わたしはかもめ2005年鴎の便り(7月)

便

7月19日

北海道日本ハム2−4千葉ロッテ(札幌ドーム)

ロッテが延長戦を制し、対日本ハム3連勝。ロッテは1点リードの9回2死から小林雅が稲葉に同点HRを浴びるが、10回に橋本の5号ソロ、今江の2者連続となる5号ソロで2点を勝ち越し、逃げ切った。先発・小林宏は7回1/3を被安打5、奪三振5、1失点。4人目小林雅が2日連続で救援に失敗するが、チームの逆転で2戦連続勝ち投手に。日本ハムは先発ダルビッシュが8回途中まで毎回ランナーを背負うも2失点に抑えるが、3人目橋本が2被弾で今季2敗目。チームは連敗で、借金は03年10月以来の借金13となった。

12345678910R
千葉ロッテ10000001024
北海道日本ハム00000100102
橋本
「打ったのはストレートです。カウント2−1から1球変化球があったので、ストレート中心の配球だったので、次もストレートが来ると思いました。札幌ドームの1番深い所に打てたのは本当に自信になります。今年1番の当たりでした。ただ、キャッチャーとしては小林宏投手に勝ちをつけられなかったことが悔しいです。チームとしては先発投手に勝ち星がついて、小林雅投手にセーブがつくことが1番の展開。今日はそれができなかったですから…。稲葉選手の当たりはヒットならOKだけど、ホームランになってキャッチャーとしては恥ずかしいです。」
小林雅
「調子自体は悪くなかったんですが…。小林宏投手に申し訳なかったです。とにかく、次頑張ります。」
井上コーチ
「スライダーを自身で考えて試行錯誤している部分はある。ボール自体はいいし問題ない。(抑えは)この形でいくことに変わりはないよ。」
小林宏
「ブルペンでは最悪だったけど、ゲームに入ったらまあまあ良かったですね。球種としてはチェンジアップが良かったです。勝ち星がつかなかったのは仕方がないです。こういう日もあります。」

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橋本だ今江だ、10回連発

ロッテが守護神小林雅のまさかの被弾を、2者連発で救った。1点リードの9回裏2死、小林雅が日本ハム稲葉に同点弾を浴びた。直後の10回表、捕手の橋本と今江が連続本塁打を放ち、交流戦後初めて連勝を飾った。バックスクリーンに打ち込んだ橋本は「手応えは完璧」と振り返った。一時は同点とされただけに、「チームの形として先発が勝ち、雅さんにセーブがつくのがいい。捕手として悔しい」と語った。小林雅は2日連続の9回被弾で小林宏の10勝目を消し、ストッパーとして喜べない2連勝。「調子自体は悪くなかったけど…。宏之に申し訳ないです」と言葉少なに引き揚げた。

◇橋本勝ち越し弾も捕手として反省

同点とされた直後の10回、橋本の勝ち越し本塁打でロッテが延長戦を制した。「手応えは完璧。自信になる」と橋本。バットでは本塁打など3打数2安打と活躍したが、捕手としては9回に同点弾を許したリードを反省。「先発に勝ち星、抑えにセーブがつけられず、捕手として恥ずかしい」と未熟さを感じていた。

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小林雅また失敗も延長連勝[報知]

リーグ戦再開後、初の連勝も不安材料は浮き彫りになるばかりだ。“まさか”は1点リードの9回2死に起きた。カウント1−0から小林雅が投じた低めのスライダーは、稲葉に右中間席に持っていかれた。守護神にとって今季初の2戦連続救援失敗。前日はチームの勝利に笑みを浮かべていたが、この日は終始硬い表情のまま。「調子自体は悪くなかったけど…(小林)宏之に申し訳ない」。先発投手の白星をフイにして、皮肉にも守護神自らが2日連続の勝利投手となった。

打撃陣の不振も相変わらずだ。10回こそ橋本、今江の連続アーチで勝ち越したが、それまでは毎回の14残塁。セーフティーリードを1度も奪えず、苦戦を招いた。「すべきことをして勝利を手に入れた」というバレンタイン監督の言葉も説得力を欠く。

救いは連日の延長戦に勝利したことだ。「小林雅も長いシーズン中ではこういうこともある。攻撃陣もこれから先は、走者を進めてタイムリーが出てくれるはず」と指揮官は明るい未来を期待した。不安を抱えながらも、今はただ前だけを見据えるしかない。

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ロッテ連夜の延長勝ち…橋本、今江が2者連続アーチ[サンスポ]

連夜の延長戦を制した。これで延長戦は6試合で4勝2分け。バレンタイン監督は「いいチームは接戦をモノにする。今日はやるべきことをやって、勝利を手にすることができた」と笑顔。10回に橋本、今江の2者連続アーチで試合を決めたが、9回には小林雅が前日18日に続いてのセーブ失敗。2死から稲葉に同点弾を浴び「(先発の)宏之に申し訳ない」と2日連続の勝ち星にも表情を曇らせた。

橋本
「甘い球がきたら狙ってやろうと思っていました。手応えは完璧。今季1番の当たりです。」(延長10回に勝ち越し弾)

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延長で8、9番が連弾[スポニチ]

延長10回、橋本&今江の8、9番コンビが2者連続アーチ。連日の延長戦を制した。バックスクリーンへ決勝5号ソロを叩き込んだ橋本は「手応えは完ぺき。ただ捕手としては恥ずかしい。安打ならよかったのに…」と9回に守護神・小林雅が稲葉に同点ソロを浴びたリードを反省。それでもバレンタイン監督は「いいチームは接戦をものにしなければならない」と交流戦後初の連勝に前向きだった。

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横浜・クルーンついに出たア!日本最速『161キロ』[サンスポ]

その瞬間、甲子園を埋めた満員の観客からどよめきが起こった。延長12回1死一塁の場面、クルーンが赤星に投じた6球目、電光掲示板に浮かんだ球速は日本球界前人未到『161キロ』の表示だった。

クルーン
「いい試合だったし、負けられない展開だった。5万人の大観衆と気持ちのコンビネーションで、このスピードが出た。」

大記録達成にもクルーンは普段と変わらない口調で話したが、確かに本人は格別に驚くことでないのかもしれない。

パドレス傘下2A時代の1995年には162キロをマーク。昨年(ロッキーズ)だけでも160キロを4度出し、今季もその前の打者・林の2球を含め159キロの日本新を12度出している。内心はそう騒ぎなさんな−といところなのか。

人間的にも楽しくて面白い男。4月下旬に広島戦で九州遠征したときに股関節を痛めた。既に治っているが、いまでも予防を兼ねてヒラヒラのフリル付きの女性用ガードルを履いている。

山口フィジカルコーチの医学的見地からの勧めだが、球団関係者は「最初本人も目を丸くしたらしいが、まあ肌色にヒラヒラ付き。何とも異様ですね」と苦笑い。かと思えば、家族思いでも知られている。

クルーンには10歳と8歳になる2人の男の子がいる。前回の3月に来日した際にプールに行ったが、クルーンは泳がなかった。胸に子供の顔の入れ墨をしているためで「環境が違う日本のファンの夢を壊したくない」という。

32歳とはいえ天性の身体能力で、まだまだ底知れぬ可能性を秘めたクルーン。魔神・佐々木の穴を補ってオツリがくるほどの働き。横浜から日本球界に本物のスターが誕生した。

プロ野球球速ランキング
球速投手所属年月日球場
161キロクルーン横浜平17-07-19甲子園
160キロクルーン横浜平17-07-19甲子園
159キロクルーン横浜平17-05-11フルキャスト
158キロ伊良部秀輝ロッテ平05-05-03西武
山口和男オリックス平14-07-29GS神戸
五十嵐亮太ヤクルト平16-06-03甲子園
157キロ与田剛中日平02-08-15広島
平井正史オリックス平07-04-12日生
156キロ郭泰源西武昭60-07-08後楽園
木田優夫巨人平05-05-01東京ドーム
松坂大輔西武平12-07-28大阪ドーム
久保田智之阪神平15-05-24松山

[注]所属は当時。複数回記録の投手は初記録の日付

偏食もナンバーワン
クルーンの偏食ぶりは有名だ。峰岸球団社長は「来年のインセンティブ契約に“好き嫌いをやめる”の項目を入れようかな」と苦笑するほどで口にするのはハンバーグ、パスタ、ピザがせいぜいで野菜、魚類は一切ダメ。地方遠征ではチェーン店の牛丼を食べているが、体重は来日時の86キロから77キロに激減した。来日中の子供には「残しちゃダメ」と口うるさいパパだが、夫の偏食には恐妻のトリシアさんもサジを投げているとか!?
スピードガンは正確!?
日本球界初の160キロ超となった『161キロ』の表示。その信頼性について甲子園の球場関係者は「使用2年目のガンで性能に関しては問題ない」。たまにバットスピードを計測するケースもあるが「あれだけ159キロも出たし、今日のは本物の記録と思っていい」と太鼓判を押していた。
球速表示はいつから
スピードガンによる球速表示が導入されたのは一般的に昭和54年以降。それ以前にも速球派は数多くいたが、球速表示導入時に中日でプレーした小松辰雄(最速154キロ)が“スピードガンの申し子”と呼ばれた。大リーグでは1974(昭和49)年にノーラン・ライアン(当時エンゼルス)がレーザー光線で計った100.91マイル(約162キロ)が最初の正式計時。また1997(平成9)年にはロブ・ネン(当時マーリンズ)が102マイル(約163キロ)をマーク。1940年代に“火の玉投手”と呼ばれたボブ・フェラー(インディアンス)も全盛時に併走するオートバイと同時にボールを投げ、約97マイル(約158キロ)を記録したという資料がある。

◇牛島監督「『え〜』という感じ」

引き分けに持ち込む粘りを見せたが、クルーンの161キロでその話題も吹っ飛んだ。牛島監督は「もう(159キロと印象は)変わらん」と言いながら「見たときは『え〜』という感じだった」と衝撃をもって受け止めた。しばらく足踏みを続けた末に生まれた記録に「負けたくないというのが出た。さすがだね」と自分のことのようにうれしそうだった。

横浜・相川
「あのスピード(161キロ)になると、159キロとも変わらない。」

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クルーン161キロ!出た夢の日本最速[報知]

ついに出た。横浜のマーク・クルーン投手(32)が阪神戦で夢の大台を突破した。延長12回に甲子園のマウンドに上がったクルーンは、赤星への6球目に161キロをたたき出すと、続く鳥谷の初球にも160キロをマーク。自らの持っていた159キロの日本最速記録を塗り替え、日本球界で初めて100マイル(約160.9キロ)の扉をこじ開けた。

その瞬間、4万5000人を超す虎ファンで埋まった甲子園が揺れた。延長12回1死一塁で打席は赤星。159、153、150、159、142。真っすぐ4球、フォーク1球でカウント2―2と追い込んだ6球目だ。外角高めに構えた相川のミット目がけ、直球がうなりを上げた。バットコントロールの巧みな赤星でも、ファウルに逃れるのが精一杯。「うぉぉぉぉ」。バックスクリーンにはついに「161km/h」の文字が映し出された。5月11日の楽天戦(フルキャスト宮城)で日本最速159キロをマークしてから20試合目。来日34試合目で、とうとう夢の大台を突破した。

気配は漂っていた。まず藤本を158キロで遊ゴロに打ち取ると、四球を選んだ代打・林の最後の2球は共に159キロ。赤星への初球も159キロと3球続けて日本最速タイをたたき出した。そして161キロの余韻さめやらぬ鳥谷への初球。今度は外角に160キロ(結果はファウル)。黄色1色のスタンドのボルテージが上がっていくのを楽しむように、青いユニホームは右腕をしならせた。

「これがいっぱい、いっぱい。スーパーマンじゃないからね」。涼しい顔で振り返ったクルーンだが、たった1つ残念そうにつぶやいた。「できれば記念のボールが欲しかったけど、(160キロ超えの2球は)どちらもスタンドに入っちゃった。ショーガナイネ」。

1991年、メッツにドラフト2巡目で指名された。ヒーローは同じチームにエースとして君臨していた100マイル右腕、グッデンだった。19歳でメジャーデビューし、メジャー通算194勝の大投手。初めての春季キャンプで声をかけられた時は「言葉が出てこなかったよ」。速い球が投げたくて「投げ方を真似したこともあったね」と懐かしそうに振り返った。

オールスターに監督推薦での出場が決定。記録を出した記念すべき甲子園での試合には、トリシア夫人と2人の子供のチケットを用意した。全国のファンが注目する大舞台。大台は突破したが162、そして163キロと夢はまだ続く。「神様が授けてくれた能力だと思うよ」自らの力を、そう表現した背番号42。野球の神様に目をかけられた右腕は極東の地、日本でファンに夢を与え続ける。

◇メジャー公式記録は162キロ

大リーグの投手の最高球速記録は公式的には1974年8月20日、通算5714奪三振の大リーグ記録保持者ノーラン・ライアン(当時エンゼルス)がタイガース戦で記録した100.9マイル(約162.4キロ)。当時は、専門の科学者がつくった赤外線レーダーによる計測器機で測った。スピードガンが普及してからは100マイル投手が続出、今年5月31日にはマーリンズのバーネット投手が104マイル(約167キロ)を記録して、話題を呼んだ。なお、マイナーではスティーブ・ダルコフスキー投手が108マイル(約173.8キロ)を投げたといわれている。

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クルーン、日本球界最速161キロマーク![スポニチ]

その瞬間、敵も味方も、勝敗さえも関係がなくなった。甲子園の大観衆の目が、電光掲示版にクギ付けになった。「161キロ」。クルーンが日本球界では、未知の領域に足を踏み入れた。

同点の延長12回1死一塁。赤星に対し、2−2からの6球目、外角高めの直球が従来の日本記録を2キロ更新した。結局、赤星を見逃し三振。続く鳥谷の初球には160キロも記録した。「負けられない気持ちと、多くの歓声がコンビネーションして記録が出た。(161キロの)記念ボールは欲しいけど、スタンドに入ったら仕方ない」。

多くの投手が前に踏み出した脚のひざを曲げるが、クルーンは、これを突っ張り、股関節を支点に上体を一気に前に倒す。平野S&Cコーチは「人並み外れた手足の長さで、このてこの原理が効果的になり、爆発的なパワーを生んでいると思う」と分析する。決して理にかなったフォームではないが、天性の身体能力を武器にスピードボールを投げるのがクルーンだ。

ドジャース傘下3A・アルバカーキに所属していた00年に、右ひじじん帯を断裂。現役を引退した。だが「2人の息子とどうしてもキャッチボールがしたい」という思いでリハビリを開始した。

そして、遠い日本の地に渡り、記念すべき160キロの大台を突破。次の目標について聞かれると「これがいっぱい、いっぱい。オレはスーパーマンじゃない」と笑顔で答えた。

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日本最速161キロ!!横浜クルーン出した[ニッカン]

横浜の快速右腕、マーク・クルーン投手(32)が、ついに日本球界初の160キロ超えを果たした。延長12回に登板。1死一塁から赤星に対し161キロ、続く鳥谷に160キロの直球を投げ込み、自らのもつ日本球界最速記録159キロを更新した。今年、米国からやってきた細身の長身右腕が、でっかい夢を日本のファンに与えた。

延長12回裏1死一塁。クルーンが赤星に投じたカウント2−2からの6球目だった。外角高めにシュート回転した剛速球が、161キロをマークした。自身が塗り替えた日本球界最速159キロを、一気に2キロ更新。緊迫した展開だったが、ベンチで見守る牛島監督も電光掲示板を見つめて、笑った。続く鳥谷に投じた初球、外角低めのストレートも160キロを計測。ともにファウルされたが、2度の160キロ超えを果たした。

両チーム適時打なしで、延長12回まで1−1。しびれる試合が、剛腕のアドレナリンに火をつけた。

クルーン
「1点もやれない場面だったから、たとえ引き分けでも負けたくなかった。力が入っていたかも知れないね。」

5月11日に楽天戦(宮城)で159キロを投げて以来、何度もタイ記録をマーク。そしてこの日だけで、5球マークした。“大台”超えの2球は走者を背負い、スピードが出にくいとされるクイックで達成した。

クルーン
「ファンのために(160キロを)達成したい気持ちはあった。あの声援のおかげだよ。」

4月、黄色で埋まる甲子園のスタンドを目の当たりにして、驚きを覚えた。「あの盛り上がりはすごいから」と、23日のオールスター第2戦での登板を楽しみにしていた。しかし、サヨナラ勝ちを願う虎党の大声援が、一足早くクルーンの背中を押した。

試合前のスタンドで、練習を中断してサインをする姿をよく見かける。「自分にサインをもらったことがきっかけで、野球を好きになってくれたら。BASEBALL IS FAN」。米ニューヨークで生まれ、父の顔を知らずに、厳格な母の手1つで育てられた。苦労しているからこそ、応援が嬉しかった。

大台超えの陰に、チームの温かな配慮もあった。試合直前、クルーンは必ず球場内のファストフード店へ足を運ぶ。球団が買い与えることはしない。山口フィジカルコーチは「偏食は確かに良くない。しかし、ただでさえストレスの多い日本での生活。頭ごなしに注意はしません。足を運ぶことが少しずつ煩わしくなってくれれば…、ね」。結果、今では球場選手食堂の牛丼を食べられるようになった。初めて口にしたときは、拍手が起こった。5月中頃のことだった。

記念の2球はファウルとなりスタンドへ消えた。「欲しかったけど、しょうがないね」。夢がファンの元に届いたと思えば、納得できた。牛島監督はクルーンに対する思いを、こう表現したことがある。「オレが監督になって授かった、宝物」。指揮官だけの物ではない。年俸4200万円で海を渡ってきた男は、日本球界にとっても宝物となった。

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株式の二重保有問題、11月までに改善[ニッカン]

19日に行われたオーナー会議では株式の二重保有問題も議題に上った。横浜株を持つニッポン放送がヤクルト株を持つフジテレビの完全子会社になり、他球団の株式所有を禁止した野球協約第183条に抵触する可能性がかねて指摘されている。席上でも「二重保有と主張した。1企業、1企業グループが2つの球団の資本を持つのは野球興行の公正さとかの面からみて理解できない」(巨人滝鼻オーナー)など各オーナーから問題視する声が上がり、改善する方向で協議を進めていくことになった。

具体的には株主であるフジテレビ、ニッポン放送がコミッショナー事務局と協議を持ち、解決策の方向性を打ち出す。11月のオーナー会議までに改善することを目指し、来月にも協議が行われる見込み。ヤクルト堀オーナーは「どちらかが手放す?そういうことになるんじゃないか。ただ相手もあることなので難しいですが…」と話した。

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分離ドラフト決定、10月3日に高校入札[ニッカン]

◇これが改革か!?上原と松坂を両方一気に取れるような…

プロ野球オーナー会議が19日、都内のホテルで行われ、2年間の暫定ドラフト案が承認された。高校生と大学、社会人を分けて行う分離ドラフトを導入。自由獲得枠は希望選手枠と名前を変え、現行2枠から1枠に減らす。FAは9年のままとし、来季は年俸減額などの条件を満たせば国内に限り8年とする方向。時間はかけたものの具体案を議論したのは、わずか10日間に過ぎず妥協による結論だった。なお、来年3月予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)についてはオリックス宮内オーナーが交渉委員長となり、米国側と交渉していく方針を固めた。

◇2年間の暫定、希望枠2→1

慌ただしく結論を出した。午前11時からの実行委員会で2年間の暫定ドラフト案が承認され、午後2時からのオーナー会議へ諮られた。ここでも承認された。高校生と大学、社会人を分けて行う分離ドラフト。自由枠は希望枠と名前が変わり、現行2枠から1枠に減った。FAは現行9年のままで、来年は

(1)
年俸の減額規制を50%へ緩和
(2)
準支配下選手枠の導入
(3)
アジア枠の創設

という条件が満たされれば国内移籍に限り8年に短縮される。

議長を務める宮内オーナーは「一歩でも二歩でも動かないと始まらない」と語った。ソフトバンク孫オーナーは「公正かつ競争状態になり一定の評価ができる」。巨人滝鼻オーナーも「(改革は)段階的に進んでいる感じはする。よく頑張った方だと思う」と語るなど、オーナー陣からは好意的な評価も多く出た。

しかし、実務者レベルになると「妥協の産物」(阪神野崎取締役)、「個人的には合格ではないと思う」(ロッテ瀬戸山代表)、「昨年あれだけ改革と言っておきながら、これではファンに申し訳ない」(中日西川社長)と、厳しい言葉が並んだ。各球団が立場を主張したため、理念ある改革には至らなかった。

◇巨人主導に?、短すぎた議論

しかし議論を尽くしたとはいえない。ワーキングチーム(作業部会)の中心となる巨人清武代表は「ビジョン」という言葉を多用し、話を大きく広げてきた。だが、具体案はギリギリまで出そうとしなかった。いくら促されても拒み、正式に出したのは8日。オーナー会議という締め切りが迫り、合意を前提として慌てて修正案をつくるのが精一杯という状況をつくった。

希望枠や高校1巡目を回避した場合は、2巡目に優先権を持つという分離ドラフトの方法は、前日18日に初めて広島から提案されたもの。例えば98年ならば、希望枠で巨人上原を獲得し、高校ドラフトで西武松坂の抽選に参加できる。この案が、わずか1日で実行委員会、そしてオーナー会議まで通った。慌てて妥協点を探した結果だった。妥協が多いからこそ、理解しにくいシステムにもなった。結果よりも、そこに至る過程が何ともさびしいものだった。

労組日本プロ野球選手会古田会長
「まだ詳細を聞いていないし、今答えるのは無理。明日松原さん(選手会事務局長)と話をしますし、よく考えてから話しますよ。」

◇ドラフトの変遷

1965年(昭40)、自由競争による契約金の高騰から球団経営の危機が叫ばれたことから、第1回のドラフト会議が実施された。当初は各球団が指名候補選手リストを提出。その中から選手を指名していき重複した場合は抽選となった。その後、リスト提出をやめ、まず指名順位を抽選で決め、その順番に指名する方法がとられた。78年からは入札制が採用され、重複指名の場合はくじ引きとなった。そして、93年から逆指名制度を実施。1、2位選手(高校生を除く)の逆指名を認めた。(3位以下はウエーバー指名)。01年からは自由獲得枠が登場。自由競争で各球団2選手(高校生を除く)まで獲得できることになった。

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「回避」で優先指名権を獲得[ニッカン]

◇入札参加、希望枠使用で意思表示

高校ドラフトは10月3日に行われ、1巡目に入札抽選制を導入した。その抽選に外れた球団は、ウエーバー制で順に残り選手を指名する。そのあとはウエーバー制で指名を繰り返す。

今回の制度にはこれまでになかった「回避」が導入されている。高校ドラフトの前に、その入札抽選に加わるかどうか、また大学・社会人ドラフト(11月18日予定)で希望選手枠(これまでの自由枠)を使うかどうかを意思表示する。希望選手枠を回避した球団は、高校ドラフトで入札抽選に外れた球団が指名したあと優先的に指名できる。

大学・社会人のドラフトで希望選手枠を使わなかった球団はウエーバー制で順次選手を獲得し、そのあと高校ドラフトで入札抽選を回避した球団が指名を行う。そのあとは高校ドラフトと同じようにウエーバー制で指名を繰り返していく。

◇球宴成績でセパ優先順

また、高校生ドラフトのウエーバー順は、その年の球宴の勝敗で決めることになった。日本シリーズの前に同ドラフトが実施されるためで、勝ち越したリーグの6位、負け越し6位、勝ち越し5位…の順で選択権が与えられる。2試合の今年は1勝1敗のケースも想定されるが、その場合はフレッシュ球宴で決着をつける。フレッシュがドローなら得失点差、それでも決まらなければクジ引きとなった。

◇高野連会長、早い開催を歓迎

高校生のドラフトが早まったことを、日本高野連は歓迎した。脇村春夫会長は「最近は大学の推薦入試時期が早まっており、高校生の進路選択の判断が早い時期に下せるのは内定取り消しなどのトラブル回避に有効だと思う」とコメントを発表。8月5日の全国理事会で、プロ野球志望届の締め切り日を決める。ただ、自由枠が1つ残ったことについて、田名部和裕参事は「高校生も2、3年待てば、希望する球団に入れる。裏交渉の余地が残されたということ。やはり自由枠がない方が望ましい」と完全ウエーバーへの移行を訴えた。

長船騏郎・日本学生野球協会常務理事
「やれ裏金とか、プロには迷惑していたから自由枠はなくなるぐらいが1番無難でいい。」
明徳義塾高・馬淵史郎監督
「僕らとしては、進路が早く決まってありがたい。10月だったら、プロに行けなかった選手が社会人、大学に針路変更できる。」

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WBCに交渉団、孫オーナーら諸条件改正へ[ニッカン]

来年3月開催予定で日本プロ野球組織(NPB)が参加方針を決定していたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)について、大リーグ側を相手にした「交渉団」が結成された。19日のオーナー会議で議長のオリックス宮内オーナーが委員長に、副委員長にはソフトバンク孫オーナー、ロッテ重光オーナー代行が就任。利益配分の不利や開催方法などが問題視されつつ、6月20日にNPBが“無条件降伏”する形で参加を決めていたが、交渉団が諸条件改正を目指すことになった。

“無条件”参加に異議を唱えた急先鋒は、ソフトバンク孫オーナーだ。「メジャーリーグとその選手会が運営委員会の過半数を占めている。サッカー、五輪は各国が1票。(WBC)運営委員会の15人のうち8人がアメリカ。日本は1票。おかしくないか。しかも、開催地はいつもアメリカか。収益配分も日本の5倍持っていく。審判もルールもアメリカ。一方的過ぎる。安易な妥協はすべきでない」。不参加の選択肢については明言を避けたが、不平等な条件に我慢ならなかったのか、まくし立てた。

ロッテ重光オーナー代行は「孫さんはハードネゴシエーターですから。従属ではなく、対等の関係をつくるべき」と“交渉人”として孫オーナーが指名されたことを明かした。また重光オーナー代行は韓国との強いパイプを生かし、アジア各国との意見調整を進める予定。今後の交渉団のスケジュールは未定だが、近日中に渡米する可能性もある。22日に行われる選手会総会で、選手側の方針も決定される。メジャー側との交渉の行方に注目が集まるのは必至だ。

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経営意識改革なくして「妥協」は消えない[サンスポ]

今秋から実施される暫定ドラフトは、複雑なものになった。「最大公約数を取った。半分は納得、半分は不満。個人的には決して合格点とはいえない」(ロッテ・瀬戸山球団代表)という、折衷案だった。

豊作といわれた平成10年秋のドラフトを例にとれば、希望選手枠を使って上原を、入札抽選で松坂を獲得できるシステムになった。一方で自由枠を使わずに高校の有望選手を時間をかけて育成してきた広島・松田オーナーは「技術のいるドラフトになる」と前向きだ。

希望選手枠を回避すれば、高校2巡目を得る。さらに広島は現在セ最下位のため3巡目も1番目か2番目に上位指名できる。もし希望選手枠回避が広島だけなら、高校上位15選手のうち3人を確保できる。「不利なところはあるが、逆に取り返せる。FAが8年になっても、準支配下選手を組み合わせて戦える。システムだけが諸悪の根源ではない」と受け止めた。

先の平成10年のドラフト例で「松坂世代」の高校生を3人獲得できれば5年後のチーム力に期待が持てる。だが一方で、入団拒否によるメジャー流出を阻止するためには、広島は見劣りする資金力の代わりに、明確な魅力と個性をアピールする必要がある。これはドラフトの支出を減らすために完全ウエーバーを主張する球団にとっても同じだ。

2年後に先送りされた新ドラフト制度の策定は確実に行われなければならない。だが、システム変更だけで現在の危機は克服できない。各球団の経営改革と意識改革がなければ、いつまでも「エゴによる妥協」ばかりが続けられることになる。

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「妥協の産物」分離ドラフト決定[スポニチ]

オーナー会議が19日、都内のホテルで開かれ、今秋のドラフトから高校生と社会人、大学生を分離して実施する新方式導入が承認された。高校生ドラフトは10月3日に行われ1巡目は入札抽選制を採用し、社会人、大学生は11月18日に実施。自由獲得枠を希望選手枠に名称を変更し「1」枠に削減する。議論百出したドラフト改革は、結果的に12球団の主張が一致せず「妥協の産物」となった。

オーナー会議終了後の会見。宮内議長(オリックス・オーナー)は「とにかく前に進もうということで合意に至った」と新ドラフトを評価した。しかし、実態は12球団の意見が衝突した末の「妥協の産物」(阪神・野崎勝義連盟担当)だった。

ドラフト改革はワーキング・グループ(作業部会)が素案を検討。7月5日の会合を境に、巨人が従来の自由枠存続から将来的な完全ウエーバー移行に方針転換。高校生と社会人・大学生を分離し3年後の完全ウエーバー移行を前提にFA取得年限を短縮していく改革案を主張した。しかし、その短縮で年俸高騰することを懸念するオリックスなどパ・リーグ球団の多くが反発し、13日の代表者会議で議論が紛糾。この日午前の実行委員会で“妥協”が成立した。

巨人、ロッテなどが主張していた完全ウエーバーは消滅し自由枠は存続。2年後の見直しという事実上の“改革先送り案”となった。またFAは来季から国内に限り8年とされたが

(1)
選手年俸の減額制限を50%に緩和
(2)
準支配下選手制度を導入する
(3)
アジア枠を創設する

という3条件を日本プロ野球選手会が受け入れることを条件とされた。

主導してきた完全ウエーバー制が“廃案”となったロッテ・瀬戸山隆三球団代表(51)は選手会との交渉の窓口役である選手関係委員長を辞任。「改革は不合格です」と無念の表情を浮かべ「それぞれの球団が自分の立場に基づいて発言するだけでは何も進まない」と自由枠存続派を批判した。

契約金の高騰などを改善するため始まったドラフト改革だったが、元凶とされた自由枠は存続。選手会では早くも新ドラフトへの反発が強まっており、20日にも抗議文書などをNPBに送付する構えだ。新たに選手関係委員長に就任した野崎連盟担当は「批判されることは覚悟している。選手会の理解が得られなければ実行委に諮らねば」と差し戻しの可能性も示唆した。妥協の末に誕生した新ドラフト実施までに問題は山積している。

◇トップ選手を両獲りも可能、優先権は球宴で争奪

ドラフト会議は高校生(10月3日ごろ)と大学生・社会人(11月18日ごろ)に分離して開催。

1巡目は高校生が入札抽選方式、大学生・社会人は希望入団枠(従来の自由獲得枠)も使える。

昨年までは自由枠を使えば1巡目指名は放棄となったが、高校生と大学生・社会人双方のトップ選手を獲得できる可能性もある。98年当時で言えば大学生で上原、高校生で松坂と同時獲得のチャンスもある訳だ。

1巡目指名を回避した場合は、もう一方のドラフトで2巡目指名権を得る優遇措置を設けた。このため、高校生ドラフト開催までに希望枠を使用するか否かを事前に表明しなければならない。

高校生の抽選で外れた1巡目、大学生・社会人の希望枠不使用の1巡目、さらに3巡目以降は下位球団からのウエーバー順で指名する。

高校生ドラフト開催時にはシーズン最終順位が確定していないため、ウエーバー順はある時期の暫定順位で決定。セ、パ両リーグの優先度はオールスター戦(2試合)の勝敗、さらにフレッシュオールスター戦(1試合)の勝敗で決める。

◇その他の審議事項

アジア枠
アジア出身選手に門戸を開くため、1軍外国人選手枠(現行4人)に加え、1枠を創設する方向。
準支配下選手制度
支配下選手枠(現70人)の枠組みから外し、実質的な保有選手数の増加。最低年俸撤廃を検討。
国内レンタル制度
一定期間、他球団に移籍させ出場機会の少ない選手に活躍の場を与える。海外レンタルの意見も。
二重株
フジテレビとニッポン放送がヤクルト、横浜両球団の株を所有する問題で、親会社フジテレビに球団保有に関する方針説明を求める。
プレーオフ制度
積極的だった横浜は「時間切れ」で提案持ち越し。

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WBC専門チームの設置も決定[スポニチ]

オーナー会議は懸案の来春3月開催のワールドベースボールクラシック(WBC)参加問題で、大リーグ機構(MLB)に運営方法の見直しを求める専門チーム設置を決めた。近く渡米しMLBと直接交渉にあたる。

委員長を務めるオリックス・宮内オーナーは「MLB主催など一方的な開催要項になっている」と指摘。副委員長のソフトバンク・孫オーナーは「運営委員会15人中8人が米国側で日本は1票だけ。向こうが過半数ではあまりにアンフェア。収益も米国が日本の5倍。ギリギリまで条件闘争すべきだ」と語った。同じく副委員長のロッテ・重光オーナー代行は、先に参加を表明した韓国側との折衝にあたる。

MLBは7月11日に開催を正式発表したが、日本側は招待への諾否を保留。労組・選手会は22日の総会で検討する。

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分離ドラフト、今秋・来秋限定で実施[報知]

◇10月3日高校生、11月18日大学生・社会人

今年2回目のプロ野球オーナー会議(議長・宮内義彦オリックスオーナー)が19日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われた。注目のドラフト制度改革は高校生と大学・社会人に分離。高校生は1巡目のみ入札・抽選、大学・社会人の自由獲得枠(希望選手枠)は1つに減らす方式に変更。どちらもウエーバーを併用する。ウエーバーの指名順はオールスター、またはフレッシュオールスターで勝ったリーグの下位球団から始めることが決まった。FA権利の取得期間については選手会側と協議し、諸条件が認められれば来オフから国内移籍を8年に短縮する。

紆余曲折したドラフト改革は「2年間の暫定処置」で決着した。日本プロ野球組織(NPB)はこの日、オーナー会議前に実行委員会を招集。日本ハムを除くパ・リーグ5球団と巨人で構成する作業部会が提示した原案を再検討し、ぎりぎりで1本化した。

最大の特徴は分離方式の採用。高野連の希望もあり、まず高校生ドラフトを10月3日に実施。大学と社会人は11月18日で、自由獲得枠は「希望入団枠」と名前を変え、現行の2枠から1枠に減らした。ウエーバー制も残された。

注目すべきは、高校生と大学・社会人の一流選手を一挙に獲得できる点。例えば高校生ドラフトで高校NO.1の呼び声が高い大阪桐蔭の最速155キロ左腕、辻内崇伸投手(17)を抽選で引き当てた球団が、もし相思相愛なら大学・社会人ドラフトで希望入団枠を使い、大学NO.1投手と言われる東北福祉大の福田聡志(22)も獲得できる。

獲得競争に失敗するなど、結果的に希望入団枠を使わなかった球団、高校生の入札抽選を回避した球団にはウエーバーで優先権を与えられた。

ドラフト制度改革は裏金問題など不正防止、人件費高騰による球団経営の圧迫の改善、戦力均衡、米大リーグへの選手流出の抑制などを目標として方法論を探した。12球団の主張がまとまらないのは当然で、最後は「最大公約数を探す」(小池唯夫・実行委員会議長=パ・リーグ会長)作業となった。作業部会をまとめたロッテ・瀬戸山球団代表は「満足?半分くらい」と苦渋の選択だったことを明かした。

一方で、選手関係委員会の委員長として選手会との折衝に当たる阪神・野崎連盟担当は「妥協した。批判を受けるかもしれないが前に進むことが大事」と視点を変え、ひとまず評価した。宮内議長は会見で「2年間やってみようということ。経過を見せてもらう」と説明した。今回の改革案は暫定処置として扱われ、協約の改正については議論を先送りした。新制度への移行を視野に入れていることを示唆している。

◇ウエーバーの決定方法

セ・パいずれのリーグからウエーバー指名を行うかは、

(1)
オールスターの勝敗で決定。

2試合で勝ち越したリーグの下位球団から指名を行う。1勝1敗、または2分けの場合は

(2)
フレッシュオールスターの勝敗で決定。

それでも決まらない場合は

(3)
全試合の得失点差

で決定される。

ウエーバー指名を行う球団の順番は、高校生ドラフトを行う10月3日の時点では順位が確定していない可能性があるため、どの時点の順位を採用するかは今後、決められる。

◇高野連賛成

高校生選手を指名するドラフト会議が10月初旬に先行開催される決定を受け、日本高野連は賛成の姿勢を示した。NPBからの報告を受けた田名部和裕参事(59)は「進路選択が早まるとトラブルが回避できるし、高校生にとっても希望球団に指名される可能性が高くなるかもしれない」と説明した。

3月にワーキングチームからヒアリングを受け、高野連側は完全ウエーバー制を理想に挙げた。「分離したことでメリットはあるが、自由獲得枠が残り、制度が完全に整備された訳ではない。今後も話し合いを継続していく必要がある」と田名部参事は検討課題を挙げた。

また、プロ入り希望者は、選手権大会決勝翌日から10月31日までに「プロ野球志望届」を各都道府県高野連に提出することになっていたが、会議の前倒しにより8月5日の全国理事会で締め切り日について審議する。10月23日からの岡山国体に出場する選手は、指名を受けても大会終了後まで入団交渉はできない。

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孫オーナーらWBC見直し求める[報知]

◇オーナー会議

ソフトバンク・孫正義オーナー(47)が19日、オーナー会議の席上、国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)への“無条件降伏”の参加に猛反対。ほかにも見直しを求める発言が相次いだため、同会議ではオリックス・宮内オーナーを委員長、孫オーナーとロッテの重光オーナー代行を副委員長とする専門チームを設置し、米大リーグ機構(MLB)に運営方法の見直しを求めていくことになった。

孫オーナーは「メジャーに一方的に有利になっている。アメリカが全てを決めてしまうのはいかがなものか。フェアな取り決めになるよう、真剣に条件交渉をするべき」と説明。自らがMLBとの交渉役として手腕を発揮するつもりだ。

日本側は大会運営会社をMLBが実質支配していることなどを問題にしながら、参加の意向を伝えている。日本プロ野球選手会も開催時期(来年3月予定)の変更を求めており、孫オーナーらは粘り強く交渉し、次回11月のオーナー会議前に臨時オーナー会議を開催し、参加の是非を検討する。

◇FA短縮 選手会3条件承諾なら

ドラフト制度改革に伴い、FA取得期間も短縮される。労組・プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)が今オフ、次の3点を受け入れることを条件に、06年オフからFA取得期間を現行の9年から8年に短縮する。条件は以下の通りで、

(1)
選手年俸の減額制限を50%に引き上げる(現行は年俸1億円以上の選手は30%、それ以下は25%)
(2)
最低年俸保障に縛られない準支配下選手制度の導入
(3)
外国人選手枠とは別にアジア枠1人を創設する

の3点。取得期間短縮は国内移籍に限るもので、海外移籍については現行のままとなる。

◇セ・プレーオフ 阪神異論で継続審議へ

阪神・手塚昌利オーナー(74)=電鉄本社会長=が19日、セ・リーグのプレーオフ導入に異論を唱えた。この日、オーナー会議に出席した同オーナーは「1位のチームが日本シリーズに出場できないのはいいのかとの気持ちがある。(プレーオフで負けて)最終的に資格を失うのは釈然としない」と、反対の意向を示した。既に牧田俊洋球団社長が「経営面などの問題がある」と慎重な姿勢を見せていたが、オーナー自身が明確なジャッジを下したのは初めて。NPBはセ、パ両リーグの試合数統一を今後の検討課題に挙げているが、阪神グループの総帥は首を縦に振る考えはなさそうだ。

◇フジ子会社問題 「支配解消が健全」大勢

オーナー会議では、ヤクルト球団株を保有するフジテレビが、横浜球団株を保有するニッポン放送の完全子会社化を目指していることについて審議。コミッショナー事務局を通じてフジテレビ、ニッポン放送に現状の認識、今後の意向確認をし、11月5日のオーナー会議で保有が正当か否かの結論を出すことになった。実行委員会レベルでは球団株の二重保有に異論は出ていなかったが、この日は巨人・滝鼻オーナーが「(他球団の株式所有を明記した協約の)183条に違反している。巨人としては理解できないと言った。横浜のオーナーもヤクルトのオーナーも実効的な支配はないと言うけれども、形式上の話が大切」と異論を唱えた。横浜・若林オーナーは「ニッポン放送の30%保有に不都合はないと思うが」としながらもヤクルトと共に大筋で納得した。

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分離ドラフト、FA短縮で合意[ニッカン]

プロ野球オーナー会議は19日、都内で開かれ、今年秋から高校生と大学生・社会人を分ける分離ドラフト導入や自由獲得枠(希望入団枠に変更)の2から1への削減などが柱の新ドラフト制度を2年間実施することを決め、条件付きのFA取得期間短縮でも合意した。

FA短縮については、今後の選手会との交渉で

(1)
選手年俸の減額制限を50%に引き上げる
(2)
最低年俸保障に縛られない準支配下選手制度の導入
(3)
外国人選手枠とは別にアジア枠1人を創設

の3つの条件が今オフから実施されれば、国内移籍に限り、06年オフより現行の9年から8年に短縮される。この日の会議では長期的な球界の構造改革として、レンタル移籍制度、ポストシーズンの導入、コミッショナー事務局強化、セ、パ両リーグの運営方法の統一なども議論された。

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WBC参加問題はオーナー主導で交渉[ニッカン]

プロ野球オーナー会議は19日、来年3月に初開催される国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)の運営方法見直しを米国側に求めるため、オリックスの宮内オーナーを委員長とする専門チームの設置を決めた。この日の会議では「交渉が弱腰過ぎる」「参加を見合わせては」などの発言が相次ぎ、オーナー主導で交渉に乗り出すことになった。日本側は米国主導の運営を疑問視し、日本プロ野球選手会も開催時期の変更を求めており「条件付きでの参加」を表明している。ソフトバンクの孫オーナーとロッテの重光オーナー代行が副委員長を務める。次回11月のオーナー会議の前に臨時オーナー会議を開催し、参加の是非を検討する。

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レンタル制度など中期ビジョン提出

ワーキングチームが作成した「野球再生中期ビジョン案」がオーナー会議に提出された。ドラフト改革と共にコミッショナー事務局の強化、国内レンタル制度の導入、準支配下選手制度等の導入、アジア諸国との連携強化、プロ・アマの垣根の撤廃など多岐に及んでいる。いずれにせよ今後の検討が必要な事項ばかりで、実行委員会などで議論を重ねていく。

◇横浜PO案は不発

横浜が導入を提案したセ・プレーオフ制については、具体的な議論にまで至らなかった。若林オーナーは「時間がなくて、そこまで話が進まなかった」と残念そう。「ファンに夢を与えるやり方を議論していったらいい。パの方式も一案」と、他球団への理解を呼び掛けた。しかし、阪神手塚オーナーは「うちは今年たくさんリードしてるし、ファンが一生懸命応援してくれている。3位が優勝…は釈然としない」と難色を示していた。

◇オーナー会議その他の議題

交流戦に関する報告(観客動員、利益配分などの成果について)や、暴力団等の悪質応援団排除のための「試合観戦契約約款」および「特別応援許可規程」、有識者会議の中間報告などを受け、話し合った。

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