セ・リーグが2点差を逃げ切り、5年前の3連勝以来の連勝を飾った。セは1回今岡の適時打で先制すると、岩村、前田の連続適時打で2点を追加。4回、パに李の球宴初HRで1点差に詰め寄られるが、その後今岡、前田のそれぞれこの日2本目となる適時打で得点を重ね、投手としての最年長出場となった工藤が打たれた6回の城島のソロだけに抑え、藤川に球宴初セーブがついた。球宴三冠王を狙った清原は無安打3三振。なおMVPは3安打2打点の前田が選ばれ、通算成績はセ・リーグの63勝73敗8分となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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全パ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
全セ | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | x | 5 |
第2戦の試合前の本塁打競争は全パが圧勝した。“1番手”として登場したソフトバンクのズレータが、5スイング中3本と量産。ロッテ・フランコと李の1本ずつを合わせ、全パは計5発。全セは阪神金本の1発のみに終わった。「いいパフォーマンスが見せられれば嬉しい」と話していたズレータは、パ・リーグのナイン総出のハイタッチで迎えられ、笑顔いっぱいだった。
薮田が投手陣の最後を締めた。8回に登板して見事に3人を打ち取った。清原と同じ大阪・岸和田出身で「だんじり魂」を見せた。清原との対戦はなかったが「楽しめた。意外と平常心で投げることができた」と話した。小林宏は2回1失点だったが、前日22日の清水、渡辺俊、小林雅と合わせ、ロッテ勢は5人で計8回1失点と投手力を見せつけた。
アジアの大砲・李承Y(ロッテ)が日本を制圧した。4回無死二塁、下柳からバックスクリーン右に飛び込む特大の1発。韓国で7年連続球宴出場を果たしたスターが、日本でも存在感を見せつけた。日本シリーズ出場した場合、対戦することになる左腕からのアーチ。「厳しいところを攻めてくる投手相手。本塁打はビックリしました」。
前兆はあった。この日、自宅を出発する際、8月に出産予定の松静夫人から「今日は1本打つでしょうね」と言われた。「そういう時は必ずホームランが打てる」と喜んで、1発狙いに専念。ロッテ勢では88年の高沢以来、17年ぶりの本塁打となった。
優秀選手賞に輝き「記念のボールとバットは一生、大切にします」と喜んだ。夫人との約束を守り、虎狩りの“予行演習”も完了。李にとって、一石二鳥の球宴となった。
試合前に「今日は狙うよ」とアーチ宣言していたロッテの李承Yが4回無死二塁から下柳のスライダーをバックスクリーン右へ運んだ。「手応えはあったので入ると思った。今日の1日を忘れない。少しでもアピールできたかな」。
昨年のこの時期は2軍生活を余儀なくされた。韓国時代は球宴に97年から7年連続出場。それだけに、日本でも存在感を見せつけたかった。
この日の朝、千葉・浦安の自宅を出る時に8月に第1子を出産予定の松静夫人から「1本打ってきてね」と送り出された。記念のホームランボールとバットは愛妻へのお土産になった。
試合後は一緒に出場したロッテナイン10人と焼き肉パーティー。「おごり?今日はいい日だからね」。優秀選手賞で獲得した100万円で仲間と祝杯をあげた。
普段は謙虚な李が、初出場の球宴で派手に変身した。4回無死二塁。下柳の真ん中スライダーをとらえると、ライナー性の打球はバックスクリーン右に飛び込んだ。特大の球宴1号2ラン。「嬉しい。手応え十分。忘れられない日になった」。試合前に「今日は狙います」と話していた。予告ホームランで、優秀選手賞にも輝いた。
韓国では球宴に7度出場もMVPは1度もない。来日1年目の昨年の球宴時は2軍で「寂しかった」。成長した今年はノビノビとプレーした。試合前、来月初めに第1子を出産予定で千葉の自宅にいる松静夫人から「今日は必ず1本打つでしょう」と電話で言われた。「そういう日は必ず本塁打が出る」という“予告”もあった。
ロッテの球宴本塁打は88年の高沢2軍打撃コーチ以来、17年ぶり。外国人選手では80年のリーまで遡る。チームメートもスタメン4人起用に応え、福浦が球宴初安打、フランコが2安打と「マリンガン打線」の本領を発揮。球団最多10人出場の球宴をいい形で締めくくった。李は「今後につながる」。後半戦へ、勢いをつけて臨む。
プロ野球12球団監督会議(座長・仰木彬オリックス監督)が23日、兵庫・西宮市内のホテルで行われ、交流戦、使用球の統一、試合時間の短縮、投手の2段モーションの禁止などについて討議した。
会議では今月17日現在、米大リーグ球団で平均試合時間が3時間を超えている球団がないという実績を紹介。ロッテのボビー・バレンタイン監督(55)が試合のスピード化について独自の改革案を提示した。
の5点。
他球団の監督も「決まりがあれば守る」という姿勢。日本プロ野球組織(NPB)では今後、実行委員会などで検討し、指標を示していくことを決めた。
プロ野球の12球団監督会議が23日、兵庫・西宮市内のホテルで開催された。公認球の統一や2段モーションのほか、試合時間の短縮について話し合われたが、積極的な提案を重ねたロッテのボビー・バレンタイン監督(55)と中日・落合博満監督(51)が“共闘”し、選手の入場テーマ曲の短縮を主張した巨人・堀内恒夫監督(57)を「そんな瑣末なこと」と一蹴するなど、壮絶な“場外バトル”が繰り広げられた。
意欲の差が表れてしまった。
バレンタイン監督は(1)ネクストサークルを打席に近づける(2)サークルには予備のバットを用意(3)投手交代の際にはオーロラビジョンなどにバスケットボールの25秒ルールのように時計を表示する(4)スライディング後に土を払うためのタイムは認めない−などの具体案を次々と提示して、試合短縮を説いた。
一方で落合監督は、「面白い試合を見せるためには、時間が必要な場合もある。ムダをなくすことが必要」と主張。その話し合いの中で、堀内監督が「入場テーマが長すぎる」と持論を口にした。すると突然、落合監督が声をあげたという。
バレンタイン監督が明かした。堀内監督は打者の入場テーマ曲短縮を昨年のキャンプ中から提案してきた。清原の「とんぼ」もワンフレーズで切ったが、現在では元に戻っている。2年ごしで主張してきた持論を、「瑣末」と一蹴されるのは屈辱的。だがプレーにかかわる部分で主張を続けた両者にとって、確かにテーマ曲は本筋ではなかった。
前回1月27日の監督会議に、落合監督は「所用」の講演で欠席。そのとき、堀内監督は「本当なら用事がなければ出てくるべき。全員で話し合うことはそうないんだから」と苦言を呈していた。この日の落合監督は、2回分の鬱憤を晴らすかのように発言を続け、最後には「決まったことには従うが、言うべきことは言う」と胸を張った。
とんだ中日・ロッテ連合軍vs巨人の場外バトル。堀内監督には、強烈なカウンターパンチだったに違いない。
12球団監督会議(座長=オリックス・仰木彬監督)が23日、西宮市内のホテルで開かれ、投手の2段モーションを厳禁とする実行委員会の提言を受け入れた。今オフに指導を徹底し、来季から不正投球として禁止する。投球動作の中断や変更を禁じた野球規則の厳格適用で、国際化の一環で対応が迫られていた。また試合時間の短縮、公認使用球の統一などを討議した。
座長を務めたオリックス・仰木監督が「国際試合でルール違反。日本も国際基準に沿うようにしたい」と2段モーションの規制を受け入れた。
今オフの秋季練習、キャンプで審判員の指導の下、修正し、来季から厳禁する。野球規則上(別掲)の不正投球(ボーク)を厳格に適用する。
いったん下ろした足を再び上げる2段モーションは、今や日本プロ野球界に蔓延している。両リーグ審判部が今月、12球団に配布した「注意すべき投手」は約120人に上った。この日は具体名を挙げての討議は控えられたが、既にクルーン(横浜)や岩隈(楽天)らが注意を受けている。
会議は西武・荒木、阪神・久保投手コーチらも同席。習得したフォーム修正は困難が予想され「投手にとっては死活問題」(ソフトバンク・王監督)「明確な基準はあるのか」(横浜・牛島監督)と紛糾の後、「ルール通りにする」(巨人・堀内監督)で一致した。
球界10年来の懸案で、プロアマ合同規則委員会で最初に問題視されたのは96年1月。昨年のアテネ五輪では日本代表の数投手が国際審判員から疑問視された。ロッテ・バレンタイン監督が「米国人にはできない。日本人の器用さが生んだ技術」と話すように、独得のローカルルールにメスが入った。
ロッテ・バレンタイン監督が試合時間短縮で数々の提案を行った。野球規則で定められている次打者席の位置を打席に近づける特例を設けたり、選手交代の制限時間を定め「残り○秒」とスコアボードに表示する…など。「アイデアはいくらでもある」と同監督。また、史上初めて導入された交流戦については「よりよくするために日程面で検討の余地あり、となった」と仰木監督。さらに公認使用球の縫い糸を来季から綿に統一することも決めた。
12球団監督会議(座長・オリックス仰木監督)が23日、西宮市内のホテルで行われ、試合時間の短縮に向けてルールづくりをする方針が確認された。大リーグ経験も豊富なロッテ・バレンタイン監督を中心に「選手交代の際に時間制限を設ける」「次打者席を近づける」など様々なアイデアが出た。これを具体的に明文化し、短縮に向けて足並みを揃えていく。また、使用球はメーカーに規制は設けないが、縫い糸を綿製で統一することになった。
前半戦の平均試合時間はセ・リーグが3時間18分で、パ・リーグが3時間19分。これに対して大リーグ30球団それぞれの平均試合時間は、最長でも2時間59分と、3時間に届く球団はない。会議では、こうした数字が示された上で、大リーグ監督の経験も持つバレンタイン監督が時短への具体案を提案した。
大リーグでも実行されていないものも入っており、同監督の独自案といえる。しかし、時短は長年の課題としてきたが、昨年はセが3時間20分、パが3時間29分と、それぞれ最長となった。「白熱した試合ならば必ずしも時短せずともいいのでは」という意見も出たが、試合の質を下げない部分で時短を目指そうと確認された。
今でも申し合わせ事項に時短のための奨励事項が明記されているが「迅速に」「速やかに」「かけ足で」など、曖昧な表現ばかり。来季に向け、可能な限り具体的にルールづくりをしていく。
最近10年の平均試合時間 | ||
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年 | セ・リーグ | パ・リーグ |
96 | 3時間20分 | 3時間5分 |
97 | 3時間18分 | 3時間10分 |
98 | 3時間19分 | 3時間20分 |
99 | 3時間19分 | 3時間15分 |
00 | 3時間17分 | 3時間19分 |
01 | 3時間17分 | 3時間23分 |
02 | 3時間14分 | 3時間12分 |
03 | 3時間12分 | 3時間22分 |
04 | 3時間20分 | 3時間29分 |
05 | 3時間18分 | 3時間19分 |
中日落合監督は会議中、2段モーション禁止の議論の中で持論を展開し、審判6人制の復活と、予備の公式記録員によるビデオ判定の導入を訴えた。同席した伊藤球団代表は「監督は2段モーションの禁止は選手生命にかかわる重大な問題とした上で、メジャーで2段モーションで投げていると投手の具体名を挙げました。国際試合に合わせるだけではなく、日本独自の方法もあるのではないかと主張していました」と明かした。
今秋から導入される分離ドラフトで先に実施される高校生ドラフトのウエーバーの優先権が23日、オールスター戦を2連勝したセ・リーグに確定した。高校生と大学生・社会人に分けて2回実施する新ドラフトは7月19日のオーナー会議で承認された。ウエーバーの優先権はオールスター戦(2試合)、フレッシュオールスター戦(1試合)を勝ち越したリーグに与えられることになった。指名順位は高校生対象のドラフトが10月3日に実施予定で最終順位が確定していないため暫定順位を採用する。ただし、日本プロ野球選手会は新ドラフト制度に反対しており、8月下旬に開催する予定の構造改革協議会で議論される見込み。
楽天の本拠地フルキャストスタジアム宮城に隣接して室内練習場が建設されることが23日、明らかになった。宮城野原公園総合運動場内のテニスコートを公園内の別の場所に移し、宮城県はその跡地を球団に有料で貸与。球団が練習場を建設する計画で、来年の開幕までに完成する予定。同球場はこれまで、試合前が雨天の場合、スタンド下のブルペンで打撃練習などを行っていた。広さ不十分のため、他球団からも改善が求められていた。同県が球団側の要望を受け入れた形で、近く発表される。