わたしはかもめ2005年鴎の便り(10月)

便

10月16日

プレーオフ第2S…福岡ソフトバンク3−2千葉ロッテ(ヤフードーム)

ソフトバンクが2連勝で2年ぶりのリーグ制覇へ逆王手をかけた。ソフトバンクは2回ズレータの1号ソロで同点に追いつくと、4回に再び勝ち越しを許すが、その裏ズレータの2打席連続2号2ランで逆転に成功。そのまま小刻みな継投で1点差を守り逃げ切った。3人目吉武がプレーオフ初勝利、馬原が初セーブをマーク。ロッテは1回にベニーの適時打で先制、4回里崎の2号ソロで勝ち越すが、5回以降はランナーを出すものの無得点で2連敗。8回完投の小林宏が負け投手。明日の予告先発は、ソフトバンク杉内、ロッテ・セラフィニ。

123456789R
千葉ロッテ1001000002
福岡ソフトバンク01020000x3
大塚
「バントの場面で投手が好守の吉武に代わるのは分かっていました。カットボールが来るのも分かっていたけど…。難しいですね…。とにかく気持ちを切り替えて、明日に全てをぶつけるだけです。」
里崎
「結構ギリギリだったけど、体がうまく反応してくれましたね。みんなに出番がない、と言われましたけれど、僕に風が吹いてきましたね。プレーオフも楽しんでやっています。オールスター並みに楽しいですよ。2勝2敗といっても、明日勝てばいいんですから。杉内投手からは1発を打っていますからね。嫌なイメージはないです。向こうも考えるでしょうけれど、こっちも考えます。」
「負けたことはしょうがないです。ソフトバンクのピッチャーは良いピッチャーが多いので、そんなに打てないですよ。でも、その投手陣から2安打は打ったんですが…。昨日のムードは引きずってはいなかったです。いつもと同じように、やるべきことは、みんなしっかりできていました。とにかく明日、明日ですよ。」
バレンタイン監督
「春のキャンプからずっと楽しもうと言って来た。この時期まで野球ができる最高の楽しさを味わっている。明日は全力を尽くして、全身で最高の楽しみを味わってくれるはずだ。」

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ボビー「五分になっただけ」[ニッカン]

◇「五分になっただけ。選手は野球の楽しさを味わってくれるはず」

第2ステージを連勝し王手をかけていたロッテが、2勝2敗のタイに押し戻された。先発小林宏之投手(27)がソフトバンク打線を5安打に抑え完投したが、ズレータの2発にやられた。敵地で臨む第5戦も1点を争う激戦となりそうだが、ボビー・バレンタイン監督(55)は「明日(17日)は野球の楽しさを味わってくれるはずだ」と話し、落胆はない。バレンタイン率いる不屈のロッテが、31年ぶりのリーグ制覇をかけ、必勝の最終戦に臨む。

まさかの2連敗にも、バレンタイン監督は最後まで闘志をむき出しにした。9回、今江のハーフスイングが空振りと判定されると、ベンチを猛然と飛び出した。一塁審判に激しく詰め寄った。判定は変わらなかったが、ロッテの「諦めない」姿勢を貫いた。試合後はベンチで「明日は勝ちましょう!」と声を張り上げた。会見では頬を紅潮させ、前向きなコメントに終始。追い詰められた様子はまったく見せなかった。

バレンタイン監督
「プレーオフらしいエキサイティングな野球だった。両チームとも最高のプレーをしていた。キャンプの時から野球は楽しいものだと言い続けてきた。今、まさにそれを経験している。それが分からない者は、違う仕事を見つけた方がいい。」

逆王手をかけられても「楽しむ」姿勢を強調した。試合は2度のリードを守れず、2夜連続の逆転負け。打線も5回に無死一、二塁の好機をつかんだが、相手の好守もあり、大塚が痛恨の送りバント失敗。後続も倒れ、反撃の機会を逸した。先発の小林宏は前回登板で西武との2戦目に先発、7回2/3を1失点の好投で第1ステージ突破を決めた。だがこの日はズレータに2回に同点弾、4回に2打席連続となる逆転2ランを浴びた。

「1発目はスライダーが甘く入ってしまった。悔い?だいぶある。ボールが先行してカウントの取り方が悪かった」と振り返った。前日15日は9回4点リードで優勝目前で守護神の小林雅が崩れ、サヨナラ負け。それでも「嫌な雰囲気?全くなかった。相手の声援も楽しめた」と話した。「明日はみんなで勝ちたい」と逆転弾後は15打者連続で完璧に抑え、役割を果たした。

バレンタイン監督も小林宏について「気持ちを全て出し切った。誇りに思う」と称えた。17日、勝った方が優勝という大一番を迎える。「特にどちらが後がないという気持ちではない。五分になっただけ。明日は全力でプレーして野球の楽しさを味わってくれるはずだ」。ボビー・ロッテが31年ぶりの優勝へ、1つになる。

◇バント失敗大塚「明日勝ってチャラ」

2番で起用された大塚がチャンスメークできなかった。1、3回はいずれも無死一塁で空振り三振。5回無死一、二塁では投前にバントを試みるが、走者が三塁で封殺された。「相手もチャージしてきたし、仕方ないけど自分の責任」。ただ2連敗のショックはなく「明日勝てば、全てチャラになる。全てをゼロにして臨みます」。

◇重光オーナー代行「服替えます」

優勝目前からの2連敗にロッテ重光オーナー代行は「洋服を変えます。2日同じスーツだったので」と、験の担ぎ直しを口にした。試合前はソフトバンク孫オーナーと「どちらが出場してもパの代表として頑張りましょう」とエールを交換。タイにもつれ、まさにパ・リーグを盛り上げる結果になったが「帰京の飛行機もキャンセルします」と苦笑いしていた。

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里崎、投手をかばう[ニッカン]

女房役のロッテ里崎は敗戦にもうつむかなかった。4回には勝ち越しソロを放つも、バッテリーを組んだ小林宏がズレータに同点、逆転と2発浴びた。「(小林宏は)責められないでしょう。5安打3失点ですから」とかばった。「(打で)風は来てる。まだソフトバンクに流れは行ってない。明日全てが決まります。ボクはオールスター並みに楽しいですよ」と前向きだった。

◇サブロー「悪くない」

サブロー
「試合の流れ的には昨日(15日)も先制点を取っている訳だし、悪くないと思います。やっぱりソフトバンクは強いですからね。明日は1年やってきたことが生きるかどうかです。」
福浦
「カットボールでした。吉武投手の1番いい球種なので最初から狙っていったんですが、打ち損じました。」(5回1死一、二塁で補邪飛)
「チームの雰囲気はいいし、昨日(15日)の(逆転負けの)影響はない。やるべきことはちゃんとやって、明日に臨むだけ。」(2安打も勝利につながらず)

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ハーフスイング巡り抗議[ニッカン]

9回1死からロッテ今江のハーフスイングを川口球審はボールと判定。ソフトバンク王監督の指摘で一塁塁審がスイングによる三振と判定したことで、今度はロッテ・バレンタイン監督が抗議に飛び出した。スタンドからは判定が覆ったように見えた場面だが、川口球審によると「捕手の的場の声によるアピールがなかったため、塁審に判定を要請しなかった。王監督のアピール後にあらためて要請しました」と説明。柳田一塁塁審も「球審の要請を受けスイングと判定しました」。

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タメ息1万5000人、ボビー神社に必勝祈願[ニッカン]

16日のパ・リーグプレーオフ第2ステージ第4戦でロッテの負けが決まった瞬間、入場無料のパブリックビューイングを行ったロッテ本拠地千葉マリンスタジアムでは、前夜15日に続き、内野スタンドを埋めた約1万5000人のロッテファンの悲鳴が虚しく響いた。

日曜で翌日から仕事がスタートする人が多いこともあって、がっくりしながら潮が引いていくようにスタンドから人影が消えていく。

それでも、球場裏通路に設置された必勝祈願のバレンタイン神社の前には「明日こそ勝てますように」と手を合わせる姿もあった。オリオンズ時代の青いユニホームで駆けつけた岡崎淳さん(42=会社員、船橋市在住)は「私はファンになって12年だけど、川崎市に住む知り合いからこの青いユニホームを譲り受けた。川崎時代のファンの気持ちもこもっている。もちろん、明日も応援に来る。絶対、優勝だ」と叫んだ。

まだ、2勝2敗のタイ。31年ぶり優勝への夢は終わっていない。

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連夜の逆転負けもボビー「最高のゲーム」[スポニチ]

簡単には勝たせてもらえない。試合後、ベンチにナインを集めたバレンタイン監督はいつもに増して激しく叫んだ。「プレーオフらしい最高のゲームだった。明日は絶対に勝ちましょう」。

前夜は悪夢だった。9回の4点リードを守護神・小林雅が守れずに、延長10回の末にサヨナラ負け。この日は判定に泣かされた。1点を追う9回1死、今江のハーフスイングがボールと判定された直後、王監督の抗議により、これが覆った。

三振の判定に顔を真っ赤にしてベンチを飛び出したバレンタイン監督の“再抗議”も報われることはなかった。そしてマウンドの小林宏はズレータの2発に泣いた。2回にスライダーを左翼へ運ばれ同点。4回には直球を右中間席へ逆転2ランされた。

「打たれた球というより、そこまでの球が…。ストライク先行で攻めないと、駄目なのに…悔しい」。シーズンでは無安打に封じ込んだパナマの怪人だったが、いずれの本塁打もカウント1−2からストライクを取りにいったところ叩かれた。

それでもバレンタイン監督は「本当に気持ちを強く持って投げてくれた。誇りに思う。ズレータに対してもいい球を投げていたが、本当にいい打者だ」と5回以降はパーフェクト投球した右腕をねぎらった。

2連勝からの2連敗。それでも追い込まれたとは微塵も思っていない。ソフトバンクとの今季対戦成績は10勝10敗。シーズン1位がソフトバンクなら、交流戦の初代王者はマリーンズだ。恐れるものなど何もないのだ。

「春のキャンプから“野球は楽しむもの”と言ってきた。この時期に野球ができることは素晴らしいこと。それが分からないものはほかの仕事を探した方がいい。ナインは全身でその楽しさを味わってくれるはず」。最後の決戦を前にボビーが説いたのは「エンジョイ」。大きな夢が目の前にあることは変わりない。

◇大塚、痛恨ミス

2番で3試合ぶりにスタメン出場した大塚は、2三振を含む3打数無安打。1点を追う5回には無死一、二塁で送りバントを試みたが、投前への強いゴロとなって二塁走者が三塁で封殺された。結局、この失敗が響いてこの回以降は無得点。チームの追い上げムードをぶち壊して「何とも言いようがない。自分の責任」とうな垂れていた。

◇里崎、空砲にも“余裕”

里崎の豪快な1発も空砲に終わった。4回に「無我夢中で打った」とバックスクリーン左に一時は勝ち越しとなる2号ソロ。第1戦以来3試合ぶりの先発マスクで結果を出した。2勝2敗に持ち込まれたが「今日やった感じではまだそんなに相手に流れはいってないと思う」と余裕を見せ「明日は甲子園の決勝みたい。面白くなってきた」と頼もしかった。

◇“疑惑”払拭ベニー先制打

ベニーが“かぶり物疑惑”を払拭する先制打を放った。初回2死一、三塁から中前に運び「コンパクトに徹して打つことができた」。勝利を目前にした15日の試合で大道から「9回にベニーがかぶり物をしていた」と指摘されたが、この日になって大道が訂正。ベニーも「オレは何もかぶってない」と疑惑が晴れたとあり、胸を張った。17日の最終決戦には「もう明日しかない。勝利に向かってチームが1つになるだけ」と語った。

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リーグVは渡さない!バレンタイン監督は“笑って”舞うぞ[サンスポ]

勝利に酔いしれるホークスファンの歓声が、体中に突き刺さる。2連勝からの2連敗。フランコが三振に倒れると、ベンチでナインは呆然と立ちつくした。

「プレーオフらしいエキサイティングな試合だった。お客さんがお金を払うだけの、価値のあるゲーム。(小林宏は)全てを出して投げてくれた。2勝2敗の五分になっただけだ」。悔しくてたまらない。それでもバレンタイン監督は冷静に振り返った。

ベニーが1回、先制の中前適時打。同点の4回には、里崎の本塁打で突き放した。しかし、その後はソフトバンクの継投を打ち崩せず。小林宏の熱投も、ズレータの2発に沈んだ。

1点ビハインドの9回には判定に納得がいかず、必死の猛抗議。今江の2−1からのハーフスイングを1度はボールと判定されたが、王監督の抗議で三振に覆った。ベンチから飛び出し、一塁塁審に顔を真っ赤にして詰め寄った。勝利への執念を前面に出した。

もう、敗戦を悔やんでも仕方ない。泣いても笑っても、残り1試合。敵地での最終決戦は、ソフトバンク有利。しかし、大一番を前にして、ボビーに気負いはない。“絶対に勝て”と鼓舞もしない。逆に『エンジョイ・ベースボール』を強調した。

バレンタイン監督
「キャンプの頃から言っているが、野球は楽しいこと。この時期にできるのは、限られたチーム。その楽しさを選手には体全体で感じて欲しい。」

最後だから、決戦だから、原点に戻る。野球を始めたころ、夢中でボールを追いかけた。素晴らしき野球。プレッシャーも含めた全てを受け止めて、笑って野球をやるんだ−。

バレンタイン監督
「それができないなら、他の仕事を見つけた方がいいよ。」

いまさら、尻を叩くつもりはない。引き分けも許されない1戦。31年ぶりのパ・リーグ制覇は、笑って手に入れる。

◇小林宏5安打好投も2発に泣く

小林宏はズレータに喫した2発に泣いた。2回の同点ソロには「スライダーが抜けた」と失投を認め、4回の逆転2ランには「カウントを悪くしてしまった」。カウント1−2からの外角直球を打ち返された。5回以降は無安打の力投で完投したが、レギュラーシーズンではズレータを5打数無安打、3三振と封じ込めていただけに「悔いがだいぶ残る」と顔をゆがめた。

◇重光オーナー代行、スーツ替えて勝つ!

連日の観戦も連敗に、ロッテ・重光昭夫オーナー代行は「これで五分に戻ったということです」と31年ぶりのリーグ制覇に静かな闘志を燃やした。17日に帰京する予定だったが、航空機のチケットをキャンセル。同じスーツを着ていて連敗したため「明日はスーツを替えないといけません」。

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鷹・杉内を撃ち落とす!ガンガン行くぞ“マリンガン打線”[サンスポ]

追い詰められた。いや、五分に戻っただけだ。わずか5安打に終わった打線が、17日の最終決戦に思いを巡らせた。ソフトバンクの強力打線と真っ向勝負。“マリンガン打線”の意地にかけて、タカを撃退する。

里崎
「今日の負けは、仕方がない。流れが相手にいったとは思っていないし、勝利の女神はまだどっちに微笑むか決めていないでしょう。」

4回、一時は勝ち越しとなるソロを放った里崎は敗戦後、すぐに気持ちを切り替えた。

17日の先発は左腕・セラフィニ。“優勝決定戦”だけに、敵地のプレッシャーは相当なもの。打線の援護が勝利の絶対条件だ。相手先発の左腕・杉内は12日の第1戦で、8回途中8安打4失点。今季リーグ戦で、2戦2敗だった苦手意識は既に払拭している。

その試合で2安打を放った大塚が「全ては明日。砕け散ってもいい」とつぶやけば、8回に杉内を降板させる右中間二塁打を放った福浦も「明日は絶対に投手を援護します」と、言葉に力を込めた。

さあ、決戦だ。31年ぶりのリーグ優勝は渡さない。「この1年間やってきたことが出る試合になる。集大成ですよ」。

“つなぐ4番”のサブローが、ナインの気持ちを代弁した。10・17福岡決戦。“マリンガン打線”が火を噴く。

◇娘に怒鳴られ…小林雅は挽回誓う

前夜、まさかの乱調で4点のリードをふいにした小林雅は、普段と変わらない快活な表情で球場入り。「昨日は、幼稚園に通う娘に“ばか”と怒鳴られた。6歳なのに厳しい」と苦笑いした。「甲子園は歓声が空に抜けるが、ヤフードームは声が落ちてきた」と、敵地で投げる重圧に屈した格好だったが「免疫がついたので大丈夫」。ロッテが前回優勝した昭和49年に生まれた守護神は、名誉挽回の登板を待望していた。

◇最終決戦はセラフィニ先発

第5戦の先発はセラフィニ。最終決戦にかかるプレッシャーは計り知れないが「このシリーズは全ての試合が大事。気持ちはいつもと変わらない」とポーカーフェース。12日の第1戦から中4日。前回は6回途中まで4安打1失点と好投した左腕に、バレンタイン監督は運命を託した。

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ボビーマジック不発[報知]

怒りと悔しさを押し殺して、ボビーは未来だけを見据えた。「後がないとは思っていない。五分になっただけだ」。2連勝後の2連敗。前夜、小林雅の乱調から始まった悲劇のシナリオを断ち切れなかった。

指揮官の執念は実らなかった。初回、サブローのハーフスイングを三振と判定されると、帽子をとって不満の色をにじませた。9回に再び今江がスイングを取られたときは、ベンチを飛び出して猛抗議。判定は覆らず、「判定で2つの大きなアウトをとられた」と無念さを滲ませた。

“ボビー・マジック”が輝きを失いかけている。7月5日以来の2番で起用した大塚が大ブレーキ。2打席連続三振で迎えた1点ビハインドの5回、無死一、二塁。バレンタイン監督は攻撃的2番打者に送りバントを命じた。打球は投手正面に転がり、三塁封殺。身上のつながりを断たれたロッテに、反撃の術は残されていなかった。

無安打に終わった大塚は「自分の責任です」とうつむいた。本来の2番打者・堀を9番に下げての抜擢は完全に裏目。堀が2安打と気を吐いたのも皮肉だった。「投手のフィールディングもよかったが、もう少しいいバントができたかもしれない」と指揮官。狂い始めた歯車。“マジック”の象徴、4番・サブローも11打席無安打とトンネルに迷い込んだ。

2勝2敗。切迫感を振り払うようにボビーは切り出した。「この時期に野球ができるのは素晴らしい経験。もし、この楽しみを分からない選手がいるなら、別の仕事に就けばいい。明日は体全体でその感覚を味わってくれると思う」。

本塁打を放った里崎は「プレーオフはオールスター並みに楽しい。だって、好きなことをやってるんだもん」と敗れてなお、笑顔を見せた。昨年はストライキで2試合を失い、0.5差でプレーオフ出場を逃した。奇跡的な躍進を遂げた今季。悪夢を繰り返す訳にはいかない。ボビーのトータルベースボールは最終戦でよみがえる。

◇小林宏、完投も報われず

力投は報われなかった。8回3失点完投。先発投手の役目は十分に果たしたが「敗戦」という結果が残った。「今日は何とかしたかったんですけどね」。2度のリードを守りきれず、31年ぶりの歓喜の瞬間を手放した無念さが全身を包み込んでいた。ズレータの圧倒的なパワーに屈した。2回は抜けたスライダー、4回には外角ストレートを豪快にはじき返された。着弾点はいずれもスタンドの最前列。「カウントの取り方が悪かった。僕にもっと力があればね」。レギュラーシーズンでは5打数ノーヒットと完璧に抑え込んでいただけに、余計に悔いが残った。意地は見せた。2発目を浴びた後は、打者15人をパーフェクト。救援陣に“休養”を与えて、ファイナルラウンドに臨めることになった。「明日は一生懸命応援しますよ」ともにがけっぷちの最終決戦−。小林宏の奮投を無駄にはできない。

◇マリンに悲鳴

前夜の逆転負けに続いて、この日も1点差負け。パブリックビューイング(PV)観戦のため、千葉マリンを訪れた熱烈なロッテ・ファンは、溜息に包まれた。この日は悪天候で、気温も20度を下回った。さらに前日までは中継のなかった地上波でも視聴可能とあって、ファンの足が遠のくことが危惧されたが、心配をよそに1万5000人が来場し声援を送った。しかし、この日も歓喜の瞬間は訪れなかった。ソフトバンクに逆王手をかけられる結果に「何とか今日決めて欲しかった…」。多くのファンは残念そうに肩を落とした。それでも金網ごしに中年の男性ファンが叫ぶ「明日は仕事が終わったらすぐきます!」。明日がある。夢は終わっていない。

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楽天三木谷オーナー、球団合併否定[ニッカン]

楽天三木谷オーナーがあらためて楽天と横浜の球団合併を否定した。16日、テレビ朝日「サンデープロジェクト」に生出演。親会社で進めるTBSとの経営統合が実現すれば、どちらかの球団を手放す必要を認めながら「僕は2リーグ制で球団数も増えるべきだと思っている」と球団数減少は避けるべきだとした。オリックスと近鉄が合併した昨秋に新規参入した当時を例に「(既存の)球団を買収することも考えたが、それだと11球団になってしまう。だからあえていばらの道を選んだ」と説明。ただし横浜の売却については回答を避けた。

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ライブドア堀江社長、広島買収否定[ニッカン]

ライブドアの堀江貴文社長(32)は16日、広島球団買収の動きについて「全然、何もない」とあらためて否定した。福岡での宇宙旅行事業参入発表の会見で、「ボクらが決める話じゃないって。あれは広島のオーナーとナベツネさん(巨人渡辺球団会長)が決める話。ボクは単なる虫けらみたいなもんで、ポーンと踏み付けられる感じ。僕らは完全に蚊帳の外」と話した。民放テレビの取材にも「やって欲しい、と言われたら考えるが、別にお前なんかいらない、と言われたらそこまでしてやるつもりはまったくございません」と答えた。

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ロッテ、バントミスが命取り[ニッカン]

1つのバントミスが勝敗を左右するポイントになった。ロッテは1点を追う5回無死一、二塁。大塚のバントは球の勢いを十分に殺せず、走者を送れない。後続も倒れ、この回は無得点に終わった。バレンタイン監督は「もう少しいいバントができたと思う」と悔やむ。追い上げムードを絶たれ、これ以降大きなチャンスは巡ってこなかった。8回3失点の小林宏を援護できず、連敗で2勝2敗のタイ。バレンタイン監督は「後がないとは思っていない。五分になっただけだ」と言うが、2連勝して、しかも3戦目は9回に4点をリードしていた。リーグVをほぼ手中にしていた状況からの連敗は単なる五分ではないのは確かだろう。

投手陣の好投を打線が効果的に援護し、勝利に結び付ける図式が、ここにきて崩れた。17日の決戦で引き分けなら優勝はレギュラー・シーズン1位のソフトバンク。ロッテが、崖っぷちに立たされた。

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小林宏2発に泣く[ニッカン]

ロッテの先発、小林宏はズレータに喫した2発に泣いた。2回の同点ソロには「スライダーが抜けた」と失投を認め、4回の逆転2ランにはカウント1−2からの外角直球を狙われたことから「カウントを悪くしてしまった」と話した。5回以降は無安打の力投で完投したが、レギュラー・シーズンではズレータを5打数無安打、3三振と封じ込めていただけに「悔いがだいぶ残る」と厳しい表情だった。

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セラフィニ「俺は知らない」

第5戦予告先発のセラフィニが報道陣をけむに巻いた。試合前は先発の可能性を探られて「明日(17日)俺の登板はない。次は阪神との初戦だ」とニンマリ。予告発表された試合後も「おそらく。ただ、俺は知らない。多分そうだろう」と聞いていないとし、険しい表情で足早に去った。

◇未知数の中4日

第5戦は、第1戦(12日)で先発した杉内とセラフィニが中4日で再び先発対決。第1戦(ロッテ4−2ソフトバンク)では杉内が敗戦投手、セラフィニは勝敗が付かなかった。両者共に中4日の先発はほとんど未知数。杉内の中4日先発は02年7月23日近鉄戦で1度だけあるが、走者満塁から礒部に適時打を許すなど3回1/3を2失点で降板(勝敗関係なし)。セラフィニは中4日以内の先発が過去3度で2勝1敗だが、全て救援登板から中4日以内に先発したケース。先発から先発の間隔が中4日は昨年の来日以来初めて。

◇ロッテ007ビビる

ロッテ007が、球威を取り戻した井川に震え上がった。スコアラー2人がネット裏から観戦。シリーズに向けた直前の状態をチェックした。立野スコアラーは「調子が悪いと聞いていたけど、真っ直ぐがいいね」と驚きの表情を見せ、吉岡スコアラーは「井川はあんなもんじゃない。コントロールは良くなかったけど、確実に仕上がってくる」と警戒。交流戦では井川に完封されており、情報収集に余念がなかった。

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重光オーナー代行、二重否定

ロッテ重光オーナー代行が、楽天のTBS株大量取得などで問題視されている球団の「二重保有」に否定的な見方を示した。この日、福岡ドームで「協約上も好ましくない。それを別にしても、まずいでしょう」と語った。また阪神球団の株式上場問題についても「渡辺会長(巨人)のおっしゃることには一理ある」と否定的な考えを示唆した。

◇若林オーナー、売却否定

横浜の若林オーナーはこの日、TBSの筆頭株主になった楽天に対し「横浜を売ってくれという権限はない」と語り、楽天側が売却を要求しないよう牽制した。この日、楽天の三木谷オーナーがテレビ番組に出演し、両球団の合併を否定。この姿勢に、若林オーナーは「(球団数を)減らしたら絶対、駄目。(球団を)手放すつもりはない。(楽天が売却を求めたら)説得しないといけない」とあらためて単独での継続保有を強調した。

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