わたしはかもめ2005年鴎の便り(10月)

便

10月8日

プレーオフ第1S…千葉ロッテ2−1西武(千葉マリン)

投手戦をロッテが制し先勝、第2ステージ進出へ王手をかけた。ロッテは1点を追う5回に堀の犠飛で同点に追いつくと、8回フランコの適時打で勝ち越しに成功。1点差の9回を小林雅が連打を許しながらも無失点に抑えた。8回の1イニングを投げた2人目薮田が白星を挙げ、小林雅はセーブをマーク。西武は1回栗山の初球先頭打者アーチで先制するが、その後1打が出なかった。先発松坂は7回、142球を投げ、被安打5、奪三振6、失点1に抑えるが勝ち負けはつかず、2人目三井が連打で勝ち越しを許し、負け投手となった。

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西武1000000001
千葉ロッテ00001001x2

◇バレンタイン監督「全力尽くした」

接戦を制したバレンタイン監督は「勝てたのは、それぞれの選手が全力を尽くしたからだ。渡辺俊は初回を1点に抑えてくれて助かった。3点入っていれば、違った展開だっただろう」と試合を振り返った。3投手の継投が決まり、守備では、西岡が再三好プレーを見せるなど、守り勝った試合だった。

フランコ
「大事な試合だったので勝てて嬉しい。福岡には行かないといけないからね。とにかく、打席ではいい球を待っていたよ。クリーンヒットではなかったけれど、ランナーを還すことができて良かった。とにかく明日勝って、福岡行きを決めるよ。」
「今シーズン1番の当たりだったのに…。バットを投げてその気になったけど、和田選手の動きを見てたら…。犠牲フライと言っても、今日のは嬉しくない。タイムリーの方が100倍嬉しいよ(笑)。いいピッチャーなので、そんなに点は取れないと思っていましたからね。今日は大事なゲームだけれど、勝たなければというプレッシャーはなかったですね。満塁の時の声援は凄かったですけど、打席では集中できましたよ。」
渡辺俊
「最初の1本は面食らいました。真っ直ぐを引っ掛けてしまいました。どうなることかと思いましたよ。ただ、ピンチは続いたけれど、何とか1点で切り抜けられればとは思ってなげました。風も強過ぎて…。方向は良かったのですが、強過ぎて変化球が曲がり過ぎました。それで真っ直ぐも浮き上がりましたね。ただ、シンカーが変化してくれたので、シンカー中心で攻めました。ゲームには普通に入ったつもりだったのですが、若干緊張があって入れ込みましたね。それに、バックが良く守ってくれました。橋本捕手のファールフライも、西岡選手のプレーも本当に助けてもらいました。」
バレンタイン監督
「最後のアウトを取るまで、選手達は諦めずに戦った。渡辺俊が初球を打たれて、好投手の松坂を崩すのは難しくなったが、打線がその後良く打ってくれた。堀の当たりは完全にホームランと思ったが、まさか風で戻るとは思わなかった。守備では西岡に3つあれだけの当たりが飛んでファインプレーで3つアウトにするなんて見たことがない。」

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プレーオフでも勝利の方程式

◇先発粘って薮田−小林雅

ロッテ渡辺俊は必死に自分を取り戻したいった。プレーボール直後、先頭の栗山に右越えへ被弾。思わず右翼方向に目をやりながらぼう然とした。強風で、カーブが曲がりすぎる。さらに続く佐藤、貝塚にも連打された。「正直、面食らいました。初回はどうなっちゃうかと思った」。それでもシンカーを低めに集め、内野ゴロの山を築いていった。同点のまま7回1失点で降板。「1点でしのいでいこうと。勝てば何でもいいと思っていたんで」。将利に導く粘りだった。

先発が粘れば、勝利の方程式がある。8回は2番手の薮田が走者を出しながらも失点。その裏に勝ち越し点が入り、小林雅の舞台は整う。9回、1死一、二塁のピンチを招くが、最後は代打平尾をシュートで併殺に仕留めた。「勝てばいいんです」。守護神も晴れやかな笑顔を見せた。結局、失点は渡辺俊の1球目のみ。今季の強さは短期決戦の初戦でも表れた。

◇「いける」重光代行

観戦した重光オーナー代行も笑顔を見せた。1点差勝利に「ハラハラしましたけど。短期(決戦)は昔から強いというのはありましたんで、いけると思います」と第1ステージ突破にも自信をのぞかせた。この日、ファームも阪神を破って日本一となり、二重の喜びだった。

◇王監督「さすが」

ソフトバンク王監督はプレーオフ第1ステージ初戦をテレビ観戦した。チームの練習試合を見守りながら、控室でロッテ渡辺俊、西武松坂のエース対決をチェック。8回にロッテが勝ち越したところで球場を離れたが「エース同士の対決。走者を出しながら、なかなかホームを踏ませなかったのは、さすが」と緊張感を漂わせていた。

◇プレーオフ第2戦は、小林宏vs西口

パ・リーグは8日、プレーオフ第1S第2戦の先発投手を発表した。王手をかけたロッテは小林宏、西武は西口が先発。ロッテは9日の第2戦に勝つか、引き分ければ、12日から始まる第2S(5試合制)進出が決まる。

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堀犠飛にアレ?今季1番の…

堀は複雑な心境を吐露した。1点を追う5回無死満塁で、会心の当たりを左翼方向に打ち上げた。逆転満塁弾かと思われたが強風で戻され、同点犠飛止まり。試合後、「今年1番の当たりだったのに…。(左翼)和田の動きを見てアレッと思った。ちょっと嬉しくなかったですね」と首をかしげ、報道陣を笑わせていた。

◇徹夜組300人

8日、千葉マリンには、今季最多の2万8979人が詰め掛けた。第1ステージ初戦で右翼の外野自由席を確保しようと徹夜で並んだロッテファンが約300人。開場2時間前の午前10時には、球場の周りに約6000人の長蛇の列ができた。また駐車場にも午前7時の開門を待たずに100台以上の車が並び、30分早く開門。650台収容できる駐車場は、約1時間半で満車となった。

◇PO限定グッズ大盛況

ロッテのプレーオフ限定グッズも大盛況だった。応援旗、リストバンド、ワッペン付きの限定ユニホームを販売。2000着用意されたユニホームは販売開始1時間後には売り切れた。完売後も購入を求めるファンが殺到し、北村事業企画・商品開発担当は「(生産が)追いつかないんですよ」と嬉しい悲鳴をあげていた。第2戦でも2000着が販売される。

◇出産

ロッテ黒木知宏投手(31)夫人の裕子さんが千葉県内の病院で3222グラムの第二子(二女)を出産した。

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やったぜ!!ボビー1点差勝ち[ニッカン]

◇福岡どころか甲子園まで連れて行くぜ!!

ロッテが、西武に競り勝ち、先勝した。1−1の8回、代わったばかりの三井に3番福浦、4番サブロー、5番フランコが3連打。貴重な勝ち越し点を奪った。先発松坂に完投させまいと、球数を多く投げさせて7回で降板に追い込む、したたかな攻めが実を結んだ。守っては渡辺俊から薮田、小林雅とつなぐ必勝パターンで逃げ切った。ロッテは9日の第2戦に勝つか、引き分ければ、第2ステージ進出が決まる。

厚い雲におおわれた暗い空の下で、ロッテナインの笑顔が輝いた。福浦が、ゲームセットとなる最後の併殺の送球を受けると、その場でガッツポーズ。昨年日本一の西武に逆転勝ちで先勝し、大歓声の中でベンチの選手、スタッフも抱き合った。2−1勝利に、バレンタイン監督は「本当に最後のアウトまで気を抜かずに戦った」と胸を張った。

勝利への扉が開いたのは、8回だった。好投の渡辺俊と松坂両先発投手が降板して迎えたこの回、先頭の福浦が、代わったばかりの三井から右翼線二塁打。続くサブローは、バットを折りながらも中前へ運び、無死一、三塁と好機を広げた。ここでメジャーで4度プレーオフを経験しているフランコが、詰まりながらも中前打し決勝点をもたらした。「きれいじゃなかったが、ヒットだから良し」と笑顔を見せた。

7回までの「攻め」が生んだ、決勝点だった。

バレンタイン監督「(西武は)松坂を完投させる考えだと聞いていたからね。球数を投げさせれば9回は投げられない。それまでアウトでも凡退ではなく、しっかり見きわめて球を投げさせた」。

松坂には7回まで5安打に抑え込まれ、犠飛での1点のみに抑えられた。攻略しきれなかった。しかし、フランコが凡退した3打席で22球を投げさせるなど、7回で142球も投げさせ、相手の継投を呼んだのだ。

狙い通り松坂が退いた8回は、しかも3番からという好打順。期待通り、3連打で勝ち越した。シーズン中の抜てきもそのまま生きた。貴重なつなぎの安打を放ったサブローは、並み居る長距離砲の中で8月13日からレギュラーシーズン最終戦まで4番に座り、4番打率3割8分8厘をマーク。バレンタイン監督の「コツコツ当てるより、しっかりと強いスイングができる」という抜擢に、大舞台でも応えた。

バレンタイン監督は「打順はそれぞれの数字に意味があるのではなく、ラインとしてとらえている。だから、ラインアップというんだ」という信念を持つ。サブローは「右打ちは考えなかった」と思い切りの良さが奏功した。「ガッツあふれるプレーが出た」と、ボビー・ロッテが9日、一気に第2ステージ進出を決める。

福浦
「先頭なので何とか塁に出ようと思った。いい形で点が入ってよかった。」

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渡辺俊、勝利導く粘投[ニッカン]

ロッテ渡辺俊は必死に自分を取り戻していった。プレーボール直後、先頭の栗山に右越えへ被弾。思わず右翼方向に目をやりながらぼう然とした。強風で、カーブが曲がりすぎる。さらに続く佐藤、貝塚にも連打された。「正直、面食らいました。初回はどうなっちゃうかと思った」。それでもシンカーを低めに集め、内野ゴロの山を築いていった。同点のまま7回1失点で降板。「1点でしのいでいこうと。勝てば何でもいいと思っていたんで」。勝利に導く粘りだった。

先発が粘れば、勝利の方程式がある。8回は2番手の薮田が走者を出しながらも無失点。その裏に勝ち越し点が入り、小林雅の舞台は整う。9回。1死一、二塁のピンチを招くが、最後は代打平尾をシュートで併殺に仕留めた。「勝てばいいんです」。守護神も晴れやかな笑顔を見せた。結局、失点は渡辺俊の1球目のみ。今季の強さは、短期決戦の初戦でも表れた。

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ロッテ追い風先勝、フランコがV打[スポニチ]

千葉マリンに吹く風と熱い声援がロッテに勝利をもたらした。パ・リーグのプレーオフ第1ステージ初戦が8日行われ、ロッテが2−1で西武に競り勝った。ロッテは同点の8回無死二塁からサブロー外野手(29)、マット・フランコ内野手(36)の連続中前打で決勝点。共に本塁方向に吹く最大11メートルの強風に押し戻されたかに見えた打球が決勝点になった。

潮風がバレンタイン監督のほおをなでる。中堅から本塁方向に吹いた最大11メートルの強風。最後はこの風が味方してくれた。千葉マリンを埋め尽くしたのは今季最多となる2万8979人。スタンドを真っ白に染めたファンに、帽子を取って手を振り続けた。

バレンタイン監督
「最後まで力を抜かずに戦う。そんなウチの野球を表現することができたと思う。それぞれの選手がガッツのあるプレーを見せてくれた。」

松坂の前に7回まで1点。それでも142球を投げさせて、降板を余儀なくさせた。そしてチャンスをつかんだ。「相手は松坂を完投させようとしていたので、多く投げさせることを考えた。それぞれが簡単に凡打するのではなく、しっかりと球を見極めてくれた。だから打線の中軸から3連打が生まれたんだ」。

8回。そんな伏線が決勝点になった。先頭の福浦が、三井のカーブを右翼線に運ぶ。無死二塁。そして4番では打率.388というサブローがつないだ。

「何とかして走者を進めたかった。くさい当たりでもよかった。(バットメーカーの)SSKのおかげです」。指2本分短く握ったバットは鈍い音と共に折れたが、その分だけ、打球は風に押し戻されて中前へと落ちた。

これで一、三塁。そして決勝打も風の恩恵を受けた。フランコの詰まった打球も同じように中前へ落ちる。逆風がなければ捕球されていてもおかしくない打球だった。大リーグ時代にプレーオフに4度出場経験のあるフランコは「どうしても安打が欲しかった」。バレンタイン監督は「打ってくれる確信があった。今年1番の安打」と笑った。

5回無死満塁で堀が放った大飛球は逆風の影響を受けて左犠飛。「あれは完全に本塁打だと思ったけれど」。指揮官は苦笑いするが、最後の最後は千葉マリンが味方した。特有の風と、日本一のサポーター。地の利はマリーンズにある。

◇渡辺俊7回1失点

サブマリン渡辺俊が初戦先発の大役を果たした。松坂と互角に投げ合う7回6安打1失点。初回の第1球を栗山に右翼へ運ばれたが、風速10メートルの追い風に対してシンカー中心の投球で立ち直った。「1球で1点ですから正直、面食らった。でも何とか1点で切り抜けられればいけると思った」。スタンドで見守った第二子出産予定の明子夫人(29)と長男・向輝君(1)にも最高の投球をプレゼントした。

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ボビー王手!獅子撃退!ダテじゃなかったペナント18.5差[サンスポ]

負けない。いや、負けられない。ロッテが、千葉マリンスタジアムで行われた西武とのプレーオフ第1ステージ初戦(3試合制)に2−1で先勝。昨季の王者・西武との接戦も、最後はマット・フランコ外野手(36)の決勝適時打でモノにした。ソフトバンクと対戦する第2ステージ進出に王手。31年ぶりのリーグ制覇に好スタートだ。

千葉マリンが揺れる。守護神・小林雅が最後の打者を併殺打に打ち取ると、真っ白に染まったスタンドはお祭り騒ぎ。バレンタイン監督は満面の笑みでナインを出迎えた。

バレンタイン監督
「松坂は簡単に打てる投手ではないが、みんな最後まで諦めずに戦ってくれた。野手の守備も素晴らしかったね。」

渡辺俊が1回、初球を右翼席に運ばれ先制点を献上。“短期決戦に強い3位チーム”のマウンドには松坂。見えないプレッシャーがズンズンと押し寄せてきた。

しかも、そんな重苦しいムードの中で大事件が…。5回無死満塁。打席には堀。カウント1−2からの4球目をフルスイングした。快音。行った!!ファンは総立ち、ベンチも総立ち。堀自身も思わず右手をあげそうになったが、マリン名物の強風に押し戻された。

この日は、左翼から一塁ベンチ方向へ、打者からみれば最大11メートルの超逆風が吹いていた。今季は3戦連発をマークするなど7本塁打の堀が「今年1番の当たりだった」という一撃が、ただの同点左犠飛。バレンタイン監督も「完全にホームランだと思った。まさか戻ってくるとは…」と言葉を失った。

幻の逆転満塁弾−。しかし、シーズン中と同じ“平常心”で臨んでいたベンチでは笑みがこぼれていた。「切羽詰まった感じはなかったよ」とは8回に決勝打を放ったフランコ。メッツ、ブレーブスで4度のプレーオフを経験している36歳のベテランが勝利を引き寄せた。

選手にとっては初めてのプレーオフ。百戦錬磨の指揮官は、レギュラーシーズンが終わってからというもの「今季の戦いぶりを思いだし、自信を持ちなさい。そして、プレーオフを楽しみなさい」と“呪文”のように選手に言い続けた。2000年にメッツを率いてワールドシリーズに進出したチームより「今年のロッテの方が強い」と確信する監督。大一番を前に“自信”という最高の武器を与えて、戦場に送り出していた。

2軍は1足早く阪神との“プレ日本シリーズ”を制した。リーグのために、ファンのために、そして自分達のために、レギュラーシーズンで18.5ゲームも離したチームに負けられない。9日、一気に決める。

◇レオキラー渡辺俊7回1失点

渡辺俊が西武キラーぶりを発揮。1回先頭の栗山への初球は右翼席に飛び込む先制ソロとなったが、7回6安打1失点と立ち直った。「初球アーチ?正直、面食らった。でも1点で切り抜ければ流れはくると思った。みんなもよく守ってくれた」。勝ち星こそつかなかったが、今季対西武3勝無敗の片鱗をみせた。

◇締めた小林雅「勝てばいいんです」

緊迫した試合を締めたのは小林雅。1死後連打されて一、二塁のピンチを招いたが、代打・平尾を遊ゴロ併殺打に仕留めた。「勝てばいいんです。併殺打はシュート。プレーオフといってもいつもと同じ気持ちですよ」。守護神は淡々と話していた。

◇今季最多2万8979人

球場前の広場に設置された巨大スクリーンの前には、あふれたロッテファン1000人が陣取った。入場者も今季最多の2万8979人を記録し、そのほとんどがロッテの応援。梶原広報も「こんなに盛り上がってくれて本当に嬉しいです」。第2、第3戦の前売り券も完売。ファンの熱気はさらに高まりそうだ。

◇ボビー続投希望…重光オーナー代行

ロッテの重光オーナー代行がプレーオフを視察。来季が3年契約の最終年となるバレンタイン監督について「当然3年目をやってもらいます」と、続投を希望する意向を示した。同監督はロサンゼルスタイムズ紙がドジャース新監督の可能性を報じるなど、米球界での人気も高い。重光オーナー代行は「得難い人材を簡単には手放せない。向こう3年はやっていただきたい」と、長期間チームを任せたい考えも明かした。

◇阪神007が風を警戒

ネット裏に渡辺チーフスコアラーら4人が現れ、両軍をチェック。渡辺チーフは「松坂、渡辺俊、共に球界を代表する投手。これから調べたいことは出てきた」と、両エースに注目していた。千葉マリンの強い風についても「交流戦でやったときより強い風。要注意だね」と、ロッテが優勝した場合の風対策も今後の課題に挙げた。

◇黒木に第二子

ロッテ・黒木知宏投手(31)夫人の裕子さん(32)が千葉県内の病院で第二子(二女)を出産。3222グラムで母子共に健康。

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ロッテ王手V、31年ぶりVへ好発進[報知]

◇今季最多2万8979人ファンが後押し

ロッテがプレーオフ第2ステージ進出に、王手をかけた。西武とのプレーオフ第1ステージ初戦を2−1で快勝。松坂が降板した後の8回、クリーンアップの3連打で勝ち越し。フランコが中前に決勝タイムリーを放ち、熱戦を制した。千葉マリンは今季最多の2万8979人を動員。熱烈なファンに後押しされ、1974年以来31年ぶりの優勝に向けて、好スタートを切った。

熱い抱擁と歓喜のハイタッチが入り乱れた。勝利を決めた一塁側ベンチ。バレンタイン監督が絶叫と共にナインを出迎える。真っ向勝負でつかんだ大きな1勝。頭上から降り注ぐファンの歓声が、快感を増幅させた。「最後のアウトまで諦めず戦う私達の姿が表れていたね」。紅潮したボビーの顔が、鮮やかにカクテル光線に照らし出された。

王者をしのぐ経験が、熱戦にピリオドを打った。松坂を引きずり下ろし、同点で迎えた8回無死一、三塁。フランコは平常心で打席に入った。カウント1−1からの内角直球を振り抜くと、鈍い音を残して打球は中前に落ちた。「1球1球が勝負の分かれ目。自分が打てる1球を大切にしたんだ」。値千金の決勝打。ベンチに戻ると、ヒーローはナインの手でもみくちゃにされた。メジャー時代は、メッツ、ブレーブスで4度プレーオフを経験。明日なき戦いの経験がないロッテにあって、その存在は代え難いものだった。

経験豊かなフランコにも、ただ1つ達成してない目標がある。プレーオフには4度出たが、優勝はない。「今年は何が何でも優勝したいんだ」と、今季はチーム2位の129試合に出場。メジャー時代は主に代打要員だった男にとって、毎日の勝利に貢献することは最高の喜びだった。「マティ(フランコ)は間違いなく打ってくれると思った。今年1番の大きなヒットだ」とバレンタイン監督。メッツ時代から知る指揮官も、その勝負強さに全幅の信頼を置いていた。

2戦先勝の短期決戦で貴重な1勝をもぎとった。渡辺俊が松坂と5分に渡り合い、守備では西岡が好守を連発。球場を埋めたファンも力を与えた。「みんなのガッツあふれる全力プレーが勝利を呼んだ」とボビーは全員を称えた。この日午後には、ベンチを外れた黒木に二女が誕生。最後を締めた小林雅がそっとウイニングボールを手渡すと、ジョニーは「10・8は最高の日になりました」と感激の表情を浮かべた。チーム一丸。ベンチを外れた人間も、球場を埋めたファンも1つになった。宿敵・ホークスへの挑戦権まであと1つ。ボビーの胴上げを信じて、ロッテのラストスパートが始まった。

◇中堅からの風生かし渡辺俊粘った

自らに白星はつかなかった。それでも、チームの勝利を見届けると渡辺俊の顔には笑みが広がった。「とにかくほっとしました」。7回6安打1失点。初対決の「JAPAN」のエース、松坂に1歩もひけをとらなかった。

2敗すれば今季終了という異様な緊迫感がサブマリンを襲っていた。プレーボール直後、初球の直球を栗山に右翼席に叩き込まれた。「正直、面食らいました」。風は自分の理想とする中堅方向からのものだったが、その強さが常時10メートル近く。80〜90キロ台のカーブは大きく曲がりすぎ、序盤は首をかしげる場面も目立った。

しかし、逆境でも気持ちが切れることはなかった。「直球は浮き上がって、シンカーが変化した」。逆にその強風を生かして、120キロ台のボールで巧みに高低を操り、2回以降は無失点。度々招いた失点の危機にも「ピンチという感覚はなかった。シンカーを自信もって投げられたから」と胸を張った。

7回での交代についてバレンタイン監督は「渡辺には今年、まだ投げてもらうつもりだからね」と不敵に笑った。プレーオフ第2ステージ、そして日本シリーズへ。サブマリンの歩みは、まだまだ止まらない。

◇千葉マリンスタジアム、球団が「指定管理者」に

球界初の試み 千葉市が「指定管理者制度」を適用して、年内にもロッテを千葉マリンスタジアムの管理者に決定する見通しであることが8日、明らかになった。この日、千葉マリンを訪れたロッテ・重光昭夫オーナー代行は「ほぼいけそうというメドがついています。来年はきっと(赤字が)改善できそうです」と話した。同制度は地方公共団体の指定を受けた者が、指定管理者として施設管理を代行する制度で、正式に適用されれば、球界初の試みとなる。

千葉マリンは所有者が千葉市、運営は第3セクター(株式会社千葉マリンスタジアム)という特殊な形態をとっている。そのため、今季から看板広告の利益は球団に入るようになったものの、飲食店収入が入らないなどの不利があった。

ロッテ球団が指定管理者となれば、1元的な管理運営が実現できるようになる。運営の効率が増すだけでなく、飲食店の売り上げ収入も球団に入るため、メリットは大きい。千葉市は既に、ロッテ球団か第3セクターのいずれかに指定管理者制度を適用することを表明。ロッテへの制度適用となった場合は、第3セクターに勤める職員の雇用問題が浮上するため、今後も慎重に協議を重ねていく。

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兄よりお先に、ロッテ弟が初の日本一[スポニチ]

イースタン・リーグ優勝のロッテがウエスタン・リーグ覇者の阪神に7−5で逆転勝ちし、初優勝を飾った。最優秀選手には勝ち越し打の辻俊哉捕手(26)が選ばれ、賞金50万円を獲得した。ロッテは4−5の7回2死三塁から竹原の二塁打で同点、さらに辻の右前打で勝ち越し、逃げ切った。

初の2軍日本一に吉報が重なった。古賀2軍監督は「66歳で初めての日本一だよ」と目を潤ませたが、プレーオフで1軍が逆転したことを知ると「1軍の方が大事だよ」と大声を出して喜んだ。指揮官の声に反応したのが、最優秀選手に選ばれた辻だ。「自分らはここ(2軍)でやるためにプレーしている訳ではない」と賞金50万円に1度は緩んだ顔を引き締め直していた。

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ロッテ弟お先に“日本一”!辻がMVP!ファーム日本選手権[サンスポ]

イースタン・リーグ優勝のロッテがウエスタン・リーグ優勝の阪神に7−5で逆転勝ち。初優勝を決めた。MVP(賞金50万円)は勝ち越し打の辻俊哉捕手(26)。阪神は投手陣が踏ん張り切れず、9回1死満塁と粘ったが後続を絶たれた。

古賀2軍監督が「66歳で初めての日本一だよ」と目を潤ませた。プレーオフを西武と争う1軍も逆転したのを知ると「1軍の方が大事」とさらに喜んだ。この監督の様子に反応したのが、MVPに選ばれた辻。「ここ(2軍)でやるためにプレーしている訳ではない」と、賞金50万円に1度は緩んだ顔を引き締め直していた。

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“ロッテ弟”お先に日本一![報知]

◇ファーム日本選手権

“兄さん”お先に決めさせて頂きました!2軍の日本一を決めるファーム日本選手権が8日、スカイマークスタジアムで行われ、イースタン・リーグの覇者・ロッテが、ウエスタン・リーグを制した阪神に逆転勝ち。初のファーム日本一に輝いた。最優秀選手には勝ち越し打を放った辻俊哉捕手(26)が選ばれ、賞金50万円を獲得した。

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2点リードで迎えた9回表2死満塁、1打逆転のピンチを迎えても、古賀英彦2軍監督(66)は決して動じなかった。「こういうゲームがずっと続いていたから」。そして歓喜の瞬間が訪れる。5番手・川井が筒井壮を空振りの三振に打ち取り、初のファーム日本一を決めた。

3度、宙に舞った指揮官は「光栄なこと。本当に嬉しい。66歳になって初めてです」と満面の笑み。しかしすぐに「上は今日どうなっているの?」と気になって仕方がない様子。それもそのはず、今季ブレークし快進撃の原動力となった若手の西岡、今江らを育て上げたのは、ほかならぬ古賀監督だ。

バレンタイン1軍監督の信頼も厚い古賀監督は、「1軍の状態を間近で見てもらいたい」というバレンタイン監督の要望で、7月のオールスター直前、1軍コーチを務めたこともあった。「別に何もやっちゃいないよ」と謙遜するが、1軍の躍進にも一役買っているのは間違いない。

「あとは、バレンタイン監督に日本一になってもらいたい」。ダブル日本一という夢がかなったとき、縁の下の立役者は再び喜びを爆発させる。

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辻、ファーム選手権MVP![ニッカン]

逆転タイムリーの辻俊哉捕手(26)がMVPを獲得した。4打数2安打2打点の辻は「今日は最初からMVPを狙っていました」と笑顔。神戸まで応援にきたファンに向かって「今季は1軍で2試合しか出場できませんでした。来季は100試合出ます」と1軍での活躍をアピールした。また、ルーキーの竹原が4番で3打数3安打、二塁打3本と大活躍。こちらも「来季は1軍で101試合出場します」とアピールを忘れなかった。

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ロッテ、阪神下し初のファーム日本一[ニッカン]

ロッテが阪神を下し、初のファーム日本一を獲得した。ロッテは2−5とリードされた6回に、3本の二塁打で同点。続く7回に、5番辻の適時打で勝ち越した。阪神に11安打を浴びる苦しい展開だったが、5投手の継投で逃げ切った。マウンド付近で3度宙に舞った古賀英彦2軍監督は「走塁ミスも失策もあったが、選手全員がよく打った。公式戦でも競った試合ばかりだったから勝てると思ってた」と笑顔。66歳で初の優勝をしっかりと噛み締めた。

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続投決定ですが…ボビー大人気です

◇MLBからラブコール

バレンタイン監督は大人気!既に来季続投は決まっているが、8日付の米紙ニューヨーク・ポストは、大リーグのデビルレイズが近日中に同監督と連絡をとり来季監督を任せられるか検討する意向だ、と報じた。ドジャースも同監督を新監督候補に挙げている。ロッテの重光オーナー代行は、来季が3年契約の最終年となるバレンタイン監督について「当然3年目をやってもらいます」とあらためて続投を明言した。

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2軍おさきに“日本一”

◇シリーズ前哨戦?虎jr.を逆転

2軍の日本一を決めるファーム日本選手権は8日、スカイマークスタジアムでイースタン・リーグ優勝のロッテがウエスタン・リーグを制した阪神に7−5で逆転勝ちし、初優勝を決めた。最優秀選手には勝ち越し打の辻俊哉捕手(26)が選ばれ、賞金50万円を獲得した。ロッテは4−5の7回2死三塁から竹原の二塁打で追いつき、続く辻の右前打で勝ち越した。さらに大松の右翼線への適時二塁打で突き放した。阪神は投手陣が踏ん張り切れなかった。9回は1死満塁と粘ったが、後続を絶たれた。

バレンタイン監督
「古賀監督はじめ、素晴らしいスタッフ、若い選手が活躍してくれた。この栄誉に相応しいチームだ。歴史に輝かしい成績を残してくれた。」

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辻がMVP打、66歳古賀監督涙

ファーム選手権初出場で初優勝を飾った。7回、同点としてから5番辻が右前に落として再逆転に成功。6回にも適時打を放ち、MVPに輝いた4年目の辻は「MVPをとるつもりでやっていた。来年は1軍で100試合に出たい」と飛躍を誓った。3度宙に舞った古賀監督は「66歳で初めての優勝。うちらしいゲームだった」と感無量の様子。1軍のプレーオフと合わせ「兄弟」揃って大きな白星を挙げた。

古賀2軍監督
「今回の優勝は素直に嬉しいです。1軍の調子が良かったのでファームの選手がいい刺激を受けた結果だと思う。ロッテの選手全体のレベルアップした証の優勝だと思います。」

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「ミスターロッテ」の涙[朝日新聞・千葉]

泣かないと決めていたベテランが泣いていた。9月22日、千葉マリンスタジアムでのレギュラーシーズン最終戦。試合後、今季限りでの引退を発表した初芝清内野手(38)が涙を見せた。「花束を渡してくれた雅やん(小林雅英)が泣いていたのを見て、思わず涙が出てきた。嬉しかった」。

引退セレモニーの最初に花束を贈った小林雅、そして同じ年で裏方の松井ブルペン捕手が大粒の涙をこぼしていた。日ごろは陽気なベテランも、この予想していなかった光景には、さすがに涙腺が緩くなってしまった。「オレはなんて幸せなんだろう」。おじさんが顔をクチャクチャにして泣いた。

ラストイヤーとなる05年だが、決して納得して引退する訳ではない。自分の成績にも納得していないし、不本意だとも思っている。チームが好調だが、それを素直に喜べない自分もいた。「正直に自分の気持ちを口にしてしまうとやっぱり複雑な心境なんだよ」。寂しげな笑顔を見せて、私にポツリと漏らしたこともあった。

それはそうだろう。92年にロッテが千葉に本拠地を移してからのチームで、主力として、看板選手として活躍し続けたのは初芝だった。だからこそ、「ミスターロッテ」とファンは慕う。しかし、劇的快進撃を続けた今年、最前線に背番号「6」はいない。グラウンドところ狭しと活躍しているのは自分よりも一回り以上も年下の選手ばかり。悲しい思いが去来するのは当然と言える。

しかし、初芝という男のすごさはそんな心境を押し殺し、チームに貢献したことにあると思う。ベンチでは誰よりも大きな声を出して応援していた。そして活躍してベンチに戻ってくる選手を誰よりも先に出迎え、ねぎらいの言葉をかけていた。時にはミスをし、落ち込んでいる若手選手を励ます役割を率先してこなしていた。

「自分もチームに何らかの形で貢献したかった。あれは頑張っている選手への感謝の気持ち」。そんな人柄が引退セレモニーに2万8249人というファンを集め、多くの選手の涙腺をも緩くさせたのだろう。

引退は宣言したが、初芝の戦いはもう少し続く。戦いが完全に終わるまではバットを置かないと決めている。プレーオフ、日本シリーズ、そして日本一になれば、その先にあるアジアシリーズまで現役でプレーするつもりだ。バレンタイン監督は言う。「初芝を、引退を発表してからもっとも長くプレーした選手にしてあげようじゃないか!」。これこそが、今の千葉ロッテマリーンズの合言葉である。

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