10月10日10月10日プレーオフ第2ステージ進出を決めたロッテは、エース清水で王手をかけ、サブマリンの渡辺俊でリーグVを決める。西武に連勝して一夜明けた10日、チームは福岡入り。バレンタイン監督は「5戦のうち、3つ勝てばいい」と冷静に選手起用に頭を巡らせた。
だが選手はストレートで決めるつもりだ。12日の初戦はセラフィニ、13日の第2戦は清水、15日の第3戦は渡辺俊の先発が予想される。第1ステージで登板機会のなかった清水は意欲を燃やした。「投げるチャンスをもらえたらガムシャラにやりたい。1球1球、力を込めてスコアボードに0を並べたい」と話した。レギュラーシーズンは10勝11敗で最終登板の9月22日のソフトバンク戦は5回途中6失点でKOされた。エースとしてリベンジの気持ちは誰よりも強い。
連勝なら渡辺俊に胴上げの期待がかかる。「3連勝？そうなればいいですね。大事なところでの登板になったら頑張りたい」。74年は前期2位、後期1位で迎えたプレーオフで阪急に3連勝して優勝。さらにシリーズも制して日本一に輝いた。ソフトバンクとの最終決戦でその再現を狙う。
黒木知宏投手（31）がソフトバンクと対戦するプレーオフ第2ステージ（ヤフードーム）で先発登板する可能性が出てきた。1、2戦のセラフィニ、清水の先発で2連勝、または1勝1敗で第3戦を迎えた場合に先発する可能性が高い。31年ぶりとなるリーグ制覇に向け、福岡に燃える男・黒木の雄叫びが響き渡る。
打倒ソフトバンクの秘策は、黒木の先発起用だった。プレーオフ第1ステージ終了時点でバレンタイン監督は、第2ステージでの先発をセラフィニ、清水、渡辺俊、小林宏、久保の「A案」で固めていた。だが、この日になって第5戦予定だった久保を第1ステージ同様に中継ぎ待機させる方針に変更。その第5戦に中4日でセラフィニを登板させる案も検討したが、最終的に浮上したのが第3戦に黒木を割り込ませる「B案」だった。
井上投手コーチは「1、2戦以外はまだ何も決まっていません。そこまでの勝敗によっても変わってくるかもしれない。色んな可能性がある」と説明。実際、黒木の第3戦先発も流動的で、1、2戦でチームが連勝または1勝1敗の場合は予定通り黒木を投入するが、逆に2連敗の場合には黒木起用を断念し、渡辺俊を第3戦に繰り上げる方針も確認されている。
00年にメッツを率いてワールドシリーズまで進出するなど、ポストシーズンを熟知した指揮官は「5戦の中で3試合を勝利すればいい」。黒木は入団1年目の95年からダイエー（現ソフトバンク）戦で通算35試合に登板し、18勝10敗、防御率2.66。昨年の3年ぶりの白星もダイエー戦で挙げた。2ケタ勝利投手を6人も抱えながら、あえて黒木を抜擢した理由はこの相性の良さにある。
昨年オフの右ひじ手術を乗り越え、8月28日のオリックス戦で今季初登板初勝利。結局、3試合で2勝1敗、防御率4.58に終わったが、右ひじへの不安はもうない。黒木は「シーズン終了後も定期的にブルペンに入ってきた。僕が投げる可能性は十分ある。先発できるという期待を持って頑張るだけ」と気合十分。8日には愛妻・裕子さんが待望の二女を出産。新たなパワーも手にした。右ひじ、右肩の故障から復活したジョニーが、悲願への懸け橋となる。
第2戦の先発が有力視される清水が本番を目前にフォーム改造に乗り出した。「ブルペンで投げてみてしっくりくればセットポジションから投げるかもしれない。こちらの方がバランスがいいしね」と中継ぎだった2年目以来の投法に戻すことも検討中だ。今季は4年連続2ケタ勝利をマークしながら10勝11敗。試行錯誤を繰り返すが「試合では最初から飛ばして、できる限り0を重ねるだけ」と話した。
バレンタイン監督をはじめとしたナインが空路で福岡入りした。プレーオフ第1ステージでは西武との接戦を制して2連勝。指揮官はさぞ疲労を残しているかと思いきや「アストロズは凄かったね。延長18回でサヨナラ本塁打だろ。テレビを見るために朝4時には起きたよ」とタフネスぶりを発揮。空港に訪れたファンにも気軽に手を振るなど終始、リラックスムードだった。
投手戦でプレーオフ第1ステージを制したロッテが、12日からヤフードームで始まるソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ（5試合制）のため、福岡入りした。今季の直接対決では、5得点以上した試合は8勝1敗と大きく勝ち越している一方、4得点以下だと2勝9敗と負け越し。投手戦から打撃戦にシフトチェンジして、31年ぶりのリーグVを目指す。
先発した渡辺俊、小林宏にリリーフ陣も好投。自慢の投手陣で昨年の日本一・西武を退けた第1ステージだが、第2ステージでは、投のロッテが打のロッテに変身する。
ソフトバンクとの直接対決は10勝10敗の五分。打線が5点以上の奪った試合は8勝1敗と大きく勝ち越しているのに対し、4点以下の試合は2勝9敗。つまり打撃戦に持ち込めるか否かが勝負の分かれ目となった。
バレンタイン監督もソフトバンクの強打戦との打ち合いを歓迎している。福岡への移動のみとなったこの日、早起きしてナ・リーグのプレーオフ、ブレーブス－アストロズ戦の中継にくぎ付けだった。
延長18回、5時間50分の末、ワイルドカードのア軍が地区優勝のブ軍を破った番狂わせ。「すごい試合だったね」と興奮するバレンタイン監督は、ア軍とロッテとをダブらせていたようだ。
もっとも今年のロッテ、防御率3.21もリーグトップ（ソフトバンクは3.46）なら打率だって.282（ソフトバンクは.281）と首位。大砲揃いのソフトバンクとの打撃戦にもひるむことはない。
中でもキーマンになるのは4番・サブローだ。ソフトバンク戦は44打数20安打、打率.455と得意にしている。「ボクはボクの仕事をするだけです」と謙虚だが、後にはフランコ、ベニー、李承燁の助っ人トリオが続くだけに、サブローがポイントゲッターとなり、また大量点への火付け役にもなるのだ。
「相手投手もいいけど多くのヒットを打って点を取りたい」とバレンタイン監督。
投手戦では杉内、斉藤、和田、新垣のソフトバンクに分があるかもしれないが、打撃戦に持ち込めば逆転Vが見えてくる。31年ぶりリーグ制覇に向け、5点をかけた攻防にロッテが挑む。
第2戦での先発の可能性が高い清水は、静かに闘志を燃やしている。シーズン終盤のソフトバンク4連戦。3連勝でむかえ、勝てば1ゲーム差にせまる試合で3被弾し、負け投手となった。「チームのいい流れを壊して、申し訳ない」と悔やんだだけに、リベンジの機会を待ち望んでいる。今月3日にはファームで調整登板をこなすなど準備万端。「結果は後からついてくる。自分の投球をするだけです」と意気込みを語った。
ジョニーが胴上げ投手になる－。プレーオフ第1ステージを勝ち抜いたロッテが12日から始まる第2ステージに向けて10日、福岡入りした。首脳陣は先に優勝に王手をかけた場合の第3戦か第4戦に黒木知宏投手（31）の先発起用を検討。故障から復活を果たした不屈の右腕に31年ぶりのVを託す。
感動的フィナーレは、復活した元エースに託される。ロッテの先発は第1戦がセラフィニ、第2戦が清水と確定しているが、井上投手コーチは「その後は2戦目までの勝敗によっても違ってくるでしょう」と話しており、第3戦以降は流動的に数パターンのローテーションを用意している。
黒木の登板はロッテが初戦を制した場合のみとみられ、黒星スタートの場合は渡辺俊を第3戦で起用。黒木は2連勝で迎える第3戦か2勝1敗の第4戦のいずれかの先発が有力で、王手をかけた状態でマウンドに上がる可能性が高い。
仮に黒木で星を落としても、その後は渡辺俊、小林宏と第1ステージで好投した絶好調コンビが控える。「5試合のうち、3つ勝てばいいんだ」とバレンタイン監督。あらゆる可能性を考慮しつつ、チームを支えてきた右腕の経験に期待をかける。
この日、チームと共に福岡入りした黒木は「まだ登板日は言われてないけど、プレーオフで投げたいと思ってやってきましたから」と力を込めた。右肩痛、右ひじ手術から苦しみに耐えて復活を果たした背番号54。31年ぶりの優勝を狙うロッテと不屈の男のドラマが重なれば、最高のエンディングになる。
「王JAPAN」の目標は、世界の頂点しかない。日本プロ野球組織（NPB）が10日、来年3月に初開催される国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」（WBC）の日本代表監督として、ソフトバンク王貞治監督（65）の就任を発表した。福岡ドーム内で会見に臨んだ王監督は「やる以上は最後の試合、決勝までいき、最後の試合も勝ちたい」と、きっぱりとした口調で「世界一」を宣言した。
長嶋JAPANの成し得なかった夢を実現させる。昨夏のアテネ五輪で日本代表は決勝進出を逃し、銅メダルに終わった。リハビリ中の長嶋氏に配慮し、連絡は取っていないが、アテネ五輪では派遣選手に1球団2選手の制限があったことに「本当の意味で最強チームではないのに、最高の結果を求めるのは酷だと思う」とこぼしたこともある。今回は「最強チーム結成」を自らの就任のカギとしてきた。ヤンキース松井、マリナーズ・イチローらメジャー組についてもメンバー入りをNPB側に要求している段階。この日もあらためて「国として戦うのだから、メンバーに入ってもらいたいとは思っている。果たして、3月にベストメンバーが組めるか」と最強メンバーの招集を熱望した。
代表メンバー約30人（投手は13人以上）は12月初旬に発表される。来年2月20日に日本代表チームを集め、翌21日から福岡ドームで約1週間の合宿を行う。「やる以上は勝つことが求められる。ベストなチームを編成した上で勝ちたい。私も（日本代表監督は）未経験ですが、思い切ってやりたい」。「王JAPAN」の世界一への挑戦が、いよいよ始まる。
コーチ陣も決まり、世界の王が目指すのは初代世界王者！
日本プロ野球組織（NPB）は10日、来年3月に初開催される野球の国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」（WBC）の日本代表監督に、ソフトバンクの王貞治監督（65）が就任すると発表した。ヤフードームで会見を開いた王監督は世界の野球発展を目標に掲げ、「ベストといわれるチームを編成したい」と抱負を語った。またコーチ陣も発表され、外野担当は弘田澄男氏（56）の就任が確実となった。
初開催の世界一決定戦に向け、強い意気込みを前面に出した。ヤフードームで会見に臨んだ王監督は頂点を目指すと同時に、世界へ向けた野球のさらなる発展を胸に監督就任の決意を表した。
2012年のロンドン五輪で野球、ソフトボールが競技種目から除外されたことを受け、NPB側の強い要望に世界の王が立ち上がった。
最大30人の代表メンバー（投手は13人以上）は11月中に各選手への個別の打診を行い、12月初旬に発表される。既に約60人の代表候補をリストアップし「海外組も含め、ベストといわれる編成をしたい」とマリナーズのイチローらメジャー組を含めた最強メンバーの編成を目指している。
日本球界を支えた王監督が望むのは世界一。コーチ人事も発表されて舞台も整った。来年2月、福岡での代表合宿で「王ジャパン」が初めて顔を合わせ、初代の栄光の座を目指す。
この日発表されたコーチ陣は打撃コーチには前日本ハム監督の大島康徳氏（54）、投手コーチに鹿取義隆氏（48）＝元西武＝と武田一浩氏（40）＝元巨人＝、内野守備走塁コーチには辻発彦氏（46）＝元ヤクルト＝が就任した。また発表は後日となるが、今季まで巨人でコーチを務めた弘田澄男氏（56）が外野守備走塁コーチを務めることが内定している。
プロ野球のコミッショナー事務局は10日、国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」（WBC）＝来年3月、米国などで開催＝の日本代表監督としてソフトバンク・王貞治監督（65）の就任を正式発表し、同監督が福岡ヤフードーム内で会見を行った。
現役監督の立場で日本代表監督を兼務する王監督は「ユニホームを着ていない人に引き受けてもらうのが1番いいと思ったが、野球界のために微力ながらやりましょうとなった」と経緯を説明。スタッフとして大島康徳打撃コーチ（54）＝元日本ハム監督＝、鹿取義隆（48）＝元巨人コーチ＝、武田一浩の両投手コーチ（40）＝元巨人＝、辻発彦内野守備走塁コーチ（46）＝元横浜コーチ＝の就任も発表し「やる以上は勝つことが求められる。1番ベストと思えるチームを編成した上で臨みたい」と決意を口にした。外野守備走塁コーチには、今季限りで巨人を退団する弘田澄男氏（56）が候補に挙がっている。
王JAPANは来年2月21日から約1週間、福岡ヤフードームで直前合宿を開催。その間、1軍クラスを相手に壮行試合を数試合行う方向で調整中だ。松井（ヤンキース）やイチロー（マリナーズ）の米大リーグ組にも「是非出てもらいたいと思っている」とラブコールを送った世界の王が、本気で世界一を奪いにいく。