わたしはかもめ2005年鴎の便り(9月)

便

9月20日

千葉ロッテ5−3福岡ソフトバンク(千葉マリン)

ロッテが首位ソフトバンクに連勝して、対戦成績を5分に戻し、ゲーム差を3に縮めた。ロッテは6回に同点とされたが、その裏、里崎の2打席連続適時打で勝ち越しに成功。9回、小林雅が1点を返されるも、代わった薮田が抑え7月18日以来となる今季2個目のセーブをマーク。貯金を70年以来となる35とした。先発・渡辺俊は6回1/3を2失点で15勝目。一方、ソフトバンクは、松中の2打席連続となる42号ソロ、43号ソロが出るも、先発・和田が6回2/3を投げ5失点と粘れず、2試合連続の逆転負けとなった。

123456789R
福岡ソフトバンク0001010013
千葉ロッテ00020120x5

◇渡辺俊21年ぶり15勝

渡辺俊が粘りの投球でサブマリンとしては84年の深沢以来、球団21年ぶりの15勝を飾った。再三、走者を背負ったが1発による2点に抑えた。通常とは逆の、本塁から右翼への風で「ボールが動かず、苦しんだ」というが、このカード4勝1敗とした。新日鉄君津の先輩松中に2打席連発での今季6本塁打を浴びたが「悪い球ではなかったから、クソ〜というより、びっくりした。勘弁して欲しいですよね。でも勝てばいいです」と苦笑いした。

渡辺俊
「調子自体は悪くなかったですね。ボールも思いどおりには投げられました。本当によく守ってもらいました。2点で終わったのが奇跡です(笑)。松中選手の本塁打は、思いどおりに投げられて打たれたので、失投ではないです。野手からも『悪くない』と言われました。その野手の人達に助けられました。球数が多かったのは風の影響ですね。真っ直ぐは浮き上がりが悪いし、シンカーもブレーキがかかる。リリースの感覚は悪くないけれど、ボールがキレなかった。この風だったらドーム球場の方がマシですね(笑)。」
里崎
「あんなに上手いこと打てるとは思わなかったですよ。4回はチェンジアップ。チェンジアップがあると思っていたので、上手く打てました。でも入ったと思ったんですけど…。ノーパワーでしたね(笑)。6回はストレート。積極的に行こうと思った結果。良かったですよ。盗塁は、走ってきそうな雰囲気がありましたから、用意はしていました。あそこを凌いだのは大きかったですね。」
薮田
「投げる場所とか、小林雅投手の後とかではなく、いつもと同じピンチだと思って投げました。ああいう場面は逃げたら負けですからね。いつも通り、自分のボールを投げただけです。」
バレンタイン監督
「その前の小野が良かったので、薮田をブルペンに残した。小林雅は背中が張っている様子だった。でも薮田が期待どおりの働きをしてくれた。ウォームアップで背中を伸ばす仕草をしていた。その影響からか、今日はボールが浮き気味だった。明日は問題ない。この順番は、今日が最後であることを期待したい。」

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ロッテ3差接近!プレーオフ第1S消滅も[ニッカン]

ロッテの快進撃で、プレーオフ第1ステージが実施されない可能性が出てきた。ソフトバンクとの頂上対決でロッテは、左腕和田を攻略し連勝。12球団最高の700得点を突破する攻撃力と投手力で45年ぶりの81勝目を挙げ、ソフトバンクに3差に迫った。直接対決の2試合を含め、両雄の残り試合は7。首位が同率になることもあり得る状況で、そうなれば2位と3位で争う10月8日からのプレーオフ第1ステージが必要なくなる。

ロッテが投打にわたって執念を見せ、連日の逆転劇だ。3点リードで迎えた9回。守護神小林雅が1死後、3連打で1点を失った。まだ2点差でも、バレンタイン監督が動き、セットアッパー薮田を告げる。最後は代打的場を左飛に打ち取り、右手で力強くガッツポーズを見せた。「(小林)雅は背中に張りがあるようだったので、球が浮いていると判断した。薮田は期待通りのピッチングだった」と同監督。薮田→小林雅の勝利の方程式を逆転させてまで、手繰り寄せた白星。これで60年以来、45年ぶりの81勝だ。

マリンガン打線も2死から奮起した。2−2の同点で迎えた6回裏2死三塁。5番里崎が和田の初球の直球を引っ張った。打球は三塁線を抜ける勝ち越し打。「初球からいいボールが来たら、狙っていました。前のバッターのサブ(サブロー)が打つ限り、自分もついていきます」。これが今季チーム699点目。4回も2死一塁から同点二塁打。「点を取られた後だったので、何とか取り返したかった」と振り返った。

7回も2死から福浦が中越え2点二塁打で和田をKOした。全て2死からの得点に、ロッテの「最後まで諦めない」姿勢が表れた。今季12球団トップの701点を積み上げた。

これでソフトバンクとのゲーム差を3に詰め、対戦カードを5分にした。そして、ロッテの快進撃で、プレーオフの第1ステージが行われない可能性も出てきた。ロッテの残り試合は7。ソフトバンク2試合と日本ハム2試合、楽天3試合。日本ハムと楽天から5勝を挙げる力は十分。仮にソフトバンクに連敗しても、残り5勝2敗なら勝率6割4分2厘。一方、ソフトバンクはロッテ以外に、3位に執念を燃やす西武と3試合、楽天と2試合を残す。仮定の話ながら、確率的にも同率首位になる可能性があるのは事実だ。

バレンタイン監督も「順位が意味を持つのはシーズンが終わってから」と最後まで1戦必勝の戦いを貫くつもりだが、プレーオフの存在をかけた最後の激戦が続く。

◇共に残り7戦

ロッテがソフトバンクに連勝。1位争いが面白くなり、2チームが同率1位で終わる可能性も出てきた。共に残りは7試合。仮にソフトバンク3勝4敗、ロッテ6勝1敗という結果になれば、両チームとも87勝47敗2分けで終了。首位が同率の場合、プレーオフを上位2チームだけで行うため、第1ステージ(2位対3位)は消滅する。

◇58分の5

ソフトバンクとロッテが同率で並ぶ確率
ともに残り7試合。引き分けがないものと仮定すれば、勝敗数のパターンは両軍とも7勝0敗から0勝7敗までの8つになる。しかし直接対決を「2」残しているためソフトバンクが7勝0敗の場合、ロッテの7勝0敗と6勝1敗はあり得ず、ソフトバンクが6勝1敗の時もロッテの7勝0敗はない。ソフトバンクが0勝7敗と1勝6敗の時も同様のことが起きる。従って両軍の勝敗数のパターンは8X8−6=58。そのうち5パターンが同率になり、確率としては58分の5ということになる。

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ロッテ3差!渡辺俊、粘りの15勝[スポニチ]

ホームからセンター方向へと吹いた微風。いつもと正反対の風の流れがサブマリンを苦しめた。調子自体は悪くない。それでも毎回のように走者を背負う苦しい内容に、渡辺俊は耐えるしかなかった。「リリースポイントの感覚は悪くないんだけれど…。こういう日はドーム球場よりもボールが変化しないんです」。カーブは曲がらない。地上10センチから飛び出す直球も浮き上がらない。あとは低めを突くしかなかった。

3回の無死一、三塁では、捕手の里崎が川崎の盗塁を封じ1死三塁とすると、西岡が緩い遊ゴロを、今江は痛烈な三ゴロを好捕した。バレンタイン監督も「粘り強く投げる姿勢が守備陣のプレーにつながった」と振り返った。

松中には4回に42号、6回には43号と2打席連続でソロ本塁打を浴びた。これで松中には今季6発目の被弾となったが「失投じゃないので、意外と悔しくない」と振り返る。7回途中まで9安打2失点。アンダースローとしては85年の阪急・山田久志以来、20年ぶりとなる15勝目を素直に喜んだ。

これで直接対決を2連勝。首位ソフトバンクとは3ゲーム差と迫った。逆転1位も見えてきた。「追われる方が辛いんです」と渡辺俊。チームは優勝した大毎時代の60年以来となる45年ぶりのシーズン81勝に到達。ロッテに追い風が吹いている。

◇福浦、燃えて決着打

1点リードの7回2死一、二塁から福浦が走者一掃の中越え二塁打を放ち、決着をつけた。目の前で堀が敬遠されたこともあり「あそこは燃えた。何とかしなくちゃと思ったし、打った瞬間は抜けてくれと思った」と二塁に到達すると何度も手を叩き、ベンチへ向かって両手を突き上げた。「みんなが喜んでくれたからね。明日も絶対に勝ちます」と笑顔だった。

◇ソフトバンク、松中連発も…

松中が4回に42号先制ソロ、6回に43号同点ソロを放ち、自己最多本塁打にあと1本と迫ったが、勝利に結びつかず「まだゲーム差はある。こういう悪い流れは早く断ち切らないと」。前半に何度も得点圏に走者を進めながら拙攻を続けた打線に王監督も「向こうは2死から適時打が出るのになあ…」とぼやいた。プレーオフをにらんだ直接対決での連敗に「こちらが優位に立っているのに、逆にいるみたいだ」とため息をついた。

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大逆転夢じゃない!バレンタイン監督“鬼采配”で鷹に連勝[サンスポ]

炎の連勝だ!!ロッテが首位・ソフトバンクとの直接対決第2ラウンドを5−3でモノにして、3差に接近した。ボビー・バレンタイン監督(55)は9回、守護神の小林雅英投手(31)を今季初めてイニングの途中で降板させる執念の采配。さあ、4タテ。さあ、大逆転だ。レギュラーシーズン1位通過はもう、夢ではない。

千葉マリンが揺れる。「ピッチャーは、小林雅に代わりまして薮田」。9回1死一、二塁。守護神の今季初のイニング途中降板がアナウンスされると、球場がどよめいた。バレンタイン監督の執念だった。

バレンタイン監督
「マサ(小林)は背中が張っているよう見えた。ブルペンには薮田がいた。(抑えとしての)薮田の投入は、今日が最後だと期待している。」

今季どんなに打たれても、小林雅を最後の投手に指名してきた。しかし、この試合だけは9回に3連打で1失点した小林雅と心中する訳にはいかなかった。勝利のために、非情な決断を下した。“ストッパー”の薮田が、2人をきっちり抑えて試合終了だ。

価値ある連勝を導いたのは渡辺俊だった。6回1/3を9安打2失点の粘投で15勝目。松中に2打席連続ソロを浴びたが、ソフトバンクから今季4勝目をマークした。

「調子は悪くなかったし、思い通り投げられた。(松中の本塁打は)失投というより、うまく打たれた感じ。でも、誰に打たれても勝てばいいんです」とチームの勝利を喜んだ。

低めに、丁寧に投げることだけを心がけた。直球は120キロ台と速くないが、自信を持っている。社会人時代の平成12年のシドニー五輪。三塁を守る中村(現ドジャース3A)に「おまえの真っ直ぐは打たれないから、自信をもって投げろ」と言われた。プロ入り後、中村に“自慢の”直球を本塁打されたこともあるが、あの一言が渡辺俊の支えになっている。

下手投げ投手の15勝となると、球団では昭和60年の深沢(15勝)以来、20年ぶり。自信を胸に、日本を代表するサブマリンに成長した。

「こっちは勝つしかない。でも、追われる方がつらいはず」と渡辺俊。81勝到達は昭和35年以来、45年ぶり。貯金は今季最多で35年ぶりの「35」になった。

3差接近。ライバルの背中がいま、はっきりとみえる。

◇里崎が同点&勝ち越しタイムリー

里崎が4回に同点の、6回には勝ち越しのタイムリー。「今年1年の戦いが集約された4連戦。勝つと負けるでは全然違いますから」と気合の連勝。バレンタイン監督も「しっかり仕事をしてくれた」。試合後は球場正面にあるステージに登場し、得意のカラオケでファンに歌声を披露して喝采を浴びていた。

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里崎ショー!ロッテ連勝3差[報知]

ロッテが連勝し、首位に3差と迫った。4回2死無走者から3連続長短打で逆転。松中のこの日2発目の43号で同点とされた6回にも、里崎の適時二塁打で勝ち越した。45年ぶりのシーズン81勝で、貯金35は今季最多。

押し寄せる大歓声をかき分けて、ダッシュでお立ち台に向かった。ヒーローインタビューは、この男の独壇場。同点打に勝ち越し打。2打席連続二塁打で勝利を運んだのは、ロッテが誇るエンターテイナー・里崎だった。「我がマリーンズに徐々に風が吹いています!」。明るい声を響かせ、スタンドからの「里崎」コールを全身で感じた。

しびれる場面でプレッシャーとは無縁だった。「サブちゃん、よう打つなあ…」前を打つサブローが三塁打を放つと、その打撃に見とれたまま、重圧を感じず打席に立った。同点の6回2死三塁。読み通りの内角直球を強振し、三塁線を破った。4回の同点打に続く、値千金の勝ち越し二塁打。「(4回の右越え二塁打は)ホームランだと思ったけどノーパワーでした。帰って腕立てしときます」。天真爛漫なコメントで、スタジアムの爆笑を誘った。

バットだけではない。「ミスターお立ち台」は攻守にフル回転した。不調の渡辺俊を苦しみながらリードすると共に、3回には川崎の盗塁を阻止してピンチの芽をつみ取った。「今年1年の戦いがこの4連戦に集約されてますから」口では笑いをとりながら、胸には首位攻防にかける熱い思いがあった。

天王山の4連戦を連勝発進し、ソフトバンクに3ゲーム差に接近した。ロッテの貯金は今季最多の35。1960年以来45年ぶりにシーズン81勝に到達した。試合後、球場正面での恒例のライブで「ここまで来たら4連勝して、1位になってプレーオフに出ます!」と高らかに宣言した里崎。4連勝が実現すれば、ゲーム差は「1」。マイクを握りしめたその手で、今度は鷹のしっぽをつかみにかかる。

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ロッテ連勝で3差接近!45年ぶり81勝[ニッカン]

ロッテのバレンタイン監督は9回裏、1点を失った小林雅から薮田への交代を迷うことなく球審に告げた。イニング途中で守護神をベンチに下げたのは今季初。2強による最後の直接対決4連戦が持つ意味を采配で示し、2連勝のロッテがゲーム差を3に縮めた。

ナインの決意にも揺るぎはない。4回に右越え同点二塁打を放った里崎が「今日負けたら何の意味もない。僕らは4連勝するつもりですから」と、代弁した。

全5得点を2死からもぎ取った。4、6回は失点した直後に得点。相手には絶対に主導権を渡さなかった。7回は渡辺俊−藤田−小野の継投でピンチを切り抜け、その裏の好機に2点を加えた。

勝ち星を45年ぶりの81に伸ばし、貯金35は35年ぶり。歴史を刻むナインは1位通過を決して諦めない。

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