を打ちたい」と語った。
5月25日の巨人戦登板直後に長男が誕生、発奮して白星を飾った。「一生忘れられない思い出。MVPは子供がくれたものだと思う」と感激した。200万円の使い道も「まずミルクと、おむつ代にしたいですね」と良きパパぶりを発揮した。早くも昨年と同じ9勝をあげたが、今後も「低めに丁寧に、リズム良く投げたい」と気持ちを新たにしていた。
交流戦の表彰選手 | |||
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賞金 | 選手(所属) | 交流戦成績 | |
最優秀選手賞 | 200万円 | 小林宏之(ロッテ) | 5勝0敗 防2.74 |
日本生命賞 | 100万円 | 中村剛也(西武) | 率.271 本12 点31 |
金本知憲(阪神) | 率.393 本11 点37 |
ロッテの小林宏之投手(27)が20日、交流戦の「初代MVP」に選ばれた。6試合に先発して5勝0敗、防御率2.74。不慣れな打撃でも打率3割、3打点と活躍し、賞金200万円を手にした。また、優秀選手に贈られる「日本生命賞」(賞金100万円)は、セが打率3割9分3厘、11本塁打の阪神・金本知憲外野手(37)、パは12本塁打した西武・中村剛也内野手(21)が獲得した。
イケメン右腕が名実共に全国区の存在となった。小林宏は「今年からの交流戦でロッテの小林雅英ではなく、小林宏之の名前が残って嬉しい」と喜びを口にした。直球、スライダー、フォークを使い分け「低めへ丁寧に投げたのがよかった」と振り返った。巨人戦で2連勝を飾ったほか、6月14日のヤクルト戦では2失点完投でロッテの交流戦優勝を決めた。5月25日の登板日には長男・夢行(ゆあん)君も誕生。「全て子供のおかげ」と公私の順調ぶりをうかがわせた。
打撃でも非凡な才能を見せ、3二塁打で3打点。日本シリーズに進出すれば、再び得意の打撃力を披露できるとあって、「また二塁打を打ちたいですね」とシリーズMVPにも意欲十分だった。
「日本生命セ・パ交流戦」(5月6日〜6月18日)の最優秀選手賞(MVP)が20日、発表された。優勝したロッテの小林宏之投手(27)が6試合5勝0敗&3安打の活躍を評価され、初代MVPに輝き、賞金200万円をゲットした。また、期間中、特に目立った選手に贈呈される日本生命賞(賞金100万円)は、最多タイの12本塁打を放った西武・中村剛也内野手(21)と、打率.393、37打点の2部門で2位となった阪神・金本知憲外野手(37)が選出された。
並みいるライバルを押しのけ、MVPを獲得したのは、交流戦で5勝した小林宏だ。渡辺俊は4勝を挙げ、防御率はトップの1.73。ルーキーの久保も4勝。MVP候補だらけのロッテ投手陣。選出の決め手となったのは普段はパ・リーグなど見向きもしなかったセ・ファンまでが驚愕した小林宏のバッティングだった。
「とても光栄です。受賞の理由?バッティングじゃないですかね。キャンプから、交流戦に向けてバッティング練習をしていましたから」と小林宏もしてやったり。
打率.300、3二塁打、3打点。打点は打席に立った全試合であげている。「ヒット、スクイズ、打点とあらゆる点でハツラツしたプレーを見せてくれた」とバレンタイン監督も小林宏の打撃センスに脱帽する。
交流戦の期間には、第一子が誕生。「全て子供のおかげ。孝行息子ですね」と賞金は子供のために使うつもりだ。
ロッテの小林といえば守護神・小林雅が連想されるが「(初代MVPに)小林雅さんではなく、小林宏の名前を残せるのは嬉しい」とニッコリ。
セの打者だけでなく、投手陣にも与えたインパクトは強烈。しばらくはバットを握る機会がないが、秋の日本シリーズで打者・小林宏の出番が待っている。
交流戦投手3部門上位 | ||||||||
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防御率 | 勝利 | 奪三振 | ||||||
1 | 渡辺俊(ロ) | 1.73 | 1 | 西口(西) | 6 | 1 | 松坂(西) | 60 |
2 | 藤井(ヤ) | 1.84 | 2 | 斉藤(ソ) | 5 | 2 | 杉内(ソ) | 56 |
3 | 小野(ロ) | 2.01 | 2 | 小林宏(ロ) | 5 | 3 | 工藤(巨) | 48 |
2 | 工藤(巨) | 5 |
[注]最優秀選手賞は交流戦首位チームから選出
サブマリンの渡辺俊が右ひじの違和感を訴え、出場選手登録を抹消された。田村トレーナーは「すごく悪いという訳ではない。本当に軽症。休ませることも必要だから」と、大事をとっての措置を強調。病院には行かず、今後もチームに帯同する。渡辺俊は20日現在、リーグトップタイの9勝(1敗)を挙げ、防御率は1.83。
ロッテは21日の日本ハム戦(千葉マリン)を『レディースデー』にする。女性客に対して、チケットの割引やネイルシートのプレゼントを行う。
6月29日のロッテ−ソフトバンク戦(千葉マリン)でJRAの田中勝春騎手(34)が始球式を務める。当日はGIファンファーレと共にポニーとJRAマスコットキャラクターを従えて登場する。
交流戦のMVP(賞金200万円)が20日、発表され、初代王者に輝いたロッテの小林宏之投手(27)が受賞した。小林宏は6試合に先発してチームトップの5勝を挙げ、打撃でも10打数3安打3打点と活躍。また、各リーグから1人ずつ活躍が目立った選手に贈られる日本生命賞(賞金各100万円)はセが阪神・金本知憲外野手(37)、パは西武・中村剛也内野手(21)が選ばれた。
ダークブラウンに染めた髪が自慢の小林宏がゲットした賞金200万円は“おむつ”に消えることになった。
「全ては子供のおかげ。MVPは子供がくれたものだと思っています。独身だったら全部、自分で使っちゃうけれど…、子供のために使います」。交流戦で5勝(無敗)とセの猛者をねじ伏せ、ハーラートップタイの9勝を挙げている右腕も職場を離れれば、普通の新米パパだ。
5月25日の巨人戦(東京ドーム)。先発マウンドに上がる直前に長男・夢行(ゆあん)ちゃんが誕生した。今ではおむつ替えが日課となっている。「今足りないのはおむつ。いくらぐらいするのか、分からないんですよ」。約20年分?のおむつ代を手にした男の表情は緩みっ放しだ。
「小林雅英じゃなく宏之の名前が残ったことは嬉しい」。今月14日のヤクルト戦(神宮)では先発完投で“胴上げ投手”にもなった。得意の打撃では10打数3安打3打点で安打は全て二塁打だった。「1つ1つの試合に勝って、日本シリーズに出場して、本塁打じゃなく二塁打を打ちたい」。“初タイトル”を追い風に新たな目標へ意気込んだ。
プロ野球交流戦を協賛した日本生命は20日、表彰選手を発表、勝率1位で初代王者に輝いたロッテから選ぶ最優秀選手賞(MVP)は小林宏之投手(27)が受賞し、賞金200万円を獲得した。小林宏は6試合に先発してチームトップの5勝(無敗)を挙げ、打撃でも10打数3安打3打点と活躍。4勝1敗で防御率が両リーグ1位の1.73だった渡辺俊介投手、最多タイの12本塁打を放った李承Y内野手らを抑えた。
各リーグから1人ずつ活躍が目立った選手に贈られる日本生命賞(賞金各100万円)は、セが打率3割9分3厘、11本塁打の阪神金本知憲外野手、パは12本塁打を記録した西武中村剛也内野手が選出された。
千葉マリンの観客席に、異例の特設ステージが設置される。一塁側内野自由席の最前列に横15メートル、幅3メートルのステージが完成。バレンタイン監督の日米通算1300勝がかかる21日の日本ハム戦からお披露目される。試合中、ステージに球団チアパフォーマー「M☆Splash」やマスコットのマー君らが上がり、観客を盛り上げる。今季は球場正面にステージを作り、試合前後にバンド演奏、選手も登場して好評だった。これをスタンドにも作ってしまおうということになった。中山麻紀子ディレクターは「お客さんと一体となって、試合と選手を盛り上げていきたい」と抱負を語った。
パ・リーグは20日、理事会を開き、昨季から導入したプレーオフ制度を来季以降も実施することで意見が一致した。具体的な実施方法などは今後の理事会で詰める。現行のシステムで問題視されているのが、レギュラーシーズンの1位チームが得るアドバンテージ。2位に5ゲーム差以上付ければ、第2ステージで1勝分が与えられるが、昨年はシーズン1位のダイエー(現ソフトバンク)が2位西武に4.5ゲーム差だったため1勝分を得られず敗退、ファンの間から不満の声も聞かれた。
小池会長は「アドバンテージを含めた運営方法は考えていかなければいけない」と話した。
プロ野球実行委員会が20日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、スカウト活動の不正防止について、12球団は「倫理行動宣言」として発表した。
「宣言」は
ことを表明。さらに「倫理行動宣言に関する実行委員会申し合わせ」で、利益供与を禁止する対象(生徒とその周辺の人物)や、球団職員だけでなく親会社の職員などによるものも球団による不正と規定し、不正への対応についても定めた。利益供与か否かのガイドラインは、各球団で定めることとした。
また、暴力団を排除し平穏に試合観戦するための「試合観戦契約約款」と「特別応援許可規定」を承認し、球宴明けの7月25日から発効する。来季交流戦の継続と実施形態やドラフト改革については、7月4日の実行委や同13日の12球団代表者会議で協議する。
実行委員会が20日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、来年3月に開催予定のワールド・ベースボール・クラシックへの参加が突然の“不思議決着”をした。議長を務めるパ・リーグ小池会長は記者会見で「大筋として参加する方向になりました。国際的な発展という大義がある」と理由を語った。16日に大リーグ機構(MLB)、同選手会(MLBPA)と会談した際に6月30日という返答期限を迫られており、急いで方向性を出す必要があった。
米国側が示してきた案は当初から何も変わっていない。利益配分の不利や日本のスポンサー料も、運営する新しい株式会社に納める必要がある。また、オーナー会議で最低条件に定めていた第2回大会以降の改善も確約をもらっていない。いわば無条件降伏の形。巨人清武代表は「基本的には受け入れざるを得ない。いくつかの問題があることは分かっているが、条件としては色々出す。みんな心の中ではメジャーと対峙することが、日本にとってどれだけ大事かということが分かっている」と語った。
労組日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)との意思統一はできていない。選手会は、全球団選手会の意思を確認した結果、時期的な問題を主な理由として「このままでは参加は難しい」という態度を表明。17日に機構側と事務折衝した際も意思を伝えている。選手会の松原事務局長は「今日決まったことを聞いてから対応します。誰のため、何のための大会なのか、よく聞きたいです」と語った。国際大会の意義は高く、それを否定する者はいないが、まだ越えるべきハードルは多い。
ソフトバンク王貞治監督が、06年3月に開催が予定されている「ワールド・ベースボール・クラシック」に日本も参加すべきとの私見を示した。開催時期や利益はイブに不満があるとし、NPBや選手会が折衝を行っている段階だが、王監督は「まずは参加して、改善していけばいい」と話した。同大会の1次リーグは3月上旬を予定。「準備は1ヶ月半は必要」と語り、来季は特例として1月中旬からの春季キャンプ実施の必要性も説いた。
プロ野球実行委員会が20日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、米大リーグ機構(MLB)などが主催する国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC=来年3月開催)への参加を全会一致で決議した。
今後は3月開催に反対している労組日本プロ野球選手会(会長・古田敦也=ヤクルト)と協議。MLBと第2回大会以降の組織委員会の設立など、条件面の交渉を続けた上で主催者側に参加を返答する。
MLBの独断専行が目立つ利益配分、運営方法に不公平感を訴えていた日本プロ野球組織(NPB)。質問状の返事も「ゼロ回答」だったが、最後は「収益が上がるかも出てみないとどうかも分からない。野球の国際化、野球振興という大所高所の判断」(小池議長)から第1回大会の参加を決めた。
交渉は粘り強く続ける。NPBは「3月に予選、7月に本戦をやる」(巨人・清武代表)と提案しているがMLBの反応はない。「1度やってみないと何も見えない。野球も他のスポーツ(の国際大会)同様、積み上げていくべき」というMLBの主張に、ひとまず納得した形だ。
実行委員会に先立ってセ、パ両リーグの理事会が行われ、それぞれ交流戦の報告をした。来年以降も継続開催の方向だが、試合数や方法の見直しが求められている。
セ・リーグはヤクルトと横浜が交流戦を挟んで観客動員数が約3割減少。前、後期に分ける案については、巨人の清武代表は「広島と阪神は(7月に高校野球などで)ホームを使えない不公平感があるし、球宴の意味合いもなくなる」と問題点を説明した。
対照的にパ理事会では「主催試合を3試合以上やりたい」との声もあがり、リーグとして試合増を提案する方向。また、来年のプレーオフは「やる」という意見が大勢を占め、「セにもやって欲しいという意見もあった」(小池会長)。アドバンテージなど具体的な方法は今後詰めていく。
プロ野球実行委員会(小池唯夫議長=パ・リーグ会長)が20日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で開かれ、日本プロ野球組織(NPB)が米大リーグ機構(MLB)から招待を受けている野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に参加することで基本合意した。
これまでNPBはWBCがMLBとMLB選手会の主催であることや、利益分配の方法への不満から参加の可否を保留。大会運営の見直しなどをMLBに求めていた。しかし16日に行われた日米協議でもMLB側からの譲歩はなく、30日までの回答を迫られていた。小池議長は「WBCには野球の国際的な発展を目指すという大義がある。問題は色々あるが大所高所に立った判断だ」と説明した。
NPBでは近日中にも3月開催に難色を示している日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)と協議を行う予定。実行委の参加合意を伝え聞いた古田会長は「本当に選手が3月にプレーできるのか。調整できないならできないのでは」と消極的な発言に終始。不参加を貫けばファンの反発を受ける可能性もあり、選手会は厳しい立場に立たされることになった。
実行委員会はアマチュア選手や監督ら関係者への利益供与を禁じる「倫理行動宣言」を発表した。(1)利益供与は行わない(2)日本学生野球憲章を尊重(3)違反の疑いがある場合は調査委員会を設置(4)違反した場合はコミッショナーが制裁の4項目。「コーヒー1杯はどうか」など許容範囲は各球団が独自に線引きする。昨年、3球団オーナーの辞任に発展した裏金問題が背景にあり、選手関係委員会委員長のロッテ・瀬戸山代表は「不幸な出来事は2度と起こさない」と話した。
NPBはこの日の実行委員会で来年3月の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に参加する方向で一致した。「MLBにも国際的発展を目指す大義があり、大きな判断に立って方向性をだした」と委員長の小池唯夫パ・リーグ会長は説明した。
MLBは大会運営方法や収益配分など、日本の提案にゼロ回答のまま。しかし一方で30日を回答期限とし、日本の“代役”はニカラグア、などという声も聞こえてきた。外的要因に背中を押されて参加を決めた格好だ。
「受け入れるメリットは大きい。だがいくつかの条件は出す」と巨人・清武球団代表。野球版W杯に出場することに異論はないが、2009年の第2回大会以降の改善を要求するのは当然だ。
選手会に対しての説明も必要だ。選手会は「3月開催では主力選手の多くが出場できない」と、NPBに慎重な対応を促していた。今週中に事務折衝を行うが、MLBの譲歩のないままに参加を決めたことに不快感を覚える可能性がある。
参加したとしても、松井秀、イチローらMLBのトップ選手が、東京でのアジアラウンドに必ず出場するとは考えにくい。選手会内部には「予選だけしか出られないNPB選手が出てくる可能性がある」と懸念する声もある。17日の選手会との事務折衝に出席したロッテ・瀬戸山球団代表は「選手会も理念には賛成してくれている」と話すが、日本代表へ選手を供出する拘束力も含め、クリアにすべき点は多い。
プロ野球の実行委員会が20日、東京都内で開かれ、来年3月に初開催される国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」へ参加する方向性を固めた。日本側が不満としている大会運営方法などについては、今後も主催する米大リーグ機構(MLB)側と交渉を続けていく方針。
日本側は米国側だけで構成された運営会社で主催することなどを問題視し、意見書の送付などで改善を求めてきた。来日したMLB幹部との16日の協議でも前向きな返答はなかったが、米側への回答期限が6月末に迫っているため、参加の方向性を先に決断した。小池唯夫・実行委議長(パ・リーグ会長)は「MLBは国際的な発展を目指すという大義がある。色々問題があるが、大きな判断」と説明した。
セ・パ交流戦は06年も継続の方向でまとまった。実行委員会で、12球団からの意見を集約した議長のパ・リーグ小池会長は「全体的に来年もやっていこうということになった。ただセはこれ以上、試合数を増やすのは考えられない。パは新鮮味があって盛り上がったから(各カード)6試合以上で続けたいということだった」と総括した。中日伊藤代表は「セはこれ以上、試合数を増やせない。ただ(交流戦を)やめようという意見は出なかった」と語った。今後は来年も継続することを前提に(1)試合数(2)前、後半の2度に分けた開催を含めた日程変更など、7月4日の実行委員会で論議される。
スカウト活動における不正を防止するため、実行委員会は「倫理行動宣言」を発表した。獲得活動において利益供与を一切行わないという規定で、その範囲は、あくまで各球団の常識に任せる。ロッテ瀬戸山代表は「みんな腹をくくってやる訳です。じゃあ、焼き鳥はダメかコーヒーはという声もあったが、そういうことが本質ではない」と語った。
宣言と共に申し合わせ事項もあり「コミッショナーは調査が必要と判断した場合、当該球団に調査を行うよう指示することができる」「コミッショナーから指示があった場合、実行委員会は、当該球団を除く球団代表者をもって構成する調査委員会を設けて調査を行う」などと書かれている。コミッショナーは調査結果に基いて制裁や処分を科すことができ、当該球団はその制裁に服する義務がある。
根来コミッショナーは「罰するとかそういうことではなく、これまで以上に肝に銘じていこうという意味です」と話していた。