ロッテが今季6度目の先発全員安打となる19安打で15点を挙げ、2連勝。2回に1点を先制されたロッテはその裏、大塚の2点適時打、フランコの2点適時打、今江の2点適時打などで一挙8点を挙げ逆転。その後も6回に李の2点適時打などで4点、7回に里崎の7号3ランで3点を追加し、点差を広げた。先発小林宏は自身最多の12奪三振をマークするなど、今季3度目の完投勝ちで自身2度目の2ケタ勝利となる10勝目を挙げた。楽天は今季10度目の2ケタ失点を喫するなど投手陣が崩れ、連勝ストップ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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東北楽天 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
千葉ロッテ | 0 | 8 | 0 | 0 | 0 | 4 | 3 | 0 | x | 15 |
19安打15点の猛打で圧勝したロッテのバレンタイン監督は「これ以上、何も望むことはない」と満面に笑みを浮かべた。2回は無死一、二塁からサブローがバント安打でラスを揺さぶり、集中打を浴びせた。とりわけ、「思い切り振った結果」という今江が4安打で勢いを与え、不振だった西岡も2安打して打線が機能。「いい感触が各打者に伝染してきた」と指揮官も打線復調を喜んでいた。
小林宏が19安打15点のマリンガン打線の大量援護を受け、2年ぶりの10勝を飾った。最後は楽天牧田から落差のあるスライダーでプロ入り最多の12三振も奪った。端整な顔に、久し振りに笑みが浮かんだ。「7月はいい投球ができず、苦しんだ。8月はどうしても勝ちたかった」。MVPに輝いた交流戦優勝を決めた6月14日以来の白星だった。
捕手の里崎は「今まで抜けていたスライダーが良かった。何としても助けたかった」と、3ランを含む5打点で勢いに乗せた。2ケタ勝利を目前にしながら「力みから体が開いていた」と今季序盤のいい状態の映像を何度も見た。キャッチボールからフォームを修正。母校の春日部共栄も甲子園出場を決めた。「本当に嬉しい。負けないように頑張ろうと思っていた」と刺激になった。
1発による1点だけに抑え、完投で救援陣を休ませた。「今日は野手のおかげで楽に投げることができた」という。バレンタイン監督も「ピッチャーもバッターも全員貢献して、これ以上望めない勝利だった」と満足げ。本拠地9連戦で、最高のスタートを切った。
今江、西岡のコンビが奮起して2試合連続の2ケタ安打、得点だ。今江は打者12人の猛攻となった2回に2安打を放ち、チームを乗せた。4安打の固め打ちに「思い切って振っていった」と言う。不振だった西岡も28打席ぶりの安打に盗塁も決めた。「今月が開幕のつもりでやっていこうと思った」と笑顔を見せた。
16日ぶりに戻った千葉マリンで、小林宏が自己最多となる12奪三振。6安打1失点の完投で2年ぶりの2ケタ10勝目をマークした。
交流戦で5勝を挙げたが、7月は勝利から見放された。投げ急ぐことで上体の開きが早くなっていた。「原因は分かっていたが、体が動かなかった。やっとイメージと一致した」。何度もDVDを見てフォームをチェック。キャッチボールから軸足に体重を乗せることを意識した。
母校・春日部共栄が8年ぶりの甲子園出場を決めた。「負けないように頑張らないとね」と発奮材料となった。19安打15得点の打線に、小林宏の復活。本拠地9連戦の初戦を飾ったバレンタイン監督は「文句のない勝ち方だ」とご満悦だった。
3連勝中だった先発ラスの乱調で、楽天は今季3度目の3連勝を逃した。1回1/3を6失点でKO降板となったラスは「球が高めに浮いてしまった」と反省しきり。中継ぎ陣も崩壊し、開幕2戦目のロッテ戦で喫した26失点に次ぐ15失点。田尾監督は小山、愛敬、関川に代わって、3日からルーキー一場と矢野を中継ぎとして昇格させることを決定。一場について「短いイニングで結果を出してもらって、内容がよかったら先発でやらせたい」と期待を込めた。
最後の打者を三振に仕留めると、小林宏から笑顔がこぼれた。交流戦MVP右腕が49日ぶりの勝利。6安打1失点完投で10勝目。自身最多の12三振を奪う力投を見せた。
「7月は全然いい投球ができなかった。今日は勝つことが最低限の目標だったので、達成できて嬉しい」。ほっとした表情を見せた小林宏はリーグ戦再開後、低迷。4試合に先発したが、勝ち星がつかず「投げ急いで力んでいた。1ヶ月以上、苦しみましたね」。ビデオを何度も見て、フォームの修正に努めていたが、ようやく成果が出た。母校の春日部共栄が8年ぶりの甲子園出場を決め、後輩の刺激も受けた。交流戦で主役を演じた男が、もう1度輝くときがやってきた。
19安打15得点の猛攻で楽天を圧倒。2回には8安打8得点の集中打でラスを早々にKO。この日9番から6番に昇格した今江は4安打2打点に「嬉しい。打順が変わって打てないと言われるのは嫌だから」と喜んだ。完勝にバレンタイン監督も「全員が貢献してくれた。これ以上の勝利はない」とご満悦だった。
フランコ、福浦、今江と、パ・リーグ打撃ランキングのトップ10に3人が名を連ねるロッテ。しかし、既定打席にはまだ15足りないが、彼らに負けない好成績を残している“陰の3割打者”堀幸一(36)の存在も、忘れてはいけない。
2日の楽天戦。1回、先頭打者が倒れて迎えた第1打席で、堀は内角球を右前に運んだ。後続が倒れて先制点はならなかったが、続く第2打席は、チームが逆転した後の無死満塁。併殺にはならない内野ゴロで、三塁走者を生還させた。
出塁だったり、進塁打だったり。状況に応じた打撃が求められることが多い2番打者が、「いつも何がベストかを考えている」。そうした判断力と、その選択を実行できる技術は、18年の経験のたまものだ。
今季は開幕から、遊撃と二塁をこなす21歳の西岡、32歳の遊撃手・小坂、二塁手の堀と、3人で2つのポジションを回している。バレンタイン監督は、若手とベテランが互いに刺激し合う相乗効果に満足そう。堀は「毎試合出たいという欲はある」と言いつつ、適度な休養が体調維持につながっていることも認める。
これまでのシーズン最高打率は、1996年の3割1分2厘。95年にも3割9厘の成績を残している。当時は走者をかえすのが仕事の中軸打者。「今の役割とは違う」と、今年の数字とは比較したがらないが、2日現在の打率は3割1分3厘。18年目にして十分、自己最高を狙える数字だ。
それでも堀は「この年になると、目標は数字じゃない。自分が貢献できているうちに優勝したいだけ」。本拠地が川崎球場だった頃を知るロッテ一筋の大ベテランの決意は、強い。