ロッテが今季17度目の2ケタ得点で快勝。ソフトバンクとの差を4.5とした。ロッテは1回、ベニーが暴言で自身2度目の退場となった後、橋本の適時打、大塚の4号3ランなどで6点を先制。3回にも、橋本の2本目の適時打、今江の2点適時打などでさらに5点を追加。8回には代打・初芝が1号ソロを放った。先発・渡辺俊は9安打2失点で今季2度目の無四球完投を飾り11勝目。ソフトバンクは松中が単独トップの35号ソロを放つが、先発新垣が自己最多の11失点で4回KO。今季5度目の2ケタ失点となった。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千葉ロッテ | 6 | 0 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 12 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
サブマリン渡辺俊が、大量援護に気を緩めず、11勝目を飾った。今季3度目のチームの連敗ストッパーとなった。ソロ2発による2点に抑え、無四球で今季4度目の完投勝利。順当ならプレーオフで対戦する可能性の高い相手に3勝だ。「走者をためないように気をつけた。点差があっても、気を引き締めて投げました。相手が嫌なイメージを持ってくれればいい」と話した。
ロッテのマリンガン打線が久々に火を噴いた。点火させたのは4番ベニーの退場劇。1回の打席で、球審の判定を不服とし、暴言を吐いて退場処分を受けた。主砲の早々の離脱に危機感を感じたナインが1回に6点。3回にも5点を奪う猛攻で序盤で試合を決めた。首位ソフトバンクを12−2で破りゲーム差を再び4.5差に戻した。
試合開始わずか10分。4番ベニーのまさかの退場にロッテナインが燃えた。普段は温厚な主砲が鬼のような表情を見せた。初回1死一、二塁。カウント0−2からソフトバンク新垣の3球目が、内角低めに外れたかに見えた。だが球審の判定はストライク。激高したベニーが詰め寄り、叫ぶ。ついに暴言で退場宣告も、怒りは収まらない。バット、ヘルメットを地面に叩きつけた。「明らかに低かった。審判には敬意を表しているが、あれはボール」と自信たっぷりだった。
チーム今季初の退場が交流戦後、湿っていたマリンガン打線に火を付けた。急遽代打の井上が四球を選んだ。2死満塁から橋本が一、二間を抜ける2点先制打で口火を切った。
続く李の右中間フェンス直撃二塁打で3点目。さらに大塚がカウント0−3から左翼へ4号3ランを叩き込んだ。打者10人の猛攻で2死から怒りの6点だ。3回はまたも橋本が適時二塁打で勢いをつけ、打者9人で5点。8回には初芝のバックスクリーンへ飛び込む1号ソロで12点目を入れた。
山村球審には7月11日の西武戦で、李が故意に投球に当たったと判定され、死球が認められず、バレンタイン監督が猛抗議した因縁があった。同監督は「チームが発奮して、応えてくれて良かった」と称えた。今季44度目の2ケタ安打、17度目の2ケタ得点という圧勝で、ソフトバンクとのゲーム差もアドバンテージ阻止の4.5差に戻した。ベニーも試合後は笑顔で選手を出迎えた。7月は9勝10敗1分けと負け越したが、長期ロードはこれで終了。目覚めたロッテが、2日から、地元・千葉マリン9連戦で勢いを取り戻す。
ロッテのベニーアグバヤニ外野手は7月31日、ソフトバンク13回戦(福岡ドーム)で球審への暴言により退場処分を受けた。退場者はパ・リーグで8人目(10度目)。ベニーは1回の第1打席で内角低めの球の判定で山村球審に抗議した際に暴言を吐いた。
神話が復活だ。ソフトバンクとの首位決戦第2R。負ければ6.5ゲーム差という崖っ縁で、渡辺俊が投げれば打線が爆発する“勝利の法則”がよみがえった。
11勝中、2ケタ得点をもらっての勝利は実に7度目。テンポのいい投球が打線に火をつける秘けつだが、この日は投げる前から大量援護をもらった。初回に大塚の4号3ランなどで大量6点を先行。3回にも5点の援護をもらえば、あとは地上5センチからの緩急を使った投球で強力打線を手玉にとるだけ。「あの点差なら四球よりホームランを打たれた方がいい」と失点を松中、ズレータのソロだけに抑え、今季2度目の無四球、6度目の完投だ。今季16試合に登板し、援護点は計134点。1試合平均約8.3点はおいしすぎる。
渡辺俊の“爆発神話”にバレンタイン監督も「理由は分からないが、これだけ点を取ってくれるなら渡辺をもっと登板させたい」と喜び、渡辺俊も「仰せのままに」と応えた。
ソフトバンクとは再び4.5ゲーム差。まだまだ1位通過を諦めていない。ソフトバンクに対し、今季4試合で無傷の3勝と相性抜群の渡辺俊は、プレーオフも見据えて言った。「相手が嫌なイメージを持ってくれればいい」。今後に向け、効果的な天敵健在アピールとなった。
先発・新垣が初回に6点、3回に5点を失う大乱調で惨敗。王監督は「1回で終わっちゃったな。制球が悪く、簡単に打たれる」と背番号18の背信投球を嘆いた。ロッテとの対戦成績は6勝7敗とまた黒星先行で、ゲーム差は4.5に逆戻り。「(渡辺俊は)元々点を取れる投手じゃない。今日は試合云々っていうのはないよ」。指揮官はこれ以上、大敗を振り返りたくないといった表情だった。
秋に向けて、ロッテが首位・ソフトバンクを徹底的に叩きのめした。これで対戦成績は7勝6敗。ゲーム差もプレーオフで1勝が与えられる5ゲーム差以上から再び4.5差に戻した。
6度目の完投で11勝目を挙げた渡辺俊が振り返る。今季、ソフトバンク戦では3勝0敗。こちらもソフトバンクに苦手意識を植え付けた。
松中、ズレータに1発を浴びたものの、無四球のピッチング。「あの打線に投げるのは大変ですよ。リードしていたけど、気を引き締めて投げました」とサブマリンは先を見据えての投球だったことを説明した。
打線も前日30日の無得点のお返しとばかりに、10安打、12得点の猛攻。プレーオフで先発する可能性の高い新垣を4イニングで、マウンドから引きずりおろした。バレンタイン監督は「打線が発奮した。初回の橋本のタイムリーが大きかった」と打線を絶賛する。
2位チームは第2ステージでの試合の主催権は失うが、5ゲーム差未満なら5分の条件で戦うことができるパのプレーオフ。ソフトバンクに与えた苦手意識が10月の大一番で生きるはずだ。
1回2死満塁の場面で、先発マスクの橋本が先制の右前適時打。この回6点を奪うきっかけとなった。橋本は「つまったけど、いいところに飛んでくれた。昨日は先制されて流れが相手にいってしまったので、なんとかしたかった」と笑顔。守備でも好リードを見せ、渡辺俊の完投劇を演出した。
ベニー・アグバヤニ外野手(33)がソフトバンク13回戦(ヤフードーム)の1回、山村主審の判定について暴言を吐き、退場処分となった。ロッテの退場は今季初めて。
ロッテのベニー・アグバヤニ外野手(33)が、31日のソフトバンク・ロッテ13回戦(福岡ヤフードーム)の初回、ストライクの判定を不服として山村球審に暴言を吐き、退場処分。今季パ・リーグ8人目(10度目)。両リーグ合わせ15人目(18度目)。
温厚な助っ人が、禁止用語連発で球審に食ってかかった。ベニーが切れた。「FU●K!!」初回1死一、二塁。カウント0−2から内角低めの直球は、城島のミットが地面をこするほど低かった。数秒の間を置いて「ストライク」コール。その瞬間、ハワイアンは鬼と化した。尊敬する同郷のKONISHIKIのごとく、山村球審に詰めよった。「明らかに低い。完全なボールだ」ヘルメットを投げつけての猛抗議。チーム今季初の退場者となった主砲が、眠れる打線のスイッチを押した。
「ベニーの退場で燃えない訳にはいかなかった」。熱いハートは橋本に乗り移った。2死満塁から右前にしぶとく2点適時打を放つと、タイムリー欠乏症は一気に解消。李が右中間を破り、大塚は左翼へ3ランを運んだ。4番の退場直後に一挙6点。一丸となったロッテ打線が、宿敵ソフトバンクを初回に沈めた。
奮起した打線は止まらない。3回、再び橋本が左中間二塁打で口火を切り5点を追加。前日の完封負けから一転、12点。ストレスを発散したバレンタイン監督は「チームが発奮して応えてくれた」と“退場効果”を実感した。
メジャー流采配による神話は健在だった。バレンタイン監督は、選手を常にフレッシュな状態に保つ目的で、休日練習はめったに課さない。完全休養日の前日はこれで11勝1敗1分け。この日も残された力を振り絞っての快勝だった。
首位とは再び4.5ゲーム差。ボビーは「(負けて)6.5差より4.5の方が確かにいい」と不敵に笑った。8月2日からは本拠地・千葉マリンでの9連戦。福岡で見せた爆発力が本物ならば、逃げる鷹を捕らえる瞬間はきっとやってくる。
万全に仕上げたはずのマウンドで、プライドまで打ち砕かれた。新垣が自己ワーストの11失点で、4回KO。「見ての通りです。何も言うことはありません。全てが悪かった」とうつむいた。球威、コントロール共になく、初回、打者10人に5安打2四球で6点を奪われ、3回にも5失点。中14日と、十分な調整期間があったにもかかわらず、右の柱が沈んだ。右足首を痛め、6月4日から約1ヶ月半、離脱。復帰2戦目も炎上し、白星からは2ヶ月以上も遠ざかった。ユニホームを脱いだ後、約1時間、資料室のビデオを見たが、乱調の原因は見つからない。
2位・ロッテとの差は再び、4.5ゲーム差に逆戻り。このカードで再び、黒星が先行したが、王監督は「神様が、ガツンとやってくれたと思えばいい」と次回も新垣を、先発起用する方針。日本一奪回のためには、新垣の復活が、欠かせない。
ロッテが、ソフトバンク新垣の立ち上がりを攻略した。1回に5安打を集中し、一気に6点を先制。さらに3回にも5得点を奪い、前日の完敗で沈んだムードを一夜で消し去った。
ロッテは、4番ベニーが1回に審判への暴言でいきなり退場となる不安のスタートだったが、2死満塁から6番橋本は内角直球をとらえて先制2点適時打。橋本も「(退場で)燃えない訳にはいかなかった」と、気合の1打に胸を張った。
主砲不在の危機に、敏感に反応したのが橋本以下の下位打線。6−9番で9打点と主軸を超える働きぶりに、バレンタイン監督も「よく発奮してくれた」と笑顔を見せた。
先発渡辺俊も2失点完投と、投打が噛み合っての勝利で、首位ソフトバンクとは再び4.5ゲーム差。パ・リーグの2強対決は、まだまだ終わらない。
ロッテ先発の渡辺俊介投手(28)が無四球完投で11勝目を挙げた。序盤から大量援護を受け「気持ちを切らさずに投げるのが難しかった」と話したが、最後まで丁寧に投げ抜いた。ここ2試合は敗戦が続いていたが、渡辺俊は大量援護を受けることが多く、2ケタ得点はこの試合で7度目。思わぬ大勝に、バレンタイン監督も「こんなに点を取るなら、もっと彼を先発させようか」と冗舌だった。
ロッテのベニー・アグバヤニ外野手(33)が球審への暴言により退場処分を受けた。退場者はパ・リーグで8人目(10度目)。ベニーは1回の第1打席で内角低めの球の判定で球審に抗議した際に暴言を吐いた。