わたしはかもめ2005年鴎の便り(10月)

便

10月13日

プレーオフ第2S…福岡ソフトバンク2−3千葉ロッテ(ヤフードーム)

プレーオフ第2ステージはロッテが2連勝で31年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。ロッテは1点を追う6回に1死満塁からフランコの2点適時二塁打とベニーの内野ゴロで3点を奪い逆転に成功した。先発の清水は7回を被安打4、奪三振6、無四球、2失点に抑えて勝ち投手。3人目の小林雅英が9回を3人で締めて連日のセーブを挙げた。ソフトバンクは5回にカブレラの2試合連続の2号ソロで先制するが、5回まで無失点の先発斉藤が6回に逆転を許すと、反撃は川崎のソロホームランのみでリーグ制覇へ後がなくなった。

123456789R
千葉ロッテ0000030003
福岡ソフトバンク0000110002
フランコ
「昨日いい勝ち方をしたからね。第1ステージからの勢いを保ちたかったんだ。前のみんながつないでくれたチャンスだったからね。何としてもホームに還したかった。勝利に貢献できて本当に良かった。次のゲームも集中して、勢いに乗ってやるだけだよ。」
サブロー
「四球は次につなげることを考えて選んでいきました。(5球目は)自信を持って見送りましたよ。相手もバテが見えていましたからね。清水投手が絶対にやってくれると僕も思っていたし、チームの皆が思っていました。とにかく打席ではつなぐことだけを考えていました。昨日より今日の勝ちは大きいですね。明後日も気を入れて頑張ります。」
清水直
「気合が入りました。もうこれ以上、無様なピッチングはできませんから。セットからクイックで投げたら、スピードも出たしキレもあった。これはいけると気がつきました。悩んで悩んで、1番力が入る投げやすいピッチングフォームを模索した感じです。この時期に投げ方を変えることは勇気が要ることですが、どんな不細工な投げ方でも、抑えるしかない、やるしかないと思いました。ここで、もう1度チャンスをくれたチームに感謝したいです。本当に勝てて良かったです。」
薮田
「四球は2死だったので1発に気をつけていったのがボールになりました。みんな必死ですからね。今日も野手が逆転してくれたし、清水直投手も踏ん張っていたので絶対に逆転は許されないと思いました。後はブルペンが力合わせてと思っていました。自信持って投げていますよ。油断しないで、気持ちは1、2戦と一緒と考えています。」
小林雅
「4試合連続といっても2日空いたから疲れはないです。今日は、1点差だったしクリーンアップだし、みんながつないでくれていたので、打たれる訳にはいかなかったですね。役割をきっちりと思っていたので果たせて良かったです。プレーオフで精神的な重圧はないですね。昨日1個勝っているんで、最悪でも1勝1敗と考えて楽でした。今日もあういう場面でしたが、せっぱ詰まっている感じはなかったですよ。」
バレンタイン監督
「今日は間違いなくいいゲームだった。だが、あと1勝しなければいけない。気持ちを引き締めてやってもらいたい。」

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ロッテ4番がつないで逆転だ[ニッカン]

◇サブロー値千金の四球!!フランコ決勝打

ロッテ清水の力投に、マリンガン打線がこたえた。1点を取られた直後の6回の攻撃だった。1番西岡が右翼線二塁打で口火を切った。2番堀がフルカウントと粘り、四球を選ぶ。福浦が左飛に倒れたものの、4番サブローが斉藤を追い詰めた。カウント2−0から2球ボールを選んだ。5球目の低めフォークも見送り、斉藤も思わず悔しがる。さらにファウルで粘った7球目。142キロの低めフォークにピクリと体が反応したが、バットは止まった。「つなぐことを考えた。ボールは見えていた。自信を持って見送った」という値千金の四球だ。

長打力があり、つなぐこともできる4番の存在で、後続の外国人大砲も生きる。1死満塁からフランコが左中間2点二塁打を放ち、逆転。さらにベニーの三塁ゴロでサブローが俊足を生かして生還。一気に3点を奪った。フランコは「大きな夢をつかむためにオレ達は1球1球に集中し、ゲームをやっているんだ」とガッツポーズを見せた。

チームのレギュラーシーズン四球数はリーグ1位の438個。本塁打は同4位の143本だが、1球1球に集中して四球を呼び、好機を広げている。マリンガン打線の持ち味は打つだけではない。今季3敗の斉藤に初めて土をつけた。バレンタイン監督は「打てる球をしっかり選んでいる」と分析した。サブローは「(清水)直さんが必ずやってくれると信じていた。その思いはみんな同じ」と言葉に力を込めた。全て2点差以内の接戦を制してプレーオフは第1ステージから4連勝。投打がガッチリ噛み合い、15日、一気にリーグ制覇を狙う。

◇満塁に強い

満塁の場面でフランコが逆転二塁打。今季のロッテ打線は満塁に強く、レギュラーシーズンの満塁での打率が3割9分3厘で、フランコも打率が4割4分4厘。12得点(4試合)のうちフランコとベニーで7打点の3V打。

小林雅が第1Sからプレーオフ4試合全てでセーブをマーク。西武との第1戦から通算すると相手打者を10人連続凡退に仕留めている。前後期制時代のパ・プレーオフ(73〜82年、5試合制)を見ても、1シリーズで2セーブは79年に山口哲治(近鉄)が阪急との1、2戦で記録しているだけだ。

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ロッテ王手!清水気合の好投[ニッカン]

さあ、31年ぶりリーグVへあと1勝だ。ロッテがソフトバンクに連勝。優勝へ王手をかけた。第2戦は、プレーオフ初先発のエース清水直行(29)が7回を4安打2失点と好投。薮田、小林雅とつなぐ必勝リレーで、またもロースコアでの接戦を制した。これでプレーオフ第1ステージから無傷の4連勝と、勢いは止まることを知らない。15日の第3戦で、一気に決める。

最終打者の松中が中飛に終わった瞬間だった。三塁側ベンチから歓喜の大声があがる。連勝だ、王手だ。清水もはしゃぎながら、ナインと強くハイタッチする。今季、苦しんだエースが、復活と一緒に「あと1勝」を運んできた。

必死さを、初回から隠さなかった。走者を置かない場面でもセットポジション。本格派のプライドより、目の前の勝利だけにこだわった。4回まで無失点。5回裏、カブレラに先制弾を許すが、直後に逆転の援護。7回2失点。「気合は入りましたよ。もうイヤです、無様な格好は」。全てセットでの80球だった。

ソフトバンク戦は苦しんできた。7戦で2勝5敗、防御率4.94。9月の4連戦では3連勝で迎えた4戦目に登板も、5回途中降板。10勝11敗とチーム4番目の勝ち星に終わった悔しさを、晴らすこともできなかった。夏場には5連敗もあった。バレンタイン監督からは「楽しんで」とアドバイスを受けたが、疲労はなかなか抜け切らなかった。

このままでは終われない。プレーオフ練習期間、セットでクイック投法をすると、最も球が走ることに気付いた。「悩んで、考えて…。1番、力の入るフォームで投げました。どんなにかっこ悪くても、勝つしかない」。中継ぎ起用されていた01年は全てセットポジション。がむしゃらさも取り戻していた。

逆風を受け止め、順風に替えた。「まだまだファンは納得してくれていないと思う。その中でボビーも使ってくれた。自分を信じて、みんなを信じて投げました。優勝するためにやってるんで」と力を込めた。ヒーローインタビューでは「まだ油断は全くしていない」と手綱を締めた。

バレンタイン監督は清水を「チャンピオンらしいピッチング。ずっと開幕から先発を外れることなく、信頼を置いてきた。1番大事な試合で持ち味を出してくれた」と褒めあげた。リリーフ陣もソフトバンクの強力な中軸を完全に抑え込んだ。前夜も1安打のみ。守りきる野球が大一番で発揮された。

31年ぶりのペナントは目の前だ。コーチ陣さえ当時の歓喜を知らない。バレンタイン監督は「もう1試合、9イニング、リードを保たなければならない。あと1戦、心を引き締めてやってもらいたい」としっかり前を見据えた。15日、プレーオフ無傷のまま、奪いに行く。

◇過去5分の5

ロッテが2連勝で王手をかけた。パ・リーグの5試合制プレーオフで連勝スタートは6度目(過去5度は前後期優勝チームが対戦)だが、過去は5チーム全て優勝。2連勝から3連敗した例はまだない。同じ5試合制でお子案割れるメジャーの地区シリーズでは、連勝スタートした24チームのうち20チームがリーグ優勝決定戦に進出している。

パの5試合制プレーオフでの連勝のケース
球団星取相手
74ロッテ○○→○阪急
79近鉄○○→○阪急
80近鉄○○→○ロッテ
81日本ハム○△○→●○ロッテ
82西武○○→●○日本ハム
05ロッテ○○→?ソフトバンク

74〜82年は前後期優勝チームが対戦。

薮田
「最後まで油断できないので気持ちを引き締めて投げた。」(8回1イニングを無安打に抑え)

◇小林雅4連続S

この日も守護神が締めた。小林雅がプレーオフ計4戦で4連続セーブの快投。「最悪打たれても同点、負けても1勝1敗。気持ちに余裕があった」とプレッシャーとは無縁だった。最後の打者・松中の中飛を見届けることもなく、マウンドで派手なガッツポーズ。「悔いは残したくない。いいテンションでやれている」と優勝を信じて疑わなかった。

◇黒木「天命待つ」

黒木は先発のチャンスを心待ちにした。先発日について「まだ聞いていません」と話したが「胴上げ投手?そうならいいですね」と目を輝かせた。前日12日にブルペンでの調整を行い、状態には「いいときに戻ってきている。人事を尽くして天命を待つ」。

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清水快投、ロッテ31年ぶり優勝に王手[スポニチ]

ロッテが31年ぶりのリーグ制覇に王手をかけた。パ・リーグのプレーオフ第2ステージ第2戦は13日、ロッテがソフトバンクを3−2で下し2連勝。1点ビハインドの6回に3点を奪い逆転すると、先発の清水直行投手(29)が7回2失点とエースの意地を見せ、最後は小林雅英投手(31)がプレーオフ4連続セーブで締めた。31年ぶりの悲願のリーグ優勝へ、あと1勝だ。

バレンタイン監督から頭をなでられると、清水は指揮官の胸に思い切り抱きついた。31年ぶりのリーグ制覇へ王手をかけたエースは、重圧と緊張感から解放されて、やっと笑顔を見せた。

清水直
「相手がどこであろうと、弱気にならず自分を信じることだけだった。僕のことを信じてくれるファンがいる限り投げ続ける。」

7回を4安打2失点。カブレラ、川崎にソロアーチを喫したが、気迫の投球でゲームを支配した。

清水直
「監督、コーチ、ファン、そしてチームメートに感謝したい。第1ステージで負けていたら、投げられなかった訳ですから…。」

悩んでいた。5ゲーム差で迎えた9月19日からのソフトバンク4連戦。3連勝で迎えた4戦目。勝てば1ゲーム差となる一戦で、今季最短の4回1/3で6失点KO。3発を被弾する姿に、ファンからブーイングを浴びた。4年連続2ケタ勝利こそ達成したが、11敗で防御率3.83。そんな悩める右腕に、バレンタイン監督が贈った言葉は「勝利することを意識するのではなく、今の1球に集中しろ」だった。

清水は3日のイースタン・巨人戦に志願登板。5回3失点も、イニングごとに左右の制球、高低の組み立てなど課題を持って臨んだ。11日のヤフードームでの練習ではフォーム改造に着手。走者がいなくても最初からセットポジションでの投球に切り替えた。クイックのような小さなフォームだと体のバランスが崩れないことに気づいたのが理由だった。大一番を目前にしての決断。「そりゃ、勇気いりましたよ。でも不細工だってやるしかなかった」。イチかバチかの賭けでもあった。

「今年登板した1番大切な試合で、清水は最高の投球をした。間違いなくいい試合だった。でもあと1勝しないと優勝じゃない。気を抜くことはない」とバレンタイン監督。それでも笑顔は隠せない。31年ぶりのリーグ制覇はもう目前。15日、3連勝で夢を実現させる。

◇小林雅4連続S

声にならない雄叫びを上げた。最後の打者・松中への勝負球は151キロの剛速球。中堅に飛球が上がった瞬間、ロッテ・小林雅はフライング気味のガッツポーズ。絶対的な守護神が、リーグ優勝に王手をかける3人斬りを披露した。

「チームがつないでくれたので1発だけに気をつけて投げた。自分の仕事ができてよかった」。わずか11球。柴原、バティスタ、松中を、全てフライで“料理”した。

これで第1ステージから4戦連続セーブ。大舞台で力を発揮している。今季、精神的に苦しい時期は昨年、出場したアテネ五輪前に、病に倒れて出場を断念した日本代表・長嶋監督からもらった手紙を何度も読んだ。「自信を持っていきます」。歓喜の瞬間まで、あと1つ。リーグVを、その右腕でたぐり寄せる。

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ロッテ1発なし、つないでフランコがV打[スポニチ]

ソフトバンクのような1発はいらない。チーム全員で勝つ。ロッテ打線に宿るつなぎの精神が連日の逆転劇を生んだ。

「うちの選手達は打てる球を選んで打つ姿勢がある。3点取る前に斉藤にたくさん投げさせていたことが効いたね」。バレンタイン監督は誇らしげだ。エース斉藤の前に5回まで毎回の7三振。手も足も出ない。だが、81球も投げさせ反撃の機会をうかがかった。思い出す。西武との第1ステージ初戦。松坂に142球を投げさせ、7回で交代させた“待球作戦”で流れを引き寄せたのだ。

6回。先頭の西岡が右翼線二塁打。さらに堀が8球、サブローが7球粘って四球を選ぶ。1死満塁。ここでフランコが疲れの見え始めた斉藤の105球目、高めに甘く入ったフォークを左中間に運んだ。「自分の打てる球だけを待った」。チーム一丸でつかんだ斉藤の失投を逃さなかった。

打った西岡とフランコには共通点もあった。西岡は初戦の9番から1番、フランコは8番から5番に昇格。指揮官のデータと閃きによって生み出される“ボビーマジック”と呼ばれる日替わりオーダーが初戦に続いてズバリと的中した。

逆転二塁打のフランコはメジャーでプレーオフを4度経験。ナインには「シーズンと同じように冷静にプレーすることが大切なんだ」と説いている。ロッテに国境はない。31年ぶりの悲願に向かって心はただ1つだ。

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ロッテ31年ぶりリーグV王手!ベニーの次はフランコ打[サンスポ]

ロッテの勢いが止まらない。怒涛のプレーオフ4連勝で、31年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。この日のヒーローは、第1戦の8番から5番に昇格し、6回に逆転打を放ったマット・フランコ内野手(36)だ。またも“マジック”を決めたのはボビー・バレンタイン監督(55)。15日の第3戦(ヤフードーム)に勝てば、悲願のパ・リーグ制覇、そして阪神への挑戦権を手にする。

最後の打者・松中の打球が力なく大塚のグラブに収まる。マウンド上でガッツポーズの守護神・小林雅。そしてバレンタイン監督が、手をいつもより強く叩きながらベンチを飛び出した。

「ナイスゲームだ。でも、まだ1勝しないと優勝じゃないんだぞ」。ついに見えた31年ぶりのリーグ優勝。あと1勝で手に入れるところまできた。

この日も“ボビーマジック”が炸裂した。前日は8番のフランコを5番に抜擢。そのフランコが6回、左中間に逆転のタイムリー二塁打だ。「打てる球を、しっかり打とうと思っていた。大きな夢をつかむために、オレ達は1球1球に集中している」。

米大リーグでは、メッツなどで4度のプレーオフを経験している男。短期決戦が初めての選手達には、福岡決戦を前に「緊張や興奮はあるだろうが、平常心で臨め」と説き続けた。その言葉通り、自らのバットでチームに貢献してみせた。

バレンタイン監督にとっては、特別なことではない日替わりオーダー。「どの打順でも活躍しているし、信頼しているよ」とも話す。しかし、初戦勝利にもかかわらず、フランコ以外にも西岡を9番から1番に上げ、本塁打を放った里崎をオーダーから外し…。他の監督にはマネできないことを、大舞台でやってのけるから“マジック”なのだ。

まさに監督と選手が一体。リーグ制覇へのムードがロッテに充満する。

「ホークスもタフなチーム。まだまだ油断できないよ」。ヒーローのフランコが試合後すぐに、表情を鬼のように変身させた。バレンタイン監督も「1番大事な試合で持ち味を出してくれ」と最後のムチだ。

外国人監督としては、昭和49年の中日・与那嶺監督以来となるリーグ優勝まであと1勝。くしくも、その年以来となる栄光に向かってロッテが力強く王手をかけた。

◇清水が7回2失点の好投

清水が今季2勝5敗と苦手にしていたソフトバンク相手に7回4安打2失点の好投。「先制を許してしまったんで、何とか抑えようと思って投げた」と納得の表情だ。レギュラーシーズン終盤は調子を落とし、3日にはイースタン・巨人戦に登板して調整。1回からセットポジションで投げるなど、苦心の投球で王手に貢献した。

◇きっかけ作った“昇格組”西岡

第1戦の「9番」から「1番」に昇格した西岡が6回、右翼線二塁打を放ち逆転の突破口を開いた。「出塁して、走って、しっかり守るということ。シーズンからずっとやってきたことをやるだけです」と満足げ。日替わりオーダーを駆使するバレンタイン流に、キッチリと応えた。

◇小林雅が4戦連続セーブ

守護神・小林雅が1回をピシャリ。西武とのプレーオフ第1ステージから4戦連続セーブをマークした。しかも西武第2戦から、今季初となる3戦連続の1回完全。「勝ち越した形でみんながつないでくれている。結果はどうあれ、自信を持って投げるだけです」。大一番で頼れる守護神が充実だ。

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ロッテ連勝で王手!31年ぶりVへ止まらない[報知]

◇パ・リーグ、プレーオフ第2ステージ

ロッテが悲願に王手をかけた。不振に苦しんだエース・清水が、7回2失点と復活。打線は6回1死満塁からフランコの左中間2点二塁打などで3点を奪って逆転し、プレーオフ第1ステージから4連勝。1974年以来31年ぶりのリーグ制覇まで、あと1勝に迫った。第3戦(15日)の先発はチーム勝ち頭の渡辺俊。勢いに乗ったまま、ロッテが一気に決める。

スマイル全開のボビーより、晴れ渡った笑顔があった。勝利を見届けた清水に、駆け寄るナイン。胸をぶつけ合い、次々と強く抱きあった。「チームを信じて、ファンを信じて…。もう1人じゃないですから」。苦しみ続け、背水の陣でつかんだ1勝。弱い時代を支えたエースの復活投球で、ロッテが王手をかけた。

プライドを捨てたエースは、鬼気迫る表情で4連敗中のホークス打線に立ち向かった。ソロ弾2発に抑え、7回2失点。「無様な格好はもう嫌だ。どんな不細工なことをしても、抑えるしかなかった」。初回先頭。代名詞のダイナミックなフォームが消えた。走者なしでセットポジション。「1番球が走ると分かったんです」。連日の投げ込みと志願のファーム登板で発見した最後の手段。小林雅が最後を締めると、祝福の嵐の中で「やっと報われた」と胸をなで下ろした。

もがき続けたエースの姿はチーム全員が知っていた。1点を追う6回、清水の好投に打線が応える。1死満塁からフランコの逆転2点二塁打と、内野ゴロで3点を奪取。「逆転を信じていた。勝ちは1人の力じゃない」。勝てない時代のロッテを支えた右腕は、頼もしくなった打線に目を細めた。

勝てば1ゲーム差に迫った22日のソフトバンク戦では、5回途中6失点KO。ファンからは痛烈なブーイングが飛んだ。だが、バレンタイン監督は清水を信頼し続け、マウンドに送り出した。「1番大切な試合で持ち味を出した。チャンピオンらしい投球だった」と自分のことのように喜んだボビー。清水は「僕を信じてくれる監督やファンがいる限り、全力で自信を持って投げました」と感激の表情を浮かべた。

エースがよみがえり、ソフトバンクに2連勝。第1ステージから4連勝で31年ぶりの歓喜にリーチをかけた。バレンタイン監督は「あと1勝しないと意味がない」と気を引き締め、第3戦に先発する渡辺俊は「もちろん勝って決めますよ」と自信を見せた。エースで王手をかけて、サブマリンが決める。31年待った。千葉のファンも、漆黒の左翼席も、心の準備はできている。

◇米の経験生きた「平常心」の一打

頼れる助っ人が、またも大仕事をやってのけた。1点ビハインドの6回1死満塁。斉藤の抜けたフォークを捕らえて、左中間へ運ぶ逆転の2点二塁打。プレーオフでは第1ステージ1戦目に続く決勝打に「大きな夢をつかむため、オレ達は1球1球に集中し、ゲームをやっているんだ」とフランコは興奮気味にまくしたてた。

メジャー時代には4度のプレーオフを経験。大舞台を知らないロッテ・ナインを「平静さを保ち、シーズンと同じ、と思って取り組むことが大事だ」と諭し、背中を押し続けてきた。緊迫した場面での逆らわない打撃は「平常心」のたまものだった。

バレンタイン監督とともに海を渡り、2年近くがたつ。メッツ時代にはかなわなかった優勝は、もう目前だ。「監督を男にしたい気持ちはもちろんあるよ」。あと1勝。指揮官と共に思い描いていた夢が実現する。

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岡田監督自ら視察、ロッテにうなる[報知]

レギュラーシーズン1位で通過したソフトバンクを圧倒。2連勝でリーグ制覇に王手を掛けたロッテに、岡田監督は驚きを隠せなかった。「きっちりとした野球をやっとる。ピッチャーがええよ。交流戦とは(投手の)攻め方が違うわ」指揮官の目を引いたのは、強打のホークス打線をソロアーチ2本による2失点に抑えた、高いレベルの投手陣だった。

松中ら主軸が不振だったが先発、中継ぎ、抑えと個々が持ち場で力をフルに発揮する姿は、分業制が確立している虎投とダブって見えた。「バランスが取れている。うちのチームと似ているな」と率直な感想を漏らした。

交流戦ではロッテに2勝3敗1分け。6月3日の試合(甲子園)で10点を奪ったが、残り5試合はいずれも3点以内に抑え込まれている。「斉藤もだが、清水もよかった。気持ちが入ったピッチングだった」と正捕手・矢野も力説した。

甲子園で全体練習を陣頭指揮した後、空路で福岡入り。指揮官の直接視察は3時間足らずで終わったが、岡田監督の五感に響いたのはただ1つ。ソフトバンクを全く寄せ付けなかった、ロッテの総合力だけだった。

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TBS筆頭株主の楽天、協約改正要求も[ニッカン]

◇改正要求も

楽天本社社長でもある三木谷浩史オーナー(40)は13日、グループ2社によってTBSの筆頭株主となり、業務提携を申し入れたことを緊急発表した。ビジネスとしては問題のない戦略も、野球界には衝撃だった。楽天球団のオーナー企業が、TBSの子会社である横浜球団にも支配権が及ぶ「球団二重保有」状態になるからだ。

野球協約に第19章「公正な試合確保のための利害関係の禁止」の条項があり、その中の第183条で、直接、間接を問わず、複数の球団の株式を保有したり、支配権が及ぶことを禁止している。八百長行為防止という、球界にとって根源的な理由にもよる。三木谷オーナーも「1球団が複数のオーナーシップを持つのは好ましくない。コミッショナーに相談して検討したい」と慎重に話し、今月21日の実行委員会、来月4日のオーナー会議で議題を持ちかける意向だ。場合によっては協約の改正を訴える可能性もあり、協約に触れない手段として系列会社を設立するプランもある。

ただ、巨人渡辺会長の懸念を裏付けるような発言もした。横浜球団については売却、統合など様々な選択肢が考えられるが「支配権を持っている訳ではない。(提携が)うまくいったらTBSとの相談事項になる」と話した。今春、フジテレビとその子会社のニッポン放送が、それぞれヤクルト、横浜の球団株を保有し騒動になった未解決の問題を引き合いに「うまくいくかどうかは別として(楽天が)最初の例じゃない」とかわした。

昨年の球界再編から生まれた際、12球団を維持してファンの支持を得たが、今回はともすれば球団数減少にもつながる動き。しかも、所属するパ・リーグのプレーオフまっただ中で、大きな問題を呼び込んだ。

TBS城所賢一郎専務取締役
「TBSはベイスターズを売るつもりはございません。三木谷社長が2つの球団をもてないからといって、役員会が(球団を)手放すとかいうことを決めるようなことはない。」

◇野球協約第183条(他球団の株式所有)

球団、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主、球団の役職員および監督、コーチ、選手は直接間接を問わず他の球団の株式、または他の球団の支配権を有するとみなされる会社の株式を所有することはできない。

ただし、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主による他の球団の間接所有については、他の球団との利害関係が客観的に認められないと実行委員会およびオーナー会議が判断した場合は、この限りでない。また、コミッショナー事務局および両連盟の役職員は、いずれの球団の株式も所有することはできない。

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オリックスと阪神が統合!?球界再々編か[ニッカン]

◇「楽天TBS」から球界再々編か

巨人渡辺恒雄球団会長(79)が13日、新たな球界再編への危機感を募らせた。楽天はこの日、横浜の親会社であるTBSの発行済み株式総数の15.46パーセントを保有していると発表、筆頭株主になった。これを受け、既に三木谷オーナーから相談を受けたことを明かした上で、他球団の株式保有を禁じる野球協約183条に抵触すると指摘。さらに今後、球団の統廃合問題に発展する可能性について「それを恐れてんだよ」と語った。楽天、横浜だけでなく、具体的にオリックス、阪神、そして広島を含めた新たな球界再編に発展する可能性に言及した。

楽天がTBS筆頭株主担ったニュースが駆けめぐったこの日、やはり黙っていられなかった。都内のホテルで会食後、上機嫌で報道陣の前に姿を現した巨人渡辺球団会長から衝撃発言が飛び出した。先週は村上ファンドが阪神電鉄の筆頭株主となり「村上阪神はあり得ない。八百長の温床だ。ハゲ鷹は許されない」などと痛烈に批判。それと今回の動きがリンクし、球界再編にまで発展しかねない可能性を口にしたのだ。

渡辺会長
「だから、それを恐れてんだよ。村上の背後には誰がいるんだね?宮内さん(オリックスオーナー)がいるじゃないか。オリックスと阪神ね。キャピタル(資本)が一緒でなあ、2つの球団を持つことはできないよ。」

関西2球団を名指しして、共闘する動きを牽制した。村上ファンドには、オリックス会長の宮内オーナーも資金運用を依頼しているとされ、オリックスが阪神電鉄の株購入に絡んでいると示唆するかのような発言をして、牽制した。

渡辺会長の発言は、ライブドア堀江貴文社長にまで及んだ。

同会長
「それからホリエモンがカープを買うなんてそんなバカなことができる訳がない。しかし財界の大物とか政界の大物がホリエモンの後押しして、カープを買わせようとしているから俺は怒ってんだよ。」

堀江氏は9月の総選挙で広島の選挙区から立候補。昨年、近鉄買収に名乗りを上げ、新規参入を楽天と争った同氏に対し、広島買収を仕向ける動きがあることも暴露した。

楽天による今回の動きについては、三木谷オーナーから相談を受けたことを明かした。しかし楽天がTBSの筆頭株主になることは野球協約に抵触すると明確に示した上で「だから横浜がどうなるかだろ。楽天がどうなるか。1つの法人が2つの球団を持つことは厳禁されている」とし、「三木谷君にも僕は言ってあるから」とも語った。

渡辺会長は「大阪と広島と東日本で、例のような問題が起こったらたまったもんじゃない」と厳しい表情で話した。「大阪」は阪神とオリックスの統合、「広島」はライブドアの広島買収、「東日本」は横浜消滅もしくは楽天と横浜の統合を指して、一気に新たな球界再編問題に発展する可能性を示したといえる。

昨年は西武堤前オーナー、宮内オーナーらと1リーグ移行を目論んだ。しかし今回は「俺はもう責任を取らんから。一切口出ししないし表に出ない。だからプロ野球機構がちゃんとやってくれるだろう。根来さんが考えている」とタッチしない意向を明言。IT企業、ファンド会社などが主役となる新たな球界再編の波が今、起こり始めた。

◇オリ「事実無根」

巨人渡辺球団会長の発言に対し、オリックスは即座に“反論”した。村上ファンドとの事実上のつながりから、阪神との統合をにらむような動きを指摘されたオリックス宮内嘉彦オーナーは13日夜、本社広報を通じ「一切、事実無根」とコメント。村上ファンドの阪神電鉄株大量保有問題が明らかになった際、同オーナーは「現段階ではコメントできない」としている。

◇阪神「ありえん」

阪神牧田俊洋球団社長も渡辺発言に驚きを隠せなかった。「眠気も覚めました。ビックリしてます。とんでもない話です」。阪神とオリックスの統合話はこれまで話題にも上っていないとして完全否定。さらに「当球団はこれまでも統合などでプロ野球チームが減ることに反対してきました。統合のメリットも考えにくいしあり得ないでしょう」と話した。

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阪神筆頭株主の村上氏、横浜売却を示唆[ニッカン]

TBSの株式を7%超保有するとされる村上ファンドの村上世彰氏(46)は13日、日本テレビのニュース番組に出演し、横浜球団について「TBSにとって横浜は放送権の問題。20年、30年と(放送権)契約をすることもできる」と、球団を売却し放送権契約だけを結ぶ案を示唆した。阪神との二重保有が野球協約に違反する可能性については「株式会社は売買できるんです。一緒になったらできないというなら売ることも…」と明言は避けたが、売却の方針に含みをもたせた。

今夏に行われたとされるTBS井上弘社長との対談でも、赤字経営が続く球団の売却を提案したと伝えられる。実際に提案したかには答えなかったが「なぜTBSはこんなに利益が上がらないのか」と話し、他の出演者から「最下位から苦労して優勝したこともある球団。情を考えても…」という声には「企業と情は別」ときっぱり語った。

また阪神電鉄株を39.77%所有していることで阪神球団の上場や1リーグ案再燃に質問が及ぶと「タイガースをどうしようなんて全く考えてない」「球界再編は僕が言うことではない。そんなことを言おうと思ったらもっと色んな株を買ってます」などと話した。

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三木谷氏、楽天か横浜売却も[スポニチ]

楽天・三木谷浩史社長(40)は13日、TBS株式を15.46%保有したことを明らかにした。これにより楽天がTBSの筆頭株主となった。また同社長はTBSに対し、共同持ち株会社を設立して経営統合することを提案したと発表。TBSは横浜ベイスターズの株式を約70%保有しており、1企業が複数球団の株式を所有することを禁じる野球協約第183条に抵触するとの見方もある。三木谷社長自身、同様の考え方を示しており、TBS株の大量取得が楽天ないしは横浜球団の売却につながる可能性も出てきた。

午後5時すぎから都内のホテルで記者会見した三木谷社長はフジサンケイグループのフジテレビがヤクルト球団株を、ニッポン放送が横浜球団株を保有していることを挙げ「今回が最初の例ではない」と指摘した。しかしその一方で「一般論として申し上げると、やはり1企業、1球団が複数のオーナーシップを持っているのはあまり好ましくない」と語り、TBS株取得が野球協約第183条に抵触する可能性があることを自ら認めた。

TBSは横浜球団株を約70%保有する親会社。楽天が、そのTBS株を15.46%保有して筆頭株主となったことで、横浜にも大きな影響力を及ぼす。野球協約第183条は試合の公正性を維持するために定められたもの。1企業が複数球団の支配権を握れば敗退行為などへの疑いからプロ野球への信頼も根底から覆されかねない。

01年11月には横浜の筆頭株主だったマルハがニッポン放送へ球団株を売却。ニッポン放送が筆頭株主となることがいったんは実行委員会で認められた。しかしフジサンケイグループのフジテレビがヤクルト、ニッポン放送が横浜球団株を所有することに巨人・渡辺恒雄オーナー(当時、現球団会長)らが野球協約第183条に抵触する可能性を指摘。最終的に撤回され、TBSが買い受けた経緯もある。同条項には実行委員会やオーナー会議が利害関係が認められないと判断した場合、間接所有が認められるが、厳密な規定は存在しない。

三木谷オーナーは今後について「コミッショナー、オーナー会議と相談して検討しなければならない」と明言を避けたがTBSとの経営統合を優先すれば、楽天球団売却の可能性もあるが、25億円の預かり保証金を支払って新規参入したばかり。最低10年間の継続保有も確約しているだけに、TBSとの話し合いで横浜球団の方を売却する選択肢も存在する。三木谷社長は「先方(TBS)と相談する事項」と含みを持たせており、複数の構想が存在するようだ。

村上世彰氏率いる「村上ファンド」の阪神電鉄株の大量取得が社会の注目を集める中で発生した楽天のTBS株大量取得。昨年、近鉄、オリックスの合併、楽天の新規参入と激動した再編劇の第2幕が開く可能性が高まってきた。

◇TBS売却ない

TBSは井上社長、城所取締役が午後9時半から緊急会見した。楽天との最初の接点については「プロ野球を一緒にやるということで面識を得た」と説明。また横浜球団については、城所取締役が「今日の三木谷さんとの会談では何も話をしていない。TBSとしては三木谷さんが(球団を)2つ持てないからという理由で売るつもりはない」と球団を手放す考えがないと明言した。

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渡辺会長、新たな球界再編を“予告”[スポニチ]

巨人・渡辺恒雄球団会長(79)が13日、楽天のTBS株大量取得に絡み、新たな球界再編を“予告”した。今回の問題について「1つの法人が2つの球団を持つことは厳禁。三木谷君にも言ってある」と事前に接触したことを示唆。その上で球団の統廃合の可能性に「それを恐れている。オーナー会議の最大の議題」と打ち明けた。

現時点で楽天ないし横浜球団の売却の可能性が浮上しているが、渡辺会長は「村上氏の背後に宮内さん(オリックスオーナー)がいる。そうするとオリックスと阪神はキャピタル(資本)が一緒だよな」と指摘。さらにライブドアの堀江社長が広島球団買収に動いているとし「財界、政界の大物がホリエモンを後押しして、カープを買わせようとしているからオレは怒ってるんだ。大阪と広島、それから東日本で、また例のような(再編)問題が起きちゃ、たまったもんじゃない」と語気を強めた。昨年は1リーグ制導入など球界再編で主導的な立場だったが「もう今回は責任取らんから。一切口出ししないし、表に出ない」と強調した。

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球界再々編か!三木谷楽天がTBS株買い占め、横浜球団売却も[サンスポ]

楽天がTBS(東京放送)の発行済み株式の15.46%を取得し、筆頭株主となった問題で、TBSを親会社とする横浜球団が身売りされる可能性が13日、急浮上した。記者会見した楽天イーグルスの三木谷浩史オーナー(40)=楽天社長=は、2球団の実質的オーナーとなることが野球協約に抵触するおそれがあると発言。横浜の売却の可能性を示唆した。早くも球団の統廃合を危ぶむ声が挙がっており、球界は再び再編の嵐にさらされることになる。

経済界、放送業界を仰天させた楽天のTBS株取得問題は、瞬時に球界にも飛び火した。

三木谷オーナー
「一般論として一企業が複数の球団のオーナーシップを持つことは好ましくないと思います。」

この日、都内で会見に応じた楽天グループの総帥、三木谷オーナーは迷いなく言いきった。

既にイーグルスという球団を保有する楽天だが、横浜ベイスターズの親会社で、関連企業を含めて約69%の球団株を持つTBSの発行済み株式の15.46%を取得、筆頭株主に躍り出たことで、複数球団の保有を禁じた野球協約(第百八十三条)に抵触するおそれが浮上したのだった。

この百八十三条にはただし書きで「利害関係が客観的に認められないと実行委員会およびオーナー会議が判断した場合はこの限りではない」ともあるが、ただ、これはヤクルトの球団株を保有するフジテレビが、横浜の球団株を持つニッポン放送を子会社化した際の特例措置に過ぎず、決して親会社の一般的な企業買収、企業統合を想定したものではない。

しかし、この問題についても三木谷オーナーは既に了解済み。楽天のプライオリティー(優先事項)はあくまでTBSとの経営統合で、球団は枝葉にすぎない。

事実、この日の会見で球団を手放しても(統合を)進めるかとの質問には「先方との相談事項かなと思っている」と横浜の売却も視野に入れながら、TBSと話し合いを続ける姿勢を見せた。

球界ではコミッショナーの判断が注目されるが、根来泰周コミッショナーは「事実関係が分からないのでコメントのしようがない」と逃げるように帰宅。代わって長谷川一雄事務局長は「全員がいいとなれば(特例措置は)認められる訳だから実行委、オーナー会議で話し合われる」とだけ語った。

楽天とTBSが経営統合された場合、果たして横浜は本当に売却されるのか。身売り先は、新たな合併があるのか−。球界は再び先の見えない迷路に迷い込んだ。

◇三木谷オーナーに聞く(要旨)

≫(TBSとの事業提携は)いつごろから進めていた話なのか。
三木谷オーナー
「去年の8月頃から事業面の協力に関する話し合いをしてきた。」
≫今日(13日)のTBSの反応は。
三木谷オーナー
「ウチが(TBSの)株を持っているということで、驚かれていたところはあった。しかし、真摯に説明を聞いていただいて感謝している。いい返事を期待したい。」
≫野球協約では2球団の株式を所有することはできないが。
三木谷オーナー
「一般論として一企業が複数の球団のオーナーシップを持つことは好ましくないと思う。コミッショナー、オーナー会議で相談して、今後検討しないといけない。」
≫オーナー会議で協約違反となった場合、球団を手放してでもTBSとの提携を進めるのか。
三木谷オーナー
「野球以外の問題にも整理しなければならない問題はある。もし(統合が)うまくいった場合、(球団の扱いは)先方との相談事項かなと考えています。」
≫楽天イーグルスのファンに一言。
三木谷オーナー
「監督問題などで不安感を与えてしまって申し訳ない。チームは拡張ドラフトをやってもらえない中、基礎を作っている段階。安心して応援して欲しい。」
横浜・峰岸進球団社長
「(2球団保有は)好ましくない。コミッショナーに相談してもらわないと、私としては何とも言いようがない。(楽天と)合併するということではないと思う。(コミッショナーも)合併の難しさは分かっている。資本提携は考えられない。」

◇野球協約(抜粋)

第十九章 公正な試合確保のための利害関係の禁止
第百八十三条(他球団の株式所有)
球団、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主、球団の役職員および監督、コーチ、選手は直接間接を問わず他の球団の株式、または他の球団の支配権を有するとみなされる会社の株式を所有することはできない。
ただし、オーナー、球団の株式の過半数を有する株主、または過半数に達していなくても、事実上支配権を有するとみなされる株主による他の球団の間接所有については、他の球団との利害関係が客観的に認められないと実行委員会およびオーナー会議が判断した場合は、この限りでない。(以下略)

◇売却先は『USEN』が最有力

横浜が売却となった場合、身売り先として本命視されるのが情報通信大手『USEN』(本社・東京都千代田区、旧有線ブロードネットワークス)だ。USENは昨年も水面下でTBSと横浜球団株の譲渡について交渉。TBSの「150億円以上」の提示に対してUSENは「100億円が上限」と主張し、交渉決裂していた。USENは平成13年から楽天と合弁でネット映像配信を手がける「ショウタイム」を設立。同社の宇野社長と三木谷社長は親しい関係にあり、横浜関係者も最近になって「USENが球団にかなり興味を持っているようだ」と証言している。

◇巨人・渡辺会長が球団の統廃合危惧…三木谷氏擁護も

巨人・渡辺恒雄球団会長(79)は13日夜、楽天がTBSの筆頭株主になったことに伴い、横浜を実質的に支配する可能性について「1法人が2球団を持つことは厳禁」と指摘しながらも「三木谷オーナーもそれはよく知っている」と擁護した。

渡辺会長はこの日都内で会食後、今回の問題が表面化する前に三木谷オーナーから説明があったかとの質問に「それは2人だけの話だから」と事前の接触があったことを示唆。しかし、今回の株取得が野球協約第百八十三条に抵触するとし「横浜がどうなるか、楽天がどうなるかだ」と今後に疑問を投げかけた。

さらに渡辺会長は球界を取り巻く再編の動きについても仰天の暴露。

阪神電鉄の筆頭株主になった村上ファンド率いる村上世彰氏(46)の後ろ盾として「宮内さんがいるんじゃないか」とオリックスの宮内オーナーの存在を指摘した上で「オリックスと阪神。キャピタル(資本)が一緒だと2球団は持てない」と暗にこの動きを批判。

また、球界参入に意欲的なライブドアの堀江貴文社長(32)が、広島カープの買収に乗り出していると明かして「財界と政界の大物がホリエモンを後押ししてカープを買わせようとしている」と警鐘を鳴らした。

「大阪(阪神とオリックス)と広島と東日本(横浜と楽天)で例の問題(球団の統廃合)が起きたら、たまったもんじゃない。俺は今度は一切口を出さないし、表にも出ない」と渡辺会長。IT関連の新興勢力の進出は、もはや政財界に強い影響力を持つ渡辺会長も想定外。今後も全く予断を許さない状況が続きそうだ。

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エースの意地だロッテ清水[ニッカン]

ロッテ清水がエースの意地を見せた。後半戦不振で第1ステージの登板機会がなかったが、苦手のソフトバンクを相手に7回を4安打2失点の好投。チームを連勝に導き「迷惑を掛けてきたけど、今日は自信を持って投げ込めた」と笑みがこぼれた。

ソフトバンクには、今季7試合に登板して2勝5敗と相性は最悪。プレーオフ前には「何が悪いかをじっくり考えたい。フォームの矯正も含めて、何でもやる」と、ワインドアップから制球重視のセットポジションでの投球に切り替えた。

この修正が大舞台で吉と出た。「セットにして投球に安定感が出た」と自信を回復、3−5番の主軸に対して強気の攻めで無安打に封じた。

後半戦は負け試合が続き、リーグワーストの27本塁打を浴びるなどどん底を味わった。それだけに「この勝ちは本当に嬉しい」という言葉には実感がこもっていた。

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西岡が流れ変えた![ニッカン]

1番西岡がロッテの嫌な流れを変えた。先制された直後の6回、先頭で打席に入ると「ここまで2打席凡退で1番の仕事ができていない。3度目の正直や」とばかり、力投する斉藤から一塁線を破る二塁打。1死満塁となった後、フランコの二塁打で同点のホームを踏んだ。この日、怪我のため出場選手登録を外れた小坂から「頑張ってくれ」と励まされたという。21歳の西岡は「手本にしている小坂さんと一緒に日本シリーズに出たい。だから、優勝するまで喜びはない」と気を引き締めていた。

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ロッテ王手ボビーマジックだ[ニッカン]

ロッテが2連勝で31年ぶりのリーグ制覇に、あと1勝とした。「マジック」と形容されるバレンタイン監督の采配が見事に決まった。第1戦で9番の西岡をこの日は1番に入れ、このプレーオフ3試合で1安打しかしていないフランコを5番に。1点を追う6回、この2人の二塁打が逆転を生み出した。

バレンタイン監督は、打順について「2人は(その打順に)何度も使っている。信頼しているんだ」と言う。殊勲打のフランコは「大きな夢をつかむために、1球1球に集中している。負ける訳にはいかない」と力を込めた。

試合後、ベンチに輪ができ、中心でバレンタイン監督が日本語で叫んだ。「またしましょう!」。分からなくても心は通じる。ナインはそれに呼応して「オー」と勝ちどきの声を上げた。ロッテの勢いは止まらない。

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阪神岡田監督と矢野が偵察[ニッカン]

セ・リーグを制して日本シリーズに出場する阪神の岡田彰布監督が2戦を偵察した。ロッテの強さばかりが目立つ第2ステージ。岡田監督は、ソフトバンクの中軸打者を封じたロッテ投手陣について「交流戦とは攻め方も配球パターンも違った」と分析。「収穫があったか」との問い掛けに「おう」と短く答えただけで、帰りの車に乗り込んだ。

選手でただ1人観戦した矢野捕手は、ロッテ打線について「派手さはソフトバンクだが、ロッテの方がつなぎがうまい。作戦の立て方も、色んな打順からできる」と警戒した。岡田監督は14日に宮崎入りし、教育リーグに参加している主力選手の調整ぶりを視察する。

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楽天のTBS株式買収で協約抵触も[ニッカン]

楽天がTBSの筆頭株主となったことで、他球団またはその親会社の株式所有を禁じた野球協約に抵触する可能性が浮上してきた。楽天は自前の球団を所有し、TBSは横浜の支配権を握っている。21日の実行委員会や11月4日のオーナー会議で協議し、対応策を迫られることになった。

コミッショナー事務局の長谷川一雄事務局長は、楽天側から「いずれにしても説明しますという連絡はあった。当然(実行委などで)話すことになるでしょう」と語り、小池唯夫パ・リーグ会長は「今はコメントする段階ではない。コミッショナーからは何も聞いていない」と慎重な姿勢を示した。

楽天の三木谷浩史社長は13日の会見で「1つの企業が複数の球団を持つことは好ましくない。コミッショナーと相談したい」との認識を示した。

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12・6選手会、ファン感謝祭

日本プロ野球選手会(会長・古田敦也)は12月6日に都内でファン感謝イベント「LOVE BASEBALL!FESTA 2005」を初開催する。12球団選手の投票による「選手が選ぶ05年ベストナイン」の結果発表や、現役選手とのキャッチボール大会など、古田会長ほか12球団から約20人の選手も参加予定。一般公募した“野球っていいな”を感じた瞬間のエピソード「LOVE BASEBALL!エピソード賞」や「LOVE BASEBALL!ベストゲーム賞」の表彰も行われる。

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再編が生んだ楽天から新たな激震が…

◇根来コミッショナーは慎重

コミッショナー事務局は、楽天のTBS株取得について慎重な姿勢を見せた。根来コミッショナーはこの日午前、「報道されていますけど、事実関係が分からないので、コメントのしようがない」との談話を発表。長谷川事務局長は「楽天さんから後日説明します、という電話があったので、お願いしますと伝えた。これだけ話が出ている訳だから(実行委員会かオーナー会議で)当然話は出るでしょう」と話した。

◇売却意思なし

横浜峰岸球団社長
「若林オーナーから電話をもらい『(村上ファンドから)球団売却を迫られたという話はない。安心してください』と説明があった。現経営陣も売却の意思は持っていない、ということ。親会社の問題に口出しはできないが、困惑している。楽天は、ネット配信などの業務提携、村上ファンドは不動産など優良な資産に関心があるのではないか。純粋な親会社の資本経営の問題ととらえている。しかし野球協約上、問題はないか。(19日に予定されている)オーナーへのシーズン報告の席で、対応策を検討する。」

◇楽天は後日説明

TBSへの提携申し込みについて仙台市内の楽天野球団事務所は慎重な対応に終始した。米田球団代表は「現時点でコメントできることはない」とだけ、話した。それでも、球団の二重保有にかかわる問題だけに、井上球団取締役からコミッショナー事務局に対して電話連絡。謝罪すると同時に、後日事情説明に訪れることを伝えた。

◇戸惑うパ会長

パ・リーグの小池会長は戸惑いを隠せなかった。プレーオフ第2ステージ視察で福岡を訪れているが、球場入りするなり報道陣に取り囲まれた。楽天がTBSの大株主となったことを質問されると「こちらに来て新聞で初めて知った。今はコメントする段階ではない」と話し、リーグとしてはまだ確認がとれていないようだ。「(株主に変更があった場合は)コミッショナーに届けることになっている。実行委員会(21日)があるので、色々事情を聴きたい」。優勝争い真っ只中のニュースに「色々なことが起きますな」と本音ものぞかせていた。

巨人清武球団代表
「(実行委員会で説明を)も止めるというか(楽天が)説明するでしょう。阪神だって説明義務があると野崎さん(阪神連盟担当)が言っている訳だから、それは楽天からも当然ある訳でしょう。重大な問題ですよ。183条との整合性?分かってのことだと思う。何らかの考えがあってのことだと思うので、その考えを聞きたい。」
阪神牧田球団社長
「(問題があるのか)これから考えることになる。今は分かりません。そういう(協約に違反するかどうかの)問題は出てくるでしょう。」
オリックス小泉球団社長
「私共のチームに影響するとは考えられないが、球界には影響すること。12球団の1つの株主が変わるということですから。しかしこの動きがどう帰結するのかは分からない今、コメントするには早いと思う。」
ソフトバンク笠井オーナー代行
「楽天さんには楽天さんの意図があってやられていることでしょう。野球協約に抵触?直接確認している訳ではないので、今の段階では何とも言えない。」

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