わたしはかもめ2005年鴎の便り(9月)

便

9月17日

千葉ロッテ6−0西武(千葉マリン)

ロッテが、先発・久保の球団55年ぶりとなる新人2ケタ勝利で3連勝、貯金を今季最多の34とした。久保は9回を108球5安打5三振2四球の内容で、自身3度目の完封勝利。8月3日以来の白星を挙げた。なお、ロッテの2ケタ勝利投手5人は、球団史上初。打っては、1回に堀の犠飛と今江の適時打で3点を先制すると、2回に小坂の適時打、4回にも李の28号ソロで追加点を挙げた。一方、西武は、先発・西口が今季最短の3回1/3で降板。打線も散発の5安打に抑えられ、今季9度目の完封負けを喫した。

123456789R
西武0000000000
千葉ロッテ31011000x6

◇今江バット投げ打

今江が秘技「バット投げ」で初回3点の先制パンチに貢献した。1点を先制しなお2死二、三塁で、外角に逃げるスライダーに反応したところバットが手からすっぽり抜けた。ところが手から離れたバットの先端にボールが当たる幸運。打球はフラフラと一塁後方に落ちて、2点適時打となった。「ボールに食らいついたら、バットを投げていました」と4試合ぶりの安打に照れていた。

久保
「初回は大きかったですね。和田選手の併殺はスライダーです。実は抜けたボール。抜けた分だけ引っ掛けてくれました。その後も思ったより抜けたボールがありましたが、詰まったりしてくれました。まだ初回だということもあって焦ることなく投げられました。終盤、競った場面だったら分からなかったですね。調子は普通でした。良いというほどではなかったで、とりあえず丁寧に投げていきました。それに、昨日清水直投手から『淡々と投げるのもいいが、勝ちにいくゲームも必要。勝ちを狙ってみろ』と言われたので、今日は初めから勝ちにいくピッチングをしました。」
今江
「何とか食らいつこうと思って打席に立ちました。ボールに食らいついたら、バットを投げていました。でも、その後の1死満塁じゃあ…。3打点といっても当たり損ないですから…。まあ、ヒットが出たから良しとするしかないですね。明日頑張ります。」

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ロッテ、久保新人王当確で日本一100%!?[ニッカン]

「松坂世代」最後の大物と呼ばれた遅咲きルーキーが、大きな白星を挙げた。ロッテ久保康友投手(25)が、苦手にしていた西武を相手に5安打完封。ロッテ新人では55年ぶりの10勝目を挙げて、新人王をほぼ確実にした。3度目の完封はチームメート渡辺俊と並ぶリーグ最多、球団初の5人目の2ケタ到達と、記録ずくめの白星ともなった。ロッテで新人王投手が出た年は、過去2度とも日本一。31年ぶりのリーグ優勝&日本一へ、ルーキー右腕は欠かせない。

◇45日ぶり白星

地味なタイプの久保が、喜びを精いっぱい言葉にした。45日ぶりの白星で10勝目を挙げ「目標にしていたので、素直に嬉しい。今日は勝とうという強い気持ちで投げました」。ラストスパートの9連戦初戦、しかも難敵・西武を相手に5安打、わずか108球で完封劇を演じた。吉兆の新人王当確ランプをともし、10勝クインテット誕生にも花を添えた。

ピンチから始まった。初回1死から連打と四球で満塁。続く和田への勝負球、スライダーは抜けてしまった。だが、結果はボテボテの三ゴロ併殺。「打ち損じでしょう。きっちり曲がっていたらとらえられていた」。このツキを無にしない。その後は8回まで2人の走者しか出さなかった。9回無死一、二塁では胸元をえぐる速球でカブレラににらまれたが、なおも内角攻めで中飛。最後は和田を再び併殺に仕留めた。

◇1位タイ3完封

8月3日に9勝目を挙げてから勝てなくなった。最近4戦は21回2/3を投げ21失点。「8、9勝目ごろから1勝の重みを感じるようになった」と、変化球に頼るようになり、テークバックの小さいフォームも研究されタイミングを合わされていた。前日、エース清水から意識改革を促された。「淡々と投げるのもお前の持ち味だが、絶対に勝たなきゃいけない試合は必ずある。意識して勝ちを狙うことも大切。明日は10勝を狙え」。スタンドでは父雅俊さん(58)と母裕子さん(52)が観戦。「チームが負けなければいい」がポリシーだった久保が、初めて自らの勝利を意識したマウンドだった。短期決戦のプレーオフをにらんでも、この意識は必要だった。

◇昼33イニング無失点

失点0のデーゲーム神話も健在だった。3度目の完封で、デーゲームでの無失点を33回に伸ばした。夏場はナイターが続いたが、試合のなかったこの2日間で就寝時間を早めにする「朝型」に修正。「社会人はデーゲームばかり。(デーゲームが多かった)5、6月は投げやすかった」と体のリズムを取り戻したことも勝因だった。防御率7.36と最も苦手にしていた西武戦での価値ある快投。プレーオフで対戦する可能性もあり、打ち込まれてスランプを引きずれば登板機会はなかったかもしれない。そのプレーオフの試合開始時間は未定だが、昨年は一部デーゲームで行われており、久保の好相性が大きな武器になる可能性もある。

バレンタイン監督は「自信はいずれ回復すると信じていた。それだけの力を持った選手」と目を細めた。まず1つ目のタイトルは間違いない。ロッテで新人王投手は過去2人(50年荒巻、74年三井)だが、誕生した年はいずれも日本一に輝いている。「新人王は個人的なもの。それより優勝したい。チームのみんなと笑いたいから」。この日敗れたソフトバンクとの差は4ゲームに縮まり、自力で同率1位となる可能性も復活した。再び勢いに乗ったルーキーがVの使者になる。

◇新人2ケタは55年ぶり

久保が今季3度目の完封で10勝目を挙げた。ロッテの新人で2ケタ勝利は、毎日時代の50年に荒巻(26勝8敗)と榎原(16勝7敗)が記録して以来、55年ぶり3人目。ドラフト制後(66年以降)では、昨年までロッテだけが新人の10勝投手がいなかった。ロッテの新人で3完封は56年中西(5完封)以来だが、久保の完封は全てデーゲーム。ナイターは6勝2敗の防御率4.45に対し、デーゲームは4勝0敗で33イニング投げて無失点だ。これでロッテは2ケタ勝利が5人目。2チームに2ケタ勝利が5人は99年ダイエー以来で、ロッテでは初。

◇禁酒禁煙

久保はプロ入りしても、自分の生活スタイルを変えていない。社会人時代からの禁酒、禁煙は今も継続。先発投手の場合、ローテーションから外れている地方遠征などでは外食したり、リラックスできる状態にあるが、久保は試合後、ほとんど外出しない。宿舎内で食事を済ますことが多い。

「疲労は早く取りたいですからね。それど、睡眠時間を十分につくりたいんですよ。お酒も飲まないですね。深夜に寝ることも、ほとんどない。規則正しい生活で自分の体のリズムをつくりたい」。食事に誘われても「ランチならいいんですけどね」と笑う。新人ながら周囲に流されない。松坂世代最後の大物といわれたルーキーが期待に応え続けている理由の1つが、そこにある。

80年以降、1チームに2ケタ勝利が5人
球団2ケタ勝利投手
83西武東尾18松沼弟15高橋13杉本12松沼兄12
88近鉄阿波野14山崎13小野10村田10吉井10
90巨人斎藤20宮本14桑田14木田12香田11
90日本ハム西崎12柴田12松浦11酒井10武田10
92西武石井1514渡辺久12工藤11鹿取11
95ヤクルト山部16ブロス14石井13吉井10伊東10
99福岡ダイエー篠原14工藤11星野10若田部10永井10
05千葉ロッテ渡辺俊14小林宏14清水10セラフィニ10久保10

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ロッテ初!10勝5人!久保完封[報知]

◇球団新人55年ぶり

史上最高の投手王国の完成だ。ロッテのルーキー・久保が5安打完封で今季10勝目。ロッテ新人の2ケタ勝利は1950年、毎日時代の荒巻、榎原以来55年ぶり。渡辺俊、小林宏、清水直、セラフィニに続く5人目の2ケタ勝利投手の誕生は、球団初の快挙だ。最強5本柱を引っさげて、ロッテが31年ぶりの悲願へ突き進む。

普段は感情を表に出すことがない久保が、珍しく両拳を突き上げた。最後の打者・和田を三ゴロ併殺に仕留め、8月3日の楽天戦(千葉マリン)以来の今季10勝目は、同僚・渡辺俊と並び、両リーグ最多タイとなる3度目の完封劇。2ケタ勝利を目前に4度、足踏みが続いていただけに「ずっと9勝で止まっていたので、素直に嬉しいですね」お立ち台では満面の笑みを浮かべた。

強運に助けられた。初回、1死満塁のピンチ。だが、ここで和田が「抜けた」スライダーを引っかけて、三ゴロ併殺。「あれは大きかったですね」。すっかり立ち直った久保は、最速146キロの直球に多彩な変化球をコーナーいっぱいに決めて、西武打線をほんろう。デビューから続くデーゲームでの無失点イニングは「33」に伸びた。

エースの一言が背番号16の意識を変えた。前日の全体練習中、歩み寄った清水から「10勝を狙っていけ」とげきを飛ばされた。久保が将来のロッテの看板を背負う素材と見込んでの言葉だった。「これまでは6〜7回くらいを投げてゲームを作れればいいと思っていたけど、とにかく初回から勝ちにいくという意識で戦った」勝利への飽くなき執念が、最高の結果をたぐり寄せた。

ロッテは渡辺俊、小林宏、清水直、セラフィニに続き、球団史上初の5人目の10勝投手の誕生。10月のプレーオフを考えれば、先発起用に大いに頭を悩ませることになる。それでもバレンタイン監督は「誰が先発しても全幅の信頼を持って送り出せる」と胸を張った。ロッテが誇る“2ケタ・クインテット”が秋の大一番を席巻する。

◇西口今季最短KO

西口が3回1/3を7安打5失点で今季最短のノックアウト。5敗目を喫した。初回から直球に勢いがなく、制球も定まらない投球に「終盤の大事な試合に、こんな投球じゃ話にならない。チームの勢いを止めて申し訳ない。すみません…」と平身低頭。伊東監督は「西口はここまで頑張ってくれていたし…。今日は初回の攻防が全て」と、むしろ完封された打線を嘆いた。

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久保「新人王」グイッ!球団新人55年ぶり2ケタ勝利[サンスポ]

“最後の松坂世代”がロッテ球団史に名を刻んだ。ルーキー久保が西武を5安打完封で2ケタ到達。ロッテの新人では、昭和25年の荒巻、榎原以来、55年ぶりの快挙だ。

久保
「何の記録ですか?知らないですよ。調べようがないし。たまたまです。(記録を)狙ってやったらすごいけど…。」

運も手伝った“勲章”だ。1回1死満塁の大ピンチで和田を三ゴロ併殺で切り抜けると、チームに勢いをもたらした。

「抜けたスライダーです」。普通なら失投だ。「打ち損じでしょう。キッチリ曲がっていたら、打たれていたと思う」と苦笑い。2回以降は立ち直り、徹底した低めへの投球で凡打の山を築いた。今季3度目の完封だが、新人としては昭和31年の中西以来、49年ぶりの記録となった。

8月3日の楽天戦(千葉マリン)から遠ざかっていた勝利。エースの助言が効いた。前日16日の練習で久保のもとに清水が歩み寄った。「明日は10勝を狙え。お前は今後、絶対に勝たないといけない試合がでてくる。開幕戦や連敗中とか。そのときのためにも勝ちにいけ」。これまで、終盤まで試合を組み立てることを意識していた新人は初めて「勝ちにいくぞと意識しました」。

これでチーム内に2ケタ投手は5人。こちらは球団初の偉業となった。「これだけ素晴らしい先発投手がいるのは素晴らしいこと」とバレンタイン監督もご満悦。これで久保の新人王もほぼ当確だ。「目標ではあるけど、個人的なことですから。今はやっぱり優勝です」。球界屈指の投手王国となったロッテ。昭和49年以来となる優勝という“大偉業”も決して夢ではない。

◇小坂が3安打1盗塁の活躍

小坂がリードオフマンとして、西口攻略の原動力となった。1回に右中間三塁打し、先制のホームイン。2回には1死三塁の場面で右前適時打するなど3安打1盗塁の活躍。「(適時打は前打者の)橋本がしっかり送ってくれたし、(走者の)ベニーもいい走塁だったし、何とか返したいと思っていた」。自身の一打よりも、仲間の隠れた好プレーを絶賛していた。

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久保、新人王に当確!完封で10勝目[スポニチ]

新人王に当確マーク。ロッテ・久保康友投手(25)が17日の西武戦で10勝目を挙げ、球団史上55年ぶりとなる新人2ケタ勝利を達成した。ロッテはこれで2ケタ勝利が実に5人。ロッテにとって「10勝クインテット」誕生は球団史上初めての快挙となった。既にプレーオフ進出を決めているが、短期決戦を制するには投手力がカギ。久保は新人王と日本一を目指す。

打席のカブレラから威嚇されても久保の闘争心は衰えない。9回無死一、二塁。3球目の胸元への直球に、カブレラは怒りを込めた視線を久保に送った。だが、ひるまない。カウント2−1。ここで初めて橋本のサインに首を振った。投げ込んだのは内角直球。気合勝ちだった。

5球目も直球を投じ、中飛に仕留めると、続く和田を三ゴロ併殺。ロッテの新人としては50年荒巻、榎原以来となる55年ぶりの2ケタ勝利。そして渡辺俊、小林宏、清水、セラフィニに続き、球団史上初の2ケタ勝利投手5人の誕生となった。

清水の言葉を胸にマウンドに登った。17日の練習中に「10勝目は狙って勝て!淡々と投げるのもお前らしい。でも、どうしても勝たなければいけない試合はあるんだ」。8月3日の楽天戦(千葉マリン)以来勝ち星から遠ざかっていた。調子は悪くない。チームが勝てばいいとも思っていた。「いつもなら6、7回まで試合をつくることを意識するが、今日は最初から狙って勝ちにいった」の言葉通り、直球を軸とした組み立てで西武打線を封じ込んだ。9回のカブレラへの攻めこそがこの日の久保を表現していた。

これでデーゲームは5試合登板し、4勝無敗。しかも33回無失点だ。「社会人時代(松下電器)は夜に試合をやらないので慣れている」という。さらに、ナイターに慣れた体をデーゲームモードに変えた。16日は朝6時、そしてこの日は5時半にベッドから出た。

これで今季3度目の完封。関大一時代の98年センバツの決勝で投げ合った松坂(西武)が新人時代にマークした2完封も超えた。球団新人としては56年に中西が5完封して以来、49年ぶり4人目のことだ。

開幕前から目標だった新人王ははっきりと見えてきた。獲得すれば50年荒巻、74年三井に続く球団投手として3人目。その両年とも日本一になっている。「本当ですか?いいッスね」。25歳の新人は最高の笑顔を見せた。

◇李が28号

李承Yが4回、右中間へ28号ソロを運んだ。「先頭打者だったので、何とか出塁してチャンスをつくりたかった。素直にバットが出てくれた」。西口の得意のスライダーを叩いてマウンドから引きずり降ろし、大台の30本まであと2。「残りは10試合。チームの勝利のために、いい本塁打を打ちたい」と笑顔だった。

◇西武、西口5失点KO

エースの面影はなかった。西口が今季最短の3回1/3を5失点で降板。83年の東尾、90年の渡辺久以来となる球団タイ記録の18勝目はならず、5敗目を喫した。

見せ場もなかった。初回に4安打を集中されて3失点。2回の小坂の適時打、4回の李スンヨプの本塁打は、いずれも生命線のスライダーを痛打された。プレーオフ進出を目指して負けられない試合が続く中での敗戦に「チームの勢いを止めてしまったみたいで申し訳ないです」と肩を落とした。

中6日で臨む24日のソフトバンク戦(インボイス西武)がレギュラーシーズンのラスト先発となるため、球団新記録の19勝は遠のいた。それでも、ここまで先発投手陣を牽引した功績は大きい。偉大なる先輩に肩を並べる白星で、チームをプレーオフへと導く。

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18日でスト1周年[スポニチ]

衝撃のストライキから18日で丸1年。労組・日本プロ野球選手会の古田敦也会長(40)が17日、ファンへ熱いメッセージを送った。「昨年は様々な出来事を通じ、プロ野球が誰に支えられているのか、あらためて胸に刻んだ1年でした。今まで以上にファンとの一体感を感じています」。

昨年9月17日、オリックス、近鉄の合併を阻止しようとする選手会と日本プロ野球組織(NPB)の交渉が決裂。選手会は史上初のストライキを決行し18、19日の1、2軍公式戦17試合が消滅した。古田会長はスト決断直後に出演したテレビ番組で号泣。ファンは選手会を熱烈に支持し、楽天の新規参入によって12球団制が維持された。

古田会長は「解決すべき問題が山積みですが、成り行きを見守っていただける方がいてこその改革です」とさらなる球界改革へ支援を求めた。

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久保10勝!2ケタ勝利5投手に[ニッカン]

ロッテは渡辺俊、小林宏、清水、セラフィニ、久保と10勝投手が球団史上初の5人となった。バレンタイン監督は「これだけの先発陣が揃うのはすごい」と興奮気味に話した。

報道陣からは「プレーオフでの先発選びに悩むのでは」との質問も出たが、バレンタイン監督は「それはまだ先のこと。誰が投げても、信頼できる投手であることに変わりはない」と自信たっぷりだった。

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