ソフトバンクが今季5度目のサヨナラ勝ち、対戦成績でも8勝7敗と勝ち越し2位ロッテとのゲーム差を4に広げた。ソフトバンクは現時点でパ全5球団に勝ち越す。ソフトバンクは6−7と逆転された8回、代打大道の今季初安打・初打点となる適時打で同点に追いつくと9回、川アがこの日4安打目となる三塁打で出塁、1死後松中が今季2本目、自身7本目となるサヨナラ打を5人目藤田から放った。ロッテは8回に里崎、今江、堀の適時打など6安打を集中し6点を奪い逆転するが、今季4度目のサヨナラ負けで連勝は3でストップ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | |
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千葉ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6 | 0 | 7 |
福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 1 | 1x | 8x |
ロッテが一時大逆転に成功したが、勝つことはできなかった。サヨナラ負けを喫した直後、バレンタイン監督は「選手はしっかり自分達のするべきことをやっていた。素晴らしい試合だった」と振り返った。
5点を追った8回、1死から猛反撃をみせた。1点に抑えられていたソフトバンク和田から3連打で満塁。続く里崎の左前打で2点を返し、和田をKOした。さらに今江の適時打などで1点差。ベテラン堀の2点右前打で、とうとう試合をひっくり返した。打者10人、6安打で6点を奪い、マリンガン打線の本領を発揮した。
だが、中継ぎ陣が打たれ、ソフトバンクとのゲーム差は4に広がった。連勝も3でストップ。それでもバレンタイン監督は「最後まで諦めない姿勢が出た」と、気持ちを取り直して福岡での最終戦に臨む。
久保が、ソフトバンク和田との初の同世代対決を飾れなかった。力投したが7回途中5失点で降板。高校時代、久保は関大一、和田は浜田のエースとして、対戦はなかったが98年夏の甲子園で共に8強入り。チームのサヨナラ負けに「何もありません」と帰りのバスに乗り込んだ。
同点で迎えた9回、絶体絶命の1死三塁だった。5番手・藤田が松中に一塁へ高いバウンドのゴロ(記録は内野安打)を打たれ、今季4度目のサヨナラ負け。これで首位ソフトバンクとのゲーム差は再び4。それでもバレンタイン監督は「最後まで選手達は勝利を諦めないで戦った。いい試合はできた」と振り返った。先発・久保が6回0/3を8安打5失点。ルーキー右腕の後は、先発陣の一角であるセラフィニ、小野まで投入した。8回には10人攻撃で1度は5点差をひっくり返した。粘りはあった。「ボビー、明日は勝ってくれ!」。ファンから声援が飛ぶと指揮官は軽く手を振って応えた。
1度は逆転したが痛いサヨナラ負け。バレンタイン監督は「相手が勝利に必要な安打を打ったということ」と吐き捨てた。5点を追う8回に相手の継投をものともせず6点を奪い逆転。しかし、味方の継投も裏目に出て再逆転された。小林雅につなぐ役割を果たせなかった2人は「申し訳ない」(薮田)「打たれた自分が悪い」(藤田)とうなだれた。
勝利の女神に翻弄され続けた戦いも、結末は今季4度目のサヨナラ負けだった。重い足取りで帰りのバスへと向かうロッテ・ナイン。「こっちはランナーを出しながら、得点に結びつけられなかった。それだけだ」バレンタイン監督は、9回2死一、二塁の勝ち越し機を逸した場面をため息まじりに振り返った。
ただでは転ばなかった。5点ビハインドの8回。誰もが「ジ・エンド」と思ったところから打者10人、2四死球に6安打を絡ませて6得点を奪い、逆転。ヤフードームを360度囲んだソフトバンク・ファンを震撼させた。驚異の猛攻に指揮官も「最後まで諦めない気持ちが出ていた」と何度もうなずいた。
奇跡の扉に手をかけた。しかし、開かなかった。不動のセットアッパー・薮田が8回に同点とされると、最終回は藤田が力尽きた。「逆転してもらったのに申し訳ない」と薮田が肩を落とせば、藤田も「打たれ自分が悪い」と敗戦の責任を負った。
最後は天国から地獄へと突き落とされた。その中でも、バレンタイン監督は悔しさを押し殺しながら「良い試合だった」と繰り返した。敵地で見せた執念が、今後の戦いに明るい未来を照らし出すことをボビーは信じている。
ロッテは1度は逆転したが、救援陣が粘れなかった。敵地で手痛いサヨナラ負け。バレンタイン監督は「相手が勝利に必要な安打を打ったということ」と吐き捨てるように言った。5点を追う8回。和田に4連打を浴びせて引きずり降ろすと、相手の継投をものともせず一挙6点を奪い逆転。勝利を予感するベンチには、歓喜に沸くナインの笑顔が並んだ。しかし、味方の継投も裏目に出た。8回から救援した薮田が4連打されて同点。5番手の藤田は9回先頭の川崎に右中間三塁打を許し、松中にサヨナラ打された。小林雅につなぐ役割を果たせなかった2人は「申し訳ない」(薮田)、「打たれた自分が悪い」(藤田)と、言葉少なにうな垂れた。まさに直接対決。勝っていれば2ゲーム差で、はっきり見えていたはずの首位の背中が、逆に4ゲーム差に遠のいた。